人気クロカンモデルのスズキジムニーシリーズに待望の5ドアモデル「ジムニーノマド」(265万1000円〜275万円)が追加されました。ジムニーらしい悪路走破性は確保しながら、ボディを延長することでリアの居住性とラゲッジ拡大を図ったというジムニーノマド。その外観、内装、走りなどを詳細に紹介します。
待望の5ドアジムニー、その名は「ノマド」!
2025年1月30日、スズキ「ジムニーノマド」というネーミングで待望のジムニーの5ドアモデルが日本市場にも導入されることが発表されました。2023年1月、インドのデリーオートエキスポでワールドプレミアされたスズキ「ジムニー5ドア」と同じく、日本市場でも販売されているジムニーシエラのボディを延長し5ドア化したモデルです。公開直後から日本市場への導入が熱望されていました。
ジムニーノマドの商品コンセプトは「本格的な悪路走破性をもつ5ドア・コンパクト4×4」です。ノマドのターゲットは、「ジムニーの性能を日常生活で必要とするユーザー」。3ドアのシエラが「ジムニーの性能を最大限活躍するプロユーザー」と絞っていることを考えると、ノマドはよりユーザーの裾を広げようとしているようです。
“ノマド”は以前スズキが販売していたSUVのエスクードの5ドアモデルに付けられていたサブネームです。遊牧民を意味するノマドを今回はジムニー5ドア車に付与し、3ドア車のシエラとの差別化を図っています。
軽自動車のジムニーと3ドア車のジムニーシエラは、日本の湖西工場で生産されますが、今回導入が発表されたジムニーノマドは、インドのグルガオン工場で生産され、輸入されます。
全長は340mm延長されたがオフロード性能に悪影響なし
ジムニーノマドのボディサイズは、全長3890mm×全幅1645mm×全高1730mm。ホイールベースは2590mmです。3ドアのシエラと比べると全長とホイールベースが340mm延長された以外、数値は同じとなっています。
ホイールベースは長くなったものの、ジムニーらしさを守るために必要最低限に留めたという言葉通り、ノマドはランプブレークアングルこそ25°と3ドアのシエラの28°よりわずかに小さくなっていますが、アプローチアングル36°とデパーチャーアングル47°は変更なしと本格的なオフロード走行性能はほぼスポイルされていません。気になる最低地上高もシエラ同様210mmを確保しています。
フレーム、AT、ブレーキ、足回りなどを強化・最適化
ボディが大型化されたジムニーノマドは、ボディの骨格にあたるラダーフレームのセンターフレームを延長し、センタークロスメンバーを追加し剛性を向上。他にもATの各構成要素の高強度化、フロントブレーキに放熱効果の大きいベンチレーテッドディスク採用、リアプロペラシャフトの長さ及び直径拡大、フロントサスペンションのコイルバネ定数の調整やショックアブソーバーの減衰特性の最適化、スタビライダー径の拡大など、ボディの拡大や車両重量増への対策が数多く施されています。
外観デザインの変更は最低限、メッキのフロントグリルが目立つ
ジムニーノマドの外板パーツは、3ドアのシエラと共通部品もありますが、フロントグリルをはじめ、前後のドアパネル、リアフェンダー、そしてルーフパネルが新規部品となっています。フロントグリルはメッキパーツを使用した5スロットルグリルを採用し、ノマドの個性を主張しています。
厚みを増したリアシート、乗降性にも細かい配慮が
インテリアはグローブを使用したままでも確実に操作できる物理スイッチを利用していることなどは3ドアのシエラを踏襲しています。しかしリアシートは乗員が快適に移動できるように、座面や背もたれに厚みを持たせており、3ドアのシエラとは大きく異なっています。シエラが機能に徹した潔さを表現しているに対して、ノマドは快適性、乗降性にもこだわっていることがわかります。
リアドアの大きさは最低限とする中でリアシートへの優れた乗降性を実現するため、リアドアトリム前端、Bピラートリム後端に最大限の面取りを施し、リアシート角も大きくカット、そしてホイールハウス開口部の直線化というように、単なる5ドア化ではなく、ジムニーらしさを守るために細部に渡って多くの配慮がなされています。
サイズは拡大されたものの段差が生まれたラゲッジ
ボディサイズが延長されたことでラゲッジスペースの容量は非常に拡大しています。しかしリアシートの座面や背もたれに厚みがあるためシートを倒してもシエラのようにフルフラットにはなりません。
1.5Lエンジンに4AT、そして5MTも用意
ジムニーノマドが搭載しているエンジンは、最高出力102ps、最大トルク130Nmを発生する1.5L直列4気筒DOHCの1種類。トランスミッションは5速MTと4速ATが副変速機とともに組み合わされます。駆動方式はパートタイム4WDのみという点もシエラと同じです。
専用の赤、濃紺が新鮮!
ジムニーノマドのボディカラーは、「目立つ性能」・「隠れる性能」をコンセプトに、ノマド専用色であるシズリングメタリック/ブラックルーフ、セレスティアルブルーパールメタリックをはじめ、ジャングルグリーン2、シフォンアイボリーメタリック2/ブラックルーフ、アークティックホワイトパール、ブルーイッシュブラックパール4の6色を用意しています。
価格は265万1000円と割安感あり!発売は4月3日から
ジムニーノマドの車両本体価格は5MTが265万1000円、4ATが275万で、1月30日から受注を開始し、発売は4月3日を予定しています。トヨタランドクルーザー250や70といったスクエアなボディの本格オフローダーが人気となっている中で、コンパクトながら実用性とオフロード性能を両立したスズキジムニーノマドも大ヒット間違いないでしょう。
※記事の内容は2025年1月時点の情報で制作しています。