安全に車に乗るために欠かせない車検制度ですが、まとまった費用が必要になることから、家計に負担がかかります。あらかじめ車検の時期がわかっていたとしても、車検代が貯められなくて払えないというケースもあるでしょう。そんな車検代が払えないときのために覚えておきたい対処法や車検切れのリスク、車検費用を安く抑えるコツなどをご紹介します。
そもそも車検費用はどれくらいかかるの?
車検費用が払えなくて困ってしまう前に、まずは車検でどのくらい費用がかかるのか知っておくことで、早めに備えられる場合もあるのではないでしょうか。まずは、車検費用のしくみや普通車の費用相場についてご紹介します。
車検費用のしくみ
車検費用は自賠責保険料や自動車重量税などを含む法定費用と業者ごとに定められた車検基本料、消耗品の交換などの整備費で成り立っています。また、法定費用は原則現金払いとなっており、業者によって全額ローンやクレジット払いができるかどうかが異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
普通車の車検費用の相場
軽自動車の自動車重量税は重量にかかわらず一律ですが、普通自動車は0.5tごとに税額が変わります。ディーラーで車検を受けた場合の普通自動車の車検費用相場は以下のとおりです。
普通車の車検費用例(※重量1t以下、エコカー減税対象外の場合)
自賠責保険料 | 25,830円 |
自動車重量税 | 24,600円 |
印紙代 | 1,200円 |
車検基本料 | 35,000~100,000円 |
合計 | 86,630~151,630円 |
車検代が払えないときはどうすればいい?
車検代が払えないときの対処法はいくつかあります。それぞれ見ていきましょう。
車検代が払えないときの対処法1. 車検ローン
ディーラーやカー用品店などでは、信販会社と提携した車検ローンを用意している場合があります。なお、車検ローンを利用するにはローンの審査に通らなくてはいけません。
車検代が払えないときの対処法2. マイカーローン
車を購入する際に利用する金融機関のマイカーローンには、車検など車に関する費用に使えるものもあります。なお、車検ローンと同様に、利用するためには審査に通らなくてはいけません。
車検代が払えないときの対処法3. クレジットカード払いやキャッシング
ディーラーや車検専門店などでは、クレジットカード払いができる場合もあります。すでにクレジットカードを持っていれば、審査もなく分割回数も自由に決めることができます。
また、現金のみの場合には、クレジットカード付帯のキャッシング機能を使うという方法もあります。
車検代が払えないときの対処法4. 消費者金融のカードローン
車検ローンやマイカーローンなどの審査が通らないという場合には、消費者金融のカードローンを使うという方法もあります。
なお、カードローンの利用にも審査がありますが、車検ローンやマイカーローンなどに比べると審査基準が低くなっています。
車検代が払えないときの対処法5. 車検業者に相談する
どうしても費用が用意できないときは、車検業者に相談してみるのもひとつの方法です。業者によっては分割払いに応じてくれるケースもあります。
車検が切れるとどうなるの?
車検が切れた車は所有しているだけであれば問題ありませんが、公道を走ることはできません。また、車を動かすためにはレッカーなどで移動させなくてはならず、牽引も禁止されています。
ここでは、車検切れの車を走行した場合に課せられる罰則や車検切れの影響についてご紹介します。
罰則が課せられる
公道を車検切れの状態で走行した場合には、1ヵ月の免許停止や6点の減点、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金などの罰則が課せられます。また、自賠責保険が同時に切れている場合には、12点の減点、90日間の免許停止、最大80万円の罰金という罰則が与えられます。
自賠責保険の適応外となる
車検切れの状態で事故を起こしてしまった場合、自賠責保険が適応外となります。また、自賠責保険の補償範囲は被害者の救済を目的としたものとなっているため、任意保険ではカバーできない可能性もあります。
免許取り消しになることもある
過去3年間の間に免許停止の処分を受けていた場合には、減点される点数が増え、免許取り消しとなります。
走行には仮ナンバーが必要となる
仮ナンバーとは、ナンバープレートに赤い斜線が引かれているものです。車検切れの車を移動させるためには、レッカーのほかに仮ナンバーを交付してもらうことで走行することができます。
仮ナンバーは居住地の市役所などで申請することができますが、これは車検を受けるための走行を目的としているものなので、日常の移動などには使用できません。
もし車検費用を滞納してしまったら?
もし車検費用を滞納してしまった場合、まずはディーラーや車検業者から督促の連絡や通知があります。そこで改めて支払い期日などの約束をしますが、延滞金が発生する可能性があります。また、それでも車検費用を滞納し続けると、車が引き上げとなることもあります。
なお、ローンの返済中は所有者がディーラーや信販会社となっているため、引き上げることもできる状態であることを覚えておきましょう。
車検代金でお悩みなら、カーリースはいかがでしょうか?
カーリース業者によっては車検代もコミコミで車を利用できますから、車検代金のことを考えずにカーライフを送ることができます。
車検ローンの審査に通らないのはどんなとき?
車検費用が捻出できないときに便利な車検ローンですが、申込者の年収や属性、信用情報などによってはローン審査に通りにくいことがあります。
そこで、車検ローンの審査に通りにくいケースについて見ていきましょう。
パートやアルバイト、自営業などの不安定な就業形態である
ローン審査では、申込者の属性も審査対象となっています。収入の安定している正社員であれば審査に通りやすく、パートやアルバイトなどの非正規雇用や収入の不安定な自営業などは審査通過が厳しくなっています。
なお、勤続年数も審査に大きく影響するため、正社員とはいえ1年未満の方は自営業などと同様、審査に通りにくいでしょう。
複数の借入れをしている
ローンやキャッシングなどの借入れにおいて、年収に対して借入れができる割合が決まっています。これを返済比率といい、年収の30〜40%と定められています。そのため、申込み金額が返済負担比率を超えている場合には審査通過が難しいでしょう。
過去に支払い遅延などの経験がある
ローンの返済や携帯電話やクレジットカードの支払いなどは、CICやJICCなどの個人信用情報機関に情報が記録されています。信用情報に延滞などの記録が残っていると信用度が低いと判断されてしまいます。なお、これらの情報は支払い遅延などの解消から1〜5年間保持されます。
ローンなどを上手に利用してしっかり車検を受けよう
車検の期限が迫っているときでも、ローンなどを上手に利用すれば慌てることはありません。車検業者によって費用も支払い方法も違うので、そのときの状況に合った業者を選ぶようにしましょう。
よくある質問
Q1:費用がなくて車検が受けられないときの対処法は?
A:車検費用の支払い方法は業者によって異なり、税金などの法定費用は原則として現金での支払いとなっています。しかしながら、車検基本料や整備費などはディーラーやカー用品店が信販会社と提携したローンやマイカーローンなどを利用することができます。また、業者によってはクレジットカード払いができるケースもあります。
Q2:車検が切れた車には乗れないの?
A:車検が切れた車は所有しているだけであれば問題ありませんが、公道を走ることは禁止されています。なお、公道を車検切れの状態で走行した場合には、1ヵ月の免許停止や6点の減点、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金などの罰則が課せられます。また、自賠責保険が同時に切れている場合には、12点の減点、90日間の免許停止、最大80万円の罰金という罰則が与えられます。
Q3:もし車検費用を滞納したらどうなるの?
A:車検費用を滞納してしまった場合、まずはディーラーや車検業者から督促の連絡や通知があります。そこで改めて支払い期日などの約束をしますが、それでも滞納が解消されなければ車が引き上げとなることもあります。なお、ローンの返済中は所有者がディーラーや信販会社となっているため、引き上げることもできる状態であることを覚えておきましょう。
※記事の内容は2019年12月時点の情報で制作しています。