スズキはコンパクトSUV「クロスビー」のマイナーチェンジモデルを 2025年10月2日 より発売開始すると発表しました。2017年にデビューしたスズキ「クロスビー」は、コンパクトカーのソリオをベースに軽自動車の人気クロスオーバー「ハスラー」との共通性を持つデザインを採用したモデル。今回のマイナーチェンジではフロントマスクを中心に外観デザインを刷新、またエンジンやトランスミッションも一新するなど大きく進化を遂げています。
フルモデルチェンジに近い大幅な変更
本来であればフルモデルチェンジでもおかしくないタイミングで行われたクロスビーの大幅なマイナーチェンジ。その改良モデルは、“アクティブシーンに似合う個性的なデザインと広い室内空間を兼ね備えたコンパクトクロスオーバー”をコンセプトに、従来モデルの特長である「愛着のわくデザイン」「使いやすく広い室内空間」に加え、先進安全装備・快適装備の拡充、走行性能・燃費性能の進化を図っています。
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フロントマスク刷新でシャープな見た目に

フルモデルチェンジかと思わせるほど大きく印象を変えたフロントマスクは特に目を引きます。従来のクロスビーはハスラーよりもボリュームのあるデザインを採用していましたが、率直に言ってハスラーのデザインの良さを継承しているとは言い難く、販売台数もハスラーほどの存在感を示すことができませんでした。

その反省を踏まえたのか、改良新型は「角を丸めた四角をモチーフ」にしたエクステリデザインとし、SUVらしい力強さと遊び心を表現したとスズキはアナウンスしています。フロントマスクの刷新により従来モデルと比べて“スクエア&ソリッド”な印象に変化し、SUVらしさを獲得したのは間違い無いでしょう。













ボディカラーも刷新され、「ミスティックブルーメタリック」などの新色を含む 全13通り(2トーン9色・モノトーン4色) を設定。豊富なカラーバリエーションもユーザーの個性・遊び心を反映しやすくなりました。
インパネを中心にインテリアも変更





インテリアもインパネやドアトリムを全面刷新し、革とステッチを模したパネル、二段式センターコンソールを採用することなどで印象が大きく変わっています。


SUVらしい力強さと上質さを表現しつつ、フロントドアトリムとインパネが繋がり室内が広く見えるデザインとしたとスズキはアナウンスしていていますが、個性的なデザインだった空調周りのスイッチは一般的なものに改められています。

この他、装備面では電動パーキングブレーキ(ブレーキホールド付)やステアリングヒーター、急速充電に対応したUSB電源ソケット(Type-C、PD対応・2個)などのアップデートが行われたほか、スズキ緊急通報やリモートエアコンなどのアプリ機能を利用できるスズキコネクトにも対応しています。
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パワートレインも一新、パワーはダウンながら燃費は大幅に改善
パワートレインも一新されました。従来の1L直列3気筒直噴ターボ+マイルドハイブリッドシステム(最高出力99ps、最大トルク150Nm)から、スイフトやソリオに採用されている1.2L直列3気筒のZ12E型エンジン+マイルドハイブリッド(最高出力80ps、最大トルク108Nm)へと変更、パワーダウンした代わりに燃費はWLTCモードで18.2 km/L(2WD)から22.8 km/L(2WD)へと大幅に改善されました。またトランスミッションもこのクラスでは珍しかったトルコン式6ATから一般的なCVT へと改められており、燃費の改善と商品力向上を果たしています。
走りに関する部分では、他にもスポーツモード、スノーモード、グリップコントロール、ヒルディセントコントロールを2WD車にも採用しています。また、コーナリング時の膨らみを抑えるアクティブコーナリングサポートや減衰接着剤なども追加し、快適な乗り心地と、高い操縦安定性・静粛性を実現したとしています。
安全装備も着実にアップデート
先進運転支援も今日的な水準まで引き上げられました。衝突被害軽減ブレーキにミリ波レーダー+単眼カメラを用いた「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を採用。車両・歩行者・自転車・二輪車の検知、交差点対応も備えています。また、全車に全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)と「車線維持支援機能」「車線逸脱抑制機能」を標準装備。加えて、ブラインドスポットモニターの降車時警報機能、夜間視認性強化のアダプティブハイビームシステムなども採用されました。
価格・発売時期・その他
発売日は 2025年10月2日。目標販売台数は月間2,000台とやや控えめな数字となっています。メーカー希望小売価格(消費税10%込み)は以下の通りです:
- HYBRID MX 2WD:2,157,100円(WLTC 22.8 km/L)
- HYBRID MX 4WD:2,333,100円(WLTC 21.0 km/L)
- HYBRID MZ 2WD:2,335,300円(WLTC 22.8 km/L)
- HYBRID MZ 4WD:2,500,300円(WLTC 21.0 km/L)
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商品力が大幅に向上、意外と売れるのではないか?(編集長・馬弓の見立て)

太ったハスラーのようなデザインに賛否があったMC前モデル
初代ハスラーの後を追って登場したコンパクトSUVのクロスビー。ハスラーのコンパクトカー版という狙いは悪くなかったものの、そのデザインは特にフロントマスクが万人受けするものとは言い難く、スズキの軽自動車の屋台骨へと成長したハスラーに比べて販売台数も伸び悩み、また存在感も薄れていた。

今回の大規模なマイナーチェンジでは課題だった(?)フロントマスクを大幅に手直ししただけでなく、パワートレインも一新し、商品力は大幅に改善された。1Lターボ+トルコンATというマニアックな組み合わせはクロスビーの魅力でもあったが、スムーズさや燃費の面で一般うけがよろしいのは新エンジン+CVTであろう。全長3.7mというサイズは他社のコンパクトSUVよりも一回り小さく、それもクロスビーの魅力でもある。控えめな目標台数を上回るニーズがあるのでは無いだろうか。
(写真:スズキ)
※記事の内容は2025年10月時点の情報で制作しています。
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