軽自動車の全高を高くしてスライドドアにした軽スーパーハイトワゴンのダイハツ「タント」。2019年7月に発売された4代目となる現行型、そして2013年10月に発売された3代目となる旧型、どちらも人気車種だけに中古車は数多く流通しています。今回は中古車のタントなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のダイハツ「タント」は2019年式X
- 装備と価格のバランスがいい中間グレードが狙い目!
中古車タント、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2019年式X」を110万円で買う!!
中古市場には2003年にデビューした初代タントもまだかなりの台数がありますが、一般的には4代目の現行型か3代目の旧型、どちらを選ぶかが悩みどころとなるでしょう。現行型の中古車相場は80万〜220万円、旧型の中古車相場は30万〜180万円となっています。
現行型か旧型かは予算によっても変わりますが、筆者は迷わず現行型をおすすめします!
ホンダは初代N-BOXで軽自動車専用プラットフォームを開発したにもかかわらず2代目で新プラットフォームを採用。スズキも現行型アルトからハーテクトと名付けられた軽量プラットフォームを採用しています。しかしダイハツはこの間、改良を加えながらも昔ながらのプラットフォームを使い続けていました。
筆者がダイハツの開発者に話を聞いたところ、もちろん彼らにも新しいプラットフォームを使いたいという思いはありました。でも車の土台となるプラットフォームの開発には膨大な費用がかかります。そのため10年、20年先を見据え、さまざまなモデルの開発スケジュールを熟慮した上で投入する必要があります。
そしてダイハツが満を持して新プラットフォームを投入した第一弾モデルが現行型タントです。
スペースが限られた軽自動車ながら余裕ある室内空間、しっとりとした乗り心地、大きく進化した先進安全装備。どの部分をとっても旧型より満足度は大幅にアップ。予算が許すなら迷わず新型の中古車を探してみましょう。
グレードですが、タントには愛らしいスタイルの標準モデルと、高級感を高めたカスタムモデルがあります。どちらを選ぶかは好みによるところですが、筆者がタントを買うとしたらメインで使うのは妻になるので標準モデルをチョイス。
エンジンはターボと自然吸気(NA)があります。街乗りが中心ならNAでも不満はほとんどないはず。ガラス面が大きな軽ハイトワゴンは夏場のことなども考えると360°スーパーUV&IRカットガラスは欲しいところだし、シートヒーターのような快適装備もあると便利。そう考えると標準モデルのXがベストチョイスとなります。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車タント
一押しモデルとして紹介した現行型のX以外にも、タントはさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。まずは現行型と旧型、どちらにするか考えてみましょう。2019年7月に登場した現行型はデビューしてすぐにナンバーが付いたものでもまだ車検が1年残っています。届出済み未使用車も含めてかなりの台数が流通しているので選びやすいですよ!
タントのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
全高を高くして室内空間を広くした軽ハイトワゴンは、軽自動車の中でスタンダードな選択。このコンセプトで作られたモデルは昔から存在しましたが、多くの人にその存在を知らしめたのは初代タントでした。初代の後部座席のドアはまだスライドドアではなく、前席のドアと同じヒンジ式でした。
そして2代目でタントは画期的な構造を採用します。それがミラクルオープンドアと呼ばれるものです。助手席側の中央の柱をスライドドアに内蔵し、スライドドアと助手席のドアの両方を開けると広大な開口部が出現。このコンセプトは現行型にも受け継がれています。この2代目タントが今日のスーパーハイトワゴンの原型となりました。
2013年10月に登場した3代目は運転席側のドアもスライドドアにして利便性を向上させました。さらに助手席にロングスライド機構をつけ、前に座る人も後ろに座る人も快適な空間で移動できるようになりました。
3代目タントはデビュー時から先進安全装備を搭載していたことも話題になりました。最初はレーザーレーダーを使った低速域衝突回避支援ブレーキ、誤発信抑制制御機能を採用。搭載車はグレード名に“SA”という名称が付いています。
2015年4月の一部改良では先進安全装備がスマートアシストIIに進化。スマートアシストの機能に加え、歩行者に対応した衝突警報機能(約4~50km/h で走行中、前方に歩行者を認識し、衝突の危険性があると判断した場合に、ブザーとメーター内の警告灯でドライバーに危険を警告)と車線逸脱警報機能が追加されました。
2015年12月にはマイナーチェンジを実施。エクステリアデザインに変更が加えられるとともに、内装色も変更されました。
2016年11月の一部改良では先進安全装備がスマートアシストIIIへと進化。衝突回避支援ブレーキ機能は対車両だけでなく歩行者にも対応。速度域の上限も高められました。そして衝突警報機能も歩行者だけでなく車両にも対応するように。新しく自動でハイビームとロービームを切り替えるオートハイビームも搭載しています。
2019年7月、タントは4代目へとフルモデルチェンジ。
ダイハツの新しい車づくりの指針であるDNGAに基づいて開発されたプラットフォームを採用した現行型には、これまでにないさまざまな機能が盛り込まれています。
2代目以降に採用されているミラクルオープンドアをいっそう便利に使えるように、助手席にロングスライド機構を追加。助手席を前方にスライドさせておくとミラクルオープンドアから運転席にアクセスできるようになりました。
そしてスライドドアにはオーナーが近づいただけで自動的にドアが開くウェルカムオープン機能を採用。重い荷物を持っているときでも楽に車内にアクセスできます。
スマートアシストには10種類の予防安全機能加え、駐車支援機能やアダプティブクルーズコントロールなどの運転支援機能「スマートアシストプラス」を追加。これまで以上に快適に運転できるように進化しました。
こちらもおすすめ!タイプ別にタントの中古車を選ぶなら
●ACC搭載でロングドライブも楽々!「2019年式Xターボ」 中古市場の相場110万〜170万円
カスタムを含むタントのターボ車にはスマートアシストプラスに全車速追従式のアダプティブクルーズコントロールが備わります。ターボならパワーに余裕がある上、ACC付きなので高速道路を使った移動が非常に楽になります。
難点は標準モデルのターボグレードは流通量が30台弱と少ないこと。カスタムはRSとRSスタイルセレクションにACCを搭載。こちらは600台近く流通しています。
●軽でも高級感を求める人にぴったり!「2020年式カスタムXセレクション」 中古市場の相場110万〜200万円
メッキ加飾や専用のエアロパーツで高級感を高めたカスタムシリーズ。インテリアもブラック基調にメッキ加飾が施され、洗練されたイメージに仕上がっています。
2019年12月に追加されたセレクションシリーズはオプション設定だったコンフォータブルパック(360°スーパーUV&IRカットガラス、シートヒーターなど)とスタイルパック(LEDフォグランプ、フォグランプガーニッシュなど)が標準装備に。カスタムの上質なデザインが際立つとともに、快適性も高められています。
●手頃な旧型狙いでもスマアシIIIは欲しい「2017年式X“SA III”」 中古市場の相場60万〜130万円
旧型タントなら100万円以下の中古車を探すことも十分可能。でも家族のことを考えると先進安全装備は充実しているものを選びたいところです。それを考えると2016年11月以降のものを選ぶのがベスト!
旧型タントのスマートアシストIII搭載車はグレード名に“SA III”と入っています。標準モデルのX“SA III”のほか、カスタムX“SA III”もおすすめ!
中古車のタントならではのチェックポイントはココ
現行型購入時は最初に購入後の使い方を考える
あらゆるボディタイプで人気装備となっている全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロール(ACC)。先行車両と一定の車間距離を保ちながら追従走行してくれる便利な機能ですが、現行型タントはターボグレードのみACCが搭載されます。
高速道路を使うことが多いならACCはぜひ欲しい機能。まずは購入後にロングドライブを楽しむ機会が多そうかを考えて、グレードを選んでみましょう。
旧型を買うときは、安全装備が必要かどうかを見極める
旧型はデビュー時から先進安全装備搭載グレードが設定されていましたが、スマートアシストとスマートアシストIIは今どきの先進安全装備としては少し機能が心許なくなりました。
先進安全装備の性能にこだわる場合は、迷わずグレード名に“SA III”と入っているスマートアシストIII搭載モデルを選びましょう。逆にそこにこだわらないのであれば、50万円以下で旧型タントを買うという選択肢も出てきます。
車内の使用感が納得いくレベルかを見極めて
タントをはじめとする軽ハイトワゴンは、小さなお子さんがいる方が使っていた中古車が多くあります。その場合、後部座席でジュースなどをこぼしてシートにシミがついていたり(ルームクリーニングできれいになっていれば問題なし)、大きなベビーカーを荷室や後部座席に積んで、プラスチック部分に傷がついていることも考えられます。
中古車だし多少の傷は気にしないという方なら問題ありませんが、気になる方は店頭で内装の状態を確認して、納得した上で購入しましょう。
タントの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
軽ハイトワゴンの絶対王者「現行型ホンダN-BOX」
初代のデビュー以来、軽自動車販売台数ナンバーワンを独走するN-BOX。その魅力は剛性の高いプラットフォームがもたらす上質な乗り心地と、軽自動車とは思えない質感の高い内外装につきます。
さらに現行型はパッケージを見直し床面を低くしたことで荷室に重い荷物を積みやすくしたり、前席をベンチシート仕様と助手席が最大57cmスライドするスーパースライド仕様の2種類用意するなどして利便性を高めています。
先進安全装備はホンダの安全運転支援システムであるHonda SENSINGが標準装備です。
旅行カバンをモチーフにした外観がキュート「現行型スズキスペーシア」
2017年12月にデビューした2代目スペーシアは、旧型から大きくイメージを変えて、旅行カバンをイメージしたファンシーなデザインに。インテリアにもスーツケースのような収納を用意して、全体のイメージを統一しています。
スズキの軽量プラットフォーム「ハーテクト」を採用し、パワートレインにモーターアシスト機能付きのISGを装着したマイルドハイブリッドを採用。これらにより燃費性能も高められています。
暑い日もエアコンの冷気を後部座席に届きやすくするサーキュレーターや風量を調整できるエアコンルーバーを装備するなど、快適性にこだわっているのも魅力。アウトドアのイメージを高めたスペーシアギアも人気です。
軽ハイトワゴンにタフなイメージをプラス「現行型三菱eKクロススペース」
日産ルークスとの共同開発モデルである三菱eKスペース。そこに三菱車のデザインアイデンティティであるダイナミックシールドを取り入れてタフな雰囲気を盛り込んだのが、eKクロススペースです。
G以上のグレードには足をかざすだけで助手席スライドドアを開けることができるハンズフリー機能や、タッチパネル式のフルオートエアコンを搭載するなど、上級ミニバン並の装備が盛り込まれています。
また、G以上のグレードにはアダプティブクルーズコントロールと車線維持支援機能を組み合わせた日産のプロパイロット譲りの「マイパイロット」もオプション設定されています。
中古車のタントを賢く探すのなら
では、中古車タントをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を車選びの目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証され、保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証を付けることができます。
カーセンサーnetの現行型&旧型タントの掲載件数は8,494件、価格帯は30万~230万円となっています(※)。
※いずれも2021年5月25日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車の現行型&旧型タント掲載台数は10,012件、価格帯は30万~240万円となっています(※)。
※いずれも2021年5月25日時点の情報です。
予算に余裕があれば、あらゆる家族構成に便利な現行型タントを!
小さなお子さんがいるファミリーにとって便利なタントは、現行型でご高齢の方も含めたあらゆる家族に便利な車へと進化しました。安全装備も充実し、使い勝手も高まり、さらに走りも良くなったタント。もし予算に余裕があるなら現行型の中古車を探してみることをおすすめします。
でも旧型にも便利な機能はたくさん!予算に応じて納得できる中古車を探してみてください。
よくある質問
Q1:中古車のタント、どれを買うべき?
A:装備と価格のバランスがいい現行型中間グレードのXがおすすめ!
Q2:中古車のタントを買うときに気を付けたいポイントは?
A:高速道路を走る機会が多いなら多少高くてもACCが備わるターボグレードを!旧型はスマートアシストIIIが搭載されたグレードが狙い目です。
Q3:中古車のタントはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のタントに乗ることができます。
※記事の内容は2021年5月25日時点の情報で制作しています。