5ナンバーサイズの小さなボディに3列シートを搭載するコンパクトミニバンのホンダ「フリード」。2016年9月に発売された2代目となる現行モデル、2008年5月に発売された初代モデル、どちらも人気車種だけに中古車は数多く流通しています。今回は中古車のフリードなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のホンダ「フリード」は2017年式G Honda SENSING
- Honda SENSINGが搭載された現行型が狙い目!
中古車フリード、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2017年式G Honda SENSING」を150万円で買う!!
中古市場にあるフリードは現行型と旧型に分かれます。現行型は相場が120万~300万円、旧型は相場が10万~170万円です。数あるフリードから筆者が選ぶとしたら、現行型の2017年式のガソリンモデルG Honda SENSINGです。
フリードには現行型、そして旧型ともにガソリンエンジンとハイブリッドがラインナップされます(旧型は2011年10月のマイナーチェンジで追加。ガソリン車とハイブリッドは別のモデル扱いになっています)。
燃費、環境のことを考えると当然ハイブリッドという選択肢が頭に浮かびますが、ハイブリッドの相場はやや高め。それなら手頃な価格でガソリン車を手に入れ、浮いたお金を使って家族でたくさん遊んだほうが得策と考えました。
中古車相場は旧型のほうがはるかに安くなっていますが、旧型にはまだホンダの安全運転支援パッケージであるHonda SENSINGが備わっていません。車の性格を考えるとファミリー、特に小さなお子さんがいる方が選ぶケースが多い車です。そうなると先進安全装備は欲しいところです。搭載されている中古車はグレード名に「Honda SENSING」と表記されています。
現行型ガソリン車のG Honda SENSINGは流通量が最も多いグレード。その分条件に合うものを探しやすいはず。このグレードのFF車には6人乗りと7人乗りが設定されています。中古車市場では7人乗りは流通量が極めて少ないので、6人乗りに的を絞って探すことをおすすめします。
また、個人的には2列シート仕様のフリード+も気に入っています。ただ、今回はコンパクトミニバンとしての機能を重視して3列シートを選択しました。3列シートは必要ないという方は、積極的にフリード+を検討してみてください。荷室はこちらのほうが断然使いやすくなっています。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車フリード
3〜4人家族だから普段はコンパクトな車で十分。でもいざというときに6人くらい乗れると助かる。そんな方にぴったりのコンパクトミニバン。コンパクトミニバンは選択肢がそれほど多くないジャンルですが、フリードは独自の設計で小さくても室内空間を広くしたことで、人気のあるモデルです。現行型、旧型ともに使いやすさは折り紙付き。ハイブリッドとガソリンモデルがあるので、予算に応じて選んでいきましょう。
フリードのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
2001年12月に登場したモビリオ(2列シート仕様はモビリオスパイク)の後継モデルとして2008年に登場したフリード。当時、5ナンバーサイズのコンパクトミニバンは何モデルかありましたが、モビリオ、そしてフリードはホイールベースを長くとり、またホンダ独自のセンタータンクレイアウトによる低床設計で小さいながらも広い室内空間に。3列目席にも大人が座れるだけのスペースを確保しています。
旧型となる初代フリードは2008年5月に登場。ボンネットからルーフまで斜めに一直線に続く、特徴的なワンモーションフォルムが特徴的でした。
フロアが低いので小さな子供やお年寄りも車に乗り込みやすい設計に。また、車内のフロアは段差がないフラット構造になっています(小さな段差があると、そこに足を引っ掛けてつまずいてしまうこともあるのです)。
乗車人数は7人乗り、8人乗り、そして2列シート仕様の5人乗りが用意されました。3列目席は背もたれをたたみ、左右に跳ね上げる構造になっています。取り回しのしやすいサイズ、広い空間、そして手頃な価格な支持され、フリードは2008年度下半期にミニバン販売台数No.1になりました。
2010年7月にはフリードとデザインを変えて2列仕様にしたフリードスパイクが登場。フリードスパイクはレジャー用途を見込んで荷室の使いやすさにこだわったモデル。フリードとターゲットを変えたことで、フリード同様にヒットモデルとなりました。
2010年11月にはフリードが最初のマイナーチェンジを実施。CVTを改良し、また実用燃費を向上させるECONモードを設定して、燃費性能を高めています。
2011年10月には再度マイナーチェンジを実施。このタイミングで3列目席を3人がけから2人がけに変更して余裕を持って座れるようにしました。また、エクステリアデザインも変更して精悍な印象に。そしてこのタイミングでフリードとフリードスパイクにハイブリッドモデルを追加設定しました。
2014年4月のマイナーチェンジではデザインに小変更が加えられ、すべてのグレードにスーパーUVカットフロントガラスが装備されています。
2016年9月、フリードは現行型へとフルモデルチェンジ。フリードスパイクはフリード+という名称に変わりました。フリードは3列シートのみになり、2列シートはフリード+に吸収されています。
ハイブリッドは高出力モーターを内蔵した7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を採用したスポーツハイブリッド i-DCDを採用。燃費はミニバントップレベルの27.2km/L(JC08モード)を達成します。また、ガソリン車だけでなくハイブリッド車にも4WDを設定することで多様なニーズをカバーしています。1.5Lガソリンエンジンは19.0km/L(JC08モード)です。
室内空間は1〜3列目の距離を旧型より90mm拡大。また、車内を移動するウォークスルーの幅も広げられています。
先進安全装備は衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能、アダプティブクルーズコントロールなどがセットになったHonda SENSINGを搭載。搭載車はグレード名にHonda SENSINGと表記されています。
2017年12月にはホンダのコンプリートカーブランドであるモデューロXの第4弾モデルとなるフリードモデューロXが発売されました。
デザインだけでなくサスペンションセッティングやアルミホイールの剛性最適化などによりコーナリング性能がアップ。モデューロXにはガソリンエンジンとハイブリッド、ふたつのパワートレインを搭載。Honda SENSINGも標準装備されます。
2019年10月、現行型フリードは最初のマイナーチェンジを実施。内外装のデザインが変更されて親しみやすさはそのままにより精悍なイメージに。インテリアはウォールナット調パネルを採用して高級感とくつろぎ感を高めています。
このタイミングでHonda SENSINGは全グレード標準装備に。また、下り坂でスムーズな減速が行えるようにステップダウンシフト制御をホンダミニバンで初採用。運転中の安心感がより高まっています。
こちらもおすすめ!タイプ別にフリードの中古車を選ぶなら
●燃費性能を重視したい方に「2017年式ハイブリッド」 中古市場の相場140万〜290万円
燃費性能を重視したい方は、迷わず現行型のハイブリッドを。ベーシックなチョイスはハイブリッドG Honda SENSINGがおすすめ。ナビ装着用のスペシャルパッケージとETC車載器、両側電動スライドドアが標準装備となっているので、ミニバンとしての使い勝手も高くなります。エントリーグレードのハイブリッドBだと上述した装備も、Honda SENSINGも設定されません。
快適性にもとことんこだわりたい方は上級グレードの前席シートヒーター、スライドドアのロールシェイド、プラズマクラスターエアコンなどが備わるハイブリッドEXを。
マイナーチェンジを受けた後期型のハイブリッドは170万〜280万円で見つかります。
●家族でアウトドアを存分に楽しみたい方に「2019年式クロスター」 中古市場の相場200万〜280万円
2019年10月のマイナーチェンジで追加されたクロスターは、フリードにクロスオーバーテイストを盛り込んだモデル。大自然の中で映えるデザインなのでアウトドアライフが一層楽しくなるはずです。
クロスターの中でも一番のおすすめはフリード+のクロスター。3列シートのフリードより荷室開口部を広くしているので使い勝手がいいだけでなく、リアシートを格納したら大人2人が横になれるスペースが出現。車中泊を楽しんだり、キャンプ場で急に雨が降ってきたときなどに基地として雨が止むのを待ったりするのに便利。もちろん3列シートのクロスターも便利に使えます。
流通台数はフリード+クロスターが21台、フリードクロスターが16台と少ないですが、探してみる価値は十分あります。
●コストパフォーマンスにこだわる方に「2012年式Gジャストセレクション」 中古市場の相場30万〜120万円
価格にこだわるなら選択肢は旧型に。その中で注目してほしいのが特別仕様車のジャストセレクションです。
ベーシックグレードのGに助手席側電動スライドドア、スマートキー、クルーズコントロールなどの快適装備を搭載したもので、ステアリングは上下調整に加え前後調整もできるチルト&テレスコピックステアリングです。
流通量は2012年式だけでも180台以上あり、50万円以下の中古車も見つけやすくなっています。
中古車のフリードならではのチェックポイントはココ
先進安全装備にこだわるなら現行型を!
フリードに安全運転支援システムであるHonda SENSINGが搭載されたのは現行型から。そのため、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などが欲しい方は旧型をターゲットから外してください。
現行型も前期モデルはHonda SENSINGが装備されているものといないものが混在しています。装備されているものはグレード名に「Honda SENSING」と表記されています。
先進安全装備が充実しているものが欲しい方は2019年10月以降の後期型を。前期型の装備に加え後方誤発進抑制機能が追加され、アダプティブクルーズコントロールの制御も見直されてスムーズな加減速が可能になりました。
ガソリン車にするかハイブリッドにするかはトータルコストで考える
燃費のいいハイブリッドは魅力的ですが、その分中古車価格も高くなります。現行型、旧型ともにハイブリッドのほうが10万〜20万円ほど高い印象です。
燃料代で元を取ろうとするとかなりの距離を走る必要が。それなら最初に安いガソリン車を買ったほうがトータルで考えるとお得になる可能性が大。
ただ、ハイブリッドにはガソリン車では味わえないモーターアシストによる心地いい加速など、燃費以外のメリットもあるのでどちらを選ぶかじっくり考えてみましょう。
両側電動スライドドアは絶対に欲しい装備か?
ミニバンでマストとも言える人気装備が両側電動スライドドア。現行型だと後期型はB以外で標準装備となっていますが、前期型はBに設定はなく、Gは運転席側がオプションとなっています。旧型のハイブリッドはベースグレードで運転席側は設定がなく、ガソリン車はGに設定がなく、その他のグレードは助手席側のみ標準装備で運転席側はオプションに。
日常での使い方を考えると、スライドドアからの乗り降りは助手席側からが多くなります。もちろん両側電動の方が便利ですが、逆に考えると運転席側が電動ではないものはその分価格が安くなっているのでお得とも言えます。
運転席側の電動スライドドアが欲しいかどうか買う前によく検討するとともに、とくに旧型の購入を考えている方は店頭で両側電動スライドが付いているかを確認してください。
フリードの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
3列目までしっかり使えるコンパクトミニバン「現行型トヨタシエンタ」
2015年7月に登場した現行型シエンタは、大胆なカラーリングと前衛的なボディラインが特徴的。室内は後席に行くほど着座位置が高くなるシアターレイアウトを採用し、どの席に座っても前方の視界がいいので圧迫感を感じさせない構造になっています。フリードと違って3列目シートが床下に格納できるのはシエンタのセールスポイントです。
パワートレインは1.5Lガソリンとハイブリッドを用意。ハイブリッドはJC08モードで27.2km/Lの低燃費を実現しました。ただしハイブリッドに4WDの設定がないのはフリードに比べると弱点といえるでしょう。
前期型は先進安全装備パッケージであるToyota Safety Sense Cを搭載。2018年9月以降の後期型は昼間の歩行者にも対応したプリクラッシュセーフティを搭載するToyota Safety Senseに進化しました。
大ヒットモデルだけに中古車流通量は豊富。ガソリンモデルなら100万円以下の中古車も見つけやすくなっています。
レトロな雰囲気のカスタム中古車も人気「旧型トヨタシエンタ」
2003年9月にデビューした初代シエンタは、丸いライトの愛らしいデザインが特徴的で、室内は2列目席をワンアクションでチップアップ&スライドできるようにするなど、ユニバーサルデザインにこだわったモデルです。
旧型は2010年10月に一度生産が終了するも、2011年6月にマイナーチェンジという形で再び生産が始まりました。このタイミングで四角いライトのシエンタダイスもラインナップに加わります。
3列目席はエマージェンシーシート的な位置付けで、大人が座るにはちょっと窮屈。でも短距離ならここに座ってもなんとかなります。最近ではシエンタをアースカラーにペイントしてレトロな雰囲気のカスタムを施したものが人気になっています。
3ナンバーサイズで余裕のある室内が魅力「最終型マツダプレマシー」
2017年12月まで製造されていたプレマシーは、全幅が1,750mmと5ナンバーサイズより少し広いコンパクトミニバンです。スライドドアは開口部が広いので乗り降りが楽。
おもしろいのは2列目シートで、普段は2人がけとして使い、必要なときはバスの補助席のように中央席が出現。最大7人で乗ることができるようになっています。
2013年1月にはスカイアクティブ技術を盛り込んだエンジンとトランスミッションを搭載したグレードを追加。ガソリンモデルながら燃費を16.2km/L(JC08モード)まで高めました。
中古車のフリードはここで探せ!
では、中古車フリードをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を車選びの目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証され、保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証を付けることができます。
カーセンサーnetでは、フリード、旧型フリードハイブリッド、フリードスパイク、フリード+が別モデルとして掲載されています。これらの総掲載件数は5,434件、価格帯は10万〜300万円となっています(※)。
※いずれも2021年5月30日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。
グーネットでもカーセンサーnetと同様にフリード、旧型フリードハイブリッド、フリードスパイクなどはそれぞれ別のモデルとして扱っています。中古車の総掲載台数は5,532件、価格帯は10万〜300万円となっています(※)。
※いずれも2021年5月30日時点の情報です。
どんな乗り方をするかしっかり考えて最適な仕様を選ぼう
ガソリンかハイブリッドか、2列シートか3列シートか、乗車人数は何人乗りがいいかなど、フリードは購入時にしっかり考えたいポイントがいくつかあります。面倒かもしれませんが、なんとなく選ぶと買ってから後悔する可能性も。
先進安全装備は現行型から備わっているので、ここにこだわるなら迷わず現行型を。なくても大丈夫という方は逆に旧型に注目するとお買い得価格のものがたくさん見つかりますよ!
よくある質問
Q1:中古車のフリード、どれを買うべき?
A:前期型ガソリンモデルは年式の割に中古車相場が安くお買い得が高くなっています。
Q2:中古車のフリードを買うときに気を付けたいポイントは?
A:乗車人数、ハイブリッドかガソリンか、電動スライドドアは必要かなど、購入後の使い方を考えて、最適な仕様のものを選びましょう。
Q3:中古車のフリードはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のフリードに乗ることができます。
※2021年5月30日時点の情報で制作しています。