タイヤは車の運転性能や安全性に直結する重要なパーツです。タイヤの溝が浅くなってきたら、そろそろタイヤ交換の時期です。先延ばししないで早めに交換しておきましょう。
とはいえ、最近ではさまざまなタイプのタイヤが販売されていて、どのタイヤを選んだらいいのか悩むかもしれません。そんなとき気軽に相談できるのはディーラーかもしれません。購入時から車について相談にのってもらえるディーラーなら安心してお願いできますが、タイヤは消耗品だけに交換するにはそれなりのコストもかかります。
そこで、ディーラーをはじめとしてタイヤ専門店やカー用品店などの業者別に、タイヤ交換の料金や特徴を徹底比較してご紹介します。
ディーラーでタイヤ交換するメリット
メーカー特約店であるディーラーは、そのメーカーの車に精通したプロですから、車のことについてまるごと相談できるので安心です。車内や乗り心地が快適かどうか、車体のメンテナンスは行き届いているかなど、総合的に判断して最適なタイヤを提案してくれるのは、ディーラーならではのメリットといえるでしょう。
車種に合ったタイヤを把握している
新車のタイヤは、その車種の機能や性能が最大限に発揮できるように調整されているのが一般的です。そのため、自分の車にはどのタイヤが最適なのかを知りたいなら、ディーラーに相談するのが近道といえます。
車のクラスや車種の特性に合ったタイヤはもちろんのこと、ハンドリングがスムーズなタイヤや長持ちするタイヤ、雪道などを走るためのスノータイヤなど、ドライバーの好みや目的に合わせてタイヤを提案してくれるでしょう。車とタイヤの相性を把握しているのが、ディーラーのありがたいところです。
技術レベルが高い
各自動車メーカーには独自の特徴や技術があり、メーカーや車種によって求められる整備の技術が異なります。メーカーの特約店であるディーラーでは、そのメーカーの車種に特化した高い技術力を備えた整備スタッフを抱えています。とにかく安心して頼めるところにお願いしたい、純正タイヤにこだわりたいという方は、ディーラーでのタイヤ交換をおすすめします。
きめ細かいサービスを受けられる
ディーラーによるタイヤ交換では、タイヤの選び方はもちろん、タイヤの摩耗状態やメンテナンス、点検から交換まで、ワンストップでやってもらえます。そのメーカーの車種に必要な工具や検査器具がそろっているため、きめ細かい点検サービスが行えるのもディーラーならではのメリットといえるでしょう。
自宅まで車を取りに来てくれる
ディーラーには、タイヤ交換の際に自宅まで車を取りに来てくれるサービスがあります。早くタイヤ交換をしたいけれど仕事が忙しくてお店まで行く時間が取れないという方や、契約した店舗が自宅から遠いといった場合でも、予約を入れれば都合のいい日に受け取りに来てもらえるのでとても便利です。
ディーラーでタイヤ交換するデメリット
整備や点検などでとても頼りになるディーラーですが、デメリットもあります。タイヤ交換では、料金で見るとほかの業者に比べて高くなってしまう、作業に時間がかかるといった傾向があります。
料金が高め
ディーラーでは品質の良い純正タイヤを用意しています。しかし、カー用品専門店やタイヤ専門店などと比べると、割高になる傾向があります。また、工賃についても割高になるケースがあります。ただし、車種によってタイヤの料金は異なり、金額が高いタイヤは外国車のものに多く、国産車のタイヤであれば専門店などと大きな違いはありません。「ディーラー=高い」と決めつけず、事前に確認してみることも大切です。
時間がかかることがある
ディーラーでは、整備スタッフが常駐していない場合が多いため、アポなしで店舗に行ってもすぐにタイヤ交換をしてもらえないことがあります。また、タイヤ交換と同時に足回りを丁寧に点検してくれるため、時間がかかることもあります。そのため、事前予約をして行くか、家まで車を取りに来てもらうなど、余裕を持って依頼するといいでしょう。
ディーラーでタイヤの持ち込み交換はできる?
ディーラーにタイヤ交換を依頼したいけれど、料金が高めになるなら、安いタイヤを自分で持ち込んで交換してもらいたいという方もいるのではないでしょうか。純正タイヤを扱うことの多いディーラーに、タイヤの持ち込みはできるのか、詳しく見ていきましょう。
タイヤを持ち込むメリットとは?
これまでタイヤの販売は、ディーラーやタイヤ専門店などの実店舗が主流でした。しかし、最近ではネット通販やオークションサイトでも扱われるようになってきています。
ネット購入では、欲しいタイヤを安い値段で買えたり、豊富な品揃えの中から選べたり、口コミやレビューを参考にできたりするメリットがあります。タイヤ公正取引協議会の2018年の調査 によると、4人に1人がネットでタイヤを購入しているという結果が出ています。ネット通販で取り寄せたタイヤを業者に持ち込むことで、交換費用を安くしようと考える方は多いようです。
ディーラーにタイヤを持ち込めない場合もある
では、ディーラーへのタイヤの持ち込みはできるのでしょうか?実はタイヤによって特性が異なることや、特約店契約しているメーカーの方針などによって、タイヤの持ち込みを受け付けていないディーラーもあります。また、特定の通販サイトや商品のみを受け付けている場合もあるので、ディーラーにタイヤを持ち込みたいと考えている方は、必ず事前に店舗に連絡して持ち込み可能かどうかを確認するようにしましょう。
持ち込み料金がかかることも
タイヤの持ち込みがOKなディーラーの中には、持ち込み料金を徴収する店舗もあります。ディーラーの多くは取り扱うタイヤに利益を上乗せして販売価格を設定しているため、タイヤが売れないとディーラーの儲けは少なくなります。その分、持ち込み料金を取る形にしています。ただし、持ち込み料金が加算されても通販で買ったタイヤのほうが安くつく場合もあります。好きなタイヤを信頼できるディーラーで交換したいという場合は、やはり事前に相談してみましょう。
業者別にタイヤ交換の料金や特徴を比較 すると?
一言に「タイヤ交換」といっても、行う作業はさまざまです。古いタイヤをホイールから取り外して新しいタイヤに付け換える「組み換え」と、タイヤをホイールごと取り替える「脱着」(履き替え)というおもに2種類の方法 があります。ほかに、タイヤとホイールのバランスを整える「バランス調整」や、タイヤの位置を変えることで長持ちさせる「ローテーション」などのメニューもあり、どの作業を行うかによってタイヤ交換の料金や所要時間は異なります。
それでは、業者別にタイヤ交換の料金相場や特徴はどう違うのか、詳しく見てみましょう。
ディーラー
ディーラーでは、タイヤ交換はもちろん足回りの点検など、タイヤ以外のところまできめ細かく点検し、保証してくれる点が魅力です。純正タイヤがそろっていて、車種の特性やドライバーの希望に応じて最適なタイヤを提案してくれるので、安心して任せられます。忙しい場合は、自宅まで車を引き取りに来てもらえるサービスがあるのもメリットです。
しかし、タイヤ専門店やカー用品店と比べるとタイヤの種類は少なめで、料金や工賃が高めになる傾向です。また、タイヤの持ち込みができない店舗もあるので、事前の確認が必要です。
タイヤ専門店
タイヤ専門店は純正品をはじめとして、海外メーカーのタイヤ、エコタイヤ(低燃費タイヤ)など、多彩な種類を取り揃えているのが特徴です。専門店だけにタイヤ交換の技術力も高く、知識の豊富なスタッフも多いので、さまざまなタイプのタイヤから選んで自分好みにカスタマイズしたい場合には最適です。工賃は安めですが、高機能タイヤなどを選ぶと、高くついてしまうこともあります。
カー用品店
気軽に利用しやすいのがカー用品店でしょう。さまざまなカー用品がある中で、もちろんタイヤも扱っています。自社ブランドの安いタイヤから、ほかでは扱っていない商品まで、幅広く扱っている店舗も少なくありません。工賃も安いのでとにかく安く済ませたい場合から、機能にこだわりたい場合まで、幅広い要望に対応してもらえるのが魅力です。
ただし、さまざまな来店客があるため、タイヤ交換の予約が取りづらかったり、作業に時間がかかったりすることもあります。
ガソリンスタンド
日常的に利用する機会の多いガソリンスタンドでも、タイヤ交換を依頼できます。店舗数も多いので、自宅近くで給油のついでにタイヤ交換もしてもらえる利便性の高さは、ガソリンスタンドならではの強みでしょう。ただし、タイヤ自体は大手メーカーのメジャーなものが多く、在庫も少なめなので、欲しいタイヤがすぐに見つかるとは限りません。工賃は安めですが、安いタイヤは少ないので、結果的に高くついてしまうかもしれません。
自動車整備工場
自動車整備工場でもタイヤ交換を受け付けています。整備のプロだけにタイヤ交換以外の整備についてもまとめて相談でき、安心して依頼できるのが魅力です。タイヤ料金も工賃も平均的な相場ですが、業者によってサービス内容や工賃にはばらつきがあるので、必ず事前に確認してから依頼するようにしましょう。
<業者別タイヤ交換のサービス比較>
業者 | メリット | デメリット | 1本あたりの工賃 | 所要時間 |
---|---|---|---|---|
ディーラー | ・純正タイヤが豊富 ・車種に合ったタイヤを選んでくれる ・点検などタイヤ以外のメンテナンスもしてくれる ・自宅まで車を取りに来てくれる | ・料金が高め ・時間がかかる場合がある ・タイヤの持ち込みができない店舗や、持ち込み料金を取る場合も | 2,000円~8,000円 | 30分~1時間半 |
タイヤ専門店 | ・タイヤの種類が豊富 ・エコタイヤや海外メーカーなど純正品以外のタイヤが充実 ・作業レベルが高い | ・高機能タイヤなどは高くなることも ・特定メーカーの商品しかない場合がある | 2,000円~3,000円 | 30分~1時間半 |
カー用品店 | ・気軽に行ける ・安いタイヤが豊富 ・予算に合わせてタイヤを選べる | ・予約が取れず待たされることも ・作業時間が長くなることがある | 1,000円〜2,000円 | 30分〜1時間半 |
ガソリンスタンド | ・気軽に行ける ・給油のついでに交換できる ・リーズナブルな料金 | ・タイヤの種類が少ない ・タイヤによっては高くなる | 1,000円〜5,000円 | 30分〜1時間半 |
自動車整備工場 | ・整備のプロが作業してくれる ・タイヤ交換以外の整備もまとめて相談できる | ・業者によってサービスや料金が違う | 2,000円〜3,000円 | 30分〜1時間半 |
タイヤ交換は信頼できる業者に依頼しよう !
最近ではタイヤのネット通販が増え、タイヤ交換をなるべく安く済ませたいと考える方も多いようです。しかし、タイヤは車の安全を担う重要なパーツです。コストを抑えることも大事ですが、信頼できる業者にタイヤ交換を依頼することはもっと大切です。快適で安全なカーライフを送るためにも、タイヤ交換の業者選びはしっかりと行いましょう。
よくある質問
Q1:タイヤ交換はディーラーに依頼するべき?
A:車の購入時から相談にのってもらっているディーラーなら、タイヤ交換も安心して依頼できます。ただし、消耗品であるタイヤを交換するにはそれなりのコストもかかるため、ほかの業者の料金や特徴を比較検討して、依頼してもいいでしょう。
Q2:ディーラーでタイヤ交換するメリットとデメリットは?
A:ディーラーはメーカー特約店なので、車種に合ったタイヤや整備に精通しています。点検から交換まできめ細かいサービスが受けられたり、タイヤ交換の際に自宅まで車を取りに来てくれたりするサービスがあるのもメリットです。一方、純正品のタイヤ交換や丁寧な点検作業のため、ほかの業者より割高で時間がかかるといったデメリットがあります。
Q3:ディーラーで持ち込みのタイヤ交換はできる?
A:ネット通販などで安く購入したタイヤを持ち込んで交換してもらえるディーラーもあれば、できないディーラーもあります。また、持ち込みができるディーラーでも持ち込み料金を徴収する店舗もあります。必ず事前に店舗に確認するようにしましょう。
※記事の内容は2020年8月時点の情報で制作しています。