車検は、業者によって金額が大きく違います。しかし、一概に安い業者がいいとは限りません。整備やサービスの内容が値段に反映されることもあるからです。それでは、車検はいったいどこで受けるのがいいのでしょうか?失敗しないおすすめの安い業者の選び方についてまとめました。
車検費用とは
まず、車検ではどのようなコストがかかるのか確認しておきましょう。車検の費用は、料金に規定があり安くならない「法定費用」と、業者によって値段が違う「車検基本料」、業者と整備内容によって値段が違う「整備費用」の3つに大きく分けられます。
法定費用
法定費用とは、自賠責保険の保険料や車の重量税といった税金、印紙代などのことです。これは法律で定められた金額ですから、安くすることはできません。交渉することもできませんし、車検を受ける業者によって金額が変わることもありません。
もし法定費用を安く抑えたいのであれば、重量税が減免されるエコカーに乗り換えたり、税金の安い軽自動車を選んだりする必要があります。今の車に乗り続けたまま法定費用を安くすることは、残念ながらできません。
車検基本料
車検基本料は、「車検料金」などと呼ばれることもあります。安値をうたっている車検業者の「車検○円!」という売り文句は、この車検基本料を安く設定しているということです。
車検基本料は、業者と車種によって違います。軽自動車は安めですが、ミニバンやワゴンのような大きめの車はそれだけ車検基本料も高くなっています。また、同じ軽自動車やコンパクトカーでも、頼む業者によって倍くらい金額が変わることもあります。
整備費用
車検を受けるにあたって車の点検を行いますが、そのとき、エンジンオイルやブレーキオイルの交換などを提案されることがあります。これらの整備にかかるのが整備費用です。車検を通すだけであれば、整備を十分に行わなくても問題ないと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、安心して車に乗り続けるためには、必要に応じて整備を行わなければいけません。
ただし、依頼する整備業者によって、整備に使用する部材や工賃が違います。そのため、選ぶ業者によって整備費用も変わります。また、車検と整備が別の場所で行われる業者もあるので、事前にチェックしておくといいでしょう。
車検業者によって違う費用と特徴
車検を受けられる業者はいくつもあります。ここでは、代表的な5種類の業者を取り上げて、それぞれの費用の目安と特徴を見てみましょう。
車検専門店
車検専門店はフランチャイズチェーンの店が多く、便利です。スピーディーで手軽に依頼できるのもメリットです。車検を通すために必要最低限のメンテナンスで安価に整備を依頼できるという意味では、もっとも効率がいいといえるでしょう。
しかし、十分な点検と整備を行い、安全性を担保するという意味では、業者によって違いもありますが車検専門店では不足な場合もあります。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでも車検を依頼でき、費用は安めです。さらに、車検を依頼することでガソリンが割引になるなどのサービスが受けられることもあります。実際、普段使っているガソリンスタンドで車検を頼めるのは手軽で安心でしょう。
ただし、ガソリンスタンドは車検のための整備工場が近くにないことも多く、車検に時間がかかる可能性があります。また、依頼するガソリンスタンドによって、受けられるサービスやかかる時間などが異なる場合もあります。均一なサービスを受けられないこともあるため、事前によく確認するといいでしょう。
カー用品店
カー用品店の中には、車検を受けつけている店舗もあります。大型のカー用品店の場合、整備に使う部品の種類を豊富に取り揃えていますから、好みの部品で整備をしてもらうことができるメリットもあります。
ただし、カー用品店のスタッフは、車検や整備のプロではありません。そのため、点検整備の精度や技術力が店舗によってはあまり高くない可能性があります。ガソリンスタンドと同様に、どこのカー用品店を選ぶかによって精度に違いが出てしまうデメリットもあります。
整備工場
腕のいい整備士がいる可能性が高いのが整備工場です。長年車に携わってきた、プロ意識のある職人による整備を受けられるメリットがあります。
しかし、整備工場は少人数で運営されている場合が多く、デメリットもあります。予約がなかなかとれない、休日対応をしていない、車検に時間がかかる、腕のいい整備士がいるかどうかはその工場次第、アフターフォローが充実していない、などといったことも想定されます。また、費用はディーラー車検よりは安いものの、大手車検チェーンなどに比べると割高になります。
ディーラー
ディーラー車検の場合は、ほかの業者に依頼した場合に比べ、費用が数万円余計にかかるでしょう。
しかし、その分しっかりとした整備をしてもらえます。整備に使う部品は純正品で、メーカーの車種に詳しいプロがメンテナンスをしてくれます。車を購入したときからつき合いのあるディーラーであれば、車のコンディションをしっかり理解した上で適切な整備をしてもらえるでしょう。コスト面はそれほど気にならないから、安心して任せられる車検をしてほしいという方に向いています。
車検業者を選ぶポイントは?
車検専門店、ガソリンスタンド、カー用品店、整備工場、ディーラーと、車検はさまざまなところで受けることができます。たくさんの選択肢があるので、結局どこで受ければいいのか悩む方が多いかもしれません。そんなときは、車検業者を選ぶときの4つのポイントについて考えてみましょう。
〈車検業者を選ぶときの4つのポイント〉
1.値段
2.安心感
3.速さ
4.サービス
どのポイントを重視するのかによって、選ぶべき業者は異なります。サービスや安心感を重視し、値段の優先度が低いのであれば、ディーラー車検がいいでしょう。反対に、値段と速さを重視するのであれば、1時間前後で車検が終わるようなスピード感のある専門業者を選ぶのがいいかもしれません。
また、これと併せて「車検を通すこと」と、「車に安心して乗り続けられること」のどちらを優先するのかについても考えてみましょう。これは「安心感」に関わる問題でもあります。
車検は信頼できる業者がおすすめ!
車検を通すだけであれば、最低限の整備だけをして費用を抑えることもできます。「車検に通ればいいので余分な整備は一切なしで」と依頼すれば、どこの業者であっても整備費用をほとんどかけずに車検を通すこともできるでしょう。
しかし、実際には整備が必要だったのに、メンテナンスをしないで車に乗り続けると、ある日突然大きなトラブルが起こってしまう危険性もあります。そうなると後から車検費用以上の支出になることもあります。車検はその後の2年間の安全を保証してくれるものではありません。車検を受けるときは、「ともかく車検に通ればいい」と考えるのではなく、安全や安心のための支出であるという意識を持つことも大切です。
ただし、「危ないところは直してください」と依頼してしまうと、交換の必要がない部品まで交換して余計な費用を請求する悪質な業者もあります。車検を受ける上では、信頼できる業者選びが最も大切といえるでしょう。
なお、近々車の買い替えやカーリースへの切り替えを検討しているような場合は、ひとまず現在所有している車については車検を通すことだけを意識して業者を選ぶという方法もあります。
車検費用の安いカーリースもおすすめ!
車検サービスでは、安心感やサービスが値段と比例します。でも、本当は「安くて安心な充実したサービス」というのが一番理想ですよね。
そこでおすすめなのが、カーリースです。例えば、「おトクにマイカー 定額カルモくん」では、ディーラーや車検専門店、カー用品店など、多くの大手車検業者と提携しています。車検費用を月額定額料金に含む「メンテナンスプラン」を利用すれば、車検を受けたときの費用負担がありません。これなら「値段」を気にせず、車検業者を選べます。メンテナンスプランは内容に応じて選ぶこともできるので、車検業者を選ぶので迷ってしまう方はカーリースへの乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか?
よくある質問
Q1:車検ではどのようなコストがかかるの?
A:車検の費用は大きく3つに分けられ、法定費用、車検基本料、整備費用があります。法定費用は料金が決まっているので、安くはなりません。車検基本料と整備費用は、業者や整備内容によって値段が違うので、安くすることができます。
Q2:車検業者で安いのは?
A:車検業者には、車検専門店、ガソリンスタンド、カー用品店、整備工場、ディーラーなどがあります。安くて速いのは車検専門店ですが、十分なメンテナンスにはならない可能性もあります。安全・安心にカーライフを楽しみたいなら、料金は高めでもディーラー車検がいいでしょう。
Q3:車検業者を選ぶポイントは?
A:値段、安心感、速さ、サービスなど、どのポイントを重視するのかによって、選ぶべき業者は異なります。サービスや安心感を重視するならディーラー車検、値段や速さを重視するなら車検専門店を選ぶといいでしょう。もし迷うようなら、車検やメンテナンスの料金が月額定額に組み込まれているカーリースに乗り換えるという方法もおすすめです。
何を重視するかによって選ぶべき車検業者は変わる
車検業者を選ぶポイントは値段やサービス、安心感、速さなどですが、業者によってその内容は異なります。どのポイントを重視して車検を受けるのかを意識的に選ぶようにしましょう。
また、値段を気にせず、信頼できる車検業者を選びたいという方は、メンテナンスプランが充実したカーリースへの乗り換えも検討してみてください!
※記事の内容は2020年2月時点の情報で制作しています。