東京モーターショーで注目を集めたトヨタヤリスがいよいよ2020年2月10日に発売されます。ヴィッツの後継となるグローバルコンパクトカーの新型ヤリスは、アグレッシブなスタイルだけでなく、走りも燃費も、そして先進安全装備も大幅なレベル向上を果たしています。その詳細をお届けしましょう。
ヴィッツから国際基準のヤリスに名称統一
1999年に登場したコンパクトカーのトヨタヴィッツ。しかし、2019年10月に公開され、2020年2月10日に販売開始となるニューモデルは、ヴィッツではなく海外で使用されているヤリスに名称が統一されることとなりました。
車体骨格から全面的に刷新、走りも安全性も飛躍的に向上
新型ヤリスは全長3950mm×全幅1695mm×全高1500mm(4WD車は1515mm)というコンパクトなボディを活かした「軽快なハンドリング」と「上質な乗り心地」、そして「最新の安全・安心技術」を備えたクルマとしてゼロベースから開発されています。
車体骨格部には新開発されたコンパクトカー向けのTNGAプラットフォームを採用。従来型に比べて車両重量の50kg軽量化を図ると同時に、ねじり剛性を30%以上強化、さらに車両の重心高を15mm下げることで、優れた操縦安定性と上質な乗り心地を両立しています。
アグレッシブで個性的な外観
外観デザインのコンセプトは「B-Dash!」。大胆(BOLD)に、活発(BRISK)、そして美しい(BEAUTY)を具現化し、鋭い加速で弾丸のようにダッシュ!するイメージだそうです。欧州BセグメントのBではないようです。イメージ通りに無駄を削ぎ落とした今にも走り出しそうな凝縮系のデザインとなっています。
シャープなヘッドライトが印象的なフロントマスクはなかなか精悍です。リアは一体的に造形されたウィンドウとコンビネーションンランプが新しい3次元的なグラフィックとなり、こちらもアグレッシブなデザインとなっています。
広さと運転のしやすさの両立を図ったインテリア
インテリアデザインは無駄を削ぎ落として広さと快適さを確保しつつ、ドライバーが運転に集中できる空間を実現。インパネの断面を薄くすることで、ワイド感を強調。さらにステアリングを従来型より小型化しています。
また、トヨタ初となる「フードレス双眼デジタルTFTメーター」やソフトインストルメントパネルを採用。さらにコンソールの幅を広くし、収納スペースを確保するなど利便性の高い室内空間となっています。
1.0Lからハイブリッドまで3種類のパワートレイン、6速MTも
新型ヤリスに搭載されるパワートレインは3種類。最高出力69ps、最大トルク92Nmを発生する1L直列3気筒DOHCエンジンをはじめ、高速燃焼技術などを採用することで最高出力120ps、最大トルク145Nmを発生し、低燃費と高出力を両立した1.5L直列3気筒「ダイナミックフォースエンジン」、そしてその1.5Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせた新世代のハイブリッドシステムです。
組み合わされるトランスミッションはCVTが中心ですが、すべて新開発となり、特に1.5Lガソリンエンジンには発進用ギア付の「ダイレクトシフトCVTユニット」を採用。従来のCVTに対して低速域での伝達効率を大幅に改善、CVTにありがちな空走感を減らし、アクセル操作に応じたダイレクトでスムーズな走りを実現したとしています。1.5Lガソリン車には6速MTも設定されています。
ハイブリッドはWLTCモードで36.0km/Lの好燃費!
駆動方式は2WD(FF)を中心に1.5Lガソリン車には通常の4WD、ハイブリッド車にはモーターで後輪を駆動させるE-Fourタイプの4WDが用意されています。燃費性能はより実燃費に近い最新のWLTCモードで、1Lガソリン車が20.2km/L、1.5Lガソリン車が19.2〜21.6km/L、そしてハイブリッド車は30.2〜36.0km/Lという優れた燃費性能を誇ります。
最新の先進安全装備、トヨタ初の機能も
最近、注目度の高い先進安全装備ですが、新型ヤリスは最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を標準装備(Bパッケージを除く)。衝突被害軽減ブレーキのプリクラッシュセーフティは昼間・夜間の歩行者検知及び昼間の自転車運転者の検知が可能。さらに右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知対象となり、万が一の交差点事故への対応範囲を拡大させた最新バージョンです。
また、低速時の事故予防をサポートする「低速時加速抑制」機能をトヨタ車として初搭載。この機能は自車の直前にいる歩行者、自転車運転者、車両をミリ波レーダーと単眼カメラで認識。前方に対象物がある状況で、停車または徐行状態からアクセルペダルを必要以上に強く踏まれた場合にはエンジン出力を抑制または弱いブレーキをかけるというもの。ペダルの踏み間違いによる事故の回避または被害軽減に効果を発揮します。
ACCなど運転支援系も充実、特に駐車支援は多機能
運転支援系では高速道路などで、前方車両の追従走行を支援する「レーダークルーズコントロール」、そして同一車線内中央を走行できるようにハンドル操作を支援する「レーントレーシングアシスト」を装備しドライバーをサポート。加えてトヨタ車初となる最新鋭の高度駐車支援システム「アドバンスド・パーク」を採用。この機能は駐車時にハンドルだけでなく、アクセルやブレーキも制御し、駐車に必要な操作を支援するというもの。カメラと超音波センサーによって周囲を監視し、万が一の場合は警報とブレーキ制御で接触回避も支援してくれます。さらに事前に駐車位置を登録しておけば、白線のない駐車場でもこのシステムは使用可能となっています。
コネクティッド機能も手抜かりなし
最新の繋がる機能(コネクティッドサービス)ではスマートフォンとの連携可能なディスプレイオーディオ、及びDCM(車載通信機)を新型ヤリスは全車に標準装備。スマートフォンとの機能を連携するとともに、すべてのユーザーがコネクティッドサービスを利用可能となっています。さらにT-Connectやオプションサービスを契約すれば、さらに充実したサービスを受けることができます。
予想以上の力作、国産コンパクトカーの革命児となるか
トヨタのベーシックカーとして日本だけでなく、世界でも高い評価を受けているヤリス。トヨタのクルマ構造改革であるTNGAを採用し、基礎から一新し名前も世界統一した新型ヤリスは、1999年に登場した初代モデルと同様に国産コンパクトカーに革命を起こすほどの実力を備えています。新型ヤリスの車両本体価格は139万5000〜249万3000円となっています。
■トヨタヤリス価格表
グレード | 駆動方式 | WLTCモード燃費(km/L) | 車両本体価格 |
---|---|---|---|
1.0X “B package” | 2WD(FF) | 20.2 | 1,395,000円 |
1.0X | 1.455.000円 | ||
1.0G | 1.613,000円 | ||
1.5X 6速MT | 19.6 | 1,543,000円 | |
1.5G 6速MT | 1,701,000円 | ||
1.5Z 6速MT | 1,871,000円 | ||
1.5X CVT | 2WD(FF) | 21.6 | 1,598,000円 |
4WD | 19.2 | 1,831,000円 | |
1.5G CVT | 2WD(FF) | 21.4 | 1,756,000円 |
4WD | 19.2 | 1,954,000円 | |
1.5Z CVT | 2WD(FF) | 21.6 | 1,926,000円 |
4WD | 19.2 | 2,124,000円 | |
ハイブリッド X | 2WD(FF) | 36 | 1,998,000円 |
4WD | 30.2 | 2,241,000円 | |
ハイブリッド G | 2WD(FF) | 25.8 | 2,130,000円 |
4WD | 30.2 | 2,338,000円 | |
ハイブリッド Z | 2WD(FF) | 35.4 | 2,295,000円 |
4WD | 30.2 | 2,493000円 |
※記事の内容は2020年2月時点の情報で制作しています。