1989年のデビュー以来、スポーツワゴン&セダンとしての確固たる地位を築いてきたスバル「レガシィ」。1998年6月にデビューした3代目以降はレガシィセダンからレガシィB4(B4は水平対向=BOXERエンジンと4WDを組み合わせたもの)に名称変更されました。人気車種だけに中古車の流通量も多く、自分に合った1台を選ぶのはなかなか大変です。この記事では中古車のレガシィB4なら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のスバル「レガシィB4」は2017年式リミテッド
- フラッグシップモデルにふさわしい装備が搭載される年式をチョイス
レガシィB4の中古車は市場に550台ほどありますが、1998年に登場した初代B4、2003年に登場した2代目B4もかなりの台数が残っています。ただ、この2モデルを今選ぶのは走りにこだわるスバリストが中心。多くの人は2009年にデビューした2世代前か、2014年に登場した最終型から選ぶことになるはず。その中から筆者がレガシィB4を選ぶなら、最終型の後期モデルの上級グレードであるリミテッドを選びます。
最終型レガシィB4はデビュー時からアイサイトにver.3を採用。そして2017年9月に登場した後期型では全車速追従機能付きクルーズコントロールの作動範囲が従来の0-100km/hから0〜120km/hに拡大されました。これにより例えば新東名高速道路の最高速度120km/h区間でもこの機能を使うことができるようになりました。
このタイミングに合わせて後退時の自動ブレーキシステムやステアリングと連動するヘッドライトも新採用されています。
レガシィB4は最終型の一世代前(3代目B4)から車の性格が大きく変わりました。かつてはインプレッサと並ぶスポーツセダンの代名詞的な存在でスポーツ走行もこなせる能力が与えられましたが、3代目B4からはスポーティなイメージを残しつつも、スバルのフラッグシップモデルという立ち位置にふさしいプレミアム感が強調されるように。ボディサイズも3代目B4は全幅がギリギリ1,800mm以内だったものの、最終型B4は1,840mmまで広げられました。
なので、筆者はスポーティーさにこだわって古いモデルを選ぶのではなく、スバルが表現する高級感を存分に味わいながら、先進安全装備も機能が忠実したものを手に入れたい。そう考え最終型の後期モデルの上級グレード(アルミホイールが18インチになります)をチョイスします。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車レガシィB4
イチオシモデルとして紹介した最終型後期モデルリミテッド以外にも、レガシィB4はさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。最終型、3代目B4ともにフラッグシップにふさわしい風格が与えられているので、おもにボディサイズと搭載エンジン、そしてトランミッション形式に注目して選んでみてください。
レガシィB4のモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
レオーネの後継モデルとして1989年にデビューしたレガシィには、セダンとツーリングワゴンという2つのボディタイプが設定されました。水平対向エンジンと4WDシステムを組み合わせ、どんな環境でも安心して走れるグランドツーリングカーを目指しています。ちなみに現在、水平対向エンジンを市販4輪車に搭載するのはポルシェとスバルのみになります。
3代目が登場した時、レガシィセダンはB4というネーミングになり、これまで以上にスポーティーなイメージになりました。
3代目レガシィB4(シリーズ通算5代目)は2009年5月にデビュー。レガシィは北米で多くの台数が販売されていたこともあり、北米からの要望を受けてボディサイズが先代よりも大幅に拡大されました。
ボディが大きくなったとはいえ、B4の伝統であるスポーツ性能はしっかり継承。エンジンは2.5L水平対向4気筒で、CVTのリニアトロニックと組み合わせる自然吸気モデルと、5速ATと組み合わされるDOHCターボの2種類を用意。ターボモデルには6速MTも用意されました。
2010年5月の一部改良ではアイサイトの第二世代(ver.2)を搭載するモデルを設定。プリクラッシュブレーキや誤発進抑制機能、全車速追従機能付きクルーズコントロールなどが備わります。そして2011年6月の一部改良では足回りのセッティングが見直され、走行性能が高められました。
2012年5月、レガシィB4は大規模なマイナーチェンジを実施。デザインはスポーツセダンらしいシャープな印象になり、インテリアはシート表皮が変更され上質な雰囲気に生まれ変わりました。
そしてこのタイミングで2.5L NAエンジンが新世代のDOHCエンジンに変更されます。また新たにリニアトロニックと組み合わされる2L直噴ターボを設定。このエンジンは最高出力221kW(300ps)、最大トルク400N・m(40.8kg-m)を発生するとともに優れた燃費性能も両立しています。2013年5月の一部改良ではグレード体系が見直され、2.5Lターボがラインナップから消滅しました。
2014年10月、レガシィB4は最終型となる4代目にフルモデルチェンジ。北米市場を意識したこともあり、ボディサイズは全幅が1840mmまで拡大されます。その分、デザイン面ではフラッグシップらしい風格が生まれ、室内空間が広がったことで快適性もアップしました。インテリアはコンフォート性が高められ、大人のスポーティーセダンというイメージに生まれ変わりました。
搭載エンジンは2.5L NAのみに。このエンジンは先代のマイナーチェンジで採用されたものですが、部品の8割が新設計されています。
そしてこのタイミングでアイサイトがver.3へと進化。ステレオカメラがカラー認識できるようになったことで機能が大きく向上しています。
2015年9月の一部改良では、アイサイトに加えてレーダーで後側方の状況も監視するアドバンスドセイフティパッケージが標準装備されました。このパッケージには死角検知機能、車線変更支援、後退時支援のほか、ハイビームアシストが含まれます。
2017年9月には大規模なマイナーチェンジを実施。全車速追従機能付きクルーズコントロールの車速域が広がるとともに、後退時自動ブレーキアシスト、アダプティブドライビングビームなどを追加して安全性能を大幅に強化。走行面でもサスペンション、電動パワーステアリングなどに改良が加えられました。
こちらもおすすめ!タイプ別にレガシィB4の中古車を選ぶなら
●新しいものが欲しい。でも予算は抑えたい。そんなわがままを満たしてくれる「最終型レガシィB4の前期モデル」 中古市場の相場80万〜200万円
最終型レガシィB4前期モデルの新車時価格は286万2000円〜307万8000円。デビューから7年近く経ち、新車時の半額程度になっているものが見つかるようになってきました。
最終型B4はベースグレードと本革シートが備わるリミテッドの2種類を設定。流通している中古車の多くは上級グレードのリミテッドです。車両本体価格150万円付近には走行5万km前後のものも。オプションのハーマンカードンサウンドシステムがつくものは付加価値が高く、高価格帯の予算が必要です。
●水平対向4気筒ターボらしい加速感を味わえる「3代目レガシィB4 2.0GT DITアイサイト」 中古市場の相場90万〜160万円
3代目B4のハイパフォーマンスモデルという位置付けだった2.0GT DITは、2012年5月のマイナーチェンジで追加されたモデル。搭載される2L水平対向エンジンはBRZにも搭載されたFA20にツインスクロールターボで武装したもの。最高出力は221kW(300ps)、そしてわずか2000回転で400N・mというビッグトルクを叩き出します。
トランスミッションもこのビッグトルクを受け止めるために専用チューンされたリニアトロニックを搭載。走行フィーリングを変化させるSI-DRIVEにも本モデル専用セッティングが施されました。
中古車の流通台数は17台と少なめですが、100万円台前半でも比較的好条件の中古車が見つかります。
●スポーツセダンとしての走りをとことん楽しむなら「3代目レガシィB4のMTモデル」 中古市場の相場80万〜210万円
水平対向+シンメトリカルAWDのスポーツ性能を存分に引き出したい。そう考える人にとって3代目B4の前期型に設定された6速MTは魅力的な存在のはず。搭載されるのはGT Sパッケージで、2.5L DOHCターボは最高出力285ps、最大トルク350N・mを発揮します。
3代目B4はプレミアム志向に舵を切ったこともあり、MTの流通量は18台とかなり少なめ。低価格帯は修復歴があるものになり、修復歴がないものを探したいなら諸費用を含め200万円以上の予算を見ておきたいところ。
スポーツ性にとことんこだわるなら、年式は古くなりますが3代目ではなく2代目B4に注目するのもアリです!
中古車のレガシィB4ならではのチェックポイントはココ
最終型は購入前に自宅駐車場に入るか絶対確認を!
レガシィというと日本の道にジャストフィットするモデルというイメージを持つ人もいると思いますが、実際は北米でのセールスがよく、開発も北米の意向に沿ってモデルチェンジの度にボディサイズを拡大したという経緯があります。
最終型は全幅が1,840mmに達しました。これだと日本では大きすぎるということもあり、最終型では人気のツーリングワゴンが廃止され、日本向けにレヴォーグというニューモデルが誕生したほど。
マンションの駐車場だと全幅1,800mm以内という制限があるケースもあるはず。一戸建てでも駐車場に止めるとドアが開けられないというケースも考えられます(スライドドアではないのでドアの開閉にはそれなりのスペースが必要)。最終型購入を考えるなら、事前に駐車場事情を確認しておきましょう。
アイサイトは搭載されるバージョンに注目
スバルの先進安全装備といえばアイサイト。3代目B4に搭載されるのはver.2で、最終型B4はver.3になります。大きな違いはVer.3のカメラがカラー化されるとともに、視野角が広がり画像もシャープになったこと。これにより機能が大幅に増えています。
Ver.3で増えた主な機能はステレオカメラが高速道路の白線を認識して車線中央を維持するアクティブレーンキープや、すべての車速域でアクセル、ブレーキ、ステアリング操作をサポートするアイサイト・ツーリングアシストなど。
さらにマイナーチェンジ時に後退時ブレーキアシストなどの機能も加わりました。
購入時にはどのレベルの機能が欲しいかを検討してください。
3代目B4はリコール対策が施されているかを確認
3代目B4は、エンジン停止の恐れ、CVTに関するものなど、いくつかリコールがアナウンスされています。案内後に対応部品に交換されていれば何の問題もありませんが、万が一対応されていないものを手にすると、後々面倒なことになる可能性も。
購入時にはリコール対策済みかをお店に聞いてみましょう。
レガシィB4の中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
プレミアムブランドならではの雰囲気を楽しめる「現行型レクサスIS」
メルセデス・ベンツ、BMW、アウディといったドイツのプレミアムブランドのモデルにも引けを取らないレクサス。ISは走りの性能と高級感を高次元でバランスさせた大人のスポーツセダンです。
2013年5月に登場した現行型はガソリンモデルとハイブリッド、2つのパワートレインをラインナップ。2015年7月には2L直噴ターボも追加されました。
すでにデビューからかなりの時間が経っていることもあり、走行距離にこだわらなければ150万円以下で中古車を買うことも可能に。レクサスを象徴するスピンドルグリルを手に入れるチャンスです!
ハイブリッドと2Lターボが用意される前期型が狙い目「現行型日産スカイライン」
1957年に登場したプリンス・スカイライン以来、常に日産を象徴するモデルとして最先端の技術が盛り込まれてきたスカイライン。現行型の最新モデルは高精度3D地図データや最新のセンシング技術により高速道路でのハンズオフドライブも可能になったプロパイロット2.0を搭載。また、最高出力405psを発揮する3L V6エンジンを搭載する400Rもラインナップされています。
ただ、この後期モデルは最低でも340万円と中古車相場がかなり高いので、狙いはスカイライン初のハイブリッドと2Lターボをラインナップする2013年11月に登場した前期型!
中古車相場は100万円〜とかなり買いやすくなっています。
ジャーマンスポーツセダンもB4の対抗馬に「旧型BMW 3シリーズ」
2012年1月に日本導入され、2019年2月まで販売された旧型3シリーズ。ベーシックな320iとクリーンディーゼルエンジン搭載の320dは走行5万km以下で150万円以下の中古車の台数が増加しています。
旧型は日本の道路&駐車場事情に合わせて全幅を1800mmに切り詰めています。現行型はこれをやめたので、マンション住まいの人は現行型より旧型のほうがベターかも。
昔からレガシィのライバルとして取り上げられるドイツのプレミアムFRスポーツセダンをお手頃価格で探してみるのも賢い選択の一つです。
中古車のレガシィB4はここで探せ!
では、中古車レガシィB4をどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合った保証を付けることができます。
カーセンサーnetの3代目&最終型レガシィB4の掲載件数は248件、価格帯は40万~260万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月9日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車の3代目&最終型レガシィB4の掲載台数は321件、価格帯は40万~260万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月9日時点の情報です。
他に代わりがない唯一無二の存在。乗りたい人は是が非でも中古車を探して!
水平対向エンジン+4WDという唯一無二のメカニズムを搭載するスポーツセダンのレガシィB4。ライバルモデルも紹介しましたが、この乗り味はレガシィ以外のモデルでは味わうことができません。
3代目からはスバルのフラッグシップモデルにふさわしい高級感も盛り込まれているので、ラグジュアリーとはいかないまでも、ドライブを優雅な雰囲気で楽しめるはず。
ただ、あくまでスポーツセダンとして走りにとことんこだわりたい人は、モデルとしては古くなるものの2代目などを探してみるのもアリです。
よくある質問
Q1:中古車のレガシィB4、どれを買うべき?
A:最終型後期モデルでプレミアムモデルにふさわしい安全装備を手に入れる。
Q2:中古車のレガシィB4を買うときに気を付けたいポイントは?
A:自宅駐車場にサイズ制限がある人は、3代目を選んだほうが安心。アイサイトは搭載されるバージョンに注目を!
Q3:中古車のレガシィB4はどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のレガシィB4に乗ることができます。
※記事の内容は2021年6月9日時点の情報で制作しています。