ホンダN-BOXやスズキスペーシア、ダイハツタントなど、販売台数上位にランキングされる人気車種がひしめく軽自動車のスーパーハイトワゴン市場で、やや出遅れ感のあった三菱eKスペースがフルモデルチェンジを行いました。新型eKスペースは広さや利便性に加えて先進の運転支援装備で起死回生を狙います。
人気の軽スーパーハイトワゴンの新型が出揃った
現在、新車販売台数の約4割を占めているのが軽自動車です。その軽自動車の中で主力車種となっているのが、スーパーハイトワゴンと呼ばれるカテゴリーで、ホンダN-BOX、ダイハツタントなどが属しています。軽スーパーハイトワゴンは、2017年8月のホンダN-BOXを皮切りに、同年12月にスズキスペーシア、そして2019年7月にダイハツタントがフルモデルチェンジを行っています。今回、2020年3月に三菱eKスペースがフルモデルチェンジし、兄弟車の日産デイズルークスも3月に登場予定ということで、主力の軽スーパーハイトワゴンはニューモデルが各社出揃ったということになります。
カスタムは廃止され、クロスオーバーのeKクロススペースとして独立
eKスペースの外観デザインは、フロントマスクは、グリルをボディ同色とすることにより、親しみやすい表情とするとともに、しっかりと丁寧に作りこまれた品質の高さも表現しています。ヘッドライトからボディサイドへと連続するキャラクターラインにより、一体感のある伸びやかでスタイリッシュなデザインに仕上げています。
ターボエンジン搭載車は、グリルをブラックに塗装することで力強さとスポーティさが強調されています。ボディカラーは6 色のモノトーンカラーと、3 色のツートーンカラーの全9 色を用意、多様な要望に応えます。
従来eKスペースはスタンダードなeKスペースと、メッキパーツを多用したフロントグリルによって押し出し感を強めたeKスペースカスタムの2タイプ設定されていました。しかし、新型ではeKスペースカスタムは廃止され、クロスオーバーモデルのeKクロススペースという独立したモデルに切り替わっています。
磨きをかけた広い室内空間、リアシートの快適性はさらにアップ
これまで軽自動車トップレベルの室内の広さを誇っていたeKスペースですが、新型の室内空間は、従来車よりホイールベースを65mm伸ばしたことで、一段と広く快適なキャビンスペースを実現しています。その拡大したインテリアはシンプルな柄、明るい配色を施すことでスペースの広さを強調しています。
さらに、ファミリーカーとして使用されることを想定して、リアシートのスライド量はクラストップレベルを実現し、後席足元の空間も大幅に拡大。後席の居住性を最大化しています。その結果、フロントシートを最も下げた状態でも、大人が余裕を持って座れるスペースを確保しました。従来モデルでも評判だった室内の空間を循環させる空気清浄機能付リアサーキュレーターは新型にも設定されています。
リアスライドドアは、開口幅を従来車より大幅に広げるとともに、ハンズフリー機能を採用。お子様を抱きかかえていたり、たくさんの荷物で両手がふさがっていたりしても、キックセンサーでドアを開閉できるため、容易に乗降することが可能です。
ターボとNAの2種類のエンジンはマイルドハイブリッド付き
搭載されるエンジンは、MとGグレードの最高出力52ps、最大トルク60Nmを発生する660cc直列3気筒DOHC、そしてTグレードの最高出力64ps、最大トルク100Nmを発生する660cc直列3気筒DOHCターボの2種類。どちらのエンジンに小型モーターによるアシストを行うマイルドハイブリッドシステムを採用しています。組み合わせるトランスミッションは全車CVTのみで、力強い加速性能と優れた燃費性能を両立しています。駆動方式は全車2WDと4WDを設定し燃費性能は、実走行に近い新方式のWLTCモードでMとGグレードは18.8〜20.8km/L、Tグレードは16.4〜18.2km/Lを実現しています。
「マイパイロット」など最先端の安全装備も充実
新型eKスペースの安全性能は、予防安全技術「三菱e-Assist(イー・アシスト)」を搭載。従来の衝突被害軽減ブレーキシステムや踏み間違い衝突防止アシストなど9つの機能に加えて、2台前を走行する車両をミリ波レーダーでモニターし、衝突事故の回避をアシストする「前方衝突予測警報」、走行中ドライバーのハンドル操作から、注意力が低下していると判断した場合に、休息を促す「ふらつき警報」、標識の見逃しを予防する「標識検知」、信号待ちなどの停車中に先行車が発進しても停止し続けた場合に、警報ブザーや画面表示でドライバーに先行車の発進を通知する「先行車発進通知」といった4つの機能を追加し、全車「サポカーSワイド」に該当しています。
さらに、高速道路同一車線運転支援技術「マイパイロット」を設定。高速道路において、車両側がアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を支援。高速道路などでの渋滞走行や長時間の巡行走行でのドライバーの負担を軽減します。
さらに、今回から単眼カメラにミリ波レーダーを追加したことで、追い越し時にウインカーを出すと設定速度内で加速し、スムーズな追い越しをアシストするようになりました。エンジンオフ時も前回設定した車間を保持するなどマイパイロットの性能が向上しています。
広さと利便性に加えて充実した運転支援システムで激戦区に殴り込み
これまで、軽スーパーハイトワゴンというと軽最大級の広さを誇る室内空間とリアスライドドアを採用した利便性が特徴でしたが、最近では軽自動車の枠を超える充実した運転支援システムも備えるようになってきました。販売台数的には出遅れているeKスペースですが、マイパイロットを装着したことで、ロングドライブの快適さがアピールポイントとなるでしょう。ekスペースの車両本体価格は139万9200円〜176万7700円となっています。
■三菱 eKスペース価格表
グレード | 駆動方式 | WLTCモード燃費(km/L) | 車両本体価格 |
---|---|---|---|
M | 2WD(FF) | 20.8 | 1,399,200円 |
4WD | 18.2 | 1,531,200円 | |
G | 2WD(FF) | 20.8 | 1,542,200円 |
4WD | 18.2 | 1,674,200円 | |
T | 2WD(FF) | 18.8 | 1,635,700円 |
4WD | 16.4 | 1,767,700円 |
※記事の内容は2020年3月時点の情報で制作しています。