一台一台のコンディションがすべて異なるのが中古車の特徴です。そんな中古車を購入する際のチェックポイントについて、長年、中古車情報誌で活躍してきた自動車評論家の萩原文博さんに解説をお願いしました。お店の選び方から実車の見極め方まで、3つの大きなポイントがあるそうです。
中古車の購入で一番大事なのはお店のチェック
中古車は新車と異なり、それまでの使われ方、メンテナンスの頻度などによって1台1台、コンディションが異なります。中古車情報誌の編集部に在籍したとき「中古車の購入時にはチェックしましょう」という記事を何十回も作りました。しかし、エンジン、外装、内装…と部位ごとに挙げていくと全部で50ヵ所近くになり、そんなにチェックしないといけないなら、中古車なんてそもそも買わない方がいいのではないか、シロウトが見たところで何が良くて何がダメなのかわかるのか、というジレンマに襲われました。
信頼できるお店を見つけるためのチェックポイント
みなさんは自分でエンジンルームのチェックをしたことがあるでしょうか?タイヤの溝のチェックをしたことはありますか?オイルの残量や汚れを自分で見たことありますか?ほとんどの人はしたことがないと言うでしょう。しかし、それで良いのです。それが普通なのですから。
本当は中古車購入のチェックは自分でやらないのが一番正しいことなのです。では、誰にやってもらうのか。それは中古車のプロである販売店のスタッフにやってもらうのが的確で安心です。「中古車選びは販売店選び」という言葉があるように中古車を購入するときは信用できる販売店で購入するのが最も重要なことなのです。なので、中古車購入のチェックポイントとして、まずは販売店の見極め方を紹介しましょう。
規模の大小よりも地元で長らく営業しているお店かどうか
販売店の規模はあまり信用できるかどうかに関係はありません。重視するべきはその販売店がどれくらいその土地で営業しているのかということです。中古車は自宅から半径10km以内で購入されることが多いと言われています。規模が小さくても何十年もその土地で営業しているということは、それだけリピーターがいるということです。地元の人に信頼されているというのはお客さんと良い関係を築いているという証明になります。
展示車両はキレイで整備済みか
続いては、クルマがキチンとキレイになっているかどうかです。洗車されているとかクリーニングされているということではありません。しっかりと整備や傷などが修理されて、いつでもユーザーの手元に納車できる状態であるかどうかです。
展示している中古車は商品です。その商品が汚れていたり、雑に扱われているような店は信用しないほうがいいでしょう。さらに、納車する前に傷を直すよというような口約束をする販売店は最も疑うべきです。こうしたケースは後で揉める原因になりがちです。展示する商品を丁寧に扱っているお店こそ信頼できるお店と言えるでしょう。
車両本体価格だけでなく諸費用にも注意を
見積り書などでもその店の信用度が測れます。車両本体の価格は相場より安く、しかし諸費用の部分に聞いたことのない費用がたくさん羅列されている販売店での購入は絶対に見送った方がいいでしょう。通販サイトで送料を高くするような販売手法は良心的とはいえません。ちなみに最近では中古車情報サイトでも総額表示を推進しています。
実車のチェックポイント
続いては、実車でのチェックポイントを紹介しましょう。まず見るべきは整備記録簿です。これは、このクルマがこれまでどのようなメンテナンスをしてきたのか、どんなパーツを交換してきたのかがわかるクルマのカルテのような物です。
何よりも大事なのは整備記録簿
普通はグローブボックスに車検証といっしょに入っていますので、それを見せてもらいましょう。整備記録簿がない場合は購入を見送ることをおすすめします。この記録簿こそ、そのクルマの履歴を証明してくれる唯一のものです。これがあるとないではそのクルマへの信用度はまったく異なります。エンジンなどのチェックをする前に整備記録簿の有無を調べましょう。
記録簿は車検と同時に行われる24ヶ月点検と12ヶ月点検がありますが、24ヶ月点検は当然として、12月点検を正規ディーラーできちんと受けていた車は良い状態である可能性が高いといえます。点検整備を行った場所も判断ポイントです。正規ディーラーでなくても地元の大手整備工場で継続的に点検整備を行っていればかなり安心できます。24ヶ月点検しか受けておらず、毎回整備工場が違っているような場合は少々注意した方がいいでしょう。人間同様、クルマもかかりつけ医の存在は重要なのです。
クルマのドアなどに貼られているオイル交換のステッカーにもヒントが隠されています。定期点検より周期の短いオイル交換などは整備記録簿に記載されないことも多いので、こうしたオイル交換のステッカーがあればメンテナンスの頻度がわかります。
外観の傷よりもタイヤの傷をチェック
外観ではわかりやすいボディの傷よりも、タイヤの溝の残量と傷をチェックしましょう。車の消耗品の中でもタイヤは安全に直結するだけでなく、高価でもあるので後々の維持費に大きく影響します。
下回りをのぞいてみてマフラーやハブなどにサビが目立つようだったら、それは降雪地帯で使われていたサインかもしれません。ただし10万キロ以上を走るのでないならば、そこまで神経質になるポイントではないでしょう。
内装は電装品の動作状態のチェックを、盲点はナビの履歴
内装はエアコンやオーディオといった電装系をまずチェックしましょう。エアコンやオーディオはキチンと作動するのか、エアコンからの匂いはどうかなどです。パワーウインドウや電動ミラーなど電気で動く装置の動作がスムーズかどうかは一通りチェックしましょう。
意外なところでナビゲーションの目的地履歴や自宅を見てみましょう。すべてクリアされて、前オーナーのデーターが消えていればOK。しかしそのまま残っている状態ならば、販売店側のコンプライアンスの低さがわかります。
エンジンを掛けたら音や振動に注意、記録簿と照らし合わせたい
それではようやくエンジンを掛けましょう。スムーズにエンジンが掛かるかどうかでバッテリーの状態がわかります。エンジンを掛けたら、ボンネットを開けて、ベルト付近などから異音や振動が起きていないかをチェックしてください。
エンジンを掛けた状態で、ミッションをPからRへ入れてそしてDへ動かしましょう。その時に大きめのショックが出たり、音が鳴ったりした場合は、ミッションオイルの交換のタイミングかも知れません。
実はこうしたパーツや油脂類が交換時期かどうかも、整備記録簿があればすべてわかります。記録簿がどれだけ重要な物かはわかってもらえるでしょう。
中古車購入でチェックすべき3つのポイント+α
中古車購入時のチェックポイントで大切なのは、その販売店が信頼されている店なのかどうか。そして整備記録簿がキチンとあるのかどうか。最後に変な項目のある見積もり書を作らないかどうか。この3点でしょう。もう一つ加えるとしたら、疑問点を聞いたときに納得できる答えが返ってくるかどうかだと思います。
一方で、相手は中古車のプロですから、やはりそこはリスペクトして話をすることも重要です。お互いが気持ち良くコミニュケーションできることが、購入成功への近道だからです。
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*調査方法:インターネット調査 調査期間:2021年2月12日~15日 調査概要:カーリース10社を対象にしたイメージ調査 調査対象:男女、全国、18~69 歳、運転免許保有、(1)(2)週1回以上運転するファイナンシャルプランナー176s、(3)カーディーラー勤務者297s 調査実施:株式会社ショッパーズアイ 比較対象企業:「カーリース」Google 検索9社(2021年1月29日10 時時点) 広告、まとめサイトなどを除く
カーリースって何?
カーリースはリース会社が所有する車を利用料を払って使用する車の持ち方です。
<カーリースのメリット>
・月々の支払いで車が持てる
・頭金や初期費用は不要なので、まとまったお金が必要ない
・税金や保険料は月額料金にコミコミなので、車生活で大きなお金も不要
・自分だけの車になる(レンタカーやカーシェアのように誰かと使うことはありません)
・マイカーと同様のナンバープレートが使える
・車が必要な期間だけ乗れる
※記事の内容は2020年4月時点の情報で制作しています。