車検でオイル交換をすすめられ、交換したほうがいいのか迷う方が多いかと思います。オイルは定期的な交換が必要ですが、費用が高額になってしまうケースもあり、出費がかさんでしまいます。オイルの種類ごとにオイル交換を行う最適な時期と、その時期をセルフチェックする方法について紹介します。
この記事のPOINT
- オイル交換の時期は、オイルの種類や車の乗り方などによって変わる
- 車検でのオイル交換は必須ではないが、定期的な交換は必要
- オイル交換の適切なタイミングはセルフチェックもできる
交換が必要なオイルの種類と交換時期の目安
車には、内部部品の作動を潤滑にするためや油圧作動を行うために、さまざまなオイルが使われ、定期的な交換が必要です。そこで2年に1回の車検の際に、交換時期が重なるエンジンオイル、ブレーキオイル、ATFの交換をすすめられることがあります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
〈各オイルの特徴〉
エンジンオイル | ブレーキオイル | ATF | |
---|---|---|---|
使用場所 | エンジン | ブレーキ | オートマチック トランスミッション |
色 | 茶色がかった透明色 | 黄味がかった透明色 | 赤い透明色 |
交換時期の目安 | 走行距離10,000~15,000km または6ヵ月~1年ごと | 2年ごと | 走行距離20,000~10万kmごと |
オイル交換を しなかったときのリスク | ・エンジンの不調 ・エンジンの寿命が早まる | ・ブレーキ性能の低下 | ・オートマチック トランスミッションの故障など |
・エンジンオイル
エンジンオイルの主な役割は、エンジンをスムーズに動かす潤滑作用です。エンジンは多くの金属部品で構成され、その内部ではピストン運動や回転運動が繰り返されています。もし、金属の部品同士がオイルなしで接してしまうと、摩擦でスムーズに動きません。エンジンオイルはその摩擦を低減します。またエンジンオイルには、エンジン内部の防錆や防食、汚れの吸着、温度調節、気密性保持などの役割もあります。
・ブレーキオイル(ブレーキフルード)
ブレーキオイル(ブレーキフルード)は、ブレーキペダルを踏んだ力を、ブレーキパッド伝える役割をしています。車のブレーキは、ドライバーがブレーキペダルを踏むと、ブレーキホースに充填されたブレーキオイルに圧力がかかり、ブレーキキャリパーに組み込まれたブレーキパッドにその圧力が伝わります。ブレーキパッドに圧力がかかると、ブレーキパットはブレーキローターを押し付けた摩擦力で車を減速させます。
このブレーキオイルに問題があると、ブレーキを踏んだ力がブレーキパッドに伝わらず、ブレーキローターとの摩擦が発生しないため車が減速しません。
・ATF(オートマチックトランスミッションフルード)
ATF(オートマチックトランスミッションフルード)は、オートマチック車に使われている専用のオイルです。オートマチック車が、ドライバーに代わってギアチェンジの動作を行えるのは、このATFを介してトルクコンバーターや油圧バルブの操作が行われるためです。そのほか、部品の潤滑や防錆などの役割もあります。
なお、同じオートマチック車でもCVT(無段変速機)搭載車は、CVT専用のオイルCVTF(CVTフルード)が使われています。また、マニュアルトランスミッション車はミッションオイルが使われています。交換の際には車にあった適切なオイルを選んでください。
オイル交換時期の目安は?
これらのオイルの交換のタイミングは、それぞれ異なります。各オイルの交換のサイクルや目安を紹介します。
・エンジンオイル
エンジンオイルの交換時期は、走行距離10,000~15,000km、または6ヵ月~1年といわれています。山道や悪路での走行が多い場合は寿命が短くなる傾向があります。交換時期でなくとも汚れや減りが激しい場合には、その時点で交換が必要です。
・ブレーキオイル
ブレーキオイルの交換時期は2年です。茶色や黒色に変色している場合は、劣化しているのですぐに交換しましょう。ブレーキオイルは走行距離に関わらず経年劣化するため、定期的に交換する必要があります。
・ATF
ATFの交換時期は、走行距離20,000~10万kmと、車種によって大きく異なります。メーカーが推奨する交換時期や、車検や定期点検時の業者のアドバイスを参考に交換するのがおすすめです。劣化による交換のタイミングの目安は、ATFの元々の赤い透明色が、褐色がかったり、茶色や黒色へ変わったりする色の変化で判断されます。
オイルを交換しないとどうなるの?
それでは、これらのオイルを交換しないと、どのような問題が起こるのでしょうか?
・エンジンオイル
エンジンオイルを交換しないと粘度が低下し、エンジンに悪影響を及ぼします。具体的には潤滑作用の低下が原因で内部部品の摩耗が起きたり、燃費の悪化が起こったりします。また、エンジンオイルの粘度が低下すると気密性も低下します。気密性が低下すると、ピストンとピストンリングの隙間からガス抜けが起こり、エンジンの出力が低下するなど、そのほかさまざまな悪影響が出ます。最悪の場合は、潤滑不良でエンジンが破損し車両火災が発生することもあります。
・ブレーキオイル
ブレーキオイルの交換を怠るとブレーキの性能が低下し、走行中に車が止まらなくなることがあります。ブレーキオイルは、水分の混入と熱が原因で劣化します。ブレーキオイルは水分を吸収しやすいため、交換を怠るとブレーキ装置の内部の金属部品をさびさせ、ブレーキの利きが悪くなります。また、水分を吸収したブレーキオイルは沸点が下がるため、ブレーキをかけたときの摩擦熱でオイルが沸騰しやすくなり、ベーパーロック現象が起こります。
・ATF
ATFを交換しないと、加速性能の低下、燃費の悪化、ギアチェンジ時のショック増大など、さまざまな不具合が起こります。それらの症状をそのまま放置すると、オートマチックトランスミッションが故障することがあります。
オイル交換は車検の度にするべき?
交換時期がそれぞれ異なる3つのオイルですが、業者から車検の度に交換をすすめられることがよくあります。ここでは、車検の度に必ずオイル交換を行うべきなのか、確認しましょう。
オイルの車検基準
オイルは劣化していても、車検で確認される保安基準を満たしていれば、車検に合格します。そのため、車検の度に必ずオイル交換が必要というわけではありません。ただし、いずれのオイルも定期的な交換が必要なので、車検のタイミングと交換時期が重なる場合はいっしょに行うことで、別途メンテナンスに出さずに済みます。特に、エンジンオイルは走行距離や乗り方によって劣化の早さが大きく変わるため、自身で判断するのが不安な場合は、整備士の判断に任せるといいでしょう。
車検でオイル交換をするデメリット
車検の際にオイル交換を行えば、カー用品店やガソリンスタンドなどに持ち込む手間が省けます。しかし、カー用品店やガソリンスタンドなどに比べ、車検業者のオイル交換は費用が割高なケースがあります。できるだけ車検費用を抑えたいという方は、注意が必要です。
また、車検業者によっては、取り扱うオイルのブランドや種類に限りがあり、自分が好きなオイルを選べないケースもあります。こだわりのある方は、希望のオイルを取り扱っているカー用品店などで交換をするといいでしょう。
車検で勝手に交換されないように注意!
オイルは消耗品なので、車検でオイル交換を原則行う業者もあります。そのため、車検費用をできるだけ抑えたいという方や、自分で交換したいという方は、見積りの際にオイル交換の有無を確認することをおすすめします。
また、オイル交換をすすめられた場合は、交換する理由を確認しましょう。車の安全に問題がなく、車検の合否に影響がない場合は、オイル交換の必要がない場合があります。
エンジンオイルの交換は車検前に済ませておこう
出費を抑えるために定期的なエンジンオイル交換を怠ったことで、かえってメンテナンス費用がかさんでしまうケースも珍しくありません。車検でオイル交換を行いたくないという場合は、車検前に交換をしておくのもおすすめです。
交換時期はセルフチェックも可能
エンジンオイルの状態は、信頼できる整備士に確認してもらうのがベストですが、セルフチェックも可能です。前回の交換日からの期間や走行距離、オイルの色などからセルフチェックできます。また、ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドでエンジンオイルを交換すると、オイルステッカーが運転席側のドア付近に貼られることがあります。オイルステッカーには次回のオイル交換日や走行距離の目安が記載されていますので、記載された交換日や走行距離に近づいたら、エンジンオイルの交換を実施するとよいでしょう。
エンジンオイルを交換できる業者と費用の目安
オイルの点検や交換は、ディーラー、整備工場、ガソリンスタンドやカー用品店などに依頼できます。オイル交換の費用は、オイル代と工賃を合わせて3,000~10,000円程度が相場ですが、車種や使用するオイルの価格によって大きく変わりますので、10,000円以上かかることもあります。
新車に乗り換えれば、車検もオイル交換の心配も不要
長年乗っている車や、高額な車検費用がかかる車であれば、新車に乗り換えたほうが安くなるかもしれません。しかし、新車の購入には、まとまったお金が必要なので、頭金がいらないカーリースの利用がおすすめです。中でも、貯金ゼロでも新車に乗れると評判の定額カルモくんなら、オイル交換などを含むメンテナンス費用も定額化が可能!
定額カルモくんならオイル交換費用の心配がない!
カーリースの定額カルモくんであれば、車検や税金を含めて毎月定額で新車に乗れます。さらにメンテナンスプランを利用すれば、エンジンオイルの交換などのメンテナンス費用も含めて毎月定額になり、急な出費を抑えるために、オイル交換などのメンテナンスを先延ばしにすることがなくなります。さらに、車に関わる突然の出費に振り回されることがなくなるので、家計を安定させることができます。
定額カルモくんなら、車検費用や車検にかかる法定費用もコミコミで月々10,000円台から新車に乗れるので、安心して安全なカーライフを送れるのではないでしょうか?
定期的なオイル交換は必須のメンテナンス!
快適なカーライフを送るためには、車に適切なメンテンスが不可欠です。車に不具合が起こる前にオイル交換をしておきましょう。オイルの交換時期は、オイルの種類や車の乗り方によっても変わります。適切なタイミングで無駄なく交換できるようにしましょう。
よくある質問
Q1:車検でオイル交換は必要ですか?
A:車検の度に必ずオイル交換が必要というわけではありません。ただし、オイルは定期的な交換が必要なので、車検のタイミングと交換時期が重なる場合はいっしょに行うことがあります。
Q2:オイルの交換時期について教えてください
A:エンジンオイルは、走行距離が10,000~15,000kmに達するか、または6ヵ月~1年ごとに交換します。ブレーキオイルは2年ごと、ATFは走行距離20,000~10万kmごとに交換します。
Q3:エンジンオイルの交換費用は?
A:エンジンオイル交換の費用は、オイル代と工賃を合わせて3,000~10,000円程度が相場ですが、車種や使用するオイルの価格によって大きく変わり、10,000円以上かかることもあります。
※記事の内容は2021年2月時点の情報で制作しています。