2021年9月に発売されたホンダの新型ミドルクラス・ハッチバック「シビック」。ホンダは「爽快シビック」という愛称を添えて発表しました。
こちらの記事では、ホンダがメディア向けに開催した公道試乗会のレポートをお伝えしましたが、今回は長距離試乗レポートです。
▼東京→大阪 一般道最短コースを23分の動画にまとめ
「東京→大阪まで一般道で走る」とは?
単なるロングドライブではつまらない!Z世代をターゲットに企画・開発された新型シビック、Z世代にウケそうな企画を考えよう!とのことで、東京から大阪までお金のかかる高速道路を使わずに、すべて無料の一般道で走ってみることにしました。
東京〜大阪間の一般道といえば、国道1号線。旧道では東海道にあたる道路があります。しかし、国道1号線は最短ルート(時間的に)ではありません。
国道1号線の起点は、東京日本橋(文字通りの橋の上。Googleマップ「日本橋麒麟像」で検索して表示される地点)で終点は大阪市北区の梅田新道交差点。
国道1号は、遠回りをしたり道路状況が悪かったりするので、時間的最短ルートにはならないようです。いろいろと調べた結果、最短ルートは以下となりました。
【東京都】
国道1号(15・20号重複) 日本橋
六本木通り
国道246号
【神奈川県】
国道246号 大和厚木バイパス
【静岡県】
国道469号
県道24号
県道76号
国道1号 富士由比バイパス
国道1号 静清バイパス
国道1号 岡部バイパス
国道1号 藤枝バイパス
国道1号 島田金谷バイパス
国道1号 掛川バイパス
国道1号 袋井バイパス
国道1号 磐田バイパス
国道1号 浜松バイパス
国道1号 浜名バイパス
国道1号 潮見バイパス
【愛知県】
国道23号 名豊道路 豊橋東バイパス
国道23号 名豊道路 豊橋バイパス
国道23号(一般道)
国道247号
国道23号 名豊道路 蒲郡バイパス
国道23号 名豊道路 岡崎バイパス
国道23号 名豊道路 知立バイパス
国道23号 名四国道
【三重県】
国道1・25号(重複区間)
国道25号 名阪国道(奈良県も通行)
【奈良県】
国道169号
県道182号
国道24号 奈良バイパス
国道308号
県道1号
【大阪府】
府道8号
国道1号(梅田新道 )
ご覧のとおり、ほぼバイパスでつながっています。このうち、三重県亀山市から奈良県天理市までの延長73.3kmの名阪国道は、制限速度70km/hの区間もあり、インターなどの標識も高速道路と同じ緑色の仕様となる、実質高速道路です(名阪国道は1965年の開通で、延長の長い無料の高規格自動車専用道路としては最も歴史の古い道路)。
このルートでの距離は約530km、到達時間は約12時間(Googleマップによる)となります。
実際にかかった時間は?
実際に走破した結果をまとめます。
出発:AM 5:58
到着:PM 9:52
移動時間:16時間6分
休憩時間:累計約3時間(給油も含む)
実質移動時間:約13時間
走行距離:538km
平均燃費:14km/h
ガソリン消費量:約38L
燃料代:6,460円(プレミアムガソリン 170円/L計算)
注目したいのは、休憩時間の累計が約3時間だったこと!1人で運転するため、休憩時間は多く見積もり累計6時間ほどの想定でした。
これは、疲労や眠気をガマンして走ったわけではありません。安全を第一に考え、疲労を感じたらすぐに休憩、眠気を感じたら寝るをモットーに運転しています。
爽快シビックは疲れ知らずシビックだった?!
休憩時間が少なく済んだのは、シビックは長時間運転しても疲れないクルマだったからですね。シビックのどこが疲れなかった要素となったのかを振り返ってみると、
- 操縦安定性の高さ、重心が低く、ハンドリングがいい
- 固めの足回りのセッティングが長距離運転にも向いていた
- 最高出力182PSのスペックだが、実際はもっと出ている感じでストレスフリー
といった感じになりました。また、ちょっと大きめなボディ、広い室内はそもそもロングドライブと相性がいい、ということもありますね。
走りの爽快さは、単にエンジンや足回りだけで決まらず、シャシーやシート、エアコンといった装備などすべてひっくるめてもたらされるもの。新型シビックは、ホンダがいう「爽快」をしっかりとクルマに落とし込んでいました。
実際にZ世代に売れている新型シビック
ホンダが10月8日に出したプレスリリースで、新型シビックの累計受注台数は、発売から約1ヵ月後となる10月7日時点で、月間販売計画台数1,000台の3倍以上となる3,000台を超えたと伝えています。
また、購入層では20代が最も多い(23.9%)とも伝えていました。
ホンダの目論見どおり、Z世代に売れていてよかった!(実は、ちょっと心配していました)
ちなみに、20代の次に多かった購入層は50代(22.2%)とのことで、Z世代の親の世代にも支持されている様子です。
さらに、MT車は35.1%の販売構成比という点も特筆すべき。筆者も試乗していますが、MT車もかなりおすすめです。
大阪からの帰りは、奈良県明日香村にある「稲渕棚田」や奈良県御所市の昭和な町並み、三重県名張市にある広大なススキの原「曽爾高原」などに寄り道しました。
(撮影・文:宇野 智)