ディーラー車検では、車検業者の中で最も安全性や信頼性に優れた車検が受けられます。その反面、費用が高く、依頼するのに躊躇する思いも抱きがちです。そこで、納得して車検業者を選べるように、ディーラー車検が高い理由を、費用を抑える方法と併せてお伝えします。
意外と知らない!ディーラー車検が高い理由
ディーラー車検の車検基本料の相場は、35,000~10万円ほどといわれています。10,000円台で受けられる車検業者もあるだけに、高額な印象も強くなりがちです。ただ、ディーラー車検の費用が高いのには理由があります。内容と金額が見合っているかどうかは車検を検討する判断基準になるので、まずはディーラー車検が高額になりやすい理由を理解しておきましょう。
純正パーツを取り扱っている
ディーラー車検では、部品を交換する際に純正パーツを用います。純正パーツは新車購入時に装備されているメーカー指定のパーツで、純正ではないものより値段が高いので、交換するパーツが増えるほど、車検費用も高くなります。とはいえ、その車に最も適した品質で、次の車検まで安心して乗り続けられる可能性が高いというメリットがあるので、安全性を重視したい方や、関係するほかのパーツとの相性や互換性を気にする方にとっては安心できるサービスといえるでしょう。
メーカー品質の整備や点検が行われる
ディーラーは自動車メーカー系列の販売会社なので、ディーラーやメーカーの信用を保つために、高い技術力を持つ整備士をそろえ、システムを利用した点検やマニュアル化なども実施して、質の高い点検や整備を提供しています。そのため、人件費や技術料をはじめとした費用が高い傾向にありますが、故障のリスクを最小限に留めることができます。また、車に関する知識が豊富なスタッフから専門性の高いアドバイスを受けられるというメリットもあります。
サービスの充実度が事務手数料に反映されている
車検を業者に依頼すると、車検に必要な手続きの代行費用として事務手数料がかかります。金額は店舗によって異なりますが、ディーラー車検では、サービスが充実している分、カー用品店や車検専門店などの車検より高いケースが多いです。なお、自分で車を整備し、運輸支局に直接車を持ち込んで車検を受けるユーザー車検を行えば、事務手数料を節約できます。
車検前後のフォローが充実している
ディーラー車検は、車検前後のフォロー体制が整っていることで費用が高くなるという側面もあります。ディーラー車検には整備保証がついているのが一般的で、車検による不具合が見つかった際は、無償で迅速かつ丁寧に対応してもらうことができます。ほかにも、車検前に車検費用についての詳しい説明が受けられたり、車検後にガソリンの値引きをしてもらえたりと、車検前後のサービスが充実しています。
ディーラー車検にかかる費用の内訳
ディーラー車検を納得して利用するためには、ほかの車検業者と費用にどれくらいの違いがあるかを知っておくことも重要です。そのためには、車検費用のしくみと、車検業者ごとの費用の目安を理解することが大切です。
車検費用のしくみ
車検費用は法定費用と車検基本料で構成されています。
・法定費用
法定費用には、自動車重量税や自賠責保険料、印紙代(検査手数料)が含まれます。
金額は法律で決められているため、どこの車検業者で車検を受けても料金は一律です。
・車検基本料
車検基本料には、点検、整備費用や事務手数料が含まれ、金額は車検業者によって異なります。
また、部品を交換した場合は、別途部品代が必要になります。
車検業者ごとの車検費用の目安
車検はディーラーのほか、整備工場やガソリンスタンド、カー用品店や車検専門店などで受けることができます。それぞれの車検基本料の目安は次のようになります。
- ディーラー 約35,000~10万円
- 整備工場 約20,000~65,000円
- ガソリンスタンド 約15,000~35,000円
- カー用品店 約10,000~45,000円
- 車検専門店 約10,000~30,000円
*2020年7月、定額カルモくん調べ
ディーラー車検の場合、法定費用に35,000~10万円と交換部品代を合わせた額が車検費用となります。選ぶ業者によって数万円の差が生まれるので、内容も併せてしっかり比較することで、納得のいく車検業者を選びやすくなります。
なお、車検基本料は車種や車の状態によっても異なるため、車検を依頼する際は必ず見積りをもらうようにしましょう。
民間の車検やユーザー車検と比較したディーラー車検の特徴
車を車検に通す際は、ディーラー車検や民間業者の車検のほかに、ユーザー車検を実施する方法もあります。それぞれの違いをひと目でわかるようにまとめたのがこちらの表です。
〈民間車検・ユーザー車検と比較したディーラー車検の特徴〉
費用 | 難易度 | 安心感 | |
---|---|---|---|
ディーラー車検 | 高い | やさしい | 高 |
民間業者の車検 | ↕︎ | やさしい | ↕︎ |
ユーザー車検 | 安い | 難しい | 低 |
街の整備工場やガソリンスタンド、カー用品店や車検専門店など、民間業者が行う車検は、ディーラー車検よりも車検基本料を安く抑えられるのがメリットです。また、国産車から外国車まで幅広い車種に対応しており、一定品質以上の整備、点検技術があるため、車検に通らないという心配もありません。ただし、業者によって技術力や接客、サービスなどに大きな差がある点がデメリットとして挙げられます。
ユーザー車検は、自分で車を運輸支局に持ち込んで車検を受ける方法です。事前の整備、点検をはじめ、車検に必要な工程をすべて自分で行うため、車検基本料が一切かからないのがメリットです。しかし、整備や点検には車に関する専門知識が必要な上、事務手続きもすべて自分で行うので、手間がかかるわりに、安全面に不安が残るといったデメリットがあります。
ディーラー車検は、民間業者の車検やユーザー車検に比べて費用は高めですが、民間の車検業者よりも安心感や信頼度が高く、ユーザー車検のようなたいへんさもなく車検を受けられます。
ディーラー車検の費用を抑える5つのコツ
ディーラー車検に出したいと思っても、高い費用がネックに感じている方は少なくないでしょう。そのようなときは、ディーラー車検をお得に受けられる5つのコツを試してみましょう。
1. 見積りで内容と金額を確認して、余計な整備を外す
ディーラー車検では、部品の摩耗や劣化の具合が車検に通る程度でも、2年後の車検までは持たないと判断した場合に交換することがあります。また、オプションとして洗車や車内清掃の費用などが含まれていることもあります。ディーラー車検の費用を抑えたいときは、事前に見積りをもらって内容や費用を確認し、不要なものや、車検後に自分で行えるものなどを外してもらいましょう。
できるだけ必要最低限の点検や整備、サービスに抑えるのがポイントです。自分で判断できない場合は、担当者に質問してみましょう。なお、見積りは複数のディーラーからもらうのがおすすめです。各ディーラーを比較することで車検費用の相場を知れるだけでなく、自分で納得したディーラーに車検を任せることができます。
2. 決算時期である3月や9月に車検に出す
ディーラーは3月や9月の決算月になると、車検目標台数を高く設定します。できるだけ多くのユーザーに車検を依頼してもらえるよう、車検費用を通常より安く設定することが多いので、ディーラー車検をお得に受けられるチャンスです。また、値引きに応じてもらいやすく、値引き額も大きくなる傾向があります。なお、車検は満了期日の1ヵ月前から受けることができます。3月や9月に車検を依頼できるか、車検時期を確認しておきましょう。
3. 月末に車検に出す
ディーラーは1ヵ月ごとに車検目標台数を設定しているのが一般的です。そのため、目標台数に届かない月の月末には、値引きに応じてくれたりサービスをつけてくれたりすることがあります。決算月に車検のタイミングが合わない場合は、月末に依頼することも検討してみましょう。
4. 早めに車検予約をする
ディーラー車検の費用を抑えるには、早めに予約をするのもおすすめです。早期予約はディーラーにとって人員を確保しやすいという利点があるため、車検費用を割引きしてもらえることがあります。割引率はディーラーによって変わりますが、半年前で10%、3ヵ月前で5%など、早めに予約するほど割引率が大きい傾向があります。なお、車検の有効期限ギリギリになってしまうと、依頼したいディーラーの空きがなく申し込めなかったり、見積り交渉ができなかったりする可能性があるので注意が必要です。車検時期が近付いてきたら、早めにディーラー選びを始めておきましょう。
5. キャンペーンを利用する
ディーラーの中には、ウェブ申込みキャンペーンやシニア、レディースキャンペーンなど、お得に車検が受けられるキャンペーンを打ち出しているディーラーもあります。依頼したいディーラーが決まったら、事前にキャンペーンの有無を確認してみましょう。
カーリースなら車検費用を抑えられる!
車検は新車の場合を除いて2年に一度行うため、費用が高くなるほど負担も大きくなってしまいます。そこで、車検にかかる出費を抑える方法として注目されているのが、カーリースの定額カルモくんです。
「おトクにマイカー 定額カルモくん」は、月々の定額料金だけで、国産メーカーの全種類、全グレードから自分が選んだ新車に乗れるサービスです。車検時に必要な各種税金や自賠責保険料も月額料金に含まれるので、車検時にかかる費用を大幅に抑えることができます。
車検や点検は全国30,000店舗を超える大手の提携業者から選べる上、メンテナンスプランを利用すれば、車検基本料や一部の交換部品代と工賃も定額料金に含めることができます。メーカー保証と同程度の延長保証や、返却時の原状回復費用も定額になって、月々1万円台から新車に乗れるので、車にかかる維持費の負担も軽くなって、家計管理もしやすくなります。
安全性重視なら、高くてもディーラー車検!
ディーラー車検は費用が高いのがデメリットですが、整備や点検の質が高いので、大切な車を安心して預けることができます。安全にマイカーライフを楽しみたい方にとっては、高い費用をかけてでも、依頼する価値があるといえるでしょう。その際、見積りをもらって交渉したり、お得になりやすい時期に依頼したりすると、ディーラー車検をお得に済ませることができます。なお、車検時の大きな出費を抑えたい方は、車検費用のほとんどが月々の定額料金に含まれるカーリースの利用もおすすめです。
よくある質問
Q1:ディーラー車検はなぜ高いの?
A:ディーラーやメーカーの信用を保つために、質の高い点検や整備を提供しているからです。高い技術力を持つ整備士をそろえ、システムを利用した点検やマニュアル化などを実施しているほか、交換部品も純正パーツを使用しています。また、車検前後のフォローやサービスも充実しているので、その分コストが高くなります。
Q2:ディーラー車検とほかの車検方法との違いは?
A:おもに費用と点検や整備の質です。民間業者の車検では、ディーラー車検よりも費用が抑えられる反面、業者によって技術やサービスの質にばらつきがあります。ユーザー車検は車検基本料を節約できますが、自身の整備の知識や技術によっては安全性に不安が残ります。ディーラー車検は高めですが、安全性や信頼性は最も高いでしょう。
Q3:ディーラー車検を安く受ける方法はある?
A:車検の前に見積りをもらい、車検に不要な整備や、自分で行えることなどを省いてもらうと、その分の費用が安くなります。また、決算期や月末といったディーラーが車検目標台数を高めに設定している時期や、キャンペーン時期、早期予約などでも、車検費用が安くなることがあります。
※記事の内容は2020年12月の情報で制作しています。