2021年10月7日、スバルはクロスオーバーSUV「レガシィ アウトバック」を正式発表しました。本記事では、先代からどう変わったのか、からグレードの違いまで、新型レガシィ アウトバックのハイライトをまとめてお届けします。
レガシィ アウトバックとは?
初代は1994年に北米市場で誕生。日本市場では1995年に「レガシィ グランドワゴン」の車名でデビューしました。
「レガシィ」は、1989年にデビューしたスバルのフラッグシップとなるアッパーミドルクラスセダン。1992年のマイナーチェンジ時に、ステーションワゴン「レガシィ ツーリングワゴン」が追加されました。
レガシィ ツーリングワゴンは、ハイパワーエンジンを搭載したスポーティーなモデルで、ワゴンらしからぬ走りの良さが高く評価されていました。
1993年にレガシィはフルモデルチェンジを受け2代目となります。その翌年、1994年に北米で初代「アウトバック」を発売、1995年に日本市場へ導入され「レガシィ グランドワゴン」の車名で発売されました。
レガシィアウトバックは、初代から一貫して、ステーションワゴンとSUVの長所を融合させたクロスオーバーSUVとして、その歴史を積み重ねてきています。
スバルは歴代モデルを通じて「どこまでも走り続けられるような安心感と快適性、荷物を効率的に積める積載性、質感の高い内装といった、クルマとしての本質的価値を磨き続けた」と伝えています。
エクステリアデザイン
フロントビューは、グリル開口部を大きくとったダイナミックな造形。フロントグリルは、存在感のある大型のヘキサゴングリルを採用。スバルのフラッグシップモデルとしての風格を主張しています。
また、ロアグリルは大型で加飾を施して質感と力強さを表現。さらに、LEDフォグランプにもヘキサゴンモチーフを用いて、スバルらしさを表現しています。
クラッディング(ホイールアーチの樹脂部分)を大きくとり、タフで力強い印象に。ボディパネル面に厚みとボリューム感をもたせて、暗視感とタフさを表現。スバルは「どこにも行けそうな『逞しさ』を感じさせるデザイン」としたと伝えています。
リアは、立体感のあるリアコンビネーションランプを採用。頼もしさと先進的でシャープなイメージを表現しています。
先代レガシィ アウトバック
Limited
X-BREAK
ボディサイズ
(単位mm) | 新型 | 先代 | 先代比 | 備考 |
---|---|---|---|---|
全長 | 4,870 | 4,820 | +50 | |
全幅 | 1,875 | 1,840 | +35 | |
全高 | 1,675*¹)/1,670(*²) | 1,650(*¹)/1,660(*²) | +70/+10 | *¹: LIMITED は、クロスバータイプルーフレール *²: X-BREAK は、ラダータイプルーフレール |
ホイールベース | 2,745 | 2,745 | ±0 | |
トレッド(前/後) | 1,570/1,600 | 1,575/1,590 | ー5/+10 | |
最小回転半径 | 5.5m | 5.5m | ±0 |
ボディサイズは、先代より大きくなっていますが、最小回転半径は変わらず。取り回し性を確保しています。
ボディカラー
ボディカラーは全9色をラインナップ。このうち「ブリリアントブロンズ・メタリック」と「オータムグリーン・メタリック」が新色となります。
※下記の画像はすべて「Limited EX」
インテリア
新型レガシィ アウトバックのインテリアについて、スバルは「清々しい開放感と守られるような包まれ感をあわせ持つ、 上質で居心地の良い空間を創り上げました」と伝えています。
インパネ中央には、「11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテイメントシステム」が搭載されています。
エンジン・足回り
新型レガシィ アウトバックには、最高出力130kW/177PS、最大トルク300N・mを発生する水平対向1.8L直噴ターボ(DIT)エンジンが搭載されます。このエンジンは、レヴォーグに搭載されるものと同じです。
先代は、2.5Lエンジンだっため、ダウンサイジングとなっています。また、北米仕様は新開発2.4L直噴ターボと、2.5L直噴自然吸気エンジン(国内仕様先代と同じエンジン。チューニングなどは異なる)がラインナップされています。
これに対して、1.8Lターボとは小ぶりな印象を受けますが、スバルは先代よりパワーアップした300N・mのトルク(先代比+65N・m)が、1,600回転から発生することで、日本の道路事情で走りやすく、燃費も良いため問題がない、と伝えています。
トランスミッションは、先代と同じリニアトロニック(CVT:無段変速機)を採用。なお、従来型に対し80%以上の構成部品を刷新した大幅改良版となり、発進加速性能の向上と高速巡航時のエンジン低回転化で燃費向上を実現しています。
燃費
新型レガシィ アウトバックの燃費は15.8km/L(WLTCモード)。先代の14.3km/Lより向上しています。
足回り
北米や欧州でも販売されている新型レガシィ アウトバック。それぞれの地域の道路事情に応じた足回りのチューニングが施されています。
日本仕様では、ゴツゴツ感を抑えるためダンパーの圧縮方向の減衰力を下げ、伸び方向を高めてフワフワ感をキャンセルするといったチューニング(対欧州仕様)を施して、日本の道路事情に合わせたとのことです。
安全性能
スバルのディーラーに訪れて「アイサイトください」と言う方が無数にいらっしゃるようです。車種名より先進安全技術の名称のほうが、車に詳しくない方々の多くに認知されていることの顕れです。
新型レガシィ アウトバックには、レヴォーグに採用された先進安全技術「EyeSight EX」を全車に標準装備しています。
EyeSight EXでは、3D高精度地図ユニットを組み合わせて、自動車専用道路でハンズオフ(ハンドルから手を離した運転)走行ができる先進技術が採用されています(条件が揃ったときのみ)。
グレード・価格
グレード | 価格 | エンジン | トランスミッション | 駆動方式 |
---|---|---|---|---|
X-BREAK EX | 414万7,000円 | 水平対向 1.8L直噴ターボ | リニアトロニック (CVT) | AWD |
Limited EX | 429万0,000円 |
新型レガシィ アウトバックは、2グレード構成。X-BREAK はスポーティーグレード、Limited EXはラグジュアリーグレードといった位置づけです。また、先代と同じグレード名を引き継いでいます。
なお、先代に設定されていた「B-SPORT」は廃止されています。
ちなみに「EX」は、「EyeSight EX」が搭載されていることを示しています。
グレード別装備の違い
新型レガシィ アウトバックの2グレードは、上級・下級グレードといったヒエラルキーではなく、ラグジュアリーかスポーツかといったデザイン面が主な違いとなります。このため、装備面で大きな差異がないため、見た目の好みで選ぶことができます。
デザインの違い
フロントグリル
グリルとロアグリルにシルバー加飾が施される「Limited EX」、ブラックアウトされるのが「X-BREAK EX」。
ルーフレール
ルーフレールもシルバー加飾タイプが「Limited EX」、ブラックアウトタイプが「X-BREAK EX」となっています。
なお、X-BREAK EXのルーフレールにオレンジ色の差し色が施されて、ロープフックが備えられています。アウトドアスポーツ好きな方にうれしい装備です。
Limited EXは、クロスバービルトインタイプで走行時最大積載荷重が67.5 kg、X-BREAK EXがラダータイプで100kgとなる、ただの飾りではない本格的なルーフレールです。
ホイール
タイヤサイズは、225/60R18。「Limited EX」はダークメタリック塗装+切削光輝のアルミホイールとなり、「X-BREAK EX」は、切削光輝がないダークメタリック塗装となります。
足回りもラグジュアリー志向、スポーツ志向とそれぞれ明確な個性が与えられています。
エクステリア
ボディカラーラインナップもグレードによる違いはありません。同じボディカラーで、それぞれのグレードを並べてみました。雰囲気の違いがよくわかりますね。
ブリリアントブロンズ・メタリック
オータムグリーン・メタリック
サファイアブルー・パール
クリムゾンレッド・パール
アイスシルバー・メタリック
クリスタルホワイト・パール
クリスタルブラック・シリカ
画像ギャラリー
スバルから提供いただいた、オフィシャル画像を共有して、本記事の締めくくりとします。
※記事の内容は2021年10月時点の情報で制作しています。