SUVなどに押され、特に国内市場では存在感が薄まりつつあるステーションワゴン。国産モデルは現在、5台しか新車でラインナップされていません。とはいえ、少なからずファンがいるのも事実。そこで今回はいまだにラインナップが豊富な輸入車を含めたステーションワゴンの中から、おすすめのモデルを紹介します。
この記事のPOINT
- ステーションワゴンを選ぶメリットは機能性だけでなく趣味性を備えていること
- 希少な存在となった国産ステーションワゴン5台を徹底解説
- 新世代ステーションワゴンも登場!いまだ多彩な欧州ステーションワゴン
ステーションワゴンとは
ステーションワゴンの定義は見方により異なりますが、一般的に「セダンをベースにキャビンを延長。広いラゲッジルームを備えた2ボックスの車両」だと認識されています。
形状が似る4ナンバーの商用バンとはリアシートの快適性が段違い。荷物の積載メインではなく乗員を乗せるための車両となり、セダン同様の運動性能や居住性を備えています。
自動車メーカーにより「ステーションワゴン」、「ツーリング」、「エステート」、「ヴァリアント」など呼び名は異なりますが、キャビンと一体となったラゲッジスペースを備えることで数多くの荷物を積載しながらも、乗員が快適に長距離ドライブを可能とするモデルです。
そもそもステーションワゴンとはアメリカ発祥のボディタイプ。列車が駅(ステーション)についた際、列車から降りた人と荷物を車両(ワゴン)に乗せて目的地まで運ぶ駅馬車を由来としています。
長い歴史を経るとともに駅馬車からクルマへと車両が代わり、セダンをベースとした現在のステーションワゴンへと進化していきました。
ステーションワゴンのメリット・デメリット
最近でこそ、やや存在感が薄まっているステーションワゴンですが、このボディタイプを選ぶメリットはまだまだ十分にあります。一方でミニバンやSUVと比較したときにデメリットがあるのもまた事実。ステーションワゴンのメリット・デメリットを整理してみましょう。
ステーションワゴンに乗るメリット
ステーションワゴンの大きなメリットといえばミニバンやSUVほど車高が高くないにもかかわらず積載力が高いラゲッジルームを備えていることでしょう。
ミニバンほど車高が高くないため荷物の積み下ろしも苦にならないことも大きなメリットです。
また多くのミニバンやSUVが利用できない、高さ制限のある機械式駐車場を使えることも特徴。ミニバンに比べ横風に強いことも含め、日常使いで大きな利点となります。
その他、機能面以外でいうと、独自のかっこよさを備えることが挙げられます。
なにを隠そう筆者はここ10年、ステーションワゴンに乗り続けています。ユーザー的にはミニバンにはないステーションワゴンのパーソナルな雰囲気や遊び心を備えていることに大きな魅力を感じるのです。
特にスポーツクーペの要素を持つ流麗なスタイルを身につけた「シューティングブレーク」は、より贅沢なたたずまいを備えるステーションワゴンといえるでしょう。
そもそもシューティングブレークとは銃や猟犬をクルマに乗せて狩猟(シューティング)に出かけるための馬車(ブレーク)が起源。趣味的要素を備えた車両として発展したステーションワゴンはライフスタイルを表現するためのクルマ。そんな贅沢な雰囲気に惹かれるユーザーがミニバンではなくステーションワゴンを選ぶのです。
またステーションワゴンは、ベースとなるセダンと比べ実用性が増したラゲッジルームを備えつつ、走行性能は重量増によるわずかな低下にとどまっています。極端に言えばセダンが日常で使用する道具だとすれば、ステーションワゴンは生活感が前面に出ない非日常で使用するアイテム。セダンよりも豊かな生活感をイメージできるのがステーションワゴンの大きなメリットといえるでしょう。
事実、初代スバル レガシィツーリングワゴンから始まった日本のステーションワゴンブームは、セダン全盛だった国内市場でちょっとした贅沢感をもたらす新たな生活様式を感じさせたことが大きな要因だったといえます。
また背が高いミニバンやSUVと比べても低く流麗なスタイルを備えるステーションワゴンはワインディングロードなどの走行で安定した操縦性を備えることもメリットです。
走行性能を重視したSUVもラインナップされてはいますが、俊敏な走行を求めるならステーションワゴンが一歩リード。
高い実用性がありながら走行性能や操縦性も備えるスタイリッシュな車両。これがステーションワゴンの魅力であり、選択する際の大きなメリットです。
ステーションワゴンに乗るデメリット
正直、ステーションワゴンを所有・運転する上でのデメリットはありません。
ただし、6〜7人をクルマに乗せて移動する機会がある場合など、シートが2列しかないステーションワゴンより3列シートを備えたミニバンのほうが機能性は上回ります。
また、ミニバンやSUVなどアイポイントが高いクルマの運転に慣れている場合、視点が低くなるステーションワゴンの運転に違和感を覚えることもデメリットといえるでしょう。
その他、それらしい要素は見当たらないのですが、国産ステーションワゴンを購入しようと考えたとき、SUVやミニバンと比べると選択肢が圧倒的に少ないことはデメリットといえるかもしれません。
いまだ欧州メーカーは数多くのステーションワゴンをラインナップしていますが、国産モデルはごくわずか。ステーションワゴン発祥のアメリカでさえSUVにシェアが奪われ、ひと昔前に比べると販売されているモデルは少なくなりました。
実用性よりステーションワゴンが備える趣味性の高さを重視する場合、必然的に輸入車を選択するケースが多くなりますが全体的に価格は高め。ステーションワゴンがもたらす豊かな雰囲気を新車で手に入れるには、実生活が豊かでないと手に入れることが難しいのが現状です。
なぜステーションワゴンが衰退したのか、それにはいくつもの理由がありますが、ひとつはステーションワゴンでしか得られないメリットがわかりにくくなったことが大きな理由となるでしょう。
多くの乗員と荷物を乗せて移動するならミニバンが有利。またステーションワゴンの実用性はSUVがもれなく備えています。
しかもステーションワゴンのベースとなるセダンはステーションワゴン同様、国内での人気は低下。クラウンでさえ新型はクロスオーバーから発表するなど人気が下がったセダンの低迷が、ステーションワゴンの車種減少に大きな影響を与えています。
国産メーカーからステーションワゴンのラインナップが少なくなったのは、客観的に見ると仕方がないのかもしれません。
ステーションワゴンには低くて流麗なスタイルを備えるメリットはありますが、ユーティリティ性能はミニバンには劣ります。走行性能は操作性こそSUVやミニバンに勝りますが、高速道路でのロングドライブについては大きく変わらない。となるとステーションワゴンを選ぶユーザーが少なくなるのは必然でしょう。
ステーションワゴンを手に入れることが難しくなったこと、それが一番のデメリットだといえます。
国産車ステーションワゴン 人気ランキング トップ5+1
国産メーカーがラインナップするステーションワゴンは現在5台。各社からさまざまなコンセプトを備えたステーションワゴンが発売されていた時代と比べるとセグメント自体が希少な存在となりました。
そんな中でも現在販売されている国産ステーションワゴンを人気順に、さらに近々登場が予定されているクラウン エステートも加えて紹介していきましょう。
第1位 トヨタ「カローラ ツーリング」
現在、国内で販売されるカローラは2019年に販売を開始した12代目です。
ステーションワゴンのツーリングはセダンと同時期にデビュー。欧州などで販売されるグローバルモデルとGA-Cプラットフォームこそ共通ですが、国内での使い勝手にこだわりコンパクトなサイズに仕立てられています。
2022年10月に一部改良が施され、先進安全装備「Toyota Safety Sense」の機能向上や快適装備が充実しました。
カローラ ツーリングはグローバルモデルのワゴンに対してホイールベースが60mm、リアオーバーハングが95mmも短いため、どちらかというとショートワゴンの部類に入るかもしれません。ステーションワゴンとしては伸びやかなフォルムのグローバルモデルに分がありますが、逆にスポーティーなイメージは国内向けのほうが強いともいえます。
パワートレインはガソリンエンジンが1.2L直4ターボと1.8L直4。さらに1.8L直4+モーターのハイブリッドの3種類をラインナップ。
ラゲッジ容量はガソリンとハイブリッドともに325L(デッキボードを下げると390L)。通常のラゲッジ状態でもゴルフバッグを4つ積載できるスペースを有していますが、後席と倒すと最大800Lまで拡大します。
カローラ フィールダーとは異なり5ナンバーサイズではなくなりましたが、それでも国内での使用に最適なサイズを備えたことや走る楽しさを感じることができるステーションワゴン。貴重な国産ステーションワゴンとして今後も進化を遂げていってほしい1台です。
第2位 スバル「レヴォーグ」
現行モデルは2020年10月に登場した2代目。先代からボディサイズをわずかに拡大しているものの、初代同様、取り回しが良いサイズに抑えられました。
デビュー時にラインナップしていたパワーユニットが1.8L直噴ターボ。スバルの次世代ダウンサイジングターボのひとつCB18型水平対向4気筒エンジンは先代に搭載されていた1.6L FB16型の後継機となるエンジン。パワーはもちろんトルクが5.1kg-mも向上するなど力強さと高回転まで気持ち良く回るスポーティーなパワーユニットです。
このエンジンに加え2代目は2021年の一部改良で2.4L水平対向4気筒エンジンを追加。最高出力275psを発揮し、マニュアルモード付きスバルパフォーマンストランスミッションと組み合わせたことでパワフルなのはもちろん、1.8Lエンジンと比べ圧倒的な走りのゆとりを実現しました。
ステーションワゴンに求められるラゲッジスペースにもぬかりはありません。荷室容量を拡大するためにホイールハウス間を広げサブトランクを増量。床下+床上トータルでのラゲッジの容量は561Lと先代から約40L拡大しています。
もちろんスバルが誇る先進安全装備「アイサイト」も最新バージョンが用意され、特定の条件下でハンズフリー運転ができる「アイサイトX」も選択可能。
歴代レガシィがテーマとしていたグランドツーリング性能を受け継ぐレヴォーグは、走りを重視するならイチオシのステーションワゴンです。
第3位 スバル「レガシィアウトバック」
レガシィステーションワゴンをベースに1995年北米市場で誕生したレガシィアウトバック。ステーションワゴンとSUVを融合したクロスオーバーとして大きな人気を集め、現在では6代目が販売されています。
2021年に販売を開始した国内仕様はレガシィファミリーの中では唯一国内で販売されているモデル。北米仕様で好調な販売を記録していることで先代からキープコンセプトでモデルチェンジされましたが、プラットフォームは一新されました。
先代インプレッサから採用が始まったSGPプラットフォームを用いたことで剛性を大きく向上。走行性能はもちろん快適性も先代から大きく進化しています。
北米仕様などには2.5L水平対向エンジンを搭載する6代目ですが国内仕様はレヴォーグに搭載される1,8L直噴ターボのみを用意しました。低回転域から高トルクを発揮する1.8Lエンジンには変速ショックのない滑らかな加速やリニアなレスポンスを可能とした8速マニュアルモード付きCVTのリニアトロニックを組み合わせています。
また先代と比べプラス13mm最低地上高を高めシンメトリカルAWDを備えたことで走破性は向上。スバル自慢の先進運転支援システム「アイサイトX」が全車標準装備され安全性能や快適性がさらに高まりました。
北米市場をメインとしていることで室内空間は広大。ラゲッジルームも561Lと大きなゆとりを備えた空間を実現しています。
レガシィアウトバックはステーションワゴンとSUVの良さを併せ持つ1台。今後、ステーションワゴンが進むべき道筋を示したクルマといえるでしょう。
第4位 マツダ「マツダ6ワゴン」
2019年にアテンザから改名したマツダ6。車名が変わっても国産車唯一ともいえるプレミアムなステーションワゴンとして位置づけられています。
ただすでに現行モデルの注文は終了。次期モデルがどうなるかわからない中、販売店の在庫がなくなり次第、販売が終了しまうのは惜しい気がします。
マツダ6ワゴンの前身となるアテンザは2012年に登場以降、度重なる改良が加えられ内外装や装備、走行性能などあらゆる面で手が加えられていきました。
特にパワートレインのアップデートが重ねられマツダ6となった現在はガソリンエンジンが2L直4、2.5L直4、並びに2.5L直4ターボ。ディーゼルエンジンは2.2L直4ディーゼルエンジンを用意しています。
2.5Lガソリンターボエンジンは大排気量V8エンジン並みとなる42.8kgfの大トルクを発生。街乗りから高速走行まで優れた加速フィールとゆとりある走りを実現しました。
気になるラゲッジ容量ですが通常時で506L。後席を格納時にはラゲッジの奥行きが1,985mmまで拡大します。また取り外した際に置き場所に困るトノカバーを床下に格納できるなど、極め細かいところにも工夫がなされました。
次期モデルは後輪駆動を採用する、いやモデルチェンジはなくブランド消滅などなどさまざまな憶測が流れていますが、現状どうなるかの情報は不明。
ただ、現行モデルが備えるエレガントなたたずまいや流麗なスタイルはステーションワゴンが持つ趣味性や豊かさを最も具現化した国産車といえるでしょう。
第5位 トヨタ「カローラ フィールダー」
すでに12代目となるカローラが販売されていますが、主にビジネスユース向けにカローラ フィールダーも併売されています。
そのカローラフィールダーは2012年5月にデビュー。
1.5L&1.8L直4ガソリンエンジンと1.5L+モーターのハイブリッド仕様を用意していましたが、現在は1.5Lガソリン(MITとCVT)、ハイブリッド仕様のいずれもエントリーグレードのみが販売されています。
主な装備としてプリクラッシュセーフティなどを備えた「Toyota Safety Sense」は備わっていますが、足回りはスチールホイールに樹脂キャップ、オートエアコンはハイブリッド仕様のみ、シート表皮はファブリックなどなど一般ユーザーが購入するにはやや寂しい内容。
価格こそカローラツーリングの207万円からに対して175万8,400円から購入できますが、一般ユーザーが選択するには二の足を踏んでしまうことでしょう。
ただステーションワゴンとしての実用性は十分。ゆとりある後席が備わり407Lを誇るラゲッジスペースを備えるため新車ではなく中古で、すでに販売されていないスポーティーな走りを備えた1.8Lエンジンモデルを購入することは吉かもしれません。
番外編 トヨタ「クラウン エステート」
2022年9月に発表された新型クラウン。1955年にデビューした初代から15代目までトヨタのフラッグシップセダンとして君臨し続けましたが、16代目はセダンだけでなくクロスオーバーをはじめとする4タイプをラインナップしました。
そんなクラウンにセダンやハッチバックのスポーツとともに用意されるのがステーションワゴンのエステート。歴代モデルにもステーションワゴンが用意されたクラウンですが、16代目のエステートはセダンのリア部分を伸ばしたものではなく専用のデザインを採用。
11代目などに用意された従来のクラウン エステートとは違い、シューティングブレーク寄りのフォルムとなりました。フロントのオーバーハングが長くリアが短めなところもそう思わせる要因です。
そのデザインはワイド&ローが強調されたスタイリッシュなもの。最低地上高も高めでクロスオーバーの要素も兼ね備えます。
現在までにクロスオーバー以外の詳細が発表されていないためパワーユニットなど不明ですが、そのフォルムはかなり魅力的。
久しぶりに登場する国産Lクラスワゴンのクラウン エステートはステーションワゴン好きにとって注目したい1台です。
輸入車ステーションワゴン 人気ランキング トップ5
ドイツを中心に欧州ではいまだに人気を保っているステーションワゴン。そのためドイツメーカーはもちろん、他の欧州メーカーからも数多くの車種がラインナップされています。
実用性重視のモデルはもちろん、シューティングブレークなど多彩なステーションワゴンをピックアップしました。
第1位 ボルボ「V60」
ステーションワゴンをイメージすると最初に思い浮かぶのがボルボV60という人も多いことでしょう。国内でステーションワゴンのニーズが少なくなった現在でさえ、好調な販売を誇ります。
同車には北欧のスタイリッシュな内外装デザインやステーションワゴンがもたらす豊かな生活感がイメージできるため、ワゴン離れが進んだ日本でも売れ続けているのでしょう。
そんなユーザーに支えられているV60の現行型は2018年に国内デビュー。特筆すべきは先代モデルに比べて全幅が15mm縮小した1,850mmになったこと。これは有力な市場である日本の機械式駐車場が全幅1,850mm以下に制限していることへの対応です。これによって使い勝手が大きく向上しました。
V60のパワートレインは出力が異なる2種類のハイブリッド(2L直4エンジン+モーター)と、プラグインハイブリッド(2L直4エンジン+モーター)。またボルボが特に力を入れている先進安全装備も“全部のせ”というくらい充実しています。
ラゲッジ容量は529Lと広大。ラゲッジスペースを拡大するための後席格納はラゲッジ開口部近くにあるスイッチで遠隔操作が可能です。またスイッチ脇にはDC12Vアウトレットを備えるなど、ワゴンにうれしい装備も備えました。
北欧ならではの洗練された内外装のテイストはメルセデス・ベンツやBMWなどドイツのライバルメーカーに真似できないもの。唯我独尊ともいえるステーションワゴンであることは間違いありません。
第2位 メルセデス・ベンツ「Cクラス ステーションワゴン」
2021年に国内販売を開始した5代目Cクラス。先代同様、セダンとともにステーションワゴンがラインナップされましたが大きく異なるのがパワーユニット。ガソリン、ディーゼルエンジンともに電気モーターが組み合われています。
ステーションワゴンに用意されるガソリンエンジンは1.5L直4ターボエンジンに電気モーターを内蔵したハイブリッドトランスミッションを装備。ターボはメルセデスAMGペトロナスF1チームと共同開発したツインスクロール方式を採用し、従来のユニットよりターボラグが縮小されました。
またディーゼルエンジンはEクラスに搭載されている2L直4をベースに排気量を拡大。ガソリンエンジン同様、エンジンとトランスミッションの間に最高出力20psの電気モーターを挿入するハイブリッドユニットとなっています。
パワーユニットとともに変更されたのが居住空間。特に後席の足元はかなり余裕が増し大人がゆったりとくつろげる空間を実現しています。
またラゲッジルームもルーフがボディ後方まで伸びたデザインを採用したことで容量アップ。後席を倒すと完全にフラットな空間となるところもワゴンとしては大きなメリットといえるでしょう。
趣味性はメルセデス・ベンツがラインナップするCLA シューティングブレークに劣りますが実用性は圧倒的。ステーションワゴンの本流としてCクラスステーションワゴンは大きな魅力を備えています。
第3位 BMW「3シリーズ ツーリング」
SUVのラインナップが拡大したBMWですが、いまだに国内での基幹モデルとなるのが3シリーズ。現在販売されている3シリーズは2019年に国内デビューした7代目となります。
3シリーズといえばセダンやクーペ(現行型は4シリーズ)のイメージが強いですが、歴代モデル同様にステーションワゴンのツーリングもラインナップ。他のボディタイプ同様にツーリングも走りを重視する方にとっておすすめできるモデルです。
現行ツーリングはセダン同様に多彩なパワートレインを用意。318iに搭載される2L直4(最高出力156ps)をはじめ最高出力が異なる2L直4、2L直4ディーゼル、最高出力387psを発揮する3L直6と幅広いラインナップを用意。
先進安全装備も充実していて短・中・長距離の3眼カメラにより衝突回避や被害軽減ブレーキはもちろん、高速渋滞時にはハンズ・オフ・アシストを実現しました。
前後重量配分はセダン同様、(ほぼ)50:50を実現。気持ち良い走りを可能としています。またツーリングワゴンに期待される乗り心地も低速から高速までしなやかな足回りに仕立てられているため長距離ドライブも苦になりません。
ラゲッジ容量は500L。これだけでもこのクラスでは十分広いのですが、リアシートを倒すことで1,510Lまで拡大します。
BMW3シリーズらしい走りを楽しむなら、セダンだけでなくツーリングという選択肢があることをお忘れなく。
第4位 ミニ「クラブマン」
数多くのボディタイプをそろえるミニ。3&5ドア、カブリオレなどとともにステーションワゴンのクラブマンもラインナップされています。
クラブマンは3&5ドアをベースに全長およびホイールベースを延長しラゲッジスペースを拡大。先代は変則的なドア配置が特徴でしたが現行モデルは4ドア+観音開き式リアドアを採用。それでもミニシリーズの中では特に個性的なモデルに仕立てられました。
ワゴン仕様とはいえ、3ドアと同様にハイパフォーマンスモデルの「John Cooper Works」を設定。最高出力225psを発揮する2L直4エンジンを搭載し0-100km/hは4.9秒を誇ります。
ハイパフォーマンスモデルだけでなく、どのグレードもミニらしい走りを楽しめるのはもちろん、ワゴンらしく乗り心地にもこだわったテイストに仕上げられていることも特徴といえるでしょう。
気になるラゲッジ容量は360L。後席を倒すことで最大1,250Lまで拡大可能です。
国内販売が開始されて時間は経ちましたが、改良が加えられたことで走りの質感もぐっと向上。
クラブマンは、ミニ独自のゴーカートフィーリングを味わえるワゴンとして貴重な存在といえるでしょう。
第5位 プジョー「508SW」
2019年に国内導入されたプジョー508。セダンとともにステーションワゴンの508SWもラインナップされています。
508SWの大きな特徴はエクステリアデザイン。先代モデルが保守的なデザインを採用していたのとは 対照的に優雅なフォルムを身にまといシューティングブレークスタイルを取り入れました。プジョー“らしさ”が詰まったこのデザインは魅力的です。
パワートレインが豊富なことも特徴のひとつ。1.6Lガソリン、2Lディーゼル、1.6Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドと3つのパワートレインが用意されました。
インテリアデザインも個性的。ステアリングの上からパネルを見るi-コックピットと名付けられたメーターパネルやライオンの爪をイメージした空調などの各種スイッチなど、機能とデザイン性を両立しています。
またフロント、リアシートともに芯がしっかりと大柄なところも乗員にはうれしいポイント。リアシートの快適性も優れていてロングドライブが苦になりません。
508よりオーバーハングを延長しラゲッジを拡大した508SWは、ステーションワゴンに求められる大容量を実現しています。
ドイツ車とは違うベクトルで仕立てられた508SWは、合理性を備えながら個性豊かに仕上げたフレンチワゴンとして大きな魅力を備えた1台です。
専門家がおすすめするステーションワゴン ベスト5
先程からお伝えしているように国産ステーションワゴンのラインナップは激減。選択肢が少なくなりましたが、輸入車に目を向けるとまだまだ魅力的なモデルも数多く販売されています。
今回は実用性にとことんこだわったモデルから趣味性が高い1台、またSUV要素を備えたニューモデルなど、それぞれの個性を備えたおすすめのステーションワゴン5台を紹介しましょう。
第1位 シトロエン「C5 X」
2022年8月に国内導入されたシトロエンC5 Xは同社の新たなフラッグシップモデルとして誕生しました。シトロエンはC5 Xについてステーションワゴンとはうたっていませんが、セダンやSUVの要素も備えた新世代のワゴンとして注目を集めています。
C5 Xはシトロエンが展開するV字ライトシグネチャーを採用したフロントマスクや高めに配されたウエストライン、広いグラスエリアで構成されたキャビンなど、シトロエンらしい個性的なスタイルに仕立てられているのが大きな特徴。このフォルムは過去にシトロエンが発表してきた数々の歴代モデルをオマージュしデザインされました。かつてのCXやXMなど、シトロエンは最上級モデルもハッチゲートを備えていたことを思い出させます。
インテリアもシトロエンらしさが満載。ダッシュボードのシボや木目調パネルの模様、レザーシートの表皮などあらゆる箇所にシトロエンのCIマーク「ダブルシェブロン」柄があしらわれています。
気になるラゲッジ容量ですが、後席使用時に545Lを確保。後席を倒すと1,640Lの大空間が現れます。スタイリッシュなフォルムでありながらステーションワゴンとしては十分すぎるほどのスペースが備わっているのは大きなメリットといえるでしょう。
国内販売モデルには最高出力180psを発揮する1.6L直4ターボエンジン、並びに同エンジンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドを用意。プラグインハイブリッドのEV走行距離は65km(WLTCモード)となります。
乗り心地に定評のあるシトロエンらしくC5エアクロスSUVやC4に先行搭載された「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」(PHC)をガソリンターボ車に、そしてプラグインハイブリッド仕様にはPHCの電子制御版である「アドバンスト・コンフォート・アクティブサスペンション」を採用。このサスペンションはダンパー内の油圧を制御し減衰力を最適化するもので、シトロエンが展開してきた「ハイドロニューマチックサスペンション」を連想する人も多いのではないでしょうか。
シトロエン好きはもちろん、新たな価値観を備えたステーションワゴンに興味を持つ人には最適なクルマといえます。
第2位 ホンダ「シャトル」
シャトルはフィットシャトルの後継モデルとして2015年にデビュー。パワーユニットは1.5L直4ガソリンと1.5Lエンジン+モーターのハイブリッドが用意されました。
デビュー後、堅調な売れ行きを示していたシャトルでしたが2022年11月にラインナップ落ち。数少ない国産ワゴンの中でもさらに貴重な5ナンバーサイズだったことで、現在は廉価モデルのみが販売されているカローラ フィールダーが唯一の国産5ナンバーワゴンとなりました。
シャトルの大きな特徴は5ナンバーサイズにもかかわらず広大な室内空間を有していること。フィットゆずりのセンタータンクレイアウトを採用しクラスを超えた居住性を実現しています。
ラゲッジルームも570Lの大容量を誇りました。その広さはゴルフバッグを楽に4つ搭載できるほどで、ゴルフをプレイされる方ならその広さは想像がつくでしょう。
パワートレインは1.5L直噴直4エンジンと1.5L直4エンジン+モーターのハイブリッドを用意。エンジンが主役のハイブリッドは燃費が良いのはもちろん“スポーティハイブリッド”と名付けられているようにハンドリングの良さや走行性能も重視されています。
ワゴンに求められる趣味性を備えてはいませんが実用性は抜群!とにかく広いラゲッジルームを備えたステーションワゴンを求めるなら間違いなく買いのワゴンです。
第3位 フォルクスワーゲン「ゴルフ ヴァリアント」
日本でも知名度が高いフォルクスワーゲンゴルフ。現在販売されているのは2021年に国内販売が開始された8代目で、ステーションワゴンのヴァリアントもラインナップされました。
ゴルフ ヴァリアントの大きな特徴は実用性の高さ。ラゲッジスペースの容量ですが後席利用時は611L、後席を倒すと1,642Lと広大なスペースを確保しています。
広大なラゲッジスペースを確保した大きな理由は歴代モデルとして初めてハッチバックより長いホイールベースを備えたこと。ハッチバックから50mm延長したことでラゲッジルームだけでなく、後席のレッグルームも広くなっています。
現行モデルに用意されたパワーユニットが多彩なことも特徴といえるでしょう。
1L直3ガソリンターボをはじめ、1.5L直4ガソリンターボ、2022年10月に追加された2L直4デーゼルターボ、さらにハイパフォーマンスモデル「ゴルフRヴァリアント」に搭載される2Lガソリンターボをラインナップ。2Lガソリンターボの最高出力は320psを誇ります。
ひと昔前のゴルフヴァリアントは実用性こそ高いものの趣味性が薄い…とのイメージがありましたが、現行モデルはなかなかスタイリッシュ。実用性一辺倒ではない現行モデルは多くのユーザーにおすすめできます。
第4位 アウディ「A4オールロードクワトロ」
2017年、アウディA4シリーズに追加されたA4オールロードクワトロ。
最低地上高をワゴン仕様のA4アバントより30mm高くし、専用のホイールアーチなどで走破性を高めたクロスオーバーモデルです。
1999年にA6アバントをベースに誕生したオールロードクワトロは、その他のモデルにも設定が拡大。先代A4にも加えられ、現行モデルは2代目となります。
国内で販売されるのは2Lターボ付きガソリンエンジンに7速AMTや18インチが組み合わされた1グレードのみ。当然、アウディが誇る4WDシステム“クワトロ”が搭載され、オンオフ問わずに滑らかな加速と走行安定性を実現しました。
ワゴンで重要視されるラゲッジ容量は505L。シートを倒すと最大1,510Lまで拡大します。またラゲッジの左右にはネットで仕切られたスペースを設けているなど、アウトドアを楽しむにはうれしい工夫もなされています。
悪路での走破性も上々ですが、高速道路での乗り味も抜群だということも特筆すべきメリット。高速クルーズから路面不整路まで、あらゆるシーンで活躍できるオールロードクワトロはアウトドアを楽しむ方にはうってつけのモデルです。
第5位 ジャガー「XFスポーツブレーク」
メルセデス・ベンツやBMWにはプレミアムクラスのステーションワゴンが用意されていますが、ジャガーにもとっておきのモデルが販売されています。
そのモデルとは、2018年から国内販売が開始されたジャガーXFスポーツブレーク。数あるプレミアムワゴンにおいても存在感は格別といえるでしょう。
ステーションワゴンらしい伸びやかなスタイリングを備えていますが、ボディサイズ自体が巨大だからこそできたもの。その恩恵はラゲッジスペースにも及び、荷室容量はなんと754L!もちろん後席を倒せば、さらなる広大な空間が広がります。
XFスポーツブレークに用意されたパワートレインは2種類。最高出力204psを発揮する2L直4ディーゼルと最高出力250psの2L直4ガソリンジンが車重約1,900kgの大きなボディを過不足なく走らせます。
走行性能を支えるのはエンジンだけでなく優れた予測性能を備えたAWDシステムも大きく貢献。スリップが発生する前に路面状況を検知しコントロールと安定性を保つことを可能としました。
SUVのラインナップ拡充が目立つジャガーですが、プレミアムなステーションワゴンにも注目すべきです!
ステーションワゴンの適切な選び方と注意点
実用性重視か趣味性重視かを決めて選ぶ
ステーションワゴンはセダンより広いラゲッジルームを備えていることが特徴。ただし、スタイルを重視しているモデルの場合、同じクラスのステーションワゴンよりラゲッジ容量が少ない車種も存在します。
特にシューティングブレークを名乗るワゴンの場合、全高を抑えたスタイルを採用していることもあり荷室長が低い車種も存在。レジャー重視で荷物の積載量を重視する場合は見極めが必要となるでしょう。
また広いラゲッジルームを重視して車種選択する場合、比例してボディサイズが大きくなるケースもあるため注意が必要。特に欧州車を選ぶ場合、全幅が2mに迫るミドルクラスのステーションワゴンも存在するため事前チェックは必須です。
アウトドアで活用するなら4WD
レジャー重視でステーションワゴンを使用する場合、4WDモデルが設定されている車種を選ぶほうが良いでしょう。
2輪駆動と比べ4WDは悪路走破性に優れ、ぬかるんだ路面でもスタックしにくい利点を備えています。もちろん雪道での走行も2輪駆動より走破性が優れているので、レジャーだけでなく雪が多い地域にお住まいの場合は4WDを選ぶべき。
また、ステーションワゴンをベースに最低地上高を上げたクロスオーバーもラインナップされています。アウトドア重視でクルマを選ぶ場合は、そのようなモデルも視野に入れた車種選びをおすすめします。
修復歴車・事故車は避ける
ステーションワゴンを中古で購入する場合、価格の安さに惹かれ修復歴車や事故車を選ぶ方がいますが、それはおすすめできません。
修復歴車や事故車とは「車両のフレームなど重要な構造体が事故などで損傷を受けたことがあるクルマ」のことで、相場より安く販売されているケースが多く見られます。
しかしフレームはクルマの骨格部分。車体を支えるパーツですので損傷を受けている場合、いくら修理したとはいえ想定外の不具合につながる可能性があります。
現在、修理歴がある中古車は車両の記録として記載することが義務づけられているため、中古車検索サイトなどでステーションワゴンを探す場合は、あらかじめ修理歴なしの条件設定を行った上で検索しましょう。
水没車・塩害車もNG
修理歴車とともに中古のステーションワゴンを選ぶ際、避けたいのが水没車や塩害車。
水没車とは河川地域などで水害を受けたクルマで電装系に異常をきたしている場合が多く、各種センサーなどの故障につながるケースがあります。
ただ、水没車は修理歴車として扱われないため中古車検索サイトなどネットで車両を購入する場合、見極めることができません。
必然的にお店での購入が必要となるのですが、水没車かどうかを見抜くには次のような方法があります。
1:空調を入れない状態で、車内が濡れた雑巾の匂いがするかどうか
2:シートベルトを思いっきり引き出し、根本に泥のような染みのラインがあるかどうか
この2つに当てはまれば水没車の可能性があるため、店舗に確認しましょう。
また塩害車とは積雪地域で雪によるダメージを受けたクルマのことです。
雪によるダメージとは主に路面にまかれる凍結防止剤(塩化カルシウム)が引き起こすボディの錆で、特にフレーム部分や内部のパーツが錆びてしまうと機能的な問題を引き起こす可能性があるのです。
特に降雪地域でステーションワゴンの中古車を購入する場合、ボディよりエンジンルームやボディの下回りなどもチェックする必要があり、それらが周りに比べ不自然に錆びていればその車両は避けたほうがよいでしょう。
「欲しい車が高い…」「予算オーバー」
でも、あきらめることはありません!
今利用が急増している、新しい車の持ち方があるのをご存じですか?
それは車のサブスク、カーリースです。
カーリースは月額料金の支払いだけで車を持つことができ、料金は最初から最後までずっと定額です。
そして、車両本体価格の全額を負担する必要がないので、「買えない」「ローンが組めない」と思っていた車にも、無理せず乗ることができます。同じ車でも、カーローンの月々の返済額とカーリースの月額料金を比べたとき、リースのほうが安く抑えられる、ということがあるのです。
カーリースを検討するなら、おすすめは「おトクにマイカー 定額カルモくん」です。業界最安水準の料金である上にサービス内容も充実していることから、専門家が選ぶカーリースとして、「コストパフォーマンスが高い」と思うカーリース(1)、「サポートが充実している」と思うカーリース(2)、「納得価格」と思うカーリース(3)の3部門でNo.1を受賞しています*。
*調査方法:インターネット調査 調査期間:2021年2月12日~15日 調査概要:カーリース10社を対象にしたイメージ調査 調査対象:男女、全国、18~69 歳、運転免許保有、(1)(2)週1回以上運転するファイナンシャルプランナー176s、(3)カーディーラー勤務者297s 調査実施:株式会社ショッパーズアイ 比較対象企業:「カーリース」Google 検索9社(2021年1月29日10 時時点) 広告、まとめサイトなどを除く
【まとめ】ステーションワゴンは趣味性が高いライフスタイルを表すクルマである
ここまで多彩なステーションワゴンを紹介してきましたが、広いラゲッジルームを備えた“だけの”車ではなく趣味性が高いモデルであることがわかったのではないでしょうか。
贅沢で趣味性が高い車ともいえるのですが、クルマを移動手段としてとらえるユーザーが多い日本でステーションワゴンの人気がなくなったことは、そのことが理由なのかもしれません。
趣味性を車に求めるユーザーは少数派で、室内空間の広さや燃費の良さが車選びのポイントとなるからです。
ただ、長期休暇の移動に使うニーズが多いドイツを中心とした欧州ではいまだステーションワゴンの人気は健在。ワゴンファンにとって国内でも趣味性が高い欧州製ステーションワゴンが数多く販売されているのは欧州市場でまだまだニーズがあるおかげなのです。
とはいえ、その欧州市場でも人気はSUVに移りつつあるとのこと。国内外でステーションワゴンがどうなるか、今後も目が離せない状況が続いていくことでしょう。
よくある質問
Q1:ステーションワゴンの定義とは
A:ステーションワゴンの定義は見方により異なりますが一般的に「セダンをベースにキャビンを延長。広いラゲッジルームを備えた2ボックスの車両」だと認識されています。形状が似る4ナンバーの商用バンと異なり、リアシートの快適性など荷物メインではなく乗員を載せるための車両でセダン同様の運動性能や居住性を備えています。
Q2:国産ステーションワゴンは何台ラインナップされている?
A:ホンダ「シャトル」が2022年11月にラインナップ落ちしたことで、トヨタ「カローラ ツーリング」「カローラ フィールダー」、スバル「レヴォーグ」「レガシィアウトバック」、マツダ「マツダ6ワゴン」の5車種が販売されています。ただし、マツダ6ワゴンはすでに生産が終了しており、在庫がなくなり次第ラインナップ落ちする予定。トヨタ「「クラウン エステート」の販売が始まるまでは4車種になる見込みです。
Q3:ステーションワゴンのメリット
A:ミニバンやSUVほど車高が高くないにもかかわらず積載力が高いラゲッジルームを備えていること。また、ミニバンほど車高が高くないため荷物の積み下ろしも苦にならないこともメリットとなります。また多くのミニバンやSUVが利用できない機械式駐車場を使えることも特徴。ミニバンに比べ横風に強いことも含め、日常使いで大きな利点となります。一方、ミニバンやSUVと比べ新車購入時の選択肢が少ないことはデメリットとなります。
※この記事は2022年11月時点の情報で制作しています