ディーラー車検は、自動車メーカー系列の販売会社であるディーラーが実施する車検のことです。安全性や信頼性が高く、より安心して車に乗りたい方に向いています。しかし、ほかの業者で車検を受けたときよりも費用がかかる上に、依頼する際はいくつか注意点を押さえておかなければなりません。
安心して安全なカーライフを送るためにも、ディーラー車検の特徴や車検をお得に受ける方法をご紹介します。
ディーラーで車検をするメリット・デメリット
自動車メーカー系列の販売会社であるディーラーが車検を実施する「ディーラー車検」。なんとなく、専門性が高くて安心というイメージはあるものの、具体的な特徴はよく知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで、ディーラー車検を実施するメリット・デメリットを見ていきましょう。
意外と知らない!ディーラー車検のメリット
ディーラー車検最大のメリットは、安心して任せられることです。車の構造や業界知識のある専門家が、車を点検するのに十分な設備と徹底された整備マニュアルのもと、安全性をチェックしてくれます。そのため、ほかの車検業者に比べて、質が高い整備や点検を受けられるのが特徴です。また、パーツの交換が必要な場合には、新車購入時に装備されている、純正のパーツに取り替えてもらうこともできるため、車検後も安全して車に乗り続けられるのも魅力といえます。さらに、ディーラー側のミスで車検後の車に不具合が生じた際には、無償で対応してもらうことも可能です。
なお、ディーラーはメーカーだけが知り得る情報を保有しているので、最適な車の買替え時期や、普段のメンテナンスに必要な予備知識を教えてもらえるのも、ディーラー車検を実施するメリットのひとつです。以上を踏まえると、次の車検までより安全に車に乗りたい方や、安心感、信頼感を重視したい方は、ディーラー車検が向いているといえます。
知らないと損?ディーラー車検のデメリット
ディーラー車検は、質の高い点検や整備を受けられ、より安全に車に乗れる反面、費用が高いのがデメリットです。安全性の高い純正パーツを使用したり、技術力の高い整備士の人件費がかかったりする分、どうしても料金が高くなってしまいます。また、車検の回数を重ねるほど、部品交換や整備をしなくてはいけない箇所が増えるので、整備費用が高くなる傾向があるのもデメリットといえるでしょう。
さらに、ディーラーの中には、車検に必要な点検や整備を民間業者に外注している場合もあります。ディーラー自ら点検や整備をして欲しい場合には、事前に外注の有無を確認しておきましょう。
ディーラー車検にかかる費用はどれくらい?
安全面は信頼できるものの、ほかの業者よりも費用がかかるディーラー車検。どのくらいの費用がかかるのか知りたい方も多いのではないでしょうか。車種によって金額が異なるものの、ディーラー車検の費用は約35,000〜10万円といわれています。ただし、この金額は「車検基本料」と呼ばれる点検や手続きにかかる費用の総額です。
車検にはこのほかに、自動車重量税や自賠責保険料などの法定費用や部品の交換費用がかかるため、車をディーラー車検に出す際は、車検基本料と法定費用、部品交換費用を合計した金額を確認する必要があります。
例えば、自家用乗用車のディーラー車検費用は次のようになります。(車両重量が1t超〜1.5t以下、エコカー減税非対象の場合)
〈自家用乗用車のディーラー車検費用〉
項目 | かかる費用 | |
---|---|---|
法定費用 | 自動車重量税 | 24,600円 |
自賠責保険 | 27,840円 | |
検査手数料 | 1,700円 | |
車検基本料 | 点検・整備費用 | 3.5〜10万円 |
事務手数料 | ||
部品交換費用 | 車の状態に応じて変動 |
自動車重量税や自賠責保険料などの法定費用は、法律で支払いが義務付けられているものです。民間の車検業者に依頼したりユーザー車検を実施したりしても法定費用の金額は変わりません。そのため、車検費用を比較する際は、車検基本料を基準にしましょう。ディーラー車検の場合、事務手数料がかかる上に、少しでも安全面を考えて必要と判断すれば部品交換を推奨するのが一般的なので、車検基本料が高くなる傾向があります。車種や車の状態によっても車検費用は異なるため、車検業者に依頼する際は必ず事前に見積りをもらうようにしましょう。
ディーラー車検や民間の車検業者、ユーザー車検の違いは?
車検にはディーラー車検のほかに、ガソリンスタンドやカー用品店などの民間の車検業者に依頼する方法や、ユーザー車検があります。それぞれの違いは次の通りです。
〈車検業者ごとの難度〉
料金 | 手間 | 安全性 | |
---|---|---|---|
ディーラー車検 | 高い | 簡単 | 高 |
民間の車検業者 | ↕︎ | 簡単 | ↕︎ |
ユーザー車検 | 安い | 難しい | 低 |
この通り、民間の車検業者に依頼したりユーザー車検を受けたりすれば、ディーラー車検よりも費用を安く抑えることができます、しかし、それぞれに依頼や実施するときに注意すべきことがあります。
そこで、民間の車検業者での車検と、ユーザー車検の具体的な特徴を見ていきましょう。
民間の車検業者の特徴
民間の車検業者とは、街の整備工場やガソリンスタンド、カー用品店、車検専門店などのこと。これらの業者に依頼することで、ディーラー車検よりも費用を抑えられるのがメリットです。
車種によって車検基本料の金額は変わりますが、整備工場が約20,000〜65,000円、ガソリンスタンドが約15,000〜35,000円、カー用品店が約10,000〜45,000円、車検専門店が約10,000〜30,000円が相場となっています。(2020年7月、定額カルモくん調べ)
ディーラーが基本的に取り扱っているメーカーの車検を行うのに対して、車のメーカーを問わず依頼できるのも民間の車検業者で車検を受けるメリットといえます。また、業者によっては、国産車だけでなく外国車などの幅広い車種に対応しているのも特徴です。ただし、業者によって技術や整備内容に差があるため、安全性や確実性を見極めて依頼することが大切です。
なお、民間の車検業者の中には、車検場のような検査ラインを保有している「指定工場」と、点検整備のみ行える「認定工場」の2種類があります。指定工場では車検を最短1日で終わらせることができますが、認定工場は車検に必要なラインを持っていないので、指定工場に比べて車検に時間がかかってしまいます。そのため、民間の車検業者への依頼を検討している方で、車検を早く終わらせたい場合には、指定工場を持つ民間の車検業者を選ぶのがおすすめです。
車検業者ごとの特徴を詳しく知りたいならこちら
ユーザー車検の特徴
ユーザー車検とは、自分で車を整備し、運輸支局に直接車を持ち込んで車検を受けることをいいます。車検を受けるために必要な工程をすべて自分で行うため、業者に依頼する際にかかる点検や整備費用、事務手数料などの車検基本料が一切かかりません。そのため、費用を大幅に抑えることができるのがメリットです。しかし、手間がかかるのがデメリット。自ら車を整備、点検しなくてはいけないので、車に詳しい方でないと時間がかかってしまうでしょう。また、プロの点検や整備が行われないため、安全面で不安があるのも懸念点です。運輸支局で提出する書類なども自分で記載する必要があるので、手間もかかります。
ディーラー車検を依頼する際の注意点
納得してディーラーに車検を依頼するためには、いくつか事前に注意しなければいけないことがあります。
費用や安全面などを考えたとき、具体的にどのような点に気をつければいいのか見ていきましょう。
必ず見積りをもらう
ディーラー車検を依頼する場合は、必ず事前に見積りをもらうようにしましょう。見積りを確認せずに車検に出してしまうと、思っていたよりも高額の費用がかかっていた場合でも、交渉や相談をすることができません。事前に見積りを提示してもらうことで、費用や整備の必要性を自分自身で確認できるので、より納得してディーラーに車検を依頼できるでしょう。また、見積りは、複数の業者を比較する際にも役立ちます。車検をより安く済ませたい場合には、各ディーラーや業者で見積りをもらい、条件の良いものを選びましょう。
必要最低限の整備にしてもらう
ディーラー車検では、より安全に乗るために、車検更新に必要でない箇所の点検や整備、部品交換も行われます。そのため、その分の費用が上乗せされ、費用が高くなる傾向があります。ディーラー車検の費用を少しでも抑えたい方は、車検時にこのような部品交換やオプションの点検、整備が含まれていないかどうかを確認しておきましょう。なお、オプションの中には、洗車や車内清掃など、自分で行えるものも含まれている場合があります。
もしも、見積りに記載されている部品交換やオプションが車検に必要かどうか判断できない場合は、事前に担当者に確認をしておきましょう。整備内容に納得した上で依頼をすることで、費用を抑えながら安心して車検を受けることができます。
自社で点検するかどうか確認しておく
ディーラー車検では、すべてのディーラーが自社で整備や点検をしているとは限りません。予約状況や設備によっては、民間の車検業者に外注しているディーラーもあります。ディーラー車検のメリットである安心感や整備、点検の質の高さを実感したい場合には、依頼する際に自社で点検するかどうかも確認しておきましょう。
ディーラー車検がお得に受けられる時期とは?
ディーラー車検は、ほかの車検業者よりも費用がかかるものですが、車検を依頼する時期によって車検費用を抑えることができます。具体的にディーラー車検をお得に受けられる時期はいつなのか、見ていきましょう。
決算期の3月、9月
ディーラーの決算期である3月、9月はディーラー車検の費用を抑えやすい時期です。決算期は車検の目標台数を高く設定する時期でもあります。ディーラー側としては、できるだけ多くのユーザーに車検を依頼してもらえるよう、車検費用を通常よりも安く設定する傾向があります。また、値引きにも対応してもらいやすく、ほかの月よりも値引き額が大きい傾向があるのも特徴です。なお、車検の期限を有効に使用するためにも、満了日の1ヵ月前に受けるのがおすすめです。車検費用をできるだけ抑えたい方は、3月か9月に依頼できるかどうか、車検時期を確認しておくことをおすすめします。
月末
月末も、ディーラー車検の費用を抑えやすいタイミングのひとつです。各ディーラーは1ヵ月ごとに車検の目標台数を設定するのが一般的なので、月末になると月の車検目標台数を達成するために、サービスを付けてくれたり値引きに応じてくれたりする可能性が高いです。車検費用を抑えたい方で決算期の3月、9月に車検を依頼できそうにない場合には、月末にディーラーに車検を依頼してみてはいかがでしょうか。
車検で大きな出費をしなくて済む「カーリース」という方法
車検は、新車の場合を除いて2年に一度実施しなければなりません。車の維持費の中でも多くの費用がかかるため、マイカーを所有している方にとっては大きな出費となります。そこで注目されているのが、毎月一定の金額を支払うことでマイカーのように車に乗れる「カーリース」というサービスです。
中でも、「おトクにマイカー 定額カルモくん」は、車検の一部費用も定額料金として支払えるので、車検時の急な出費を抑えることができます。また、オプションの「メンテナンスプラン」を付ければ、車検点検料や各種交換費用も定額料金にすることができるので、より家計の管理がしやすくなります。車検時の急な出費を避けたい方は、「定額カルモくん」のカーリースを検討してみてはいかがでしょうか。
安心、納得してディーラー車検を実施しよう!
ディーラー車検は、より安全に車に乗りたい方に最適の方法です。事前に見積りをもらったり、余分な整備や部品交換を避けたりすれば、より安心して依頼することができるでしょう。また、費用を抑えたい方は、3月や9月、月末に依頼するのがおすすめです。さらに、車検時の急な出費を避けたい方は、「定額カルモくん」の利用も併せて検討してみてください。
よくある質問
Q1:ディーラー車検のメリットは?
A:ディーラー車検最大のメリットは、安心して任せられることです。車の構造や業界知識のある専門家が、車を点検するのに十分な設備と徹底された整備マニュアルのもと、安全性をチェックしてくれます。そのため、ほかの車検業者に比べて、質が高い整備や点検を受けられるのが特徴です。
Q2:ディーラー車検のデメリットは?
A:ディーラー車検は、質の高い点検や整備を受けられ、より安全に車に乗れる反面、費用が高いのがデメリットです。安全性の高い純正パーツを使用したり、技術力の高い整備士の人件費がかかったりする分、どうしても料金が高くなってしまいます。
Q3:ディーラー車検が高いといわれる理由は?
A:ディーラー車検では、より安全に乗るために、車検更新に必要でない箇所の点検や整備、部品交換も行われます。そのため、その分の費用が上乗せされ、費用が高くなる傾向があります。
※記事の内容は2020年8月時点の情報で制作しています。