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「スバルWRX S4」WRCの栄光を受け継ぐスポーツセダン

「スバルWRX S4」WRCの栄光を受け継ぐスポーツセダン
「スバルWRX S4」WRCの栄光を受け継ぐスポーツセダン

かつてWRC(世界ラリー選手権)で華々しい記録を残したスバル。このスバルのスポーツモデルの最高峰となるのが4ドアセダンのWRXです。先代まではインプレッサファミリーの一員でしたが、2014年8月から販売開始した現行モデルはインプレッサから独立したWRXとして登場しました。WRX STIそしてS4ともにすでに生産終了となっていますが、WRX S4のニューモデルが2021年9月に公開される予定となっています。ここでは、2014年に登場したWRX S4を中心にWRX STIも含め振り返ってみたいと思います。

MTのみのSTIはアスリート系、CVTのみのS4は大人のスポーツモデル

MTのみのSTIはアスリート系、CVTのみのS4は大人のスポーツモデル1

スバルWRX はSTIがMT車のみ、S4はCVT車のみです。WRX STIはアスリート系スポーツモデル、一方のWRX S4は大人のスポーツモデルとそれぞれ異なる個性のモデルです。

MTのみのSTIはアスリート系、CVTのみのS4は大人のスポーツモデル2

一足早く生産中止となったWRX STIはWRX S4と共通のSI-シャシーを採用。高張力鋼板を効果的に使用することで軽量化と剛性を両立したボディに、最高出力308psを発生する伝統のEJ20型2L水平対向4気筒DOHCターボを搭載しています。S4は環境性能にも配慮した新世代エンジンを搭載していますが、アスリート系のSTIはパワー重視のEJ20型エンジン搭載であることが、その最大の個性であり魅力です。

MTのみのSTIはアスリート系、CVTのみのS4は大人のスポーツモデル3

組み合わされるミッションもショートストロークシフトを採用した6速MTのみというこだわり。駆動方式は4WDのみでブレーキは前後ブレンボ社製で高い制動力を発揮します。WRX STI専用装備としてマルチモードDCCDシステムを搭載。路面状況やドライバーの好みに応じて、センターデフの制御特性を自由に選択でき、コントロール性を変えることが可能です。2019年10月にWRX STIの集大成として限定555台EJ20 Final Editionを発売し、その幕を閉じました。

300psを発揮しながらも好燃費なS4のエンジン、アイサイトも抜かりなし

300psを発揮しながらも好燃費なS4のエンジン、アイサイトも抜かりなし1

300psを発揮しながらも好燃費なS4のエンジン、アイサイトも抜かりなし2

WRX S4は先代モデルのWRX STI Aラインと呼ばれていたハイパワーエンジン+AT車の実質的な後継車。サイズは全長4595mm×全幅1795mm×全高1475mmで、高張力鋼板を効果的に使用し、軽量化と剛性を両立したボディを採用しています。クルマの骨格にあたるプラットフォームはSI-シャシーと呼ばれるもので、走行性能が向上したWRX S4に合わせてチューンナップが施されているのが特徴です。

300psを発揮しながらも好燃費なS4のエンジン、アイサイトも抜かりなし3

WRX S4に搭載されているエンジンは最高出力300psを発生する2L水平対向4気筒DOHC直噴ターボ「DIT」の1種類です。組み合わされるトランスミッションには変速ショックのない滑らかな加速を実現するCVTの「スポーツリニアトロニック」を採用。走行モードを切り替えられるSI-DRIVEをS♯に切り替えるとMT車のように8速変速が楽しめるのが特徴です。

300psを発揮しながらも好燃費なS4のエンジン、アイサイトも抜かりなし4

300psを発揮しながらも好燃費なS4のエンジン、アイサイトも抜かりなし5

300psを発揮しながらも好燃費なS4のエンジン、アイサイトも抜かりなし6

300psを発揮しながらも好燃費なS4のエンジン、アイサイトも抜かりなし7

駆動方式は4WDのみで、燃費性能はJC08モードで13.2km/Lと、STIの9.4km/Lに比べると大幅に改善しています。安全装備はぶつからないクルマで一躍注目されたアイサイトの最新版「アイサイトver.3」を標準装備し高い安全性能を誇っています。

2017年に大幅改良、2018年には最上級グレードのSTI Sportを追加

2017年に大幅改良、2018年には最上級グレードのSTI Sportを追加1

WRX S4は販売開始以降、一部改良やマイナーチェンジで進化を重ねました。まず2016年の一部改良では天井の素材を従来の不織布からトリコットに変更し、インテリアの質感を向上。また、リアワイパーブレードの形状を空気抵抗の少ないエアロタイプに変更するなどして、不快な風切り音を低減し静粛性を向上させました。

2017年7月には大幅改良を行い、内外装の変更に加えて、サスペンションの最適化や電動パワーステアリングの改良を実施。乗り心地のフラットさやステアリングフィールがさらに向上しました。安全装備ではロングドライブでのドライバーの負担を軽減するアイサイトの新機能「アイサイト・ツーリングアシスト」をはじめ、後退時自動ブレーキシステムやステアリング連動ヘッドランプを全グレードに標準装備。走行性能だけでなく、安全性能も飛躍的に向上しています。

2017年に大幅改良、2018年には最上級グレードのSTI Sportを追加2

2018年4月の一部改良では、運転支援システム「アイサイト」のプリクラッシュブレーキ制御を改良しました。アイサイトの認識対象が車両と同一方向に進行する歩行者や自転車にまで拡大され、減速制御も作動を早くすることで、衝突回避の可能性を向上させています。そして同年9月には走行性能と質感を高めた最上級グレードのSTI Sportを追加しました。このSTI Sportは、スバルのモータースポーツ統括会社であるSTIとの共同開発により、しなやかな乗り味と高い操縦安定性、そして特別な内外装のデザインを採用したモデルです。特に足回りはSTIがチューニングを施したショックアブソーバーとスプリングを採用し、荒れた路面を走行した際でも車体の上下動を抑えたしなやかな乗り心地を実現しています。

2019年5月にも一部改良を行い、フロントグリルのデザインの変更をはじめ、18インチアルミホイールの色をダークメタリックからブラックへ変更。さらに運転支援システムのハイビームアシストが作動する車速を従来の時速40kmから時速30kmに変更しました。またトランクの開閉方法を変更し、すべてのドアが閉まっていない場合、アクセスキーを持っていなくても開けられるように仕様変更し利便性を向上させています。

2020年7月の一部変更では、燃費表記をより実走行に近いWLTCモードへ変更し、11.2km/Lとしました。またグレードの統廃合を行い、STI Sportのみと簡素化しました。

ハイパワー4WDセダンの系譜は続く!まもなく新型が登場予定

ハイパワー4WDセダンの系譜は続く!まもなく新型が登場予定

スバルにはBRZというFR(後輪駆動)のスポーツカーが存在していますが、やはりスバルの最高峰のスポーツカーは4WDターボというアイコンは外すことができません。まもなく発表される予定の新型WRXは一体どんなパワートレインを搭載し、どれくらい高いパフォーマンスを発揮してくれるのか。楽しみで仕方ありません。スバリストと呼ばれる多くのスバルファンも発表を心待ちにしていることでしょう。

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※記事の内容は2021年9月時点の情報で制作しています。

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