近年の新型車はいずれも低燃費を意識しており、それなりの燃費性能を備えているものがほとんどです。しかしそれでも車種によって燃費には差があるのが現状です。わずかな燃費の違いも長い目で見ると大きな燃料費の差につながるため、燃費性能は車選びの際には確認しておきたいポイントといえるでしょう。
ここでは、トヨタのコンパクトクロスオーバーSUV「C-HR」の燃費性能についてご紹介します。
この記事のPOINT
- C-HRのWLTCモードカタログ燃費と実燃費はこちら
駆動方式 カタログ燃費(km/L) 実燃費 ハイブリッド車 2WD 25.0~25.8 21.0 ガソリン車 2WD 14.9~15.4 11.2~14.9 4WD 14.3 12.3 - C-HRのハイブリッド車の燃費はライバル車であるホンダ「ヴェゼル」と同程度
- C-HRは横揺れを抑え、高い操縦安定性とフラットでしなやかな乗り心地を両立させたモデル
C-HRの燃費の特徴
2016年12月に登場したC-HRは、それまでのトヨタのイメージを覆すようなスタイリッシュなエクステリアデザインを持つモデルです。ハイブリッド専用車で低燃費車の代名詞ともいえる4代目プリウスに採用されたトヨタの新しい車づくりの理念である「TNGA」を採用したプラットフォームを使用し、プリウス譲りの高い燃費性能を有しているのが特徴といえるでしょう。
ハイブリッド車には最大熱効率40%を実現したエンジン、新巻線方式を用いて小型化・軽量化するとともに、高出力・高密度化を実現した高回転モーター、小型で軽量なリチウムイオンバッテリーを採用し、高いレベルの低燃費を実現しました。
ガソリンエンジン車には最適な熱効率を実現する先進の燃料噴射システム「D-4T」や、シングルスクロールターボチャージャーとバルブの開閉タイミングを最適な状態に制御する技術を採用し、ダウンサイジングターボエンジンによる優れた燃費性能とアクセル操作に対する応答性、心地良い加速フィーリングを両立させています。
C-HRのカタログ燃費
C-HRには1.8Lエンジン+モーターのハイブリッド車、1.2Lターボガソリンエンジンの2種類のパワートレインをラインナップしています。駆動方式は、ハイブリッド車は2WDのみですが、ガソリン車は2WDと4WDの設定があります。2019年10月のマイナーチェンジでは、ガソリン2WD車に6MTが追加されました。
C-HRのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
ハイブリッド車(2WDのみ)
グレード | トランスミッション | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
S | CVT | 25.8 |
G | CVT | |
S“GR SPORT” | CVT | 25.0 |
ガソリン車
グレード | 駆動方式 | トランスミッション | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|---|
S-T/G-T/ S-T“GR SPORT” | 2WD | CVT | 14.9 |
6MT | 15.4 | ||
4WD | CVT | 14.3 |
C-HRの実燃費
現在、C-HRに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、C-HRの実燃費(2022年1月30日時点)は以下のとおりです。
駆動方式 | トランスミッション | 実燃費(km/L) | |
---|---|---|---|
ハイブリッド車 | 2WD | CVT | 21.0 |
ガソリン車 | 2WD | CVT | 11.2 |
6MT | 14.9 | ||
4WD | CVT | 12.3 |
カタログ燃費と実燃費のあいだにある程度の差が見られますが、これはC-HRに限ったことではありません。
WLTCモードカタログ燃費は比較的実燃費に近い現実的な数値が出る燃費の計測方法といわれていますが、実際に車を使用する際には坂道や未舗装路などさまざまな場所で走行したり、ライトやカーナビ、エアコンなどを使用したりすることから、どの車でもある程度のカタログ燃費と実燃費との乖離が生まれます。
C-HRとライバル車のカタログ燃費を比較
C-HRのライバルとしては、ホンダ「ヴェゼル」や三菱「エクリプスクロス」などが挙げられるでしょう。ここではこの2車種とC-HRのカタログ燃費を比較してみます。
ホンダ「ヴェゼル」
ホンダが誇るコンパクトカーのヒットモデル「フィット」譲りの室内空間の広さを持ち、居住性の良さに定評のある「ヴェゼル」。ハイブリッド車に4WDの設定があるのも魅力です。
ヴェゼルのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。なお、e:HEVはハイブリッド車です。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
G | 2WD | 17.0 |
4WD | 15.6 | |
e:HEV X | 2WD | 25.0 |
4WD | 22.0 | |
e:HEV Z | 2WD | 24.8 |
4WD | 22.0 | |
e:HEV PLaY | 2WD | 24.8 |
ガソリン車においてはC-HRよりもヴェゼルにメリットがあるといえますが、ハイブリッド車の燃費はほぼ同等です。
三菱「エクリプスクロス」
三菱「エクリプスクロス」は車の歴史に燦然と輝く名車「ランサーエボリューション」と同じ4WDシステムを搭載し、優れた走行性能を有しているのが自慢のコンパクトSUVです。
エクリプスクロスのガソリン車のWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。グレードによる燃費の差はありません。
駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|
2WD | 13.4 |
4WD | 12.4 |
エクリプスクロスとC-HRのガソリン車のカタログ燃費の比較では、C-HRに軍配が上がる結果となりました。
C-HRの走行性能・乗り心地
C-HRにはトヨタ車の標準サイズを超えた大径のスタビライザーの採用、さらにショックアブソーバーの応答性や減衰力のチューニングにこだわったサスペンションを組み合わせることによって車高が高いSUV特有の横揺れを軽減し、操縦安定性を確保するとともにしなやかでフラットな乗り心地を確保しています。
また、2019年10月のマイナーチェンジではフロア下にフロアセンターブレースを追加してボディ剛性を高め、専用チューニングサスペンション、19インチタイヤを備えた走りを追求したモデル「GR SPORT」が追加されました。
モータージャーナリスト・萩原文博さんの試乗記でC-HR「GR SPORT」の走行性能を詳しくチェック!
C-HRは優れた燃費性能が魅力のコンパクトSUV
競合車が多くひしめくコンパクトSUV。C-HRは燃費を気にすることなく車を利用できる優れた燃費性能を備えたモデルです。特にハイブリッド車においては高いレベルの低燃費を実現しているので、燃費の良いコンパクトSUVが欲しい方にはぴったりなのではないでしょうか。
よくある質問
Q1:C-HRのカタログ燃費はどのくらい?
A:C-HRのWLTCモードカタログ燃費はハイブリッド車が25.0~25.8km/L、ガソリン2WD車が14.9~15.4km/L、ガソリン4WD車が14.3km/Lです。
Q2:C-HRの走行性能・乗り心地は?
A:C-HRはトヨタ車の標準サイズを超えた大径のスタビライザー、ショックアブソーバーの応答性や減衰力のチューニングにこだわったサスペンションを組み合わせることによって高い操縦安定性とフラットで快適な乗り心地を両立させています。
※この記事は2023年1月時点の情報で制作しています