普段使いから外遊びのレジャーまで幅広い用途に対応できる新ジャンルの軽スーパートールワゴンとしてデビューしたダイハツ「ウェイク」。軽自動車最大の室内高を活かした室内空間の広さが魅力で多くのユーザーから支持を受けています。人気車種だけに中古車の流通量も多く、自分に合った1台を選ぶのはなかなかたいへんです。今回は中古車のウェイクならどのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のダイハツ「ウェイク」は2018年式 Gターボ“SA III”
- オプション装備の内容を要チェック!
中古車のウェイク、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら2018年式 Gターボ“SA III”を140万円で買う!!
発売当初のウェイクはD、L、X、Gの4グレードでしたが、2016年の一部改良の際にXが廃止されて以降は3グレードに分けられ、ダイハツの先進安全性能である「スマートアシストIII(SA III)」が搭載されているかどうかの違いがあります。加えて、現在は特別仕様車が3種類ラインナップされています。
細かく分けるとかなりのグレード数があるだけに迷ってしまいそうですが、その中でも最上級グレードのGを選んだ理由はターボエンジンを積んでいるからです。
ウェイクは車重が990~1,060kgと軽自動車にしてはかなり重い車。街乗りだけならまだしも高速道路を使ってレジャーに行くとすると、ノーマルエンジンだとちょっと不満を感じるかもしれません。ターボエンジンを積んでいたほうが気持ち良く走れることは間違いないでしょう。さらにパワースライドドアと先進安全性能のSA IIIは外せません。それゆえ最上級グレードのGターボを選ぶのが良いと考えました。
ちなみにパワースライドドアとSA IIIは、一つ下のLも装備しますが、ターボエンジンを積むのはGのみ。Gターボになるとオートレベリング機能付きLEDヘッドランプ、LEDクリアランスランプ、LEDフォグランプがすべて備わったLEDスタイルパックを採用。足回りも14インチの専用アルミホイールに変わります。他にもステアリングホイール、インパネセンターシフトが本革巻きになり、タコメーター付きの自発光式大型3眼センターメーターを装備するなど、上質な室内空間を演出する仕様になっているのがうれしいポイント。室内空間の広さがウリの車なので、車内の雰囲気が上質になればそれだけ満足のいくカーライフを送ることができるでしょう。
最上級グレードではあるものの、中古車市場では140万円台から狙えるというリーズナブルさ。2017年の一部改良後からSAもIIからIIIに変更され、パノラマモニターが採用されるなど、室内空間のさらなるアップグレードも行われました。現時点では100台程度とウェイク全体の流通量を考えると少数ですが、2018年式は今年で車検を迎えるため、今後はさらに流通量が増えてよりお値打ち価格で買うこともできそうです。
1点注意したいのが、パノラマモニター。こちらは標準装備ではなくメーカーオプションなので、販売されている中古車によってはついていないことも十分考えられます。購入する際にはパノラマモニターがついているかどうかをよく確認しておくといいでしょう。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車のウェイク
イチオシモデルとして紹介した2018年式 Gターボ“SA III”以外にも、ウェイクはさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。ウェイクはグレードによって装備が異なるのが顕著なモデルで、中でもターボエンジンはGグレードでないと設定がありません。SA IIIも全グレードに設定されているわけではないのでSA IIIを求めるのであれば、多少予算を上げてでも対応しているグレードを選ぶといいでしょう。また、特別仕様車も多いので、使い方によってはそちらを選ぶ手もあります。
ウェイクのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
ウェイクがデビューしたのは2014年11月。ベースとなったのはダイハツの軽スーパーハイトワゴンであるタント。日常からレジャーまであらゆる用途に対応できるようにしたいという思いから、全高を1,835㎜まで拡大。これにより室内高はタントよりも高い1,455㎜を実現しました。小学生くらいの子供であれば車内で立ったままでも大丈夫という圧倒的な高さを誇ります。
さらにウェイクは、存在感のある車にするためバックドアを立てた箱のようなデザインが特徴です。荷室も広く、デッキボードを開ければゴルフバッグなどの長尺物もリアシートをたたまずに立てたまま積むことができます。
アウトドアシーンでの活用も多いウェイクはアウトドア系のブランドとコラボすることもしばしば。例えばデビューから1年足らずの2015年6月にはL SAグレードをベースにした特別仕様車として「X“モンベル version SA”」「X“波伝説 version SA”」が登場。アウトドアメーカーとサーファー向け情報サイトとのコラボでそれぞれアウトドアレジャーとサーフィンに特化した仕様になり、外遊び御用達の車というイメージを強くしました。
2016年、ウェイクは初の一部改良を実施。デビュー当初設定されていたXグレードを廃止し、フロントフードガーニッシュを新デザインに変更。従来は一部グレードでオプション設定だったフロントフォグランプを全車標準装備化するなど、外観の印象がかなり変わりました。
これに合わせてSAもデバイスをカメラ・レーザーレーダー・ソナーセンサーの3つに強化。衝突回避支援ブレーキ機能の作動範囲拡大、衝突警報機能の歩行者検知の追加、車線逸脱警報の追加などを行ったSA IIにアップグレードしました。
さらにXグレードを廃止した代わりにLとGターボには新たにレジャーエディションという新グレードを追加。フロアを防水の樹脂製に変更したほか、荷物の固定や整理用にユーティリティフック、荷室床面フック、固定ベルトを、室内にはLEDのパーソナルランプ(フロント・リア)・ラゲッジルームランプ・バックドアランプをそれぞれ装備。助手席大型インパネトレイとインパネセンタートレイには置いた小物の移動を防ぐためにマットを追加するなど、外遊びに使いやすいように改良されました。
この半年後にはSAをステレオカメラ方式のSA IIIに改良、ユーザーからの注目度の高い安全装備だけに「SA」の進化に合わせた変更を迅速に実施しました。
2018年、LとGターボに特別仕様車「L“スペシャルリミテッド SA III”」、「L“リミテッド SA III”」、「Gターボ“リミテッド SA III”」を設定。メーカーオプションになっていたパノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパックが標準装備され、さらにLEDが追加されるなど、豪華な雰囲気に仕上がりました。
さらに細かい仕様変更を何回か行った後、2021年5月には廉価グレードのDにもオートライトを標準装備。さらにサイドミラーを拡大するなど運転中の視認性をより向上させただけでなくL “SA III”、Gターボ “SA III”をベースに室内装備を充実させた特別仕様車の「VS SA III」を追加し、現在に至ります。
こちらもおすすめ! タイプ別にウェイクの中古車を選ぶなら
●外遊びに特化するなら「2018年式Gターボ “レジャーエディション SA III”」中古市場の相場90万~190万円
ウェイクの魅力はなんといってもアウトドアレジャーでの使い勝手の良さ。その恩恵をフルに活かすのであれば、やはり特別仕様車のGターボ “レジャーエディション SA III”がいいでしょう。
フロアを防水の樹脂製に変更したことで、水遊びで濡れたままの長靴や釣りの道具なども汚れを気にすることなく載せることができます。新たに備えられたユーティリティフックや荷室の床面にあるフックなどは、マウンテンバイクなどの大きな荷物を固定して運ぶのにはピッタリ。ラゲッジルームやバックドアにはランプも追加されているので、暗くなるまで遊んだときにも威力を発揮することでしょう。重い荷物を運ぶことも考えると、Gターボがおすすめです。
唯一の難点は中古車市場にそこまで流通していないこと。SA IIIになってからは2WD、4WDを合わせて70台程度なので探すのには根気が必要かもしれません。
●100万円以下で狙うなら「2017年式Dグレード」中古市場の相場50万~150万円
中古車のウェイクの平均価格は130万円程度。新車時価格と比べるとだいぶリーズナブルですが、より安く手に入れたいと考えるのであればベーシックグレードのDがおすすめ。
ベーシックとはいえ、電動格納式カラードドアミラー、キーレスエントリー、ダイヤル式マニュアルエアコンなど、最低限の装備は用意されています。セカンドカーや荷物を運ぶことを主にするなど、完全に割り切って使うのであれば十分ありな選択肢です。
中古車市場になるとDグレードはかなりリーズナブルな価格で購入することが可能で、全体の3分の1はなんと100万円以下から狙えます。予算があまりない方はこのグレードを検討して見るのもひとつの手かもしれません。
ただし、ウェイクのウリでもある両側スライドドアは電動ではなく手動式になり、メーカーオプションでも設定がありませんのでその点だけは注意しておいてください。
●快適装備を求めるなら「2018年式Gターボ “リミテッド SA III”」中古市場の相場100万~190万円
ウェイクが他の軽自動車と比べ車重が重いというのは先述したとおり。そのため、高速道路などを走行することが多いのであれば、ターボエンジンを積んだGターボを選んだほうが良いでしょう。そして、さらにもう一段階上質な快適装備を望むのであれば、Gターボ “リミテッド SA III”がベストチョイス。
オプションになっていたパノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパックがプラスされるだけでなく、アルミホイールが15インチにサイズアップ。アウトドアでの使用を想定してのサイズアップなので、レジャーシーンでは重宝します。
ウェイクの中古車ならではのチェックポイントはココ
SA IIIの有無をチェック!
ウェイクの中古車を買うときに注意したいのがSA IIIの有無。基本的にLグレード以上の車を買うときは全車についているので気にする必要はありませんが、問題なのはベーシックグレードのDを購入するとき。
Dは廉価グレードなので最低限の装備しかない仕様になっています。歩行者にも対応する衝突回避支援ブレーキ機能と衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能(前方、後方)、先行車発進お知らせ機能、オートハイビームなど、運転するときに心強いSA IIIを重視するのであれば、必ず確認したほうがいいでしょう。
通常グレードと特別仕様車の違いを確認せよ
通常グレードと特別仕様車との違いが大きいのがウェイクの特徴。中でも「レジャーエディション」は荷室の防水化やフックの追加など、アウトドアレジャーに特化した仕様になっているため、アウトドアで遊ぶことが多いユーザーにはうれしい装備が多いはずです。
ウェイクの中古車を買う場合は、車を買った後にどんなカーライフにしたいかを明確にイメージしてから、狙うべきグレードや特別仕様車を考えましょう。それが愛車選びの満足度を左右します。
エクステリアの違いはあまり気にしなくてもOK
ウェイクはグレードによる外観の違いがあまりなく、Gターボになるとフードガーニッシュのメッキ化と14インチアルミホイールの専用デザイン、そしてライトのLED化が加わることしかありません。
車の顔つきが大きく変わることがないので、外観に特にこだわりがなければグレードによる違いを気にしなくても大丈夫そうです。
ウェイクの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
重い荷物を積むのなら「ホンダN-BOX」
車内が広いウェイクは積載性にもかなり優れていますが、ウェイクのライバルともいえるN-BOXも負けていません。全長と全幅は同じで、全高は1,835㎜のウェイクに対し、N-BOX が1,790㎜と若干低く、その影響で室内高はウェイクと比べると55㎜ほど低くなります。
逆に注目したいのは荷室フロア高。ウェイクは595㎜なのに対し、N-BOXは100㎜以上低い470㎜になっています。
重い荷物を積み込む際、高く持ち上げなくて済むほうが当然ながら荷物は積みやすく、スムーズです。重い物を積むことが多いのであればN-BOXのほうが頼れる存在となりそうです。
低燃費の車を求めるなら「スズキスペーシア」
車を購入した際に気になるのが燃費。ウェイクの場合はWLTCモードで16.1km/L~17.4km/Lとまずまずですが、軽トールワゴンでこれより燃費がいいのがスペーシアです。スペーシアの燃費はWLTCモードでなんと20.2km/L~22.2km/L。日常的に運転する方にはスペーシアのほうが経済的に感じられるはず。
また、スペーシアも荷室のフロア高やリアステップがウェイクと比べると低く設定されているため、荷物の出し入れという点でウェイクよりも使い勝手が良い車です。
街乗りがメインになるなら「ダイハツタント」
最後は同じダイハツ車の対決となりますが、ウェイクのベースとなったタント。現行型のタントは2019年にモデルチェンジを行い、ウェイクよりも新しい設計のシャシーとなりました。ただ、現行型タントはまだまだ流通量が少なく価格も高いため、中古車で比較対象となるのは旧型タントでしょう。旧型タントとウェイクの最大の違いは助手席側の乗り降りのしやすさです。
ウェイクも両側にスライドドアを備えていて、L以上のグレードだとパワースライドドアとなりますが、ピラー部分が残ったまま。このピラーがない分、タントは助手席側の乗り降りが圧倒的に楽になっています。子供やお年寄りの乗り降りにとても役立つ仕様です。
また、軽自動車ながら車重が重めなウェイクはターボ搭載モデルでないと、パワー不足を感じることが多々ありますが、車重が軽いタントならターボエンジンでなくてもそうした不便さを感じることもありません。中古車流通量も多く、好みの1台を探しやすいというのもメリットです。
中古車のウェイクを賢く探すなら
では、中古車のウェイクをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証され、保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合った保証をつけることができます。
カーセンサーnetのウェイクの掲載件数は1,902件、価格帯は50万~200万円となっています。
※いずれも2021年6月21日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証がつく「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車のウェイクの掲載台数は2,076件、価格帯は50万~200万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月21日時点の情報です。
Gターボ“SA III”がおすすめ、しかし特別仕様車も要検討!
ウェイクは最新のSA IIIを採用しているグレードが狙い目で、車重の重さを考えるとターボエンジンを積んでいるGターボ“SA III”がおすすめです。一方で特別仕様車のラインナップも充実。外遊びに特化したモデルなど、車を使うシーンに合わせた仕様のものが多いので、自分がウェイクを買ってから何をするか、どう使うかを考えて選ぶといいでしょう。
よくある質問
Q1:中古車のウェイク、どれを買うべき?
A:おすすめは2018年式 Gターボ“SA III”。車重が重いことを考えると高速道路でもスムーズに走るターボエンジンで、さらに新しめの安全運転支援機能であるSA IIIが標準装備されているのもうれしいポイントです。しかし、外遊びをさらに充実させたい場合は特別仕様車のレジャーエディションも十分ありな選択です。
Q2:中古車のウェイクを買うときに気を付けたいポイントは?
A:SA III機能と両側パワースライドドア。ともにDグレードには標準装備されていません。また、特別仕様車は車を使うシチュエーションにより合わせた仕様なので、購入後にどんなカーライフにしたいかを明確にイメージしてからウェイクの中古車を探したほうがいいでしょう。
Q3:中古車のウェイクはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のウェイクに乗ることができます。
※記事の内容は2021年6月21日時点の情報で制作しています。