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【集中試乗】復活・ダイハツ軽自動車人気4モデルの魅力「ムーヴ」「キャンバス」「ファンクロス」「タフト」(島﨑七生人レポート)

ダイハツ人気軽自動車_202510
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20256月に発売された「ムーヴ」が9月販売ランキングで3位に食い込むなど復調著しいダイハツの軽自動車。一連の不正問題の影響による広報活動の自粛もあって、紹介する機会の少なかった最近のダイハツ軽人気4モデルを自動車評論家の島﨑七生人さんが愛犬の“自動車評論犬”シュンくんと一気乗り!その魅力を再確認しました。

真面目でソツがない「ムーヴ」

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キーボード上でV+Uとタイプし変換すると正しいカタカナ表記で車名が書けるムーヴの新型が、今年6月、晴れて発売開始された。フルモデルチェンジとしては先代の登場からほぼ11年ぶり、1995年に登場した初代から数えると実に30年、累計販売台数は340万台以上というダイハツ軽自動車の基幹車種だから注目しないわけにはいかない。

デザインはもう少し冒険してもよかったか

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7代目となる新型は、実用車としてとにかく真面目で手堅く、ソツなく作られた印象。ムーブはダイハツの軽自動車のコアになるクルマだから当然だが、カッコいいクルマにしたというのも、確かに最大公約数的にはそう。従来のカスタム相当の仕様をパッケージ対応としたのもいいと思う。ただし個人的な感想としては、外観、内装ともデザインは、もう少し冒険があってもよかったのでは?とも感じる。

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インテリアは、モノとしての質感は上々で、身体をしっかり受け止めてくれるシートの出来もいい。同じ全高のムーヴ・キャンバス(1655mm2WD)と比較して、室内長は40mm短いが、室内幅(−10mm)、室内高(−5mm)はほとんど変わらず、キャンバス同様に240mmの後席スライド機構も備わる。

 実用が1丁目1番地の価格設定

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走りではターボグレードのRSが行動半径を広げてくれる。微低速域からしっかりと減衰を効かせるダンパー、15インチタイヤが標準で、コーナリングアシストもつくので走らせやすい。電動パーキングブレーキは現状で上位2グレードのみの標準装備だが、できれば全適とし、安心してクルマが停められるようになればなおいい。安全運転支援のスマアシも、全グレードとも、主要装備表の水色(=標準装備)でさらに項目が埋まればなお嬉しい。とはいえLグレードの2WD車で1358500円からという価格設定は、実用が1丁目1番地の軽自動車として正義だ。

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デザインを楽しみながら使える「ムーヴ・キャンバス」

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2022年7月登場の現行モデルで2世代目となるムーヴ・キャンバス。初代は2016年の登場で、同じ成り立ちのスズキ・ワゴンRスマイルのほうが登場は後だった(20218月)。まさに癒し軽といえる両者は今風の表現で言うとガチなライバル車だが、スマイルは202412月のフェイスリフトで、それまでに較べ落ち着いた顔つきとなり、キャンバスに寄せてきたと見えなくもない。ただしキャンバスには、どこかVW ID.Buzz風のストライプスと、単色のボディカラーで渋めな大人の雰囲気を漂わすセオリー2つのラインがあり、好みで選べるようになっている。

ホノボノとした気持ちになる

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試乗車はストライプス Gターボ。乗る前からホノボノとした気持ちにさせられるのがこのクルマの持ち味だ。その上でタントに対し全高で95mm、室内高で100mmほど低いものの、実用上の差を意識せずに使える。後席は240mmのスライド機構を活用して、大人の乗車状態でも広々としたスペースが確保できる。

穏やかな乗り味も魅力

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全高が抑えられた分、安定感が増し、ロングホイールベースが活きたピッチングの小さい穏やかな乗り味なのもいい。サッパリしたインパネまわりのデザイン、サラッと風合いのいいシートなど、さり気なく洒落たインテリアデザインにも好感がもてる。機能一辺倒ではなく、心地よく発揮されたデザインセンスを楽しみながら毎日使える実用車になっている。 

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平日でも非日常なアウトドア気分「タント・ファンクロス」

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標準車のタント、タント・カスタムに続く3台目のバリエーションとして202210月に登場したのが、このタント・ファンクロスだ。SUV風味で仕上げられたクロスオーバーで、スズキ・スペーシアギア、ホンダN-BOX  JOY、さらに今年9月に早くも2代目が登場したデリ丸……いや三菱デリカ・ミニなど錚錚たる顔ぶれが揃う、なかなかホットなジャンルのクルマでもある。

アウトドア・テイストを表現したスタイル

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そんなライバル車がひしめく中でこのタント・ファンクロスの魅力は?というと、じっくりと腰を据えてアウトドア・テイストを表現したスタイルではないだろうか。実車を標準車のタントと見較べてみるとわかるが、前後バンパーやサイドシル部分のブラックのプロテクター処理が実に効果的に、この背の高いクルマに見た目の安定感、力強さを与えているところなど巧み。ガンメタ塗装のアルミホイールも足元を引き締めている。

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またスーパーの駐車場などで標準のタントと並んでも、較べるとファンクロスは、遊び心のあるルックスが平日でも非日常なアウトドア気分を味わわせてくれることがわかる。

ミラクルオープンドアの使い勝手のよさ

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もちろん開口幅1490mmの助手席側ミラクルオープンドアの使い勝手のよさは、1度知ってしまうと手放せなくなる(なりそう)。我が家でも買い物袋の出し入れ、シュン(柴犬・38ヶ月、体重15kg)の乗せ降ろしに非常に重宝した。

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理屈抜きでタフギアのイメージ「タフト」

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ダイハツのクロスオーバー風味のモデルといえば、かつてキャスト・アクティバや、もっと遡るとネイキッドなどがあった。その昔のオフロード4WDの名が与えられて登場したのがこのタフトで(そういえばライバル車のスズキ・ハスラーも元々は2輪の車名だった)、登場は20206月のことだ。

武骨な角張ったスタイルが特徴的

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TV-CMでも台詞で言っていたが、少し武骨な角張ったスタイルは何といっても特徴的。横に並ぶとハスラーが丸く見えるほどだし、ボンネットの水平具合は初代フィアット・パンダといい勝負だ。4枚のドアはさすがにネイキッドのように前後共用ではないが、サイドウインドゥは前後ドアでグラフィックを段違いにし、ひと捻りしている。理屈抜きでタフギアのイメージが伝わり、それがこのクルマの個性だ。

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実際に試乗してみると、天地方向がやや小さいフロントスクリーンに気づく。昭和なユーザーなら「昔の乗用車はみんなこんな感じだったよなぁ」と懐かしく思うかもしれない。が、タフトの場合“スカイフィールトップ”と呼ぶガラスルーフ(サンシェード付き)を標準で備えるため、室内の狭さ感、圧迫感とは無縁だ。

ラゲッジユーティリティの多彩さ

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ユーティリティも多彩。ラゲッジスペースは完全フルフラットはもちろん、2WD車の場合はラゲッジ床面を標準の高さがら140mm165mm2段階で下げられ、積み込む荷物にフレキシブルに対応させられる。試乗車は特別仕様車のダーククロームエディションだったが、いぶし銀ならぬいぶしクロームを要所にあしらった外観で、スノッブな心持ちでパーソナルに乗りこなせる、そういうクルマの印象だった。

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4車4様の魅力、愛犬家としてはムーヴ・キャンバスとタント・ファンクロスに好感

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実は今回の一連の試乗車(広報車)の受け取り&返却場所は都内某所のリアルなディーラーだった。スタッフの方々の対応ぶりは実に丁重で気持ちよく、ホンモノのお客様でもないのに……と恐縮したほど。資料として紙のカタログをいただくお願いをすると、楽しげな絵柄が印刷された封筒にわざわざ入れて手渡してくださったり。まさか注文書の1枚目の原本が入ったりしていないよな(笑)、と封筒の中を確認したというのはここだけの話だが……。


44様のモデルが用意されるダイハツの軽自動車(ほかにも標準のタント/同・カスタムやミラ、アトレー、来年までのコペンなどもある)だが、今回一気に試乗して改めて実感したのは、せっかくいろいろなバリエーションがあるのだから、許される限り実車に接して、自分にとって最適な1台を選びたいということ。家族と一緒に乗る時の使い勝手、実用性はもちろん、運転のしやすさ、デザイン、そのクルマを運転している時の面持ちなど、チェック項目はいろいろだと思う。いずれにしても「このクルマが、いいよね」と実感が持てるクルマに出会えれば、愛着をもって長く乗れるはずだ。

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愛着ということでいうと、我が家のシュンは飼い主に半ば強制されて、EVでも輸入車でも、年間で相当数の試乗車の試乗と撮影をこなす(こなさせられている)。なので、飼い主よりもむしろクールに客観的に11台の試乗車に接しているくらいだ。そんな中で今回の4車も、猛暑だったこの夏の時期に淡々と試乗をこなしていた。この淡々との部分が案外と大事で、激しく拒否反応を示さないという意味では、どのクルマもシュンにとっては合格点だったようだ。軽自動車ということで、今回はいずれも自宅から近距離の公園へ散歩に出かけたり、ペットショップへドッグフードを買いに行ったりしたが、カレ的には(というよりも飼い主の好みと判断では)、デザインも走りも乗っていて癒されるムーヴ・キャンバス、“シュン連れ”の際の大開口ミラクルオープンドアの実用性の高さでタント・ファンクロスなどはやはりいいな、と実感した次第。

(写真:島﨑七生人)

※記事の内容は2025年10月時点の情報で制作しています。

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