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【改良新型】日産「エクストレイル」驚くほど洗練されていて、圧倒的にスムース(島崎七生人試乗レポート)

【改良新型】日産「エクストレイル」驚くほど洗練されていて、圧倒的にスムース(島崎七生人試乗レポート)
【改良新型】日産「エクストレイル」驚くほど洗練されていて、圧倒的にスムース(島崎七生人試乗レポート)

アラウンドビューモニターとインテリジェントルームミラーが標準装備に

アラウンドビューモニターとインテリジェントルームミラーが標準装備に

カッパー色のあしらいとブラックが印象的な90周年記念車

日産エクストレイルは、2022年7月に発売された現行モデル(T33)で通算4代目となる。今年5月には「インテリジェントアラウンドビューモニター」と「インテリジェントルームミラー」が全車標準装備化(それまではセットオプションの中のひとつとして設定されていた)されたほか、内・外観の仕様の充実が図られた。同時に、ルーフレールとフロントグリルにカッパー色を加え、ドアミラーやアルミホイールをブラックとすることで精悍さを増した90周年記念車も追加されている。

初代を思い出させるエクストレイルのエクストリーマー

初代を思い出させるエクストレイルのエクストリーマー

そんな最新のエクストレイルにふと乗りたくなり、試乗車を借り出した。用意されたのは「X e-4ORCEエクストリーマーX・3列シート車」で、車両本体価格は462万3300円に特別塗装色ほか37万7300円のメーカーオプションと、日産オリジナルドライブレコーダー(フロント+リヤ)など14万6837円のディーラーオプションが加えられた状態のクルマ。

初代を思い出させるエクストレイルのエクストリーマー

ちなみに“エクストリーマーX”は特別仕様車の位置づけだが、現行モデル登場時(ひいては先代)から設定のあったグレードで、ややゴツッ!とした前後アンダープロテクターや専用デザインの18インチアルミホイール、内装では防水シートなどを備えるモデル。そこはかとなく、あの初代エクストレイルのイメージ(泥まみれのカタログ写真など実に印象的だった)を想起させるグレードともいえる。

初代を思い出させるエクストレイルのエクストリーマー

初代を思い出させるエクストレイルのエクストリーマー

エクストレイルの出発点に敬意を表わして、あえてX-TRAILのX-TREMERと“外人の人”の重言のような名が与えられたのかも……。話は飛ぶが、初代エクストレイル登場時、雑誌の原稿を引き受けた際に“エクストレイル”と書くよりも“Xトレイル”としたほうが雰囲気があると勝手に思い(こだわって?)そう書いて、媒体によってはそのままだったり、表記を全文字カタカナに校正されていたりしたのを思い出す。

やっぱりいいSUVだと改めて実感

やっぱりいいSUVだと改めて実感

で、現行モデル登場時以来だったと思うが、実車に試乗して「おお、やっぱりいいSUVじゃないか」と改めて実感した。何といっても感心させられるのは、VCターボエンジンを発電機として使う第2世代e-POWERの制御が、驚くほど洗練されていて、圧倒的にスムースなパワーフィールを常に提供してくれる点だ。その実現のための技術的ハイライトは多岐にわたり、奥深いもの。けれど一般のユーザー目線、感覚でいうと、走りっぷりにどこにも理屈っぽさがなく、自然体で安心して運転していられるところがいい。

やっぱりいいSUVだと改めて実感

やっぱりいいSUVだと改めて実感

とりわけ発電を行なうエンジンの仕事ぶりも、HV車などで見られるいきなり高回転でガーッと回り出すような振るまいはなく、フワッといつの間にか入ってはフッと止まる。しかも遮音性に配慮された室内で感じられるエンジン音は、あくまで音圧が低く音質もやわらかなものだ。走行中に神経を逆撫でされないことは、乗用車として非常に大事なポイントだが、いっそこのエクストレイルのパワートレインで心地いいセダンを作ってくれないだろうか……とさえ思うくらいだ。

扱いやすいe-Pedal、明確にわかるモード切り替え

扱いやすいe-Pedal、明確にわかるモード切り替え

それとe-Pedal Stepは、減速時に最大で0.2Gの減速度を発生しているそうで、クリープが残されていることもあり扱いやすい。話が前後するが走行モードについてはオフロード/スノー/オート/エコ/スポーツのダイヤル切り換えが可能で、モードごと複数の機能のパラメータも切り替わるのだそう。使い分けは走行シーン次第だが、たとえばスポーツでは、オンロードで1名乗車時などで闊達な走りを愉しみたいような際、クルマがより俊敏に反応してくれるのが実感できる。

走行シーンを選ばず安定して駆動力が路面に伝えられるe-4ORCEの心強さ

走行シーンを選ばず安定して駆動力が路面に伝えられるe-4ORCEの心強さ

もちろん通常の走行時はモーター駆動により静かだが、パワートレイン系以外のドライブトレイン、サスペンションまわりなどからの無用な音や振動は、下ろしたばかりの新車状態の試乗車ではまったく感じられなかった。それとe-4ORCEにより、走行シーンを選ばず安定して駆動力が路面に伝えられる心強さも見逃せない。

走行シーンを選ばず安定して駆動力が路面に伝えられるe-4ORCEの心強さ

装着タイヤは235/60R18 103H(FALKEN ZIEX ZE310E ECORUN)で、ごく低速で段差を乗り越えたりするとタイヤ&ホイールの自重を意識するも、舗装路を走っている際の快適性は十分で、我が家の乗り心地・NVH評価担当のシュン(柴犬・オス・2歳半)も不満なく乗っていたようだった。

3列シートの実用性も合格点

3列シートの実用性も合格点

3列シートの実用性も合格点

3列シートの実用性も合格点

ちなみに試乗車の“エクストリーマーX”では、シートの表皮素材に防水素材(セルクロス)が標準。まさに初代エクストレイルを思い出させるような表皮だが、サラッとしており、シュンの“抜け毛”もサッと掃除することができ、試乗車返却時の洗車も実に楽だったことからも、人を乗せる以外の用途もあるユーザーにはお誂え向きだと改めて実感した。3列シート仕様も、スライドの効く2列目シートのポジションを調整しながら使えば、実用になるスペースが確保されている。

3列シートの実用性も合格点

3列シートの実用性も合格点

SUVは今や市場では百花繚乱。そんな中で賢さを身につけたエクストレイルは、やはり見逃せない1台だと改めて思った。実用性が高く走りもいいだけでなく、先進的なメカニズムの採用でとても快適なドライバビリティを実現しているところが魅力だ。

3列シートの実用性も合格点

(写真:島崎七生人)

※記事の内容は2024年8月時点の情報で制作しています。

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