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【試乗・岡崎五朗】ホンダWR-V「僕が20代だったらこいつを買っていたかもしれない」

【試乗・岡崎五朗】ホンダWR-V「僕が20代だったらこいつを買っていたかもしれない」
【試乗・岡崎五朗】ホンダWR-V「僕が20代だったらこいつを買っていたかもしれない」

新型ホンダ「WR-V」の最新情報まとめはこちら

ホンダから登場したコンパクトSUVの「WR-V」(209万8800円〜248万9300円)。2024年3月22日の発売から1ヶ月で計画の4倍以上となる13,000台を受注するなど好調が伝えられています。そんなWR-Vに岡崎五朗さんが試乗しました。

N-BOXの上級グレードに少しだけ足せば手が届く戦略的な価格

N-BOXの上級グレードに少しだけ足せば手が届く戦略的な価格

僕が20代だったらこいつを買っていたかもしれないな。WR-Vに試乗しながらそんなことを考えていた。価格は210万円〜249万円。ヴェゼルの265万円〜378万円と比べるとかなり安いし、なんなら軽のベストセラーN-BOX(165万円〜236万円)の上級グレードに少しだけ足せば手が届く。ホンダ勢だけでなく、ヤリスクロス(191万円〜316万円)やライズ(168万円〜230万円)とも十分に対抗できる価格だ。安全装備の標準化や資材高騰など様々な要因が重なり、クルマの値段はどんどん上がっている。そんななか200万円台前半で手に入る貴重な存在である。

N-BOXの上級グレードに少しだけ足せば手が届く戦略的な価格

価格を抑えるためハイブリッドの設定はなし。パワートレーンは1.5L直列4気筒とCVTに一本化され、駆動方式もFFのみとなる。開発拠点はタイ、製造はインドというのもコスト削減を狙ってのことだろう。もっとも、この3年で円がインドルピーに対し25%も下落していることを考えると、海外開発&製造の旨みはかなり薄まってしまっている。とはいえ価格を上げてしまったら元も子もないわけで、そこはホンダとしても頑張って上記の価格を実現したということだ。

休日に家族や仲間と遊びに出かけるツール

休日に家族や仲間と遊びに出かけるツール

もちろん、安さだけでオススメするつもりはない。僕がW-RVに魅力を感じたのは、一台のクルマとしてとても魅力的に仕上がっている点だ。まず、デザインが魅力的だ。迫力のある顔つきとスクエアなボディの組み合わせは、クーペライクなヴェゼルとは対照的な仕上がり。僕はヴェゼルの都会的なデザインも気に入っているが、休日に家族や仲間と遊びに出かけるツールとしてはWR-Vのほうがしっくりくる。たとえばキャンプ場の風景にマッチするのは明らかにWR-Vだ。

大人4人とたくさんの荷物を積み込んでの長距離移動も快適

大人4人とたくさんの荷物を積み込んでの長距離移動も快適

大人4人とたくさんの荷物を積み込んでの長距離移動も快適

大人4人とたくさんの荷物を積み込んでの長距離移動も快適

そんなキャラクターをさらに強化するのが広い室内空間だ。全長×全幅4325㎜×1790㎜というサイズはヴェゼルとほぼ同じだが、ホイールベースが40㎜長く、全高が70㎜高いことに加え、スクエアなボディ形状によって後席と荷室のスペースはクラストップレベル。後席シートはクッションストロークもたっぷりあり、なおかつエアコン吹き出し口も備わっているため、大人4人とたくさんの荷物を積み込んでの長距離移動も快適だ。

ライズとは比べものにならない、ヤリスクロスと比べてもインテリアの質感は高い

ライズとは比べものにならない、ヤリスクロスと比べてもインテリアの質感は高い

ライズとは比べものにならない、ヤリスクロスと比べてもインテリアの質感は高い

グレードによって多少に違いはあるが、インテリアは基本的にブラックで統一されている。もう少し遊び心があってもいいなとは思ったが、メーター回りやスイッチ類、樹脂パーツの質感は結構頑張っている。伝統的にホンダは安いクルマでもインテリアにそこそこの質感を与えてくるメーカーであり、その伝統はWR-Vにもしっかりと引き継がれている。つまり、はっきり言えば、ライズとは比べものにならないし、ヤリスクロスと比べてもインテリアの質感は高いということだ。

たっぷりしたサイズのシートに座り前方を眺めると、スクエアなフロントフードが視界に入ってくる。ピラーの断面形状もよく工夫されていて死角も最小限だ。1790㎜という全幅に対し「運転し難いでは?」と感じる人もいるだろうが、車両感覚がとても掴みやすいため、むしろ扱いやすいクルマだなと感じた。

必要にして十分プラスαの動力性能はしっかりとキープ

必要にして十分プラスαの動力性能はしっかりとキープ

1.5L直4エンジンとCVTの組み合わせは、118ps/142Nmというスペックから想像する以上に軽快な走りを演じてくれる。これは1.2トンという軽量さと低中速トルクの厚み、よく躾けられたCVTの効果だ。流れに乗って走っている分にはアクセルを深く踏み込む必要はないし、合流や追い越しなど個々一発の速さが必要な際はアクセルを床まで踏み込めば元気にダッシュを始めてくれる。そんな際にもエンジンが苦しげなうなり音や振動を伝えてこないあたりはホンダらしい。胸のすくような加速とまではいかないが、必要にして十分プラスαの動力性能はしっかりとキープしている。

WR-V最大の魅力は独自のキャラクターやクルマとしての完成度

WR-V最大の魅力は独自のキャラクターやクルマとしての完成度

フットワークも好印象だ。どんな状況でもハンドリングは素直で自然。ことさらハンドル操作に集中しなくても狙ったラインをスムースにトレースしていくから、高速道路でも山道でもリラックスして運転していられる。路面の変化、つまりザラ路や段差を通過しても乗り心地が急激に悪化しないのもWR-Vの長所だ。加えて、ACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKAS(車線維持支援システム)を含む、各種先進安全装備が標準装着されるのも嬉しい。

WR-V最大の魅力は独自のキャラクターやクルマとしての完成度

価格の安さから入ったこのレポートだが、WR-V最大の魅力は独自のキャラクターやクルマとしての完成度であり、そこに安さが加わった結果、コスパ最強のクルマに仕上がっている。本革巻きステアリングやアルミホイール、リアセンターアームレストなどは省かれるが、もっともベーシックなXグレード(210万円)でも装備はそこそこ充実している。もう一度言うが、もし僕が20代だったらWR-Vを買っていたと思う。

 

※記事の内容は2024年4月時点の情報で制作しています。

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