待望のスズキ「ジムニーノマド」との暮らしがスタートしたフリーエディター・高橋 満さんから納車から1ヶ月半で1600kmを走ったノマドの近況レポートが届きました。納車直後のレポートで感じていた違和感は解消したのでしょうか。1月30日の受注再開が迫るなか、ノマドの注文を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
1ヵ月半で1600kmほど走行
仕事から買い物、ゴルフ、家族旅行までこなせるノマド
1月末にオーダーしたスズキ ジムニーノマド(以下、ノマド)が納車されたのが11月中旬。それから1ヵ月半が経ち、1600kmほど走行しました。納車直後に感じたこととは違う部分も見えてきたので、あらためてノマドのレポートをしよう。スズキは約1年間停止していたノマドの受注を1月30日から再開する。そして公式発表はまだだが、受注再開時には2型へと進化する見込み。Facebookなどを見ているとすでにディーラーでは顧客への案内が行われているようだ。
*納車直後の高橋さんのレポートはこちらの記事を参照ください。
*ノマドとシエラの違いはこちらの記事を参照ください。
赤+MTは人気薄なのか?
MTでも楽に運転できるので、家族との時間を楽しみつつ一人の時はアウトドアでは走りを楽しみたい人におすすめ
11月にノマドが納車された際、自分のマインドは本家である軽のジムニーとの比較だった。というのも2023年10月から2025年1月までジムニーのMTを楽しんでいたため、自然にジムニーと比べてどうかと考えてしまっていた。ちなみにジムニーは「いよいよジムニー5ドアが出るらしい」という噂が立った時点で売却した。当時はまさかノマドが受注停止に追い込まれるほどオーダーが殺到するとは思っていなかったのだ……。
全幅はそのままにシエラよりホイールベースを340mm拡大
納車されたノマドはシズリングレッドメタリック ブラック2トーンルーフのMT車。スズキからボディカラーの比率やAT/MT比率は公表されていないが、納車前にカーセンサーに掲載されているノマドを見ているとこの組み合わせがもっとも少なかったので(ちなみに400台中MT車はわずか6台。赤も数台だった)、もっとも人気がない組み合わせだと考えていた。ところがFacebookのノマドのコミュニティを見ていると、赤のMTが納車されたという報告が意外とある。私と同じようにノマド専用色が刺さった人は案外多いようだ。
▼毎月定額ラクラク支払い▼
カーリースカルモくんで「ジムニーなどスズキ車」の月額料金をチェック!
発進や渋滞でやっぱり楽!
インパネデザインやスイッチ類の配置はジムニーと共通
ノマドの走りに関して納車後に感じたのは以下の3点。
①発進の楽さ
②ジムニーと比較した時の高速走行時の安定感
③走行時の機械的な音
①の「発進の楽さ」は軽ではなく1.5Lになったことに加え、MTのギア比の違いが大きい。信号待ちからの発進や渋滞がジムニーに比べて本当に楽になった。ノマドは走りを楽しむと同時に、買い物やゴルフの練習など日常でも使い倒すつもりで選んだので(ジムニーに乗っていた時はもう1台所有していたが、ノマドの納車を期に1台に整理した)、これは本当に助かっている。
②は「ジムニーと比較した時」というのがポイント。オフロード走行に特化した設計になっているジムニーシリーズは、高速走行が得意ではない。ジムニーだと80km/hを超えてくると左右に振られる感覚が強くなり、常に修正舵を当てていた。
しかしジムニーよりトレッドが広くてホイールベースは340mmも長い。さらに重量増によりサスペンションチューニングも変更されているノマドは100km/h巡航でも安定しており、修正舵の頻度は減ったように感じている。ただ、これはあくまで「ジムニーと比べて」の話。ノマドもオフロード走行に特化した設計であることは変わらない。無意識のうちに修正しているせいか、最初の頃はロングドライブから帰ってくると肩こりが強く出ていた。
▼毎月定額ラクラク支払い▼
カーリースカルモくんで「ジムニーなどスズキ車」の月額料金をチェック!
納車直後に感じていた走りの違和感が解決!
1.5Lエンジンはパワーに余裕があるので軽のジムニーより扱いがはるかに楽
ところが1000kmほど走ったあたりから印象が変わってきた。ノマドの高速走行時の感覚に身体が慣れてきたのだろうか。ロングドライブを終えた後のこわばりが減っているのを感じている。以前の記事では「もし家族で超快適にロングドライブを楽しめるものを探しているのであればクロスオーバーSUVを選んだほうがいい」と書いたが、身体が感覚を掴んでしまえば案外ロングドライブも苦にならなくなるはずだ。
しかし、横風だけはどうにもならない。ボディが四角く切り立っているうえ、ラダーフレームのために腰高。悪路走破性を高めるためのリジットアクスル+足の柔らかさもあり、強風時は思い切り左右に振られる。私はアクアラインを渡る機会が多いのだが、強風時は左車線でスピードをかなり抑えて走っている。ノマドでのロングドライブを考えている人は、この点だけは理解して購入を検討してほしい。
③に関して、私はジムニーシリーズの「味」と捉えている。駆動力を後輪に伝えるプロペラシャフトが回る音やエンジン音は、オフロードをたくましく走るための機械ならではの音。ただ、この点もジムニーに比べるとかなり抑えられていると言っていいだろう。100km/h巡航だとジムニーは4000rpm弱までエンジンが回るが、ノマドは3000rpm程度。この差は大きい。さらに後席に人が日常的に座ることを想定して、内張りや防音材が追加されている。実際、2度ほど3人乗車でロングドライブに出かけたが、助手席はもちろん、後席との会話も苦にならない。この点は家族で使う人も安心していい。
最小回転半径の大きさに多少の不便は感じるが
ジムニー4.8m、シエラ4.9m、ノマド5.7mと最小回転半径の差は大きいが慣れてきた(写真:編集部)
ちなみにノマドのMTにはクルーズコントロールが標準装備されている。先行車追従機能がない昔ながらのクルーズコントロールだが、私は積極的に使用している。先行車の速度に合わせて手元で頻繁に速度調整をするためアダプティブクルーズコントロール(ACC)に慣れた人はかなり不便に感じるだろうが(実際、助手席に座った人から「さっきから何やっているの?」と驚かれた)、やはりアクセルから足を離して走行できるのは楽なものだ。
もうひとつ。ノマドの購入を検討している人が気になるポイントとして挙げられるのが最小回転半径の大きさ。
ジムニー:4.8m
シエラ:4.9m
ノマド:5.7m
と、5ドア化したことで最小回転半径がMサイズSUV並に大きくなってしまっている。実際、納車直後はかなり戸惑った。単純に最小回転半径が大きいことよりも、ボディがとても小さいのに全然曲がらないことに違和感を覚えたのだ。でも今ではこの感覚に慣れている。もちろんUターン時に切り返しが必要になることもあるなど多少の不便は感じるが、検討時にそこまで気にしなくても大丈夫だろう。
▼毎月定額ラクラク支払い▼
カーリースカルモくんで「ジムニーなどスズキ車」の月額料金をチェック!
“一般人”なら後席スペースは合格、運転席シートは要審議!?
規格外の体格のため、私だと後席に座るのはやや窮屈
ここからはノマドの使い勝手を見ていこう。
まずは後席の居住性。私は身長が188cmと規格外のため、後席に座ると正直かなり窮屈だ。ノマドの室内高は1200mmで、ジムニーやシエラと変わらない。一方で5ドアになり後席にも普通に人が座ることを想定しているので、後席の座面と背もたれは厚みが増している。その分ヒップポイントが高くなっているのだろう。私が座るとどうしても天井に頭がついてしまう。これはジムニーの後席に座った時にはなかった点だ。
シートの座面長や膝回りももう少しあると嬉しいなと思うが、これはあくまで私が座った時の話。2度のロングドライブではいずれも女性が後席に座ったが、「全然狭くないよ。快適!」とのこと。試しに同行した男性(身長約170cm)にも座ってもらったが、特に狭いとは思わないとのことだった。
ただ、最低地上高が高い上にラダーフレームの上にボディが乗っているので、フロアまでの高さは一般的なクロスオーバーSUVよりかなり高い。そのため女性だと乗り降りはやや大変そうだった。
走行中に身体が左右に振られることが多いので最初は長距離運転が大変かもと感じたが、身体のほうが慣れてきた
一方で、やや困ったのは運転席。腰回りのサポートが弱いのか、ロングドライブに出かけると思いのほか腰が痛くなるのだ。これはジムニーの時から感じている問題で、長くジムニーに載る人の中にはレカロやブリッドのシートに交換している人もいる。私もしばらく乗って慣れなければシート交換を検討したほうがいいかもと考えていた。
ところが肩こりが減ってきたのと同時に、腰の痛みもあまり感じなくなっている。このあたりはクルマの癖に身体が慣れてくることで自然に解消できているのかもしれない。
後席格納時の段差も思ったほど不便ではない
問題のリアシート格納時の段差。荷物がきちんと積めるか不安だったが……
もうひとつ気になっていたのが後席を格納した時にできる10cmほどの段差だ。もともと5ドアの発売予定はなく、JB64ジムニーとJB74シエラが大ヒットしたことで「これなら行ける!」とノマドの企画が立ち上がったという。そのため開発段階から厚みを増したリアシートをフラットに格納する設計ができず、シートバックを倒すだけの構造になっているのでどうしても段差が生まれてしまう。

ゴルフバッグ3セットとボストンバッグが問題なく積めた
まだ納車されて1ヵ月半しか経っていないので積載した荷物は限定的。そのためこの段差が遊びに行く際にどのくらい影響するかは完全に掴めていないが、私が一番気になっていたのはゴルフバッグが3セット+3人分のバッグを積むことができるかだ。ノマドはシートを格納した際の奥行きが思ったよりも短く、ゴルフバッグを縦積みするとバックドアギリギリまでゴルフバッグが迫ってくる。しかも段差の影響でゴルフバッグは斜めになっているので、3セット積んだ際に重ねたゴルフバッグがドアに干渉するのではないかとヒヤヒヤしていた。でも無事にドライバーを抜かずに3セットを積むことができて胸を撫で下ろしている。
受注再開時に先進運転支援システムが進化?
現在納車が進む1型の先進運転支援システム。2型はデュアルカメラサポートになるようだ
冒頭でも触れたように、ノマドの受注が1月30日から再開される。私のものを含め、現在納車されているのは発表から4日で受注停止されるまでの間に注文されたもの。1年間も待たされたので、受注再開と同時に多くの人がディーラーに押し寄せるのは間違いない。というか、1月30日から受注を再開することは10月27日に告知されているので、すでに全国のディーラーには多くの問い合わせが入っているだろう。購入を検討している人は急いでディーラーに問い合わせをしてみよう。
ノマドは受注再開を期に2型へとアップグレードするようだ。メーカーからの公式情報が発表されていないのであくまで私の予測だが、今回は先進運転支援技術がアップデートされるはずだ。2025年10月にはジムニーとシエラが5型に進化。最新のデュアルセンサーサポートIIが搭載された。これによりAT車のACCが全車速追従機能付きになり、MT車にもACCが搭載された(ただし全車速追従機能付きではない)。また、メーカーオプションでApple CarPlayとAndroid Autoに対応した9インチディスプレイオーディオを選ぶこともできる。
ノマドも2型ではこのアップデートが施されるだろう。
4人が楽に移動できて積載性もアップしたノマドはやはり魅力的
5ドア化によりジムニーの世界観を気軽に楽しめるようになった。間口が広がったのはいいことだ
5ドア化によりジムニーならではのオフロード性能はそのままに、利便性が飛躍的に向上したノマド。ジムニーやシエラだとファミリーユースにはハードルが高かったが、ノマドなら問題なく使えるので家計の番人である奥様を説得しやすいだろう(ただし、ジムニーやシエラ同様に4人乗りであることは忘れないでほしい)。また、本格的にアウトドアを楽しむ人にとっても、4人が楽に移動できて積載性もアップしたノマドは魅力的。
受注再開後はまた熾烈な争奪戦が繰り広げられるはずだが、一般的なSUVでは味わえないジムニーシリーズならではの世界観を堪能したい人は、急いで購入に向けた準備をしよう。
(特記以外の写真:高橋 満)
※記事の内容は2025年12月時点の情報で制作しています。
▼ 毎月定額ラクラク支払い ▼