「あると便利なクルマ」をコンセプトに開発されたスズキ「アルト」は1979年にデビュー、「新車価格47万円」という衝撃価格も追い風となって大ヒットを飛ばしました。
そんなアルトが、2021年12月10日にフルモデルチェンジ、今回で9代目となりました。本記事では、発表会で紹介された新型アルトの魅力、ハイライトをお伝えします。
かっこかわいい愛着がわくデザインに
スズキは「世代を超えて親しみやすく、愛着のわくデザインを採用」と伝えています。シンプルなクリーンな造形をベースに、柔らかな曲線を効果的に用いて、かっこよさとかわいらしさが共存するデザインになりました。
こちらは先代アルト。ヘッドライトやリアウィンドウのデザインに、アバンギャルドな印象がありました。新型アルトは方向転換。発表会では「毎日の乗る下駄替わりとして極めたい」旨が語られており、その意志がデザインにもあらわれています。
ボディカラーは全12色をラインナップ
現在の軽自動車選びの基準で筆頭に上がるのが「ボディカラー」。軽自動車メーカー各社は、ボディカラーラインナップに特に力を入れています。
新型アルトは、ダスクブルーメタリック、ソフトベージュメタリックの新色2色を追加、ホワイトカラーのルーフの2トーンも4色設定されています。
インテリアも親しみやすさを重視
スズキは「抑揚のある面や線で厚みと立体感を表現したインテリア」と伝えています。
インパネやドアトリムはネイビーを採用、落ち着きのある上質な空間が演出されています。角が丸く、立体的なインパネはチープさが感じられません。
シートはデニム調表皮を採用。ここにも親しみやすさが。
シート表皮は、日常で馴染みのあるデニムを採用し、ここでも親しみやすさを演出しています。シート背面はブラウンに切り替えられ、全体的に親しみやすさと上質さのあるインテリアの調和が図られています。
マイルドハイブリッドを採用、軽自動車トップの低燃費を達成!
新型アルトは「SUZUKI GREEN Technology」と名付けられた、5つの環境・安全技術を採用、マイルドハイブリッド車が追加されました。
WLTCモード燃費は、非ハイブリッド車でも25.2km/L(2WD車)を達成して、軽自動車トップの低燃費に。これまで、ライバルのダイハツ ミライースのWLTCモード燃費25.0km/L(非ハイブリッド・2WD)が軽自動車低燃費トップでしたが、アルトが首位の座につきました。
エンジンは、現在のスズキの軽自動車に搭載される主力、R06D型を搭載。発進時はモーターのアシストも加わって軽快な走りを実現したと伝えています。
トランスミッションは全車CVT。先代に採用されていた5AGS(2ペダルのセミAT)は廃止となっています。
予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を全車標準装備!
衝突被害軽減ブレーキや、踏み間違い誤発進抑制機能など8つの先進予防安全技術をパッケージにした「スズキ セーフティ サポート」が全車に標準装備されました。
また、メーカーオプションで、全方位モニター用カメラ、標識認識機能、ヘッドアップディスプレイも設定されています。
ベーシックな軽自動車アルトのユーザー層は、運転初心者や高齢者が多いという特徴があります。どんな方でも安心して乗れる1台に仕上げてきました。
価格は94万3,800円から
新型アルトの価格は、非ハイブリッド車のベースグレード「A」2WDの、94万3,800円からとなっています。
グレード構成と価格
駆動方式 | エンジン | グレード | 車両価格 |
---|---|---|---|
2WD | ガソリン | A | ¥943,800 |
L | ¥998,800 | ||
ハイブリッド | HYBRID S | ¥1,097,800 | |
HYBRID X | ¥1,259,500 | ||
4WD | ガソリン | A | ¥1,075,800 |
L | ¥1,129,700 | ||
ハイブリッド | HYBRID S | ¥1,228,700 | |
HYBRID X | ¥,1379,400 |
発表会の質疑応答で、スズキは「Lが最多販売グレードとなるだろう」と予測していました。
アルト ワークスの新型は出るのか?
発表会の質疑応答で「アルトワークスはフルモデルチェンジされないのか?」という質問が出ましたが、スズキ側の回答はなんとも歯切れが悪いものでした。新型アルトワークスは出ないような回答でしたが、フェイクの可能性もなきにしもあらず。続報に期待したいところです。
(文:宇野 智/画像:スズキ)
※記事の内容は2021年12月時点の情報で制作しています。