車検は、車が国の保安基準を満たしているか確認するための継続検査です。車検は毎年実施する必要はありませんが、車の性能を維持するための法定点検は毎年実施することが推奨されています。
正しい更新タイミングを知って安心安全なカーライフを送るために、ここでは、車検の頻度や毎年受けるべき法定点検と車検との違い、10年目以降の車検の注意点などをご紹介します。
10年超えの自家用車は毎年車検が必要?
新車登録から10年以上経つ自家用車は、車検を毎年受ける必要があると聞いたことがある方もいると思います。しかし1995年の道路運送車両法の改正により、現在では自家用車であれば登録から10年以上経つ場合でも、2回目以降の車検は2年おきに受けるというルールが適用されています。
そのため、自家用車は登録から10年以上経過しても、車検を毎年受ける必要はありません。しかし、車の用途によっては車検が必要な場合など、次のような注意しておきたい点があります。
毎年車検が必要な車は?
普通車や軽自動車は、初回車検を新車登録から3年目に、それ以降は2年ごとに車検を受けます。しかし、車の種類によっては毎年車検を受けなければならない車や、登録してから2年目に初回車検を受ける必要がある車もあります。どのような車かそれぞれ確認しておきましょう。
毎年車検が必要な車
バスやタクシーなど運送事業用の車や、車両重量8トン以上の自家用貨物車などは毎年車検が必要です。
バスやタクシーは、朝から夜まで長時間稼働していることから走行距離が長くなり、車体の消耗も早くなります。また、乗客を乗せることから安全性を担保する必要があり、1年ごとに車検が必要と決められています。
自家用車でも、8トン以上の貨物車など重量が重い車は各パーツの劣化や消耗が早いとされるため、バス、タクシー同様に毎年の車検が必要とされています。
初回から2年ごとに車検が必要な車
初回から2年ごとに車検が必要な車は、8ナンバーの車、4ナンバーの軽自動車、特殊大型自動車の3タイプに大きく分けられます。
8ナンバーの車はキャンピングカーや救急車、警察車両、消防車、緊急作業車などの特殊用途の車が該当します。また、4ナンバーの軽自動車は、小型商業向けのバンやトラック、そして大型特殊自動車は、クレーン車やショベルカー、ブルドーザー、大型の除雪車などが当てはまります。
制度は改正されることがある
かつては自家用車も新車登録から10年を超えると毎年車検に出す必要がありました。しかし、自動車メーカーの技術向上などにより、車の耐久性や信頼性が高まったことから、1995年に制度が改正され、登録から10年を超えても2年ごとに車検に出すようになりました。
さらに遡ると、新車を購入した場合の車検有効期間が3年と定められたのは1983年のことです。このように、車検をはじめ車に関する制度は技術の進歩とともに変化していくため、制度改正の動きには日頃から注目しておく必要があります。
毎年必要な法定点検と車検の違いに注意
車検が毎年必要と勘違いされやすいもうひとつの理由として、法定点検との違いがわかりにくいことが挙げられます。
車を維持する上で義務付けられているメンテナンスには、車検と法定点検があります。どちらも車の安全性を保つために必要で、ディーラーや整備工場、カー用品店などで法定点検を受けることができます。車検と法定点検には、それぞれ次のような違いがあります。
車検 | 法定点検 | |
---|---|---|
目的 | 保安基準に適合しているかを確認するため | 保安基準を維持するため |
実施ペース | 新車は3年、2回目以降は2年おき | 毎年 |
罰則 | 法律違反で罰則あり | 未実施でも罰則はない |
費用の相場 (車検は車検基本料金のみ) | 約10,000〜10万円 | 約13,000〜20,000円 |
車検の目的と車検切れのリスク
車検は、車が国の保安基準を満たしているかを確認するものです。車検を受けることは道路運送車両法の第58条によって義務付けられており、車検を受けていない車で公道を運転すると、無車検運行という交通違反になり、6点以上の違反点数が付けられます。また、道路運送車両法第108条により、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金と、30日間の免許停止が科せられます。
さらに、車検切れと同じタイミングで自賠責保険の期間が切れてしまう点にも注意しなくてはなりません。自賠責保険が切れた場合、無車検運行よりも重い処罰である「1年以下の懲役、または50万円以下の罰金」が科せられます。
加えて、6点以上の違反点数が付けられ、車検切れの6点と合計して12点の違反点数となり、「90日間の免許停止」となってしまうのです。
基準に満たない項目がある場合には車検を通過できず公道の走行が認められません。なお、車検の法定費用を除いた車検基本料金の相場が約10,000〜10万円と幅広いのは、車検を依頼する業者や状態によって車検費用が大きく変わるためです。
法定点検の目的
法定点検とは、車が国の保安基準に適合するように維持し、事故や故障を防ぐための点検です。毎年行うのが義務とされていますが、車検と異なり法定点検は受けなくても罰則はありません。
罰則がないとはいえ、法定点検を受けると車の故障や快適に走れるかの確認も行えますし、もし点検での不具合や故障が見つかった場合はメーカー保証で対処してもらえることもあります。
また、点検整備記録に記載しておくことで車のメンテナンスをしていたことが評価され、下取りや売却時に査定額が上がることもあるため、毎年点検を受けておくのがおすすめです。なお、 2015年に行われた、一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会の調査によると、法定点検の相場は軽自動車で約13,000円、普通自動車で約15,000〜20,000円とされています。
車検の有効期限を確認する方法は?
車検切れを起こさないためにも、車検の有効期限は事前に確認しておくことが大切です。
車検の有効期限は、「自動車検査証(車検証)」や「検査標章(車検シール)」で確認することができます。確認方法を詳しく見ていきましょう。
自動車検査証(車検証)
「自動車検査証」は一般的に車検証と呼ばれる書類で、「有効期間の満了する日」の項目に有効期限が記載されています。車を運転する際は、車検証を携行することが義務付けられているため、多くの方は車内のグローブボックスなどに車検証を保管しています。
検査標章(車検シール)
車検シールと呼ばれる「検査標章」からも、車検の有効期限を確認できます。車検シールは、車のフロントガラスの中央上部分に貼られているケースが多いです。
ここで注意したいのは、車検シールは表と裏で表示が異なるということです。車の外側からシールの表面を見た場合、車検が満了となる年月しか確認できません。正確な日付を把握するためにも、車の内側からシールの裏面を確認するようにしましょう。
また、同じくフロントガラスに貼られている法定点検のシールと見間違えないよう気を付けましょう。車検シールは四角いシール、法定点検は丸いシールと、それぞれ形が異なります。
毎年の法定点検と車検費用でいくら必要?
車検を受ける際は、大きく分けて法定費用と車検基本料の2つの費用が必要です。法律で支払いが義務付けられている法定費用は、自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料を指します。法定費用は車種によって金額が異なりますが、どの業者を利用しても金額は変わりません。
この法定費用に加え、車検基本料も支払うことになります。車検基本料とは点検料、検査料、車検代行手数料などのことをいい、車検を依頼する業者によって金額が異なります。例えば、エコカー減税なしの車両重量が1〜1.5tの自家用車を車検に出すとなると、以下のような金額がかかります。
〈5ナンバーの車検費用(車両重量1〜1.5t)〉
内訳 | 料金 | |
---|---|---|
法定費用 | 自動車重量税 | 24,600円 |
自賠責保険料 | 20,010円 | |
検査手数料 | 1,700円 | |
車検基本料※ | 点検料、検査料、代行手数料など | 約10,000〜10万円 |
合計 | 約65,000〜15万円 |
法定点検は車検と同時に2年ごとに行われるため、車検を業者に依頼すると24ヵ月の法定点検もあわせて実施されます。そのため、車検がない年も安全のために法定点検(12ヵ月点検)を実施しましょう。
10年目以降の車検は税金や修理費用の負担が増える
自家用車の場合、新車登録から10年を過ぎても車検を毎年受ける必要はありませんが、10年を超えた車は税金や修理額が増える可能性があります。なぜ、10年を超える車の車検費用が増えるのか、具体的に見ていきましょう。
13年目以降は税金が増える
車検時は、整備代や手数料のほかに自動車税(種別割)と自動車重量税も併せて支払わなければなりません。13年目を超える車は自動車税(種別割)と自動車重量税が増えるしくみとなっているため、その分車検費用や維持費が多くかかってしまいます。具体的にどれくらい自動車税(種別割)、自動車重量税が増額されるのか見ていきましょう。
〈自動車税(種別割)/乗用自家用〉
排気量 | 13年未満 | 13年経過 | |
---|---|---|---|
2019年9月30日以前に 新規登録 | 2019年10月1日以降に 新規登録 | ||
1,000cc未満 | 29,500円 | 25,000円 | 33,900円 |
1,000CC以上1,500CC 未満 | 34,500円 | 30,500円 | 39,600円 |
1,500CC以上2,000CC 未満 | 39,500円 | 36,000円 | 45,400円 |
2,000CC以上2,500CC 未満 | 45,000円 | 43,500円 | 51,700円 |
2,500CC以上3,000CC 未満 | 51,000円 | 50,000円 | 58,600円 |
3,000CC以上3,500CC 未満 | 58,000円 | 57,000円 | 66,700円 |
3,500CC以上4,000CC 未満 | 66,500円 | 65,500円 | 76,400円 |
4,000CC以上4,500CC 未満 | 76,500円 | 75,500円 | 87,900円 |
4,500CC以上6,000CC 未満 | 88,000円 | 87,000円 | 101,200円 |
6,000 cc超 | 111,000円 | 110,000円 | 127,600円 |
〈軽自動車税(種別割)/乗用自家用車)〉
13年未満 | 13年経過 | |
---|---|---|
2015年3月31日以前に新規登録 | 2015年4月1日以降に新規登録 | |
7,200円 | 10,800円 | 12,900円 |
排気量は車種によって異なりますが、例えばコンパクトカーであれば1,000~1,500cc、ファミリーカーであれば1,500~2,500cc、セダンタイプは2,500ccを目安としておきましょう。
上記の表を見てみると、新車登録から13年を経過したコンパクトカーやファミリーカーは約5,000円、セダンタイプは約7,000円も自動車税(種別割)が増額されることがわかります。
また、軽自動車税(種別割)も2,000円程度増額となります。
〈自動車重量税〉
車両重量 | エコカー | エコカー以外 | ||
---|---|---|---|---|
(本則税率) | 13年未満 | 13年経過 | 18年経過 | |
~1t | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
〜1.5t | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
〜2t | 20,000円 | 32,800円 | 45,600 円 | 50,400円 |
〜2.5t | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
軽自動車 | 5,000円 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
自動車重量税とはその名のとおり、自動車の重量に応じて課される税金です。上記のとおり13年、18年を経過するタイミングで課税額が増加します。自動車重量税は車検時に支払うので、自動車重量税が増えるほど車検費用も増えることになります。
修理費用が増える
車検を通過するには国の保安基準を満たすために、場合によっては車の修理が発生することがあります。新車登録から10年以上経過している車は、どうしても修理箇所が増える傾向があり、その分車検の費用がかかることになります。また、古い車種になると部品の取り寄せが必要になることもあり、車検を通すのに時間がかかってしまうこともあるでしょう。
中古車を購入した場合はどうなる?
新車の場合、初回の車検は3年後、2回目以降は2年ごとと決まりがありますが、中古車の場合は車検の有効期限が車によって異なります。そのため、車検の有効期限が残っている中古車を購入した場合は、車検証の有効期限の満了日を確認しましょう。
また、車検切れの中古車を購入し、販売店に車検を依頼した場合は、販売店が車検を受けた日から2年間が車検の有効期限となります。
車検費用を抑えるポイント
車は長く乗るほど車検費用が高くなります。特に新車登録から13年目以降の車は自動車税(種別割)や自動車重量税が増額となるため、少しでも車検をお得に実施できる方法を押さえておきましょう。
車検料が安い業者に依頼する
車検にかかる費用を抑えるには、まず安く車検を受けられる業者を見つけておくことが重要です。
車検を受けられる業者にはディーラーや整備工場、カー用品店やガソリンスタンドなどがあり、それぞれ特徴が異なります。とにかく車検費用を抑えたい方は、カー用品店やガソリンスタンド、車検専門店などの車検基本料金の安い業者で車検を受けるのもおすすめです。
自分でメンテナンスをしておく
ただし、それらの業者を利用しても修理箇所が多かったり、業者が対応できない故障があったりすると、その分費用が高くなることがあります。
そこで、車検費用を最低限に抑える方法として、日頃から車をメンテナンスしておくこともポイントです。消耗品交換や修理が必要ない状態にしておけば、余分な費用をかけることなく車検を受けることができます。
また、車検を受ける際は複数の業者から見積もりをもらい、どの業者が最も安く利用できるか確認することで、車検費用を抑えることができるでしょう。
車検費用や手続きの悩みから解放されるには?
車検は、新車購入から3年後に、2回目以降は2年おきに受けなければなりません。その都度数万〜十数万円の費用がかかるため、家計への負担になります。特に、10年目以降の車は経年劣化による修理費用の心配があり、さらに13年目には確実に税金が上がるため、車検費用が高くなります。
実際に車検の費用負担の増加をきっかけに車を乗り換える方は多く、その際に安く車に乗れる方法として注目されているのがカーリースです。
カーリースは、定額の月額料金を支払うことで車に乗れる車のサブスクリプションサービスです。車を現金一括やローンで購入するのとは異なり、初期費用や頭金なしで利用できるため、貯金がなくても新車に乗ることができます。資金が少なくても手軽にカーライフをスタートしやすいことから、若い世代を中心に個人向けリースの利用者が増えています。
さらにカーリースには、車検の手続きや費用の負担を軽減できるメリットもあります。リース会社の中には、車検時期が近づくと事前に案内してくれるところや、オプションで車検費用も月額料金に含め定額化することができるサービスもあります。
車検費用込みで月々10,000円台から新車に乗る方法
カーリースの定額カルモくんなら、車検費用もコミコミで月々10,000円台から新車に乗ることが可能です。メンテナンスプランに加入すれば車検費用のほか、必要なメンテナンス費用も月額料金に含められるため、賢くお金を管理しつつ、安全に車に乗ることができます。
お得かつスピーディーに車を乗り換えることができる、定額カルモくんの充実したサービス内容を見ていきましょう。
車検費用込みのメンテナンスプランで、維持費も定額化する
「おトクにマイカー 定額カルモくん」のメンテナンスプランを利用すると、車検費用や消耗部品の交換費用、契約満了時の原状回復費用など、さまざまな維持費を月額料金に含めて定額化することができます。そのため、車検の度に大きな費用を負担することなく、契約満了時に車を返却する際もまとまったお金を用意せずにすむでしょう。
さらに、車検や普段のメンテナンスを全国30,000店舗以上の大手事業者で受けられるため、車検業者を探す手間がかかりません。自宅から近い店舗はもちろん、旅先や出張先などでも必要に応じて提携業者を利用できるため、出先で急遽メンテナンスが必要なときも安心です。
最短3週間で納車できるマッハ納車を利用する
「今乗っている車の車検の期限が迫っているけど手持ちのお金が少ない……」このような車検費用に関する悩みをお持ちの方は、車検前に定額カルモくんで車を乗り換えるという方法もあります。
通常、カーリースで使用する車は納車までに1ヵ月程度かかりますが、定額カルモくんには「マッハ納車」によって契約から最短3週間で自宅へ届く車も用意されています。
車検が切れる前に乗り換えてしまえば、2年後まで車検を受けずに済みます。今の車の車検を受けるよりも安い費用で、乗り換えることができるでしょう。
毎年しっかりメンテナンスをして、車検費用を抑えよう!
現在では10年目以降の車でも車検は2年に1回のペースです。また、法定点検も実施することで、より安全に車に乗ることができます。とはいっても10年目以降の車は車検やメンテナンス費用が高くなる傾向があります。車検をはじめ車の維持費を安く抑えて賢く車に乗りたい方は、定額カルモくんでこまめにメンテナンスをし、快適かつ安全なカーライフを送ってみてはいかがでしょうか。
また、スムーズにカーリースで車の乗換えができるように、定額カルモくんの「お試し審査」を活用するのもおすすめです。ネットから誰でも簡単に申し込める審査で、審査後にキャンセルしたり、車を選び直したりすることもできます。
審査に通った時点で選べる車を教えてもらえるため、自分はカーリースでどの価格帯の車なら利用できるのか知りたい方も、一度お試し審査を受けてみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q1:新車登録から10年以上経つ車は、毎年車検が必要ですか?
A:現在では、10年以上経つ車も2年ごとに車検を受けます。登録から10年以上経つ車は毎年車検を受けるルールがあったのは、1995年の制度改正以前で、現在では10年経過した自家用車の車検は2年ごとになっています。
Q2:10年以上経つ車は、車検費用が高額になると聞きました。その理由は?
A:新車登録から10年以上経つ車は経年劣化などが進み、車検の保安基準を満たすための修理費用がかさみます。さらに13年目以降になると、自動車重量税が増えるため確実に車検の費用が上がります。
Q3:法定点検は毎年受けるのですか?
A:車検は2年に1回ですが、法定点検は1年に1回受けることが義務付けられています。受けないことでの罰則はありませんが、事故や故障を防ぐための点検ですので、受けることをおすすめします。
※記事の内容は2021年11月時点の情報で制作しています。