「運転が苦手!でも、クルマに乗らないと生活できない!」そんなお悩みをお持ちのあなたに朗報!今のクルマはすごいんです!“クルマの楽しさを広める伝道者”モーター・エヴァンジェリストの宇野智が、最新の運転支援技術とそれを搭載したクルマを紹介します!
最近のクルマの先進技術はここまできている!
はじめに、最近のクルマの先進技術について簡単にご紹介しましょう。
クルマの先進技術は大きく分けて「予防安全技術」と「運転支援技術」の2種類があります。
予防安全技術とは?
事故や障害物との接触を予防したり、万が一のときの事故の被害を軽減することを目的としたさまざまな技術が最近のクルマに搭載されています。その代表的な機能を紹介します(メーカーによって機能名称が異なることがあります)。
最近のクルマのほとんどは、先進的な予防安全技術が搭載されるようになりました。逆に付いてないクルマのほうがマイノリティになってきたほどです。
衝突被害軽減ブレーキ
よく「自動ブレーキ」といわれているのがこれです。クルマが前方の車両に衝突しそうになったとき、アラートを発し、衝突の危険がさらに高まったときには自動でブレーキをかけて衝突を回避、または衝突時の被害を軽減するものです。
注意したいのは「衝突時の被害を軽減する」ということ。衝突を完全に防いでくれるものではありません。走行時の天候や道路状況により、システムが必ずしも作動することを保証するものでもありません。
もうひとつ注意したいのは、衝突を回避するのは「車両」「人」「自転車」のどれなのか?全部なのか?また、夜間にも対応するのか?といった衝突被害軽減システムの対応範囲です。
運転が苦手な方は、「車両・人・自転車」かつ「昼」「夜」のすべてに対応した衝突被害軽減ブレーキを搭載したクルマを選ぶと安心です。
車線逸脱防止支援システム
車線からはみ出しそうになったとき、アラートを発したり、システムが自動でステアリング操作を行ったりするのが「車線逸脱防止支援システム」です。
アラートの発し方は、アラーム音のほかハンドルが振動するものもあり、ON・OFFやアラートを発するタイミングを早めたり遅らせたりする数段階の調節機能が付いたものもあります。また、ステアリング操作介入のON・OFFをする機能を備えていることがほとんどです。
ふらつき警報
クルマがまっすぐ走らずふらついた走行をしたときに、アラートを発してドライバーに注意を促すのが「ふらつき警報」です。
踏み間違い衝突防止
アクセルをブレーキと間違えて踏んでしまったときに、前方ないしは後方の車両や障害物との衝突を回避、または衝突時の被害を軽減するのが「踏み間違い衝突防止」です。
ブラインド・スポット・モニター(後側方車両検知警報)
走行中の自車の死角となる斜め後ろに車両が接近したときに、ドアミラー内などに警告灯を点灯させたり、ブザー音でドライバーに注意を促すのが「後側方車両検知警報」です。
後退時車両検知警報
駐車場から後退で出るときなど、自車の後方に接近する車両を検知してアラーム音を鳴らしてドライバーに注意を促すのが「後退時車両検知警報」です。車種によっては、車両と接触する危険性が高まると、自動でブレーキを作動させる機能をもったものもあります。
「運転支援技術(ADAS)」とは?
「予防安全技術」が、事故防止または衝突時の被害軽減を目的とした機能なのに対して、「運転支援技術」は、文字通りドライバーの運転をサポートする機能のことをいいます。
運転支援技術のうち、ステアリングやアクセル、ブレーキの操作の一部をクルマが自動で行うものは「自動運転」に該当する機能となります。
自動運転には、レベル1〜レベル5までがあり、現在の日本の公道で走行可能な自動運転レベルは「2」となっています。本記事では、自動運転レベル2の運転支援技術を紹介します。
運転支援技術は、「ADAS(エーダス、アダス)」という呼び方もされています、
この技術は、ドライバーの負担軽減を目的としており、疲れにくくなることが事故防止にもつながっています。
ハンドル操作支援
カメラやレーダーが(車種により仕様は異なる)車線を捉えて、システムがハンドル操作を行うものです。このシステム作動中、ドライバーはハンドル操作をしなくても済みますが、ハンドルから手を放してはいけないことになっており、ドライバーがハンドルから手を離すと、警報が鳴りシステムが強制解除されます。なお、日産の「プロパイロット2」や、スバルの「アイサイトX」では、特定の条件下においてハンズオフ(ハンドルから手を放して運転できる)ドライブができるようになっています。
アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)
カメラやレーダーが(車種により仕様は異なる)前方を走る車両を捉えて、自動で車間距離を一定に保って追従走行するのが「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」です。
ACCは、ドライバーが任意の速度で設定し、その範囲内で追従走行します。前方の車両の速度が速くなっても設定速度以上に自動で加速することはなく、前方に車両がいない場合は、アクセルを踏まなくても設定速度で走行してくれます。
坂道発進の不安を解消!「ヒルスタートアシスト」
この項からは、よくある苦手な運転シーンをお助けする機能を紹介します。まずは、坂道発進をサポートする「ヒルスタートアシスト」。
ヒルスタートアシストは、坂道で発進するとき、ブレーキからアクセルへの踏み替え時にずり下がらないよう、自動で数秒間ブレーキ(1〜2秒が多い)をかけたままにしてくれる機能です。
運転が得意な方なら、素早くペダルの踏み替えができますし、なんなら左足でブレーキ、右足でアクセル(教習所では、ブレーキは右足と教えられますが、AT車は本来、左足でもブレーキが踏みやすくなるようにブレーキペダルの面積が大きくなっています)操作ができますが、運転が苦手な方には、坂道発進は恐怖でしかありませんね。
苦手な運転操作のトップ2 “車庫入れ” “縦列駐車”は「パーキング・アシスト」
教習所で苦い経験をした方は多いでしょう。車庫入れと縦列駐車は苦手な運転シーンのトップ2といって過言ではありません。
ドライバーに代わって、システムが自動で車庫入れ・縦列駐車をやってくれるのが「パーキング・アシスト」です。パーキング・アシストは、クルマの周囲360°をクルマの真上から撮影したような合成映像をナビ画面に映し出す「360°ビューモニター」がセットで付いています。
360°ビューモニターは、狭い道を通るときにも使用できますので、とても運転が楽になります。また、クルマと壁などの障害物との距離が近づくと警報を鳴らす「フロント・リア バックソナー」もセットで付いていることがほとんどです。さらに、障害物と接触する危険性が高まると自動でブレーキをかけてくれる機能をもったものもあります。
メーカー別システム名称
国産メーカー各社は、先進予防安全技術・運転支援技術に名称を付けています。
メーカー名 | システム名 |
---|---|
レクサス | Lexus Safety System(レクサスセーフティシステム) |
トヨタ | トヨタセーフティセンス、チームメイト |
ホンダ | Honda SENSING(ホンダセンシング) |
日産 | ProPIROT(プロパイロット) |
マツダ | i-ACTIVSENSE(アイアクティブセンス) |
スズキ | SUZUKI Safety Support(スズキセーフティサポート) |
スバル | EyeSight(アイサイト) |
ダイハツ | スマートアシスト(スマアシ) |
三菱 | MI-PILOT(マイパイロット) |
運転苦手女子&男子におすすめのクルマ
前述したとおり、先進予防安全技術・運転支援技術を搭載したクルマはたくさん出てきています。その中でも、クルマの安全性を評価する権威ある第三者機関「NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)」が行う「自動車アセスメント2021」で「ファイブスター賞」を受賞したクルマはおすすめです。本記事では、2022年5月25日にNASVAが発表したファイブスター賞を受賞したクルマの中から、運転苦手な女子&男子におすすめのクルマをピックアップします。
【軽自動車】日産 ルークス
軽自動車ではトップとなる衝突安全性能Aランク、予防安全装備Aランクを獲得。先進運転支援技術「プロパイロット」も選べるスーパーハイトワゴンです。
【コンパクトカー】日産 ノート
コンパクトカーではトップとなる衝突安全性能Aランク、予防安全装備Aランクを獲得。もちろん、プロパイロットが付いたモデルが選べます。運転支援系の先進技術では日産が頭ひとつ抜け出ています。
【SUV】ホンダ ヴェゼル
自動車アセスメント2021では、第2位を獲得。扱いやすいボディサイズと快適な室内空間がウリ。ハイブリッド「e:HEV」を選べば走りの良さと低燃費も両立できます。
【2021年ファイブスター大賞】スバル レガシィ アウトバック
2021年10月にフルモデルチェンジを受けたレガシィ アウトバックは、高速道路の渋滞時などの一定条件下でハンズオフ(手放し運転)を可能とした「アイサイトX」を搭載しています。スバルのフラッグシップモデルでちょっと手が届きにくい車両価格でボディサイズも大きいですが、安全性能は折り紙付き。運転苦手な女子&男子が安心安全を求めるなら、このクルマです。
※この記事は2022年10月時点の情報で制作しています