できるだけ家計への負担を少なくしてカーライフを楽しむためには、燃費性能のチェックは欠かせません。環境基準が年々厳しくなっていることもあり近年の車はほとんどがそれなりの燃費性能を有してはいますが、それでも車種によって燃費性能には差があるのが現状です。
一般的に長期間使用する車の燃費はわずかな違いであっても積み重なると大きな差につながるため、車選びの際はカタログ燃費や実燃費を確認しておくことが大切です。
ここでは、トヨタ「ヤリス」の燃費性能についてご紹介します。
ヤリスの燃費の特徴
2020年2月に販売が開始されたヤリスは、トヨタの新世代の車づくりの理念である「TNGA(Toyota New Global Architecture)」の思想を取り入れた軽量高剛性かつ低重心なTNGAプラットフォームをコンパクトカーで初めて採用し、従来型と比べて50kgの軽量化を実現しています。
また、TNGA思想に基づき、ロングストロークやバルブ挟角拡大などの高速燃焼技術を導入し低燃費と高出力を両立させた新開発の1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジンを採用。加えてハイブリッドシステムの高効率化、新設計されたハイブリッドユニットによってヤリスのハイブリッド車は世界トップレベル(2022年12月時点、トヨタ調べ)の低燃費を実現しています。
トヨタ「ヤリス」のカタログ燃費
ヤリスでは、1.0L直列3気筒NAエンジンと先述の1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジンに加えて、1.5Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムの3種類のパワーユニットがラインナップされています。
ヤリスのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
ハイブリッド車(CVTのみ)
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
HYBRID X | 2WD | 36.0 |
E-Four | 30.2 | |
HYBRID G | 2WD | 35.8 |
E-Four | 30.2 | |
HYBRID Z | 2WD | 35.4 |
E-Four | 30.2 |
1.5Lガソリン車
グレード | 駆動方式 | トランスミッション | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|---|
X | 2WD | CVT | 21.6 |
6MT | 19.6 | ||
4WD | CVT | 19.2 | |
G | 2WD | CVT | 21.4 |
6MT | 19.6 | ||
4WD | CVT | 19.2 | |
Z | 2WD | CVT | 21.6 |
6MT | 19.6 | ||
4WD | CVT | 19.2 |
1.0Lガソリン車(CVTのみ)
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
X/G | 2WD | 20.2 |
ヤリスの実燃費
ヤリスに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、ヤリスの実燃費(2023年4月25日時点)は以下のとおりです。
ハイブリッド車
グレード | 駆動方式 | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
X/G/Z | 2WD | 26.1 |
E-Four | 18.4 |
ガソリン車
グレード | 駆動方式 | トランスミッション | 実燃費(km/L) |
---|---|---|---|
X/G/Z(1.5L) | 2WD | CVT | 16.5 |
6MT | 16.2 | ||
X/G(1.0L) | CVT | 15.7 | |
X/G/Z(1.5L) | 4WD | CVT | 15.7 |
実燃費は気温や運転の仕方などさまざまな要因の影響を受けるため、ある程度はカタログ燃費よりも悪化するのは避けられないといえます。ヤリスではハイブリッド車、ガソリン車ともにカタログ燃費と実燃費のあいだに差が生じていますが、特にハイブリッド車で差が大きい傾向が見受けられます。
ヤリスとライバル車のカタログ燃費を比較
ヤリスのライバル車としては、ホンダ「フィット」やスズキ「スイフト」などが挙げられます。ここではこの2車種とヤリスのカタログ燃費を比較してみましょう。
ホンダ「フィット」
5つの個性が異なるスタイルを設定し、多彩なユーザーニーズに対応するホンダのコンパクトカー「フィット」。広い室内空間に定評のあるモデルです。
フィットのWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。トランスミッションはいずれのパワートレインでもCVTのみです。
e:HEV(ハイブリッド)車
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
e:HEV BASIC | 2WD | 30.2 |
4WD | 25.4 | |
e:HEV HOME | 2WD | 29.0 |
4WD | 25.3 | |
e:HEV RS | 2WD | 27.2 |
e:HEV CROSSTAR | 2WD | 27.1 |
4WD | 24.2 | |
e:HEV LUXE | 2WD | 27.6 |
4WD | 23.5 |
ガソリン車
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
BASIC | 2WD | 18.7 |
4WD | 16.6 | |
HOME | 2WD | 18.5 |
4WD | 16.6 | |
RS | 2WD | 17.9 |
CROSSTAR | 2WD | 17.6 |
4WD | 16.1 | |
LUXE | 2WD | 17.9 |
4WD | 16.0 |
ヤリスとフィットの比較では、ヤリスの燃費にメリットがあることがわかります。
スズキ「スイフト」
スズキ「スイフト」は、軽量高剛性の新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用するとともに、プラットフォームに合わせてレイアウトを最適化した新設計のサスペンションを組み合わせて、高い走行性能を実現しているのが特徴です。
スイフトのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | トランスミッション | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|---|
XG/RS | 2WD | 5MT | 21.8 |
CVT | 20.0 | ||
4WD | 18.8 | ||
HYBRID MG/HYBRID RS | 2WD | 21.0 | |
4WD | 19.6 |
ヤリスとスイフトの燃費の比較においても、ヤリスがより低燃費を実現していることがわかります。
ヤリスの走行性能・乗り心地
ヤリスはコンパクトカーとして初めてTNGAプラットフォームを採用し、軽量高剛性化、低重心化するとともにねじり剛性を従来型よりも30%強化させ、優れた操縦安定性や快適な乗り心地を実現しています。
また、ハイブリッド車にはトヨタのコンパクトカーとして初採用(2019年12月時点、トヨタ調べ)となるE-Four(電気式4WDシステム)を設定し、雪道などの滑りやすい路面での発進や安定性を高めているのも特筆すべきポイントでしょう。
モータージャーナリスト・岡崎五朗さんの試乗記でヤリスの走行性能をチェック!
ライバル車を圧倒するハイブリッド車の燃費が魅力のヤリス
ヤリスのハイブリッド車は、ライバル車のハイブリッド車の燃費に圧倒的な差をつけています。トヨタはハイブリッド技術に定評のあるメーカーですが、ここにきて改めてその実力を見せつけてくれた、というところでしょう。
ハイブリッド車はガソリン車と比較すると車両価格が高額になる傾向がありますが、その分も十分カバーできる優れた燃費性能を有しているので、燃費を重視する方には最適なモデルといえるのではないでしょうか。
よくある質問
Q1:ヤリスのカタログ燃費はどのくらい?
A:ヤリスのパワートレインは1.0L直列3気筒NAエンジンと新開発の1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジン、1.5Lダイナミックフォースエンジン+モーターのハイブリッドシステムの3種類があります。WLTCモードカタログ燃費は1.0Lガソリン車が20.2km/L、1.5Lガソリン車が19.2~21.6km/L、ハイブリッド車が30.2~36.0km/Lです。
Q2:ヤリスの実燃費はカタログ燃費とどのくらいの差があるの?
A:ヤリスの実燃費は1.5Lガソリン車が15.7~16.5km/L、ハイブリッド車が18.4~26.1km/Lです。ヤリスではガソリン車よりもハイブリッド車でカタログ燃費と実燃費の差が大きい傾向があることがうかがえます。
Q3:ヤリスの走行性能・乗り心地は?
A:ヤリスではTNGAプラットフォームをコンパクトカーで初めて(2019年12月時点、トヨタ調べ)採用し、軽量高剛性化・低重心化させるとともにねじり剛性を強化させ、優れた操縦安定性や快適な乗り心地を実現しています。
※この記事は2023年4月時点の情報で制作しています