マイカーにスペアタイヤを搭載している方は多いと思いますが、最近はスペアタイヤを積んでいない車が増えているようです。かつては搭載が義務付けられていたスペアタイヤですが、現在はどのようなルールなのでしょうか?スペアタイヤの役割や現行ルール、車検時に積んでおくべきかどうかなど、スペアタイヤに関する情報をご紹介します。
この記事のPOINT
- スペアタイヤを搭載しない車が増えている
- 車種によっては車検にスペアタイヤが必要
- パンク応急修理キットよりスペアタイヤのほうが、修理代が安くすむ場合もある
スペアタイヤってどんなタイヤ?
スペアタイヤとは、パンクや事故など何らかのトラブルによってタイヤが使えなくなった場合に、取り換えるための予備タイヤのことです。車種によっては車の後部に取り付けられていたり、荷室に格納されていたりします。スペアタイヤには、一般的なサイズのタイヤと緊急用の小ぶりなサイズのものがあります。
まずはスペアタイヤの役割や目的、種類について確認しておきましょう。
1.一般的なタイヤと同じノーマルタイヤ
一般的に、オフロード車やRV車、トラックなどの車両後部には、標準装備されているタイヤと同じノーマルタイヤがスペアタイヤとして搭載されています。ノーマルタイヤを載せるにはある程度のスペースが必要になるため、車両背面に取り付けられている車種もあります。スペアとはいえ一般的なタイヤと同じタイヤなので、取り付けるだけで安全走行が十分可能になります。
2.緊急対応用のテンパータイヤ
ノーマルタイヤのほかに、緊急用として搭載されているのが「テンパータイヤ」や「スペースセーバータイヤ」と呼ばれる予備タイヤです。別名テンポラリータイヤともいい、あくまで応急処置用に開発されたもので、軽くて場所を取らないようにノーマルタイヤよりサイズが小さく設計されています。サイズは小さいものの、ノーマルタイヤより硬いゴムを採用していることで、ノーマルタイヤと同様の走行が可能です。ただし最高速度は80km/h、走行距離は100kmまでと走行制限があるので、一時利用が終わったら速やかにノーマルタイヤに交換する必要があります。
車検にスペアタイヤは必要?不要?
道路環境やタイヤ品質の問題で、以前は運転中にタイヤがパンクすることも珍しくはありませんでした。そのためスペアタイヤの搭載が義務付けられていましたが、近年では初めからスペアタイヤを取り付けていない車種が増えています。スペアタイヤに関する現行ルールはどうなっているのでしょうか?車検時のスペアタイヤの取り扱いについて詳しく見ていきましょう。
現在は、車検時にスペアタイヤの搭載義務はない
最近では道路環境やタイヤ性能が格段に良くなり、パンク事故そのものが大きく減少しています。スペアタイヤの使用頻度が減ったことで、一度も使われなかったスペアタイヤの大量廃棄が問題視されるようになりました。一方で、軽量かつコンパクトな設計で燃費性能の高い車種が増えたことに加え、トラブル時にすぐにかけつけてくれるロードサービスも充実してきました。こうした流れによって、スペースを取り、重量が増えるというデメリットがあるスペアタイヤは搭載しないという流れが生まれていきました。
現在は法律上でスペアタイヤの搭載義務がなくなり、車検のチェック項目からも「スペアタイヤの搭載」が抹消されています。現在は、スペアタイヤがなくても車検に通るようになっています。
車の後部にスペアタイヤが付いている車は必要
ただし例外なのが、オフロード車やトラックなど、初めからスペアタイヤが車体後部に外付けされている車種です。こうした車はスペアタイヤを搭載した状態で車体の全長が測定されているため、スペアタイヤがない状態で車検に出すと全長が違うとみなされ不合格になることがあります。車体後部にスペアタイヤを搭載している車は、スペアタイヤを付けた状態で車検に出すことをおすすめします。
テンパータイヤを装備すると車検は通らない
緊急用のテンパータイヤの搭載の有無は、車検の結果には影響がありません。ただしテンパータイヤを装備している場合は、車検に通らないので注意しましょう。テンパータイヤはノーマルタイヤよりサイズが小さいため、ブレーキ検査やサイドスリップ検査で不合格となります。また、テンパータイヤには安全に走行できる速度に制限があるため、車検の保安基準を満たしません。
スペアタイヤだけでなく、車検にはさまざまな手間と費用がかかるもの。最近では、車検も法定費用もコミコミにできるカーリースでカーライフを送る方が増えています。
スペアタイヤは搭載しておくべき?
最近では、燃費性能の向上や荷室スペースを広く取るために、スペアタイヤを搭載していない車が増えています。しかしスペアタイヤを積んでおくと、場合によってはトラブル時の出費を抑えることができるというメリットもあります。スペアタイヤを積んでおくべきか外すべきか、メリット・デメリットを理解して適切に判断しましょう。
スペアタイヤがない新車が増えている理由
スペアタイヤの非搭載車が増えたのは、2009年にエコカー政策が施行されてからのことです。一定の燃費基準を満たした車を購入する際に「エコカー補助金」が支給されるようになったことや、自動車税(種別割)などが減税される「エコカー減税」がスタートしたことで、燃費性能の良い軽量でコンパクトなエコカー対象車が人気を博すようになりました。燃費性能を高めるには車の重量をいかに軽くできるかにかかっているため、重量が約10kgもあり使用頻度が少ないスペアタイヤは廃止対象になりました。こうした環境への配慮や軽量化の影響により、スペアタイヤを初めから搭載していない車種が増えています。
スペアタイヤとパンク応急修理キット、どちらを積んでおくべき?
今では少なくなったとはいえ、走行中のパンクや事故などのトラブルがゼロになったわけではありません。そこで最近の新車は、スペアタイヤの代わりに「パンク応急修理キット」を標準搭載しているケースが多くなっています。
スペアタイヤとパンク応急修理キットのメリットとデメリットを比較してみました。
〈スペアタイヤとパンク応急修理キットの比較〉
スペアタイヤ | パンク応急修理キット | |
---|---|---|
メリット | パンクや事故などのトラブル発生時に、すぐにタイヤを交換して走行できる | 荷室スペースを広く使える |
ホイールにダメージを与えることなくタイヤ修理ができ、出費も抑えられる | 車両重量を抑えられるので燃費が良い | |
デメリット | 車両重量が増えるため、燃費性能が低下する | セットを使うことでタイヤが再利用できなくなる |
荷室スペースが狭くなる | パンク状況によっては修理できない場合がある |
パンク応急修理キットとは、パンク補修液と空気入れがセットになっているもので、あくまで応急処置のために搭載されています。スペアタイヤと違ってスペースを取らない点がメリットですが、ホイールやタイヤの側面が損傷していたり、補修できないサイズの穴が空いていたりする場合は、応急修理キットでは処置できないこともあります。
また、パンク応急修理キットでは、タイヤに補修液を流し込むため、タイヤの再利用ができず交換しなければならないという点もデメリットです。さらに、商品によって使用期限が2~6年などと決まっているので、定期的に買替えが必要になります。
その点、スペアタイヤなら取り換えるだけで緊急時でも走行が可能な上に、タイヤ交換をすることなくパンク修理だけで済むこともあります。いざというときのために空気圧のチェックは欠かせませんが、スペアタイヤを積んでいたほうが結果として安くなった、というケースもあります。どちらも一長一短なので、よく考えて選ぶようにしましょう。
カーリースならタイヤのメンテナンスもできるから安心
車を運転している以上、事故やトラブルに遭う可能性があるので、スペアタイヤがあると万が一のときにもすぐに対応できて安心です。しかし、場所を取るので荷物を置くスペースが減ってしまうほか、重量が増える分燃費性能に影響を与えてしまう点が悩みどころです。
そこでおすすめなのが、カーリースの定額カルモくんです。カーリースとは、月々定額で新車に乗れるサブスクリプションサービスのことです。車の購入や維持にかかる費用を定額化できるので、家計管理も簡単で、維持する手間もかかりません。
中でも、定額カルモくんのメンテナンスプランを利用すると、タイヤのメンテナンスや車検費用も月額料金でカバーできるので、突然の出費が発生せず安心です。プロの整備士がタイヤを常にいい状態で保てるようにローテーション調整をしてくれるプランもあるので、タイヤを長持ちさせることができます。
車検にスペアタイヤが必要な車種かどうか確認しよう
多くの車種はスペアタイヤを搭載しなくても車検に通りますが、車の後部にスペアタイヤを付けるタイプの車種は車検時にスペアタイヤを積んでいる必要があります。それ以外の車種の場合は、スペアタイヤかパンク応急修理キットか、どちらにするかはドライバーの考え方次第です。メリット・デメリットをしっかり把握して、万が一のときに備えましょう。さらに、安心してカーライフを送りたい方は、定額カルモくんのメンテナンスプランを利用するのがおすすめです。
よくある質問
Q1:どの車種でも車検時にスペアタイヤの搭載は必要なの?
A:現在、スペアタイヤの搭載は義務化されておらず、車検時のチェック項目からも「スペアタイヤ搭載」は外されています。ただし初めからスペアタイヤが車体後部に外付けされている車種は、車検時に搭載しておくことが必要です。
Q2:スペアタイヤはノーマルタイヤと同じように走行できるの?
A:スペアタイヤはノーマルタイヤ同様に走行可能です。ただしノーマルタイヤよりサイズが小さい「テンパータイヤ」では安全に走行するための走行制限があるので、緊急時の一時利用が終えたらすみやかに交換しましょう。
Q3:タイヤがパンクした場合、スペアタイヤとパンク応急修理キットのどちらが安くすむの?
A:パンク応急修理キットでは、修理ができたとしてもタイヤの交換が必要です。スペアタイヤでは、タイヤ交換をせず修理ができる場合が多く費用を抑えられることもあります。どちらも一長一短あるので特徴をよく理解しましょう。
※記事の内容は2021年2月時点の情報で制作しています。