フレアは、マツダのヒンジドア・軽トールワゴン。人気モデルのスズキ ワゴンRのOEMですので、クオリティは折り紙付き。そんなフレアのおすすめ中古車を、ワゴンRとの比較、ライバル車の中古車情報をあわせてお伝えします。
※マツダ「フレア ワゴン」は、フレアの派生モデルではなく、スズキ スペーシアのOEMでスライドドア・軽スーパーハイトワゴンとなる別車種です。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のマツダ「フレア」は、2代目・2020年1月改良モデル
- 車両価格と燃費の両方のバランスを取りたいなら、初代後期モデルのノンターボ
中古車フレア、おすすめモデルはズバリこれ。2代目・2020年1月改良モデル
フレアは、2012〜2017年式の初代と、2017年式以降の2代目の2世代があり、それぞれの世代で行われた一部改良やマイナーチェンジで、エンジンのタイプや安全装備などが変わっていきます。そんなフレアで筆者が最もおすすめするモデルは、2代目の2020年1月に行われた一部改良モデル。
このモデルは現行モデルとなります。フレアは改良が重ねられ「最新こそ最良」となる車種。車体が小さく、万が一の衝突時には不利になりがちな軽自動車ですから、安全性能が最もよいモデルをおすすめします。
2代目2020年一部改良モデルでは、元より「レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)」などの先進安全技術が採用されていましたが、新たに「後退時ブレーキサポート」、「誤発進抑制機能(後退時)」、「リアパーキングセンサー」が全車に追加されました。これにより「サポカーS・ワイド」該当車になります。
2代目のグレードは、ベーシックグレードの「XG」と上級グレードの「XS」の2つが設定されています。XSは、フロントとリアにエアロバンパーと、サイドアンダースポイラー、ルーフエンドスポイラーが加えられ、インテリアでは本皮巻ステアリング、チルトステアリング(ハンドル位置調節機構)などが装備されます。
ただ、XGでも十分な装備があります。また、新車車両価格の差は約14万円と大きな開きはありません。このためか、中古車価格帯は、同年式、同走行距離でもボディカラーなどの違いによって、上級グレードのXSのほうが車両価格が安いこともあります。
2代目フレアは全車、マイルドハイブリッドモデルとなっており、低燃費がウリです。2020一部改良モデルでは、エンジンやトランスミッションに変更はありません。
このような中古車市場の状況ですので、先進安全技術を重視するなら、2020年1月の一部改良モデルの走行距離だけに着目して探すと良いでしょう。駆動方式は、お住まいの地域やライフスタイルにより、雪道走行が多いなら4WDを選びましょう。なお、2020年式のフレアは、一部改良前のモデルも中古車市場にありますので、注意してください。
フレア 2020年一部改良モデルの中古車価格は、120〜130万円台が相場となっています。
★ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車フレア
フレアの初代モデルは、安全性能と燃費が2代目より落ちてはしまいますが、価格を考えると魅力的なモデルがあります。価格と燃費の両方のバランスをとった1モデルと、走りを重視した1モデルを、フレアの歴史とともにお伝えします。
フレアの歴史
フレアは、2012年10月25日にデビューしましたが、先代は1994年にデビューした「AZワゴン」のフルモデルチェンジで車名変更となったモデルです。AZワゴンもフレアも、スズキのヒンジドア・軽トールワゴンの「ワゴンR」のOEM供給を受けた車となります。
初代(2012〜2017年)
初代フレアは、顔つきの異なる2つのデザインをラインナップ、スポーティーで高級感を演出したモデルは「フレア カスタム スタイル」の名称で販売されていました。エンジンは、自然吸気(ノンターボ)とターボをカスタムスタイルに設定、駆動方式は2WD(前輪駆動)と4WD、トランスミッションは全車AT(CVT:無断変速機。ターボには7速マニュアルモード付き)の組み合わせとなります。エンジンには、減速時に派生するエネルギーを回生する「エネチャージ」と、アイドリングストップ、アイドリングストップ時の室温上昇を抑える「エコクール」を採用して燃費を向上させています。
グレードはモデル毎に2段階で設定、標準モデルのベーシックグレードに「XG(自然吸気)」「XS(ターボ)」、上級グレードの自然吸気モデルに「XS」、ターボモデルに「XT」となります。なお、グレード間の新車車両価格の差は約8万円と小さく、大きな装備差がないラインナップ構成となっています。
2012年12月には、標準モデルに5速マニュアルを追加、2013年7月には一部改良が行われ、燃費改善と衝突被害軽減をサポートする「レーダーブレーキサポート」、停車時と徐行中のペダルとシフトの操作ミスによる衝突回避をサポートする「誤発進抑制機能」などの安全装備をオプション設定しています。
2014年8月にマイナーチェンジが行われ、グレード構成が変更されます。このマイナーチェンジでは、「ISG(モーター機能付き発電機)」を搭載したシステム「S−エネチャージ」を採用したマイルドハイブリッドモデルに変わり、グレードはノンターボに「HS」、ターボモデルに「XT」となり、「HS」は標準モデルとカスタムスタイルの両方に、XTはターボに設定されます。マイナーチェンジ前のガソリンモデル「XG」はそのまま残りますが、全モデルに内外装が変更、HSでは新しいデザインのメーターが採用されます。さらに、CVTモデルの全車に「レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)」を設定し安全性能を向上させています。
2代目(2017年〜現在)
スズキ ワゴンRのフルモデルチェンジ後、遅れてフレアもフルモデルチェンジが実施されます。エンジンやトランスミッションは先代のものがキャリーオーバー(そのまま引き継いで採用されること)されますが、ISGは高出力化され、バッテリーを大容量化したマイルドハイブリッドモデルに進化しました。なお、初代に設定されていたマニュアル車は廃止され、全車AT(CVT:無段変速機)となります。また、先代にラインナップしていたカスタムスタイルとターボモデルも廃止され、グレード構成は自然吸気のみの2つ、ベーシックグレードの「XG」と上級グレードの「XS」となりました。駆動方式は先代に引き続き、2WD(前輪駆動)と4WDが設定されています。
2代目の安全装備は強化され、単眼カメラと赤外線レーザーレーダーを組み合わせた先進安全技術を採用、前方のクルマや歩行者を検知する、「デュアルセンサーブレーキサポート(衝突回避をサポートまたは被害軽減)」、自動でヘッドランプのハイ/ローを切り替える「ハイビームアシスト機能」や、ヘッドアップディスプレイ(運転席前方のダッシュボードに車速やデュアルセンサーブレーキサポートの作動状況を表示するもの)を装備しています。
また、燃費は軽ワゴンでは最高(OEM供給元モデル含む)の33.4km/L(2WD車)で達成しました。
2020年1月に一部改良を実施、全車に「後退時ブレーキサポート」、「誤発進抑制機能(後退時)」、「リアパーキングセンサー」を追加し、「サポカーS・ワイド」に該当しました。また、ボディーカラーに新色のアイボリー系を追加もしています。
こちらもおすすめ! <タイプ別>中古車フレア
● 車両価格と燃費を両立するなら 初代後期モデル(2014〜2017年式)ノンターボ「HS」グレード 中古市場の相場40〜90万円
2014年8月、初代はマイナーチェンジが行われました。「ISG(モーター機能付き発電機)」を搭載したシステム「S−エネチャージ」を採用したハイブリッドの後期型となります。ハイブリッドモデルのグレードは、標準モデルとカスタムのノンターボに「HS」、ターボは「XT」となり、「レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)」が追加されます。
この「S−エネチャージ」は初期型となり、後のフルモデルチェンジで大きく改良され燃費も向上しますが、初代のほうが車両価格が安いため、購入コストと維持費を両天秤にかけると、初代後期型のノンターボ「HS」がバランスが良くなります。また、4WDの設定もあります。なお、安全装備は、現行モデルほど充実していませんので、ご注意ください。
中古者相場価格は、40〜90万円台となっていますが、価格が安いタマで過走行車が見受けられますので注意してください(後述「フレアならではのチェックポイント」の項をご覧ください。標準モデルとカスタムスタイルの両方がありますが、価格はどちらが安いとは言い切れない市場状況ですので、お好みでお選びください。
● 走りを重視なら 初代後期モデル(2014〜2017年式)カスタム スタイル・ターボ「XT」グレード 中古市場の相場40〜90万円
フレアは2代目になって、自然吸気(ノンターボ)ハイブリッドモデルのみになってしまいました。走りを重視したターボモデルに乗りたいなら、初代後期モデル(2014〜2017年式)カスタム スタイル・ターボ「XT」グレードがおすすめ(標準モデルにはターボの設定はありません)。ISG(モーター機能付き発電機)を搭載したマイルドハイブリッドにターボが加わり、軽自動車にしては十分な走りを見せます。ただ、先進安全装備は現行モデルに比べると見劣りしてしまうのが注意点。
中古車相場価格は、40〜90万円となっています。価格帯だけで見ると前述のノンターボモデルとの差がありません。
● 価格重視なら 2014年式以前「XG」グレード・モデル 走行距離7万km以下 中古市場の相場25万円〜
先進安全技術はいらない、そんなに距離を乗らないから燃費は気にならない、といった価格重視の方は、2012〜2014年式の初代、標準モデル、自然吸気エンジンの「XG」グレードがおすすめです。ただ、過走行車が散見されるため、走行距離は7万km以下で探したい。この年式と走行距離なら20万円台後半から中古車市場に出ています。なお、年式が古い割に走行距離が短すぎる車は注意してください。後述の「フレアならではのチェックポイント」の項で、過走行車と年式に見合わず走行距離が短い車についての解説をしています。
フレアならではのチェックポイント
フレアの中古車流通状況を見てみると、過走行車や年式に不釣り合いな短い走行距離の車が散見されていました。これは、フレアに限ったことではありませんが、注意したいポイントです。
過走行車とは
過走行車は、日本自動車査定協会が定めた、年間平均走行距離が10,000kmを超えたものを「過走行車」とする基準があり、中古車査定ではマイナスポイントになります。過走行車は、消耗部品の交換がされていないことも多く、買った後のトラブルが起きやすい車になります。走行距離を、年式から現在の年を引いた経過年数で割ると、だいたいの年間平均走行距離がわかります。(下取りに出されてから、中古車屋の在庫で眠ったまま、ということもありますが、あくまで目安として)
年式に見合わず走行距離が少ない車とは
逆に、年式に見合わず走行距離が少ない車は、年平均で3,000km以下の走行距離が目安となります。この距離以下では、ほとんど駐車場で眠っていた車になります。車は機械モノですので、動かしてナンボ。動かさないと車は傷んでしまいます。健康な人間を無理やり寝たきりにさせたらどうなるか、とよく似ています。エンジンやトランスミッション、サスペンションなど多数の動く部品で構成されたものは、オイル切れなどを引き起こす可能性があり、いざ走り出すと調子が悪かったり、最悪故障して止まってしまう危険性もあります。
現在の乗用自家用車の平均年間走行距離は、約6,000kmとされています。中古車を買う時は、年間走行距離平均を4,000〜8,000kmの範囲で探すことをおすすめします。
比べて検討!フレアのライバル車種
ダイハツ「ムーヴ」
フレアと同じ、ヒンジドア・軽トールワゴン。ムーヴにはマイルドハイブリッドの設定がありません。同じ条件なら、ムーヴのほうが安くなる車がよくあります。ムーヴのOEM供給先はスバル「ステラ」こちらも探してみてください。
2021年5月27日時点の中古車価格帯は0.1〜175万円、平均価格は約61万円、流通台数は10,000台ほどとなっています。
日産「デイズ」
デイズもフレアと同じ、ヒンジドア・軽トールワゴン。デイズも新しい現行モデルから、ハイブリッドモデルとなり、先進安全装備も充実。走りと装備、安全装備のどれもが互角の勝負。三菱「eKワゴン」は一卵性双生児の双子車。こちらも探してみてください。
2021年5月27日時点の中古車価格帯は10〜180万円、平均価格は約96万円、流通台数は6,600台ほどとなっています。
ホンダ「N-WGN(エヌワゴン)」
N-WGNも、ヒンジドア・軽トールワゴン。ハイブリッドはありませんが、定評のあるN-BOXとパワートレイン、プラットフォームが同じの実力派。先進安全技術「ホンダセンシング」も装備(一部除く)。
2021年5月27日時点の中古車価格帯は3〜172万円、平均価格は約90万円、流通台数は2500台ほどとなっています。
中古車フレアはここで探せ!
では、中古車フレアをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
グーネット
2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。
グーネットは「グー鑑定」と呼ばれる、中古車を探している人に代わって、プロの鑑定士が中古車の車両状態を鑑定するサービスを提供。この鑑定士は第三者機関の「日本自動車鑑定協会(JAAA)」に所属。公正な鑑定が行われています。これで鑑定された中古車は、内外装、エンジンやトランスミッションといった機関、修復歴などの評価をまとめた「グー鑑定証」が与えられ、中古車情報ページの「グー鑑定」のアイコンから、その鑑定証を確認することができます。
また「ID車両」と呼ばれる中古車の品質を公正に証明するサービスも提供しています。「グー鑑定」と似ていますが、こちらはディーラー独自の基準で厳しいチェックを行った中古車の鑑定結果を「車両状態評価書」にまとめたものとなります。これは中古車情報ページの「ID車両」のアイコンから、その評価書を確認することができます。
「グー鑑定」や「ID車両」対象車は、全体の2割程度となっています。なお、非対象車は品質が良くないという意味ではありません。
さらに「グー保証」と呼ばれる、グーネット独自の中古車保証制度も提供しています。保証期間は国産車が最長3年で部品交換や修理から、移動中のキー閉じ込めなどのトラブル対応やレッカー移動などのロードサービスも全国24時間365日対応で付属(ロードサービスは自動車保険にも付いていることが多いですが)。なお、グー保証対象車は全体の1割程度となっていますが、これが付いていなくても、トヨタ保証やディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は多くあります。
2021年5月27日時点、グーネットでは、フレアの掲載件数は518件、価格帯は9~140万円、平均価格は約66万円となっています。
カーセンサー
2大中古車検索サイトのもう1つ、カーセンサー。1984年に中古車情報雑誌「カーセンサー」が創刊、今はグーネットと肩を並べる老舗中古車検索サイトとなっています。中古車掲載台数は、時期によって変動しますが約50万台。この台数はグーネットとほぼ同じで、掲載される中古車物件もほぼ同じとなります。これはほとんどの中古車販売店が、カーセンサーとグーネットの両方に掲載登録している背景があるためです。
カーセンサーは「カーセンサー認定」と呼ばれる中古車の品質鑑定情報を提供しています。鑑定は、第三者機関の「AIS」が行い、内外装の状態から目立たない小さなキズまで厳しくチェックし10段階評価しています。鑑定結果は、中古車情報ページから「車両品質評価書」で確認することができます。カーセンサー認定中古車は、全体の1割程度となりますが、この認定中古車でなくても、一般財団法人日本自動車査定協会の「V-CON」や、トヨタ、ディーラーの品質評価制度に基づく検査結果が掲載された中古車が無数にあります。
また「カーセンサーアフター保証」と呼ばれるカーセンサー独自の有償保証制度を提供。これは、エンジン、トランスミッションといった機関から細かい電装装備品まで全350項目を保証、走行距離無制限で最長3年まで加入できる手厚いものとなっています。カーセンサーもグーネット同様に、カーセンサー保証対象車でなくても、トヨタ保証、ディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は無数にあります。
カーセンサーのスマホアプリでは、写真からフレアが検索できる機能を備えています。街で見かけて気になった車を撮影して、アプリからアップロードするとフレアを特定、そのまま中古車情報を調べることができる便利な機能。中古車探しのライフハックツールとしてもおすすめです。
2021年5月27日時点、カーセンサーでは、フレアの掲載件数は540件、価格帯は45~140万円、平均価格は約94万円となっています。
イチオシは、2020年1月改良モデル。車両価格と燃費の良さの両取りをしたいのなら、初代後期モデル
フレアは、2012〜2017年式の初代と、2017年式以降の2代目の2世代のみとなりますが、改良を重ねるごとに顕著に性能がよくなっています。このため、イチオシは最も安全性能に優れる2020年1月改良モデルとなりますが、価格がまだ高い状況。車両価格と燃費を両立したいのなら、マイナーチェンジでマイルドハイブリッドとなった初代後期モデル、2014〜2017年式がおすすめとなります。
よくある質問
Q1:中古車のフレア、どれを買うべき?
A:安全性能を求めるなら、2020年1月改良モデル、走りを求めるなら、2014〜2017年式の初代後期型のターボ、車両価格と燃費のバランスを取りたいなら、2014〜2017年式の初代後期型のノンターボが狙い目です。
Q2:中古車フレアを買うときに気を付けたいポイントは?
A:過走行車と年式の割には走行距離が短い車には注意しましょう。前述の「フレアならではのチェックポイント」の項で、この点についての確認方法をご覧ください。
Q3:中古車フレアはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサー、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車フレアに乗ることができます。
※当記事記載の中古車価格等の情報は、2021年5月27日時点のものです。