2013年6月、日産が本格的に企画した初の軽自動車としてデイズはデビューしました。三菱eKシリーズとの兄弟車でもあるデイズは三菱と日産の合弁会社「NMKV」による共同開発車で、ワゴンRやムーヴが盛り上げていた軽トールワゴン市場に投入された戦略車でした。
現行モデルの2代目は2019年に登場し、マイルドハイブリッドシステムや軽で初となる先進運転支援「プロパイロット」を搭載しています。
この記事では、中古車のデイズならどのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車の日産「デイズ」は2019年式 ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション(FF)
- デイズならやっぱりプロパイロット付きを選びたい!
中古車のデイズ、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら2019年式 ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション(FF)を120万円で買う!
2代目デイズに初めて乗って驚いたのは、登録車のコンパクトカーに乗っている感覚に陥るほど上質な乗り心地でした。これは、今までの軽自動車では考えられない感覚です。また、ターボ車のアクセルレスポンスは、どこからでも加速するかのように錯覚するほどの鋭さ。そのくらいこの2代目デイズは出来のいい車でして、正直、初代とは比べ物にならないほどです。
デイズの購入を検討している方には、私は現行型をぜひおすすめします。なお中古相場は、初代が10万〜150万円、現行型が60万〜180万円となっています。
2019年3月にデビューした2代目デイズには、従来型と同様にノーマルとハイウェイスターの2種類の外観デザインが用意されています。
この2種類で装備が違ってくるのですが、旧型がターボエンジン設定の有無くらいしかなかったことに対し、2代目では大きく差別化されることになりました。マイルドハイブリッド、ターボ、そしてプロパイロット。これらの注目装備すべてがハイウェイスターのみの装備品となっているのです。
外観、特にフロントフェイスも差別化が図られているポイントです。ハイウェイスターには薄型のLEDヘッドライトが備わり、日産のシグネチャーデザインでもあるVモーショングリルが強調された大胆なデザインが採用されました。従来型のようなギラギラ感は影を潜め、上質さを強調したシンプルなデザインです。
対してノーマルのフロントフェイスは、兄弟車eKワゴンと同一のデザインでグリル内のエンブレムのみが変わっているだけ。特にデザインが悪いわけではないのですが、明らかにハイウェイスターに力を入れている印象を受けます。
今回おすすめとして選んだ、「ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション」には、ここまでに挙げた装備や特徴がすべて備わっています。そして、ディーラーが販売する低走行車だけでなく一般的な中古車の個体も見られるようになってきました。
プロパイロットエディションには、日産オリジナルナビの取付パッケージがついてくることから、純正ナビがついてくる確率が高いこともプラスポイントです。予算を抑えたい方にもおすすめのグレードといえるでしょう。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車のデイズ
駆動方式を重要視するユーザーが多い軽トールワゴン。デイズは4WDがしっかりとラインナップされていることも好印象です。初代も2代目も、2種類のフェイスデザイン両方に設定され、もちろんターボ車でも4WDが選べるようになっています。何よりも低コストを重視する方にとっては、初代の4WDモデルというのも選択肢に入ってくるかもしれません。
デイズのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
2013年6月、OEMではなく日産が商品企画から開発に携わった初めての軽自動車として、デイズはデビューしました。当時の軽トールワゴンでは最高燃費性能となる29.2 km/L(JC08モード)をかかげ、エコカー減税に対応させたことがトピックでした。ほかにも軽自動車初搭載のアラウンドビューモニターや、タッチパネル式スイッチを採用したエアコンパネルなど、最新装備が投入されています。
ノーマル系とカスタム系の2種類のデザインを用意することが、軽トールワゴンではすでに常識となっていたため、デイズもノーマルフェイスとカスタム系のハイウェイスターを設定しました。ノーマル系の内装はベージュ基調の柔らかい色で仕上げられているのに対し、ハイウェイスターはブラック系で統一されクールなイメージをアピールしました。
デビューの翌年、2014年12月にはエマージェンシーブレーキをオプションに追加。レーザーレーダー検知型の緊急ブレーキシステムを、踏み間違い衝突防止アシストと一緒にセットオプションとして設定しました。
2015年にはマイナーチェンジを実施。先の改良でオプション設定されたエマージェンシーブレーキと踏み間違い衝突防止機能を全車に標準装備化しました。あわせて、オートハイビームも追加設定しています。外観ではフロントグリルのデザインを変更。テールランプにもLEDシグネチャーを追加し、上質感をさらに向上させました。
2017年には一部改良でターボグレードにクルーズコントロールを標準装備。翌2018年にも一部改良を発表し、エマージェンシーブレーキの検知をレーザーレーダーからカメラ方式へ変更して、より安全性を向上させています。このように、初代デイズは安全装備を早いペースでアップデートを行い、軽自動車における先進安全装備の充実化を他社に先駆けました。
2019年、フルモデルチェンジでシャシーやエンジンを一新します。日産が企画・開発をおもに手がけた2代目は、広いキャビンスペースと広いラゲッジスペースを両立させる新プラットフォームを採用しました。同時にエンジンとCVTも一新し、リチウムイオンバッテリーを使用するマイルドハイブリッドシステムを搭載。力強い走りと優れた燃費性能を両立させています。
先進運転支援システムの「プロパイロット」と、緊急時の自動通報システム「SOSコール」はともに軽自動車初の新装備で、2代目デイズの最重要トピックでもあります。プロパイロットは、セレナやエクストレイル、リーフにも採用されている前車追従型のクルーズコントロールと、車線の真ん中の走行をキープするレーンキープアシストを合わせたシステム。高速道路での移動が格段に楽になる、便利な機能です。先進安全装備は、初代に装備されていたすべてを踏襲しています。
乗り心地に関する箇所では、サスペンションのショックアブソーバーをサイズアップし衝撃吸収力をアップ。加えて日産の軽自動車としては初のゼログラビティシートを採用し、コンパクトカーを超えるほどの乗り心地を実現しました。
2代目は2020年8月に一部改良を行っており、ミリ波レーダーを新採用することでプロパイロットの性能を向上させています。2代目もこの先安全性能のアップデートを、どんどん実施していくのかもしれません。
こちらもおすすめ! タイプ別にデイズの中古車を選ぶなら
●プロパイロットも燃費性能もどっちも欲しい方には 2019年式 ハイウェイスターX プロパイロットエディション(FF) 中古市場の相場80万〜160万円
ターボ車の走りがイイのはわかるんだけど、燃費性能がね。とお嘆きの方には、NAのマイルドハイブリッド車がおすすめです。先に紹介したターボグレードのGの燃費は19.2 km/L、これに対しこのXでは21.2 km/L(共にWLTCモード)と大台の20 km/Lを超えてきます。
問題とされる動力性能に関しては、高速道路や急な上り坂などモアパワーが欲しくなる場面はわずかです。日常で使う分にはほとんど支障がないといってもいいかもしれません。
Xを選ぶメリットはもう1つあります。それは、シリーズ最量販車種なので中古車の流通数が多いということです。登場から2年経ち、相場にバラつきも見えてきています。予算と相談しながら、自分に合った1台を見つけることを楽しめそうです。
●とにかく最新で、コストパフォーマンスが最優先! という方には 2020年式 S(FF)中古市場の相場100万〜130万円
特に軽自動車に多く見られるのですが、最近は届出済み未使用車と呼ばれる、ナンバーはついているものの走行距離がほとんどないような新車状態の個体が中古車市場に出回ってきています。最新で状態がよくて、コストパフォーマンスもいいものを狙うのならば、この未使用車を探すのも手です。
デイズも届出済み未使用車は多く出回っており、ベーシックグレードのSならば100万円くらいから見つかります。ベーシックグレードといえど、プロパイロット以外の先進安全装備は標準装備でついてきます。燃費性能も、実はマイルドハイブリッド車と同じ21.2 km/L(WLTCモード)だったりします。ハイウェイスターの外観ではありませんが、魅力的な選択肢のひとつといえるでしょう。
●最新の安全装備はいらないから、とにかく安い4WD車が欲しいという方には 2013年式 従来型X(4WD) 中古市場の相場30万〜80万円
雪の降る地域に欠かせない4WD車を、なるべく安く手に入れたいと考える方は多いでしょう。この場合軽自動車の4WDは有力な候補に挙げられます。最新型にはこだわらないという方がいるのならば、当時クラストップの低燃費性能を誇っていた初代デイズの4WD車はおすすめです。
2013年式というと初期のモデルであるため、エマージェンシーブレーキなどの先進安全装備はつきません。これらがついていたほうがいいというならば、2014年式以降を探してみましょう。あと、オプションに設定されていたアラウンドビューモニターがついている個体が見つかるときもあります。あると重宝する装備ですので、見つけたときは積極的に選んだほうがいいでしょう。
中古車のデイズならではのチェックポイントはココ
プロパイロット付きは積極的に選びたい
プロパイロットの機能である、アダプティブクルーズコントロールとレーンキープアシストは、元々は上級車種に装着されていた技術。今ではコンパクトカーや軽自動車でも積極的に採用しているので珍しくはないですが、高速道路などの長距離移動の際には、疲労軽減に大いに役立つ、半自動運転機能です。ついている個体を積極的に選びましょう。
プロパイロット装着車には、もうひとつメリットがあります。ほかのグレードではオプション扱いになっている日産オリジナルナビ取付パッケージが標準装備なのです。このことから、プロパイロット付きの個体には純正ナビの装着率がついてくる可能性が高くなります。
ターボ車は15インチの低扁平タイヤしか選べない
ハイウェイスターのターボ車は165/55R15のタイヤが標準装備で、それ以外は選べない設定になっています。対してNAのハイウェイスターXは標準が14インチで、15インチはオプション扱い。可能であれば両方乗り比べて、乗り心地の違いを確かめることをおすすめします。
たった1インチですが、見た目の良い15インチは乗り心地が硬いと感じる方はいるはずです。それが許容できない乗り心地であれば、NA車を選ぶか、タイヤ&ホイールを交換する必要が出てきます。乗り心地の感じ方は、個人によって差があります。購入の前になるべく乗り比べることをおすすめします。
ペットやタバコのにおいが気になるなら必ず現車チェックを
これはデイズに限った話ではありませんが、トールワゴンタイプやスーパートールワゴンタイプの軽自動車に最近増えてきているのが、前オーナーがペットを飼っていた場合。動物のにおいが気になる方は、必ず現車をチェックしましょう。
販売店のコメントには、においのことを書いていないことのほうが多いです。電話やインターネットで買う方法も増えてきてはいますが、中古車の場合は必ず現車を確認してから購入することは基本です。必ず販売店に足を運んで確認しましょう。
デイズの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
3つの顔を持つ軽トールワゴンのパイオニア「スズキワゴンR」
スライドドアのスーパートールワゴン勢に主役を奪われたとはいえ、まだまだ人気のワゴンR。このクラスでは外せない車種です。現行モデルは2017年に登場。デイズと同様にマイルドハイブリッド搭載モデルを中心にグレード展開しています。フロントフェイスは3種類を用意し、多彩なニーズに合わせているところが大きな特徴です。
現行モデルが採用している「ハーテクト」と呼ばれるプラットフォームが軽量化と高剛性をうまく両立させているため、同じマイルドハイブリッドでも車体の軽いワゴンRのほうが、デイズよりも燃費性能は上。走りも軽快に楽しめる仕上がりです。
その代わり、インテリアの仕立てなどはデイズのほうが上質感があります。現在の相場は40万〜170万円ほど。上質感よりも道具感を大事にしたい方にとっては、魅力的な選択肢になるでしょう。
クラス唯一のスライドドアモデル「ダイハツムーヴキャンバス」
ありそうでなかった、トールワゴン系のリヤスライドドア。ムーヴキャンバスはこのクラス唯一のスライドドアモデルです。エンジンはNAしか選べませんが、それでも非力に感じることはほぼなく十分な加速力を見せてくれます。
先進安全装備はスマートアシストⅢを搭載。プロパイロットのようなクルーズコントロール系こそつかないものの、国のサポカー補助金にも対応している安心の機能が備わります。
ムーヴキャンバスの人気のポイントは、その愛くるしい外観です。最新車種なのだけれど、どこかレトロな感覚がするデザインが支持を得ているようです。ツートーンのボディカラーも人気です。
ディーラー内でのライバル!?「日産ルークス」
実は、同じシャシーとパワートレインを持つルークスこそがデイズの一番のライバルなのかもしれません。装備内容はほぼ同じの2台。ボディの全高と重さ、そして価格が違うのみで、売っている場所も同じ。その場で同時に見比べたら、スライドドアのほうが魅力的に見える方もいるでしょう。
燃費性能の差はわずかに1 km/Lのみという点も、デイズかルークスかで悩ませる原因になっているのかもしれません。唯一、乗り比べたときの走りの軽快さは、デイズのほうが上でした。コーナーを曲がった際のロールも、デイズのほうが穏やかです。使い勝手のルークスか、走りのデイズか。それぞれの違いをどう考えるかが決め手となるでしょう。
中古車のデイズはここで探せ!
では、中古車デイズをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合った保証をつけることができます。
カーセンサーnetのデイズの掲載件数は6,753件、価格帯は10万~170万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月30日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証がつく「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車のデイズ掲載台数は6,837件、価格帯は10万~180万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月30日時点の情報です。
プロパイロット付きが得をする
先進安全装備プロパイロットを備えたデイズは、そのクオリティだけを見ればもう軽の域を完全に超えている車といえるでしょう。純正ナビゲーションがついてくる場合も多く、製品としての満足度はかなり高いはずです。
あとは、自分の好みの個体に出会えるかです。現行モデルは登場から2年経ち、届出済み未使用車だけでなく一般的な中古車も増えてきました。人気のある車でもありますので、自分自身の条件に合ったものを見つけたらすぐにアクションを起こしたほうがいいでしょう。
よくある質問
Q1:中古車のデイズ、どれを買うべき?
A:2019年式のハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション(FF)。純正ナビゲーションがついているかの確認もお忘れなく!
Q2:中古車のデイズを買うときに気を付けたいポイントは?
A:ターボ車は15インチの低扁平タイヤが標準。人によっては硬いと感じる乗り心地かもしれません。乗り心地を確かめてから購入に踏み切ったほうがいいでしょう。
Q3:中古車のデイズはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のデイズに乗ることができます。
※記事の内容は2021年6月30日時点の情報で制作しています。