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【試乗】スズキ「ワゴンRスマイル・改良新型」目元スッキリ、日常使いで心地よい!(島崎七生人レポート)

【試乗】スズキ「ワゴンRスマイル・改良新型」目元スッキリ、日常使いで心地よい!(島崎七生人レポート)
【試乗】スズキ「ワゴンRスマイル・改良新型」目元スッキリ、日常使いで心地よい!(島崎七生人レポート)

スライドドアを持つ軽ハイトワゴンの「スズキワゴンRスマイル」(148万9400円〜193万4900円)が2024年12月にマイナーチェンジを受けました。特徴的だったヘッドライトなどフロント周りのデザインを一新し、かわいい成分が増量されたワゴンRスマイルに、島崎七生人さんがじっくり試乗しました。

2024年12月のマイナーチェンジで外観、装備を変更

2024年12月のマイナーチェンジで外観、装備を変更

試乗車を借り受けて帰宅すると、クルマを見た家内の第一声は「かわいいんじゃない!」だった。実年齢をここで明かすと僕は二度と家に入れてもらえなくなる可能性大なので秘して“大人”とだけ書いておくが、試乗車の新色のボディカラー“トープグレージュメタリック(とソフトベージュ2トーンルーフ)”は、そういえば似たような色合いの服をよく買ってくる彼女にとって、何か響くものがあったらしい。カタログの表紙にもなっており、最新モデルのイメージカラーでもあるから、(僕はスズキの関係者ではないが)さしずめツカミはオッケーといったところか。

“ワゴンRスマイル(以下、スマイル)”が正式名のこのクルマが登場したのは2021年8月のこと。今回の試乗車は昨年12月に発表されたマイナーチェンジ版で、外観、装備などの変更、充実がポイントだ。

目元がスッキリ、“キラキラ”から“キラッ”と印象が変化

目元がスッキリ、“キラキラ”から“キラッ”と印象が変化

目元がスッキリ、“キラキラ”から“キラッ”と印象が変化

上が従来型、下が今回の改良新型。ヘッドライトだけでなくグリルやバンパー形状も大きく変わっている

このうち外観については、フロントまわりのディテールが一新された。参考までに従来型を試乗した時のカット(2021年10月撮影、一緒に写っているのは我が家の先代モータージャーナリスト犬のハル)を並べて改めて見較べると、その変化感は小さいようで大きい。違いはヘッドランプとグリルのデザインが一新されたことで、ヘッドランプはこれまでどおりの幅広のメッキのベゼル(枠)を使うも、これまで全周に回していたものから内側で一旦カット、そこにグリル部分の幅を広げて食い込ませた。さらに観察するとLEDライトのレンズの回りの細いメッキの加飾も、従来はメッキだったがブラックアウトされ、これも目元がスッキリとした一因だ。

目元がスッキリ、“キラキラ”から“キラッ”と印象が変化

グリルは上半分にボディ色のガーニッシュを新たに装着し、下半分には、ブラックアウトした地色に4本のスリムな横バーを(うち上の2本がメッキでアクセントに)通したデザインだ。よく見ると“S”のロゴマーク直下にミリ波レーダーが新たに組み込まれており、そのことを前提としたグリルのデザインかもしれない。ともかく、従来の“キラキラ”から“キラッ”と印象が変化し、あっさりとシンプルだが存在感のある、なかなか好感の持てるルックスに改められた。

選べる5つのスタイルパッケージ、お値段はなかなかのもの

選べる5つのスタイルパッケージ、お値段はなかなかのもの

選べる5つのスタイルパッケージ、お値段はなかなかのもの

写真上が標準仕様、下がナチュラルシックスタイル

なお試乗車では“ナチュラルシックスタイル”と呼ぶエクステリアキットを装着。これはボディ下回りを一周するソフトベージュのアンダーガーニッシュ、14インチのアルミホイール(シンプルなデザインで洗車がしやすかった!)、フロントのロゴステッカーなどを備えた仕様だ。いかにも付け加えました的に主張が過ぎず、標準装着と言われてもふーんと納得できるところは悪くない。僕は本来こうした付加物は“お気持ちだけいただきます派”だが、スマイルのこのキットはさり気なく、まったく気にならなかった。お値段は26万円少々と“なかなかのもの”ではあるが、このナチュラルシックスタイルを含め、内容を一新した5つのスタイルパッケージが販売店オプションとして設定されているのも見逃せない。

室内のカラートーンを変更、駐車ブレーキも電動に

室内のカラートーンを変更、駐車ブレーキも電動に

インテリア/機能関連では、駐車ブレーキが今まではエイヤッ!の足踏み式だったが、新型ではスペーシアなどと同じ指先でスイッチを操作すればいい電動式に。スイッチはその左に最初の設計時点からのDVD/CDスロットがあり、左に寄せ切れなかったようで、スイッチの位置はシフトレバーの列から見て右斜め上にオフセットし、ステアリングにやや隠れ気味ではある。だが操作感は足踏み式に較べればずいぶん楽に。

室内のカラートーンを変更、駐車ブレーキも電動に

室内のカラートーンを変更、駐車ブレーキも電動に

インパネ、ドアアームレスト部の色調が差し替えられ、メーター/ステアリングホイール/シフトまわりとシート座面を際立たせつつ、全体に落ち着いたトーンでまとめられたのも居心地がいい。見上げると東京ドームのような(!)パターンの入った天井は変わらず採用されている。

スーパーハイトではないことの価値

スーパーハイトではないことの価値

ところで改めて実車に試乗してみて実感したのは、このクルマの日常使いでの心地よさだ。たとえばスーパーハイトワゴンのスペーシアと較べると、スマイルの室内高(1330mm)は85mm低いからコブシ1個以上の差。他方ベースのワゴンRと較べれば65mm高い。

スーパーハイトではないことの価値

スーパーハイトではないことの価値

スーパーハイトではないことの価値

スーパーハイトではないことの価値

後席は160mmのスライドとリクライニング調節が左右個別に効くため、人が自在な乗車姿勢が取れるし、我が家では後席を前倒しした状態(カタログの説明には“ほぼフラット”とある)で写真のように飼い犬のシュン(オスの柴犬・3歳)を乗せれば、柴犬としては大柄なカレにもスペースは余裕十分。シート表皮は目を凝らすと薄いオレンジ系の糸が折り込んであり、サックリとカジュアルな風合いが心地いい。備わる機能は無駄なくシンプルといったところだが、もちろん人もゆったりと乗れ、使い勝手も上々。ちなみにスーパーハイト系に較べ車高が抑えられたことからリヤゲートの天地サイズも大き過ぎないため、リヤゲートの扱い(開け閉め)がやりやすいのも魅力のひとつだ。

走りは標準レベルだが、燃費の良さは予想以上

走りは標準レベルだが、燃費の良さは予想以上

走りの部分も、前段のほうで“日常使いの心地よさ”と表現したとおり、普段使いの実用前提に仕上げられている印象。乗り心地、ステアリングの操作(操舵)感は今どきの軽自動車の標準といったところで、3気筒のノンターボエンジンも普通に走らせている限り大きな不満は感じない。今回の試乗でひとつ予想以上だったのが燃費で、試乗車返却時に計算したところ24.3km/ℓと出た。カタログのWLTCモードが25.1km/ℓだから、実燃費がカタログ値に対して大きく遜色ないとこがわかった。

走りは標準レベルだが、燃費の良さは予想以上

助手席下に設置されたマイルドハイブリッド用バッテリー

減速時に発電し専用バッテリーに充電、加速時にはモーターがアシストを行なうスマイルのマイルドハイブリッドシステムは、スッとスムースな出足を実現しながら、しっかりといい仕事をしているというわけだ。

幅広いユーザーにアピールする、運転支援の着実なアップデート

幅広いユーザーにアピールする、運転支援の着実なアップデート

新たにミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせとして検知対象を車両、歩行者、自転車、自動二輪車とし、交差点での検知にも対応した衝突被害軽減ブレーキの“デュアルセンサーブレーキサポートII”の標準装備ほか、ACC、車線維持支援機能の採用など、安全運転支援関係の機能もより充実した。信号が切り替わったり、先行車が発進した場合のお知らせ機能や、車線維持支援機能、車線逸脱抑制機能と同・警報機能、ふらつき警報機能、誤発進抑制機能(前方と後方)、低速時ブレーキサポートなど、こうして文字に起こすと物々しいが、いずれもあれば安心の機能もひととおり備える。

幅広いユーザーにアピールする、運転支援の着実なアップデート

コンパクトな軽自動車だから、最小回転半径は4.4mと取り回しが楽なのはいわずもがな。つまりカタログに登場するような妙齢の女性ユーザーだけでなく、社会の高齢化がすすむ今、(スマイルに限らず)幅広い年齢のユーザーにとっては、自分で運転することへの心理的・精神的負担を軽減してくれ、かつ安心で頼りになるクルマがますます大事になってくるのは言うまでもないことだ。

(写真:島崎七生人)

※記事の内容は2025年4月時点の情報で制作しています。

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