ベーシックな軽ハッチバックスタイルで、燃費性能を高めるためにさまざまな技術が投入されたダイハツ「ミライース」。2011年9月に登場した初代はガソリンモデルながらハイブリッドカーに迫る燃費を実現しました。人気車種だけに中古車の流通量も多く、自分に合った1台を選ぶのはなかなか大変です。この記事では中古車のミライースなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のダイハツ「ミライース」は2014年式X ”SA”
- 街中で気軽に使えるセカンドカーとして低価格の旧型後期モデルをチョイス
中古車ミライース、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2014年式X ”SA”」を30万円で買う!
中古市場にあるミライースは初代となる旧型と2代目となる現行型に分かれます。旧型は相場が10万〜90万円、現行型は相場が40万〜140万円となっています。数あるミライースの中から筆者が選ぶなら、初代後期モデルの中間グレードであるX ”SA”になります。
旧型ミライースの2WD(FF)の場合、前期モデルでは上級グレードのG以外は新車価格が100万円以下でした。そのため、すでにかなり安い価格で中古車が販売されています。
例えば、後期モデルでスマートアシスト(スマアシ)を搭載し、エコドライブアシスト照明などで燃費走行をサポートしてくれる中間グレードのX ”SA”で走行5万〜7万km程度のものを30万円前後で見つけることも可能。
全高が低いので街中の立体駐車場にも停められるミライースは日々の買い物やちょっとした送り迎えに便利。背が低い分、軽スーパーハイトワゴンやトールワゴンに比べると室内空間は狭くなりますが、乗車スペースは十分な広さが確保されています。そのため、メインで使う大きな車がある家庭のセカンドカーとして気軽に選べるはず。
そこで、あえて最新の現行型ではなく、スマアシが搭載された旧型後期モデルに的を絞って、低価格帯で条件がいいものを探してみます。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車のミライース
イチオシモデルとして紹介した旧型後期モデルのX ”SA”以外にも、ミライースはさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。日本では低燃費のエコカーというとハイブリッドカーを思い浮かべる人が多いですが、ガソリン車でも技術と工夫でエコな車を作ることができる。そんなダイハツの心意気を感じられる中古車を探してみてください。
ミライースのモデルチェンジ、マイナーチェンジ⼀覧
2000年代は車の燃費性能に注目が集まるようになりました。2009年にエコカー減税がスタートするとその流れは加速します。
登録車メーカーはハイブリッドカーや電気自動車、クリーンディーゼルエンジン搭載車で燃費性能を高めていきます。
そんな中、軽自動車が中心のダイハツは2011年9月にハイブリッドカー、電気自動車に続く「第3のエコカー」としてミライースを投入。ミライースには既存技術を徹底的に見直してエネルギー効率を最大化したe:Sテクノロジーを採用。モーターによるアシストを行わずに30km/L(JC08モード)という当時のガソリン車ナンバーワンの低燃費を実現しました。
■主なe:Sテクノロジー
- 燃料効率を高めエネルギーロスを低減した新エンジン
- 動力伝達効率を向上させたCVT
- 車両の徹底的な軽量化(ミラに比べて約60kg軽量化)
- 走行抵抗の低減
- 停車前アイドリングストップ機構「エコアイドル」の採用
- 減速エネルギーをオルタネーターが電気エネルギーに変換
デザインはシンプルな中に上品さを盛り込んだ、癖のないスタイルに。全高は1,500mmに抑えられているものの、大人4人が余裕を持って座れるだけのスペースも確保されています。
デビュー時の新車価格は79.5万〜122万円。FF車は最上級グレード以外で100万円を切る価格設定だったので、セカンドカーやビジネス需要も多くありました。
2013年8月のマイナーチェンジでは、e:Sテクノロジーにさらに磨きをかけ、燃費が33.4km/L(JC08モード)まで高められます。中でも停車前アイドリングストップが約7km/hから約11km/hに高められたことは、オーナーが技術を体感できる大きなポイントです。
そしてこのタイミングで低速域衝突回避支援ブレーキ機能、誤発進抑制制御機能、先行車発進お知らせ機能などをパッケージ化したスマートアシスト(スマアシ)を搭載。搭載車はグレードに“SA”と表記されます。
2014年7月にはパワートレインやエネルギーマネジメントをさらに見直し、燃費性能が35.2km/Lにまで向上。ガソリン車でも技術を磨くことで燃費はここまで高められることをダイハツが証明してみせました。
2017年5月、ミライースは初のフルモデルチェンジを実施し、2代目に進化します。2代目は燃費性能を磨くことはもちろん、質感を上げ安全性能を向上させることで、商品力を高めているのが特徴です。
多くの人が選ぶ量販グレードは初代同様に100万円以下の価格設定としながら、上下2段構造のライトや黒とグレーの2トーンカラーのインテリアで上質な雰囲気を演出。上級グレードでは自発光式デジタルメーターなど高級感のある装備が奢られます。
先進安全装備は歩行者にも対応した衝突軽減ブレーキなどを搭載するスマートアシストIII(スマアシIII)に進化。搭載車はグレード名に“SA III”と表記されます。
燃費面では初代に比べて最大80kgという驚異的な軽量化を達成し、質感を高めながらも従来同様の35.2km/L(JC08モード)を実現しています。
2020年12月の一部改良では全グレードにオートライトを標準装備。安全性能が高まりました。
こちらもおすすめ!タイプ別にミライースの中古車を選ぶなら
●燃費だけでなくスタイルにもこだわるなら「2015 年式のXリミテッド“SA”」中古市場の相場30万〜70万円
燃費が35.2km/Lまで高められた旧型最終モデルは2015年4月に一部改良が行われ、同時にダイハツ独自のラッピング技術でルーフを2トーン仕様にしたものが選べるように。さらに同じタイミングで登場した特別仕様車のXリミテッド”SA”には、専用カラーであるフェスタイエローが設定されました。
シンプルなデザインのミライースだからこそ、あざやかな色を選んで明るい気分で運転を楽しむ。流通台数は少ないですが、積極的に探してみる価値のあるモデルです。
●とことんコストパフォーマンスにこだわる方に!「2012 年式のLまたはX」中古市場の相場10万〜70万円
「何台目かの車になるのでとにかく安く!」「欲しい車が納車されるまでのつなぎの車が必要!」など、車種にはこだわらないけれど、とにかく安くて安心な車がすぐに欲しい。そういう人も中にはいるはず。そんな人にとってミライースはぴったりなモデルです。
というのも、旧型前期モデルは驚くほど価格が安く車両本体価格が10万円前後の中古車もかなりあるからです。この価格で修復歴なし、走行5万kmというものも珍しくありません。
2011年式より2012年式のほうが流通量は3倍くらい多いので、デビューイヤーではなくこちらに注目するのが吉!まだ10年未満の年式でここまで安いモデルはなかなかありませんよ!
●装備面でも満足できる現行型ならこれ「2018 年式Xリミテッド“SA III”」中古市場の相場40万〜110万円
現行型の最上級グレードであるG“SA III”にはシートヒーターやオート格納式ドアミラー、スマートキーなどが備わりますが、中古車の流通量はかなり少ないのが現状。それならひとつ下のX“SA III”をベースに純正ナビ装着用アップグレードパックを装備したXリミテッドを。
アップグレードパックはバックカメラ、GPSアンテナ、16cmリアスピーカーがセットになったもので、純正メモリーナビがついている中古車を探せばバック時にモニター内に車両後方の映像を映し出してくれます。
流通台数は400台以上あるので、ボディカラーや距離など条件に合うものを探しやすくなっています。
中古車のミライースならではのチェックポイントはココ
燃費にとことんこだわるなら、中古車の年式に注目
旧型はデビューから30.0km/L→33.4km/L→35.2km/Lと燃費性能を高めてきました(いずれもJC08モード)。低燃費にとことんこだわるなら35.2km/Lを達成した2014年7月以降のモデルを選びましょう。
ただ、年式が新しくなるとその分中古車の価格も高くなります。それをガソリン代で相殺するにはかなりの距離を走らなければなりません。自分の使い方をよく考え、どのモデルを手に入れるのが得かを考えてみましょう。
GとX以外は装備が簡素に
旧型、現行型ともに上級グレードのGとX以外はビジネス需要を見込んだグレードということもあり、装備は簡素になっています。
現行型だと電動格納式ミラーがオプションで、ヘッドライトはハロゲン式になり、インテリアのメッキ加飾が備わらないなどの差があります。
こだわりがなければ問題ありませんが、乗用車としてデザインや快適性にもこだわりたいならGかXがおすすめです。
安全面にこだわる人もGかXをチョイス
先進安全装備にこだわるなら現行型でスマアシIIIを搭載するほうが狙い目です。スマアシIIIは全グレードで搭載車が用意されていますが、できればGかXを選ぶようにしたいところ。
というのもそれ以外のグレード(LとB)は、後部座席にヘッドレストがつかないから。ヘッドレストは万が一衝突被害にあった際に乗員の頭部を保護する大切な役割があります。そのため、特に後部座席に人が乗る機会がある人はヘッドレスト付きのものを探すようにしてください。
ミライースの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
旧型ミライースとともに燃費性能でしのぎを削ったライバルモデル「旧型スズキアルト」
2009年12月にデビューした旧型アルトは、ミライースと同じように世の中の燃費に対する要求が高まる中でデビューしたモデル。デビュー時の燃費は10・15モードで24.5km/Lでしたが、2011年11月に燃費性能にとことんこだわったアルトエコが登場しました。
アルトエコはJC08モードで30.2km/Lを達成。この数字はミライースをかなり意識したものだと思われます。
旧型アルトの価格帯は10万〜80万円。中古車の台数も多いので、かなり選びやすいモデルです。
デザインが特徴的な現行型ミライースのライバルモデル「現行型スズキアルト」
現行型アルトは2014年12月に登場。旧型からデザインを大きく変え、メガネのようなデザインのフロントライトが印象的なスタイルになりました。
スズキの新しいプラットフォームであるハーテクトを採用して、旧型に比べて60kgの軽量化を実現。しかもこのプラットフォームは剛性感も高いので、走りも大幅に良くなっています。
燃費はデビュー時でガソリン車ナンバーワンの37.0km/Lを達成しました。また、スポーティーな走りを楽しめるターボRSやアルトワークスも設定されています。
現行型アルトの価格帯は10万〜250万円。高価格帯はアルトワークスのコンプリートカーになります。
デザイン性と燃費性能、どちらも捨てがたいならこれ「現行型スズキアルトラパン」
ミライース、そしてアルトは昔から存在する軽ボンネットバンの流れをくんでいるため、デザインはシンプルです。もっとデザインにこだわりたい、かわいい車に乗りたい人におすすめしたいのがスズキアルトラパンです。
2015年5月に登場した現行型は通算3代目で、初代から続く丸四角い愛らしいデザインが特徴的。エンブレムをはじめ、車内外のいろいろなところにうさぎのモチーフがつけられているのもかわいい部分。
助手席前がサイドボードっぽくなっているなど、インテリアのデザインもこだわっています。
新プラットフォーム「ハーテクト」による軽量化などで燃費はJC08モードで35.6km/Lを達成。中古車相場は40万〜160万円と、買いやすい価格帯になっています。
中古車のミライースはここで探せ!
では、中古車のミライースをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合った保証を付けることができます。
カーセンサーnetのミライースの掲載件数は5,345件、価格帯は10万~140万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月14日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車のミライース掲載台数は6,017件、価格帯は10万~140万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月14日時点の情報です。
燃費にこだわるならより新しいものを。ただし最初に安いものを買うほうが得という考えもあり
第3のエコカーであるミライース最大の売りは圧倒的な燃費性能です。燃費性能は一部改良という形で燃費性能を高めていったので、燃費にこだわる人は新しいものを選んだほうがいいでしょう。
一方で、カタログ燃費と実際に走ったときの燃費は異なってきますし、そもそも同じ車でも運転の仕方で燃費は良くも悪くもなります。
また、燃費性能が良くて高い車より、多少燃費が悪くても車両価格が安いほうがメリットは大きいという見方もできます。こう割り切れる人は初期型のミライースを探してみましょう。
よくある質問
Q1:中古車のミライース、どれを買うべき?
A:旧型後期でスマートアシストが搭載されたモデルのお得度が高い。
Q2:中古車のミライースを買うときに気を付けたいポイントは?
A:先進安全装備だけでなく、基本的な安全装備の有無も考えて選ぶ。
Q3:中古車のミライースはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のミライースに乗ることができます。
※記事の内容は2021年6月14日時点の情報で制作しています。