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車のエアコンが故障?修理費用はいくら?不調の見極めや修理方法などを解説

車のエアコンが故障?修理費用はいくら?不調の見極めや修理方法などを解説
車のエアコンが故障?修理費用はいくら?不調の見極めや修理方法などを解説

なかなか車内が暖まらなかったり冷たい風が出なかったりと、車のエアコンの調子が悪い場合は、修理が必要かもしれません。エアコンの修理は高額になることもあるため、車の状態や乗っている年数によっては、乗り換えが適しているケースもあります。

そこで、車のエアコンにトラブルが発生したときに確認したい、原因や修理費用の目安をご紹介します。修理するか乗り換えるかで悩んでいる方も、ぜひチェックしてください。

この記事のPOINT

  • 車のエアコンに使われているパーツは多く、トラブルの原因はさまざま
  • 自分で原因を特定するのは難しいので、まずはプロに点検してもらう
  • 高額な修理費用がかかる場合は、乗り換えがおすすめ

これって故障?カーエアコンの故障が疑われる症状やトラブルとは?

これって故障?カーエアコンの故障が疑われる症状やトラブルとは?

車についているエアコンは、冷房と暖房でしくみが異なるため、トラブルの原因も異なります。そのため、まずは車のエアコンでよくあるトラブルごとに、考えられる原因を確認してみましょう。

冷房が効かない

車の冷房は、エアコンガスが液体から気体に気化するときに奪う気化熱を利用して冷たい空気を出しています。肌にアルコールをつけたときに、一瞬冷たく感じるのと同じ原理です。

冷たい風が出ない場合、エアコンガスが減っている、エアコンガスを圧縮するコンプレッサーや、空気を冷やすためのエバポレーターが故障している、といった原因などが疑われます。

〈冷房が効かなくなる原因〉

    • エアコンガスの不足や漏れ
    • エアコンプレッサーの故障
    • エバポレーターの故障
    • エアコンフィルターの詰まり など
クルマ専門家(自動車整備士)・ 若林由晃
クルマ専門家(自動車整備士)・ 若林由晃

カーエアコンは、エアコンガスをさまざまな装置で循環させて冷気を作り出しています。簡単にいうと、エアコンプレッサーで圧縮し、コンデンサーで低温の液状にし、エバポレーターで蒸発させた後、再びエアコンプレッサーで圧縮する、という流れです。

暖房が効かない

車の暖房は、エンジンによって温まる冷却水の熱を利用しています。そのため、暖房が効かない場合、冷却水のトラブルや、冷却水を制御するために必要なサーモスタットというパーツの故障などが疑われます。

なお、車の暖房を機能させるにはエンジンの熱が必要です。ですから、エンジンをかけた直後に温風が出ないのは故障ではありません。

〈暖房が効かなくなる原因〉

  • 冷却水の不足や漏れ
  • サーモスタットの故障
  • エアコンフィルターの詰まり など
クルマ専門家(自動車整備士)・・若林由晃
クルマ専門家(自動車整備士)・・若林由晃

冷却水とは、エンジンが生み出す熱を冷やすための水のことで、「ラジエーター液」や「クーラント」とも呼びます。十分な冷却水がないと、エアコンの不調だけでなく、エンジンのオーバーヒートにもつながることがあるので注意しましょう。

不快なにおいがする

エアコンの不快なにおいの原因は、水とほこりによって発生するカビです。家で使用しているエアコンから水が滴ってくるのと同様に、車のエアコンのエバポレーターでも外気との温度差によって結露が発生します。

エバポレーターやエアコンフィルターにほこりが溜まると、カビが増殖し、エアコンの風に乗って嫌なにおいが車内に充満してしまいます。

〈不快なにおいが発生する原因〉

  • エアコンフィルターの詰まり
  • エバポレーターの詰まりや故障 など

エアコンから異音がする

エアコンから「キュルキュル」「カラカラ」という音がする場合、ブロアファンモーターが故障する前ぶれの可能性があります。

また、「ジー」「ウィーン」という異音の場合は、コンプレッサーの劣化が疑われます。コンプレッサーが壊れているとほかの部品の故障にもつながってしまいます。

「シューッ」という音がする場合はエアコンガスが漏れている可能性があります。漏れの発生箇所を探しましょう。

〈異音がする原因〉

  • ブロアファンモーターの故障
  • コンプレッサーの故障
  • エバポレーターやエアコンフィルターの詰まり など
クルマ専門家(自動車整備士) ・若林由晃
クルマ専門家(自動車整備士) ・若林由晃

このように、音によって故障部位はある程度予想できますが、音だけで特定するのは難しいです。怪しい兆候があるときは車のプロに相談するのがいいでしょう。

風が出てこない

エアコンの吹き出し口から風が出ない場合は、風を送り出す装置であるブロアファンモーターが故障しているかもしれません。あるいは、エバポレーターやエアコンフィルターが汚れている可能性も考えられます。

〈風が出てこない原因〉

  • ブロアファンモーターの故障
  • エバポレーターやエアコンフィルターの詰まり など

エアコンの修理やメンテナンスにかかる費用は?

カーエアコンに、先にお伝えしたような不具合がある場合、原因を特定して修理する必要があります。対処法やその費用を見ていきましょう。

〈原因別:必要な対応とかかる費用〉

症状 原因 修理内容 金額 
冷房が効かない エアコンガスの漏れや不足 エアコンガスの補充 8,000円~15,000円程度
※添加剤などを入れる場合は+2000円以上かかる 
エアコンガスの漏れ点検 分解なし2,000円~3,000円程度
分解あり10,000円以上 
※部品を分解するかどうかで変動 
エアコンプレッサーの故障 エアコンプレッサーの交換 5~20万円程度 
 エバポレーターの詰まりや故障 エバポレーターの洗浄 4,000~25,000円
※簡易洗浄か、取り外し洗浄、
高圧洗浄なのかで異なる 
暖房が効かない サーモスタットの故障 サーモスタット交換 10,000~15,000円程度 
冷却水の漏れや不足 冷却水の交換 5,000〜10,000円程度 
冷却水の補充 1Lあたり500円~1,500円程度 
ラジエーターの交換 20,000~80,000円程度 
ラジエーターホースの交換 10,000~30,000円程度 
嫌なにおいがする
異音がする 
エアコンフィルターの詰まり エアコンフィルター交換 2000円~3000円程度
※脱臭や抗菌等の機能付きは5,000円を超える場合もある 
エバポレーターの故障 エバポレーターの交換 5〜10万円程度 
異音がする ブロアファンモーターの故障 ブロアファンモーターの交換 20,000円~40,000円程度 

※2022年11月、カルモマガジン調べ

エアコンガスの補充や修理

通常、エアコンガスは減るものではありませんが、車の振動や微細な隙間によって少量ずつ漏れ出す可能性があります。単にガスが不足しているだけであれば、補充するだけで冷房が効くようになるでしょう。

クルマ専門家(自動車整備士) ・若林由晃
クルマ専門家(自動車整備士) ・若林由晃

何かの部品に亀裂が発生してエアコン内部の気密性が損なわれているケースもあります。エアコンガスが減っている場合は、プロに頼んで点検してもらいましょう。

コンプレッサーの修理や交換

冷房機能の要となるコンプレッサーの役割は、エアコンガスを圧縮することです。

しかし、コンプレッサーが壊れるとエアコンガスを圧縮できなくなるので、気化熱を利用できず、冷たい空気が出せなくなります。そのため、故障した場合には、修理や交換が必要です。

サーモスタットの交換

サーモスタットは、冷却水の循環を調節している弁で、エンジンの温度を一定に保つ役割があります。サーモスタットが循環を止めると、エンジンで温められた冷却水の熱によって暖かい空気が作られます。

そのため、サーモスタットが故障して冷却水の循環が止まらなくなると、冷却水が十分に温まらず、暖房が効かなくなります。このような場合、一般的にはサーモスタットを交換することで暖房が使えるようになります。

冷却水の交換またはラジエーターの修理や交換

先述のとおり、冷却水は暖かい空気を作るために必要なので、冷却水が不足すると暖房が効きにくくなります。

通常、冷却水は使用するうちに蒸発しますが、極端に減少している場合はラジエーターやホースが損傷している可能性が考えられます。冷却水は自分でも補充できますが、劣化している場合は交換が必要です。ラジエーターやホースに不具合があれば交換しましょう。

エアコンフィルターの交換

エアコンフィルターは、外から取り込んだ空気や車内の空気をきれいにするためのものです。空気中の塵やほこり、花粉などをキャッチしているため汚れが溜まりやすく、1年程度で交換が必要です。

エバポレーターの洗浄や交換

液体になったエアコンガスは、エバポレーター内で気化します。そのため、エバポレーターが故障すると冷気を作れなくなり、冷房が使えなくなります。また、エバポレーターは故障するとエアコンガスが漏れることが多いので、その場合には交換が必要です。

また、暖かい空気は、エバポレーターを通って冷やされるので、ゴミが溜まったり、結露によって発生した水分によってカビが生えたりすると、においの原因となります。汚れが溜まっている場合は、エバポレーターを洗浄することで改善します。

ブロアファンモーターの交換

ブロアファンモーターは、空気を送り出すためのブロアファン(羽根車)を回転させるためのモーターです。

ブロアファンモーターが回転しなくなると風が作れず、送風口から風が出なくなったり、異音がしたりします。比較的故障しやすいパーツで、修理ではなく交換するのが一般的です。

エアコンの修理はどこに依頼できる?

エアコンの故障はどこで修理ができる?

エアコンの不調を感じたら、まずは業者に点検を依頼し、原因に応じた処置をしてもらいましょう。エアコンの修理ができる業者には、ディーラーや整備工場、自動車電装業者、ガソリンスタンド、カー用品店などがあります。

ディーラー

自動車メーカーと特約店契約を結ぶディーラーは、知識も豊富なので、安心して修理を任せることができるでしょう。また、保証期間内であれば、無料で修理が受けられることもあります。

しかし、修理費用はほかの業者よりも高いのが一般的です。また、エアコンなど電装系の修理は、自動車電装業者に外注されることも多いようです。

整備工場

整備工場は、国から許可を得て自動車の点検や整備を行う民間の工場です。工場によって技術やサービスに差がありますが、ベテランの整備士が在籍している整備工場であれば、満足できる修理が期待できるでしょう。

しかし、信頼できる業者かどうかを見極めるのが難しいポイントとなります。

クルマ専門家(自動車整備士) ・若林由晃
クルマ専門家(自動車整備士) ・若林由晃

整備工場は、「自動車分解整備事業」や「指定自動車整備事業」と書かれた標識を店舗内に提示しているところを選びましょう。標識があれば、各地域の運輸局長から認証・指定された認証工場または指定工場であるため安心です。標識の色は、認証工場が黄色、指定工場が青色です。

自動車電装業者

自動車電装業者は、車の電装関係を専門に点検や整備を行う業者です。エアコンも専門分野の1つなので、ほかの業者では対応できないようなトラブルでも修理できる場合があります。修理費用も、ディーラーに比べると、安く抑えることができるでしょう。

ガソリンスタンド

ガソリンスタンドは、ちょっとした不具合でも給油の際に気軽に相談できる点が魅力です。料金も安く使い勝手がいい一方で、複雑な修理などは難しく、修理の技術も店舗によって差がある可能性があります。

カー用品店

カー用品店では、ディーラーや整備工場、自動車電装業者よりも安く、手軽に修理を頼むことができます。ただし、ガソリンスタンドと同様対応できる作業は簡易的なものに限られるケースが多く、技術も店舗によって異なる可能性があります。

修理か乗換えかの判断の目安

修理か乗換えかの判断の目安

エアコンの不具合によっては、修理に数十万円かかるものもあります。そのため、高額な修理費用を払って修理をするべきか迷うこともあるでしょう。迷ったときの判断基準について、新車登録からの年数などを基にご紹介します。

新車登録から7年以上経っている

新車登録から7年目となる3回目の車検のタイミングで、多くの方が車の乗り換えを検討します。実際に、一般社団法人 日本自動車工業会が発表している2021年度の乗用車市場動向調査によると、車の保有期間の平均は約7年となっています。

新車登録から10年あるいは走行距離10万kmを超えている

新車登録から10年、または走行距離10万kmを超えている場合は、劣化しているパーツが増えるため、部品交換費用が高くなります。そのため、エアコンを修理してもほかの部分の故障が相次ぐ可能性があり、結果的に乗り換えたほうがお得になることがあるでしょう。

これは故障?車のエアコンに関するよくある疑問

なかなか暖かい風にならないのはなぜ?

車のエアコンは、冷却水を温めることで暖かい風を送り出しています。冷却水はエンジンの熱により温まるため、エンジンが始動したばかりだと水温が上がっておらず、なかなか暖かい風は出てきません

加えて、水温が低いのに暖房を作動させエアコン内に風を送ると、冷却水の効果を下げてしまい、より暖房が効きにくい状態になってしまいます。水温計のメーターが動き出すまでは暖房はオフにしましょう。

アイドリングストップ時にぬるい風が出てくるのはなぜ?

アイドリングストップ機能が働くと、エンジンは停止します。

エアコンのコンプレッサーはエンジンの動力で作動することから、冷房をかけているときにアイドリングストップしてエンジンが止まると、コンプレッサーが働かず、カーエアコンは自動的に送風に切り替わることがあります。

このため、ぬるい風が出てきてしまうのですが、一般的に、エアコンを優先するよう設定することで、エンジンが停止しないようにできます。

渋滞時にエアコンが効かないのはなぜ?

渋滞時は車が密集するため、周囲の車から発生する熱が集まり、空気が温まりやすいです。そのような状況で、車の空調が「外気循環」になっていると、車外の空気の熱が車内に入ってきてしまい、エアコンが効きにくくなります

空調を「内気循環」に変えて、車外の熱が入ってこないようにしましょう。

車のエアコンのトラブルが起きたらまずはプロに点検してもらおう!

車のエアコンに関するトラブルの原因は多岐にわたり、車のパーツを取り外してみないとわからないこともあります。安全のためにも、まずはプロに点検を依頼しましょう。

また、古い車の場合は、高いお金を払って修理するより乗り換えたほうがお得になることもあります。その場合には、新しい車の購入や初期費用のかからないカーリースも検討してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

Q1:エアコンが使えなくなったらどうすればいい?

A:不具合のあるパーツごとに、洗浄などで済む場合と、交換が必要な場合があります。自分で原因を特定するのは難しいので、まずはプロに点検してもらいましょう。

Q2:エアコンの修理はどこに依頼すればいい?

A:ディーラーや整備工場などで修理が可能です。同じ修理内容でも、業者によって金額が異なるので、あらかじめ確認してから依頼するのがおすすめです。

Q3:修理か乗り換えで悩んだときは?

A:新車登録からの年数や走行距離を基に判断するのがおすすめです。新車登録から7年以上経過していたり、走行距離が10万kmを超えていたりする場合には乗換えを検討してもいいでしょう。

※この記事は2022年11月時点の情報で制作しています

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