2019年8月にアテンザから「Mazda6(マツダ6)」へ車名変更した、マツダのフラッグシップ・セダン。多彩なエンジンラインナップからおすすめモデルを紹介します。なお、当記事は「マツダ6 セダン」のみについて記述しています。マツダ6 ワゴン、アテンザ セダン、アテンザ ワゴンは、それぞれの記事をご覧ください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のマツダ「マツダ6」は「XDプロアクティブ」「XD Lパッケージ」
- 走りを重視するなら、2.5Lガソリンターボ「SKYACTIV−G 2.5T」エンジン搭載モデルを
中古車マツダ6、おすすめモデルはズバリこれ。「XDプロアクティブ」「XD Lパッケージ」
マツダ6 セダンは、ガソリンエンジンモデルに、2.0Lと2.5L、2.5Lターボの3タイプと、2.2Lディーゼルターボの、合わせて4タイプのエンジンをラインナップ、グレード構成は、ベースグレードと上級グレードの2種と上級グレードをベースにした特別仕様車となっています。多彩なラインナップで、それぞれ個性がはっきりとしていますが、マツダの考え方は、グレード間に装備やデザインの差をあまりつけません。好みやライフスタイルに合わせて選択するようなグレード展開をしています。
その中で筆者的にイチオシしたいモデルは、「XD PROACTIVE(プロアクティブ)」と「XD L Package(パッケージ)」。
マツダ6のディーゼルターボモデルのグレード名には「XD」がつきます。グレード名が「XD」のみがベースグレード、上級グレードが「プロアクティブ」と「Lパッケージ」となります。この2つは同じ装備で、内装がファブリック(布)かレザーの違い(Lはレザーの頭文字)で分かれているものです。
ベースグレード「XD」との装備差は、全車速追従機能付き「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」(アダプティブ・クルーズ・コントロール。アクセルとブレーキを自動制御し、車間距離を一定に保つ運転支援機能)と、「スマート・ブレーキ・サポート」(衝突被害軽減ブレーキ)、パワーシート、ステアリングヒーター、シートヒーターが主なものとなります。せっかくのラグジュアリーセダンですから、充実装備のグレードを選びたいところです。ちなみに、ラグジュアリーセダンの定番アイテムのひとつ、サンルーフは、Lパッケージのみのオプション設定となっています。
シート素材の違いはお好みで。なお、Lパッケージはホワイトとブラウンの2色のナッパレザーを設定。ホワイトのナッパレザーは特に高級感があっておすすめです。ただ、新車車両価格が、プロアクティブとLパッケージのあいだに約55万円の差があり、中古者相場価格の価格差にも表れています。
マツダのディーゼルターボエンジンは、とてもパワフル。V8・4Lエンジンと同等のトルクがあり、アクセルを踏み込めば力強い加速を行います。パワフルなエンジンは、高級セダンにふさわしい落ち着いた余裕のある走りをもたらします。また、静粛性もガソリンエンジンと遜色ありません。アイドリング時や発進直後にアクセルを強めに踏み込んだときなどに、若干、ディーゼルらしい音が出ますが、巡航速度は至って静か。さらに、ガソリンエンジンより低燃費。燃料代も安い軽油です。
中古車価格帯は、260〜380万円、300万円台前半が最も多く流通している価格帯となります。
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グレード別に外観上の差別化や装備の違いを顕著にしないのがマツダの考え方。グレード構成もシンプル。ベースグレードでも十分な装備があります。ただ「人馬一体」を提唱するマツダらしく、エンジンラインナップは多彩です。その中から、もうひとつのおすすめモデルを、マツダ6と旧車名アテンザの歴史とともにお伝えします。
マツダ6の歴史
2019年8月1日の一部改良で、アテンザから「MAZDA6(マツダ6)」に車名変更された、マツダのフラッグシップ・セダン。マツダの車名変更では、マツダ6に限らず、ロードスターを除く自社生産のカタカナ車名も同様に変更されました。社名「MAZDA(正式表記は大文字アルファベット)」の後ろに数字1桁をつける命名規則は、グローバルモデル(海外で発売されるモデル)と同じ。MAZDAがつくモデルは、セダンとステーションワゴン、コンパクトカーとなり、「CX」と数字で組み合わせられる車名がSUVと統一されました。数字が小さいほうがエントリーモデル、大きいほうが上級モデルとなります。
ちなみに、車名変更は基本的にフルモデルチェンジ時に行われます。一部改良のタイミングで車名変更するのは珍しいことでした。
以下、マツダ6の前身、アテンザ誕生からの歴史のハイライトをお伝えします。
2002年5月 アテンザ初代発売開始
アテンザは昭和にヒットしたミドルセダン、カペラの後継車としてデビュー、マツダのフラッグシップ・セダンとなりました。初代はセダンと、「スポーツ」の名称が与えられた5ドアハッチバックの2種類のボディタイプのラインナップで登場。エンジンは、直列4気筒2.0Lと2.3Lの2種類の排気量のガソリン、直列4気筒2.3Lディーゼルターボの3タイプを設定していました。
2002年6月、1ヵ月遅れでステーションワゴン「アテンザ スポーツワゴン」を2WD・ATのみの設定で追加。2002年8月、スポーツワゴンに4WDを追加、2002年11月に、スポーツとスポーツワゴンに5速MTを追加しています。
2005年6月にマイナーチェンジ、同年8月にはスポーツ仕様「マツダスピード アテンザ」が追加されます。
2006年6月に世界累計生産台数100万台を達成、マツダ史上最速の100万台達成を記録するヒットモデルとなりました。
2008年 2代目アテンザへフルモデルチェンジ
初代に引き続いて3つのボディタイプをラインナップ、エンジンは初代の2.0Lガソリンをキャリーオーバー(そのまま引き継いで搭載すること)、初代の2.3Lガソリンは2.5Lへと排気量が拡大、ディーゼルターボは廃止されました。駆動方式は2WDと4WDですが、4WDは2.5Lガソリンのみの設定、トランスミッションは2WD車に5速AT、4WD車は6速ATとなり、2.5Lモデルには6速MTも設定されました。
2010年1月 マイナーチェンジ
フロントグリルを五角形のマツダ共通デザインモチーフのものへ変更、新デザインのアルミホイールを採用、内装の質感を向上するなどの改良が行われました。初代からキャリーオーバーされた2.0Lガソリンエンジンは、改良され出力も向上し153PSとなりました。
2010年9月には、世界累計生産200万台を達成。2代目もヒットモデルになります。
2012年11月 一部改良・ディーゼルターボ追加
これまでガソリンエンジンのみのラインナップだった2代目アテンザに、新開発の2.2Lクリーンディーゼルダーボ「SKYACTIV-D 2.2」を搭載したモデルを追加。このエンジンは、V8・4Lエンジン同等の最大トルク420N・mを発生しつつ、2.5Lガソリンより燃費を37%向上、2.0L対比では30%の燃費向上を達成しています。なお、ディーゼルターボモデルは6速ATと6速MTの両方が設定されました。
また、先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイアクティブセンス)」を追加しました。
2015年1月 3代目アテンザへフルモデルチェンジ
マツダの新デザインテーマ「魂動(こどう)」と、新世代技術「SKYACTIV(スカイアクティブ)」に磨きをかけて3代目へフルモデルチェンジ。ボディタイプは、セダンとステーションワゴンの2タイプとなります。エンジンは2代目の直列4気筒2.0L(SKYACTIV-G 2.0)と2.5Lガソリン(SKYACTIV-G 2.5)、直列4気筒2.2Lディーゼルターボ(SKYACTIV-D 2.2)の改良版を搭載、ディーゼルターボモデルでは4WDと6速MTが選択できるラインナップとなりました。また、先進安全技術「アイアクティブセンス」も進化、予防安全・運転支援機能が強化されました。
2018年5月 マイナーチェンジ
内外装デザインのブラッシュアップ、エンジン、足回り、安全性能など幅広く見直した大幅改良を実施。
2019年8月 一部改良と同時に車名を「MAZDA 6」へ変更
内外装デザインを小変更、質感の向上、全車速追従可能なACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール:アクセルとブレーキを自動制御し、車間距離を一定に保つ運転支援機能)や、360°ビューモニターなどの先進安全技術を追加するなどの改良を実施しています。
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● 価格重視なら「20S」「20S プロアクティブ」
価格重視なら、新車車両本体価格が最も安い、2.0Lガソリンエンジンモデルで。ほかのエンジンラインナップと比較すると、最高出力と最大トルクが見劣りする数値ですが、しっかりと走ります。より余裕のある走りは特に必要としない方にもおすすめです。
価格を最重要視するなら、ベースグレードの「20S」がおすすめとなりますが、マツダ6はまだ出たばかりであることと、新車販売グレード構成比率が低いものとなることから、中古車流通台数は稀少です。20Sをベースに安全装備と快適装備をプラスした「20S プロアクティブ」もマツダ6のラインナップでは安い車両価格となりますので、狙い目です。
ベースグレード「20S」に、全車速追従機能付き「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」(アダプティブ・クルーズ・コントロール。アクセルとブレーキを自動制御し、車間距離を一定に保つ運転支援機能)と、「スマート・ブレーキ・サポート」(衝突被害軽減ブレーキ)、パワーシート、ステアリングヒーター、シートヒーターなどを追加したものが「20S プロアクティブ」の装備となります。
グレード間の格差を広げないマツダの考え方ですから、新車車両価格が安いからといって引け目を感じることはありません。
※本記事時点では、「20S」「20S プロアクティブ」ともに中古車市場で流通しておらず、相場価格が確認できていません。
● 走りを重視なら、2.5Lガソリンターボ搭載モデル 中古市場の相場250〜350万円
「SKYACTIV-G 2.5T」エンジン搭載モデルは、直列4気筒2.5Lガソリンターボで最高出力230PS、最大トルク420N・mを発生します。胸のすく加速とコーナリングで、マツダが提唱する「人馬一体」の走りを堪能することができます。2.5Lガソリンターボモデルのグレードは「25T S パッケージ」と随所にブラックをあしらった特別仕様車「ブラック・トーン・エディション」を設定しています。
マツダ6ならではのチェックポイント
マツダ6は2019年8月からの新しいモデルですので、特に中古車選びの際に注意したい点は今のところありません。中古車流通台数が少ない状況ですので、欲しいモデルが見つからなかったら「アテンザ セダン」で探してみてください。
比べて検討!マツダ6のライバル車種
マツダ「アテンザ セダン」
マツダ6の旧車名がアテンザ。ライバルには相当しませんが「Mazda6」の車名、エンブレムにこだわりがなければ、この車種からも探してみてください。
中古車価格帯は17〜310万円、平均価格は約135万円、流通台数は360台ほどとなっています。(2021年5月25日時点)
日産「スカイライン セダン」
日産のアッパーミドルクラス・セダン。スカイラインのエンジンは、V6 3.5Lハイブリッド、V6 3.0Lツインターボを搭載し、マツダ6よりひとクラス上になります。V6 3.0Lツインターボには、400馬力を超すスカイライン史上最強のエンジンを搭載した「400R」もラインナップ。
中古車価格帯は10〜550万円となっています。(2021年5月25日時点)
トヨタ「マークX」
2019年12月に生産終了したトヨタのアッパーミドルクラス・セダン。V6 2.5L、V6 3.5Lのエンジンを搭載。マツダ6とは対極に位置する雰囲気を持つセダンです。
中古車価格帯は9〜682万円、平均価格は約115万円となっています。(2021年5月25日時点)
中古車マツダ6はここで探せ!
では、中古車マツダ6をどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
グーネット
2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。
グーネットは「グー鑑定」と呼ばれる、中古車を探している人に代わって、プロの鑑定士が中古車の車両状態を鑑定するサービスを提供。この鑑定士は第三者機関の「日本自動車鑑定協会(JAAA)」に所属。公正な鑑定が行われています。これで鑑定された中古車は、内外装、エンジンやトランスミッションといった機関、修復歴などの評価をまとめた「グー鑑定証」が与えられ、中古車情報ページの「グー鑑定」のアイコンから、その鑑定証を確認することができます。
また「ID車両」と呼ばれる中古車の品質を公正に証明するサービスも提供しています。「グー鑑定」と似ていますが、こちらはディーラー独自の基準で厳しいチェックを行った中古車の鑑定結果を「車両状態評価書」にまとめたものとなります。これは中古車情報ページの「ID車両」のアイコンから、その評価書を確認することができます。
「グー鑑定」や「ID車両」対象車は、全体の2割程度となっています。なお、非対象車は品質が良くないという意味ではありません。
さらに「グー保証」と呼ばれる、グーネット独自の中古車保証制度も提供しています。保証期間は国産車が最長3年で部品交換や修理から、移動中のキー閉じ込めなどのトラブル対応やレッカー移動などのロードサービスも全国24時間365日対応で付属(ロードサービスは自動車保険にも付いていることが多いですが)。なお、グー保証対象車は全体の1割程度となっていますが、これが付いていなくても、トヨタ保証やディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は多くあります。
2021年5月25日時点、グーネットでは、マツダ6の掲載件数は63件、価格帯は252~417万円となっています。
カーセンサー
2大中古車検索サイトのもう1つ、カーセンサー。1984年に中古車情報雑誌「カーセンサー」が創刊、今はグーネットと肩を並べる老舗中古車検索サイトとなっています。中古車掲載台数は、時期によって変動しますが約50万台。この台数はグーネットとほぼ同じで、掲載される中古車物件もほぼ同じとなります。これはほとんどの中古車販売店が、カーセンサーとグーネットの両方に掲載登録している背景があるためです。
カーセンサーは「カーセンサー認定」と呼ばれる中古車の品質鑑定情報を提供しています。鑑定は、第三者機関の「AIS」が行い、内外装の状態から目立たない小さなキズまで厳しくチェックし10段階評価しています。鑑定結果は、中古車情報ページから「車両品質評価書」で確認することができます。カーセンサー認定中古車は、全体の1割程度となりますが、この認定中古車でなくても、一般財団法人日本自動車査定協会の「V-CON」や、トヨタ、ディーラーの品質評価制度に基づく検査結果が掲載された中古車が無数にあります。
また「カーセンサーアフター保証」と呼ばれるカーセンサー独自の有償保証制度を提供。これは、エンジン、トランスミッションといった機関から細かい電装装備品まで全350項目を保証、走行距離無制限で最長3年まで加入できる手厚いものとなっています。カーセンサーもグーネット同様に、カーセンサー保証対象車でなくても、トヨタ保証、ディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は無数にあります。
カーセンサーのスマホアプリでは、写真からマツダ6が検索できる機能を備えています。街で見かけて気になった車を撮影して、アプリからアップロードするとマツダ6を特定、そのまま中古車情報を調べることができる便利な機能。中古車探しのライフハックツールとしてもおすすめです。
2021年5月25日時点、カーセンサーでは、マツダ6の掲載件数は71件、価格帯は252~380万円、平均価格は約325万円となっています。
グレードで選ぶより、エンジンで選ぶ「マツダ6」
2019年8月にアテンザから車名を「マツダ6」に変更したマツダのフラッグシップ・セダン。マツダの考え方は、グレード間に格差をつけないため、グレード構成はシンプル。「人馬一体」の走りを提唱するマツダらしく、エンジンは多彩なラインナップを展開しています。
2.2Lディーゼルターボ「SKYACTIV-D 2.2」は、V8・4Lエンジン同等のトルクを誇るパワフルさがありながら、低燃費。ガソリンエンジンより3〜4割ほど燃費が良くなっています。ガソリンより安い軽油が燃料で長距離を乗る方にもおすすめです。静粛性、低振動製もガソリンエンジンと遜色ないレベルといって良いでしょう。
加速の良さやエンジンパワーの余裕を求めない方、長距離を乗らない方、価格重視なら、2.0Lガソリン「SKYACTIV-G 2.0」がおすすめ。これではちょっと物足りないと感じるなら、2.5Lガソリン「SKYACTIV-G 2.5」がおすすめです。
スポーティーな走りを愉しみたいのなら、2.5Lガソリンターボ「SKYACTIV-G 2.5T」を。マツダ6のラインナップでは、最も速いモデルとなります。
よくある質問
Q1:中古車のマツダ6、どれを買うべき?
A:2019年8月からのモデルですので、特に「これを買うべき」といえるモデル、年式は今のところありません。前述しましたが、好みやライフスタイルに合わせて、多彩なエンジンラインナップから選んでください。
Q2:中古車マツダ6を買うときに気を付けたいポイントは?
A:マツダ6は2019年8月から発売された新しい車ですので、今のところ気をつけたいポイントは特にありません。中古車流通台数が少ないので、車名にこだわりがなければ旧車名「アテンザ セダン」で探してみてください。
Q3:中古車マツダ6はどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサー、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車マツダ6に乗ることができます。
※当記事記載の中古車価格等の情報は、2021年5月25日時点のものです。