車の内装は居住性や快適さはもちろん、乗員やドライバーの気分を盛り上げたり、所有欲が満たされたりするようなデザイン性を備えていることも大切です。そのため、車選びの際にはエクステリアデザインや走行性能だけでなく、内装についてもしっかりチェックしておく必要があるといえるでしょう。
ここでは、トヨタ「スープラ」の内装についてご紹介します。
この記事のPOINT
- 厚みの少ない水平基調のインパネデザインを採用し、スポーツ走行時の見晴らしの良さを確保
- サーキット走行を想定したホールド性の高いスポーツシートを全車標準装備
- シートの素材はグレードによって異なり、最上位グレードの「RZ」では本革シートの選択も可能
スープラの室内空間の特徴
現行型のスープラは、トヨタとBMW社の共同開発によって誕生した本格FRスポーツカーです。そのためパッケージングも通勤や送迎などの生活の足として使用する一般的な車とは一線を画しており、室内空間の広さや居住性の良さをさほど重要視しておらず、すべてが走りを優先する設計になっています。
インパネは厚みを抑えた水平基調のデザインで、ハイスピード時の見晴らし性や車両姿勢の変化をつかみやすいように配慮されています。
また、メーターやスイッチ類などはドライバーの正面に集中配置することで操作性をアップ。さらにタイトで包まれ感のあるコックピットの形状など、サーキット走行を視野に入れた本格スポーツカーならではの室内空間となっています。
スープラの内装
ここからは、スープラの内装デザインについて見ていきましょう。なお、スープラには「SZ」「SZ-R」「RZ」の3種類のグレードがありますが、グレードによる内装の差はシート素材、選択できる内装カラーのバリエーションのみで、デザインそのものに大きな差はありません。
ホールド性にこだわったスポーツシート
出典:トヨタ「スープラ」特長
現行型のスープラでは、サーキットでのスポーツ走行時にかかるGを考慮し、腰を中心にしっかりと体をホールドするハイバック構成のスポーツシートを全車に標準装備しています。
「SZ-R」「RZ」では、前後スライドやリクライニング、シート上下、座面前端上下の調整に加え、ランバーサポートやサイドサポート幅の調整も自動で行ってくれる機能を搭載。運転席にはメモリー機能もあるので、ドライバーは一度ポジションを決めると次回からは簡単にベストなドライビングポジションで運転を始められます。
視認性が良く、運転に必要な情報が集約されたメーター
メーターには視認性の良い高精細TFTカラーモニターを採用。タコメーター内にシフトタイミングインジケーターを表示するなど、走行時に必要な情報を集約し、ストレスを感じることなく運転に集中できる環境を作り上げています。
また、「SZ-R」「RZ」には、車速やナビに連動したルート案内など、運転時に必要な情報を運転席前のウィンドシールドガラスに投影するカラーヘッドアップディスプレイが搭載されています。ドライバーの視線移動を少なくし、安全運転に貢献してくれる装備です。
ステアリングスイッチ&専用リモートコントローラー
出典:トヨタ「スープラ」特長
スープラでは、すべてのグレードでオーディオやハンズフリー通話、音声認識などの操作が可能なステアリングスイッチが標準装備されています。ステアリングから手を離すことなくさまざまな操作ができるのはドライバーにとってうれしいポイントでしょう。
出典:トヨタ「スープラ」特長
また、センターコンソールには専用リモートコントローラーが搭載されています。これはナビの遠隔操作システムで、タッチパッドを備えており、スクロール操作や行き先などの手書き入力も可能です。
グレードによって異なる点
スープラは、シート形状は全グレード共通ですが、表皮の素材がグレードによって異なります。
エントリーグレードの「SZ」では、扱いやすくカジュアルな印象のファブリックを採用。
ワンランク上のグレード「SZ-R」では、アルカンターラ®と本革を組み合わせたコンビシートで、上質感を演出。アルカンターラ®は海外の高級スポーツモデルにも多く採用されている人工スエード調素材です。
最上級グレード「RZ」では、シート素材は「SZ-R」と同じアルカンターラ®と本革のコンビですが、「SZ」「SZ-R」のカラーがブラックであるのに対し、「RZ」ではアグレッシブさを演出するイグニッションレッドが標準仕様となっています。
さらに、「RZ」ではオプションで本革シートを選択することも可能です。本革シートはブラック、タンの2色の設定があります。
ブラックはスポーツモデルらしい精悍さと上質さを両立させ、端正な印象を演出します。タンは本革シートならではのラグジュアリーさを演出。FRスポーツカーであっても高級感を追求する方におすすめのカラーです。
スープラのポケッテリア
スポーツ走行時はさておき、ドライブを楽しむ際などはドリンクの置き場所や身の回りの品を収納するスペースが必要です。
本格的なスポーツカーの場合、走行性能を突き詰めているため収納はほとんど用意されないモデルも少なくありませんが、スープラは実用性にも配慮されており、センターコンソールに2個のカップホルダー、助手席前にはグローブボックスが装備されています。グローブボックスは照明・キー付きなので夜間でも使用しやすいことに加え、プライバシーもしっかりと守られます。
また、「SZ-R」「RZ」には運転席・助手席の両方にシートバックポケットが備わっています。
このほか、フロントコンソールには充電用USB端子が1個備わっているため、ドライブしながらスマートフォンなどを充電することも可能。本格スポーツカーであってもこうした利便性が確保されているのは特筆すべき部分といえるでしょう。
スープラの荷室
ポケッテリア同様、荷室容量や荷室の使い勝手にもそれほど配慮が見られないピュアスポーツカーが多い中、スープラは大型スーツケースが収納できる290Lの荷室容量を確保しています。
また、荷室と室内を区切っている壁の形状を工夫することで、ゴルフバッグなどのある程度の長さのある荷物の積載も可能です。一般的なファミリーカーのようなシートアレンジができない2シーターのスポーツカーではありますが、大人2人のちょっとした旅行やゴルフなどのレジャーであれば対応できるでしょう。
スープラはピュアスポーツカーでありながら実用性も備えている
スープラは走行性能を追求したモデルであるため、タイトなキャビン形状、包まれ感のあるコックピットなど、典型的なFRスポーツカーの内装デザインを採用しています。
そのためメーターやスイッチ類の配置、シートの形状などはドライバーが運転に集中できるように徹底されている一方で、カップホルダーや照明・キー付きのグローブボックス、大型スーツケースが積載可能な荷室などを備え、実用性も確保しています。
本格的なスポーツカーには実用性が期待できない、といったイメージが先行しがちですが、スープラはサーキットでのスポーツ走行時はもちろん、高速道路でのドライブや街なかでの移動など、さまざまなシーンで不便さを感じることがないように配慮されているモデルといえるでしょう。
よくある質問
Q1:スープラの室内空間の特徴は?
A:現行型のスープラはトヨタとBMW社の共同開発によって誕生した本格FRスポーツカーであり、タイトなキャビン形状や包まれ感のあるコックピット、ホールド性の高いスポーツシートなど、日常生活の足として使用する一般的な車とは一線を画した内装となっています。
Q2:スープラの内装はグレードによって違う?
A:スープラは、基本的な内装デザインは全グレード共通ですがシート素材とカラーに差があります。エントリーグレードの「SZ」のシート素材はファブリック、「SZ-R」はアルカンターラ®+本革のコンビシートです。最上級グレードの「RZ」は、シート素材は「SZ-R」と同じですが、ほかのグレードの内装カラーがブラックであるのに対し、イグニッションレッドが標準仕様になります。
Q3:スープラの荷室は?
A:スープラは、大型のスーツケースが収納できる290Lの荷室容量を確保しています。また、室内と荷室の壁を隔てている壁の形状を工夫することで、ゴルフバッグなどのある程度の長さのある荷物も積載可能です。
※この記事は2023年11月時点の情報で制作しています