5ナンバーサイズのコンパクトなボディにハイブリッドシステムを搭載したトヨタ「アクア」。そろそろモデルチェンジの噂が現実味を帯びてきていますが、今のところ現行型となる初代アクアは2011年12月に販売がスタート。間もなくデビューから10年経つこともあり、中古車は数多く流通しています。今回は中古車のアクアなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のトヨタ「アクア」は2014年式Gブラックソフトレザーセレクション
- モデルサイクルの長いアクアは価格重視で中古車を探す!
中古車アクア、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2014年式Gブラックソフトレザーセレクション」を50万円で買う‼
デビューからもうすぐ10年経つアクア。基本的なグレード構成はエントリーグレードのL、中間グレードのS、上級グレードのGという構成で、スポーティー性能を高めたG GRスポーツ、SUV的な雰囲気を盛り込んだクロスオーバーもラインナップされています。
アクアの中古車は5000台以上流通していて、中古車相場は20万〜240万円。
デビュー時はまだ先進安全装備は搭載されておらず、2015年11月の一部改良でToyota Safety Sense Cが搭載されました。
また、2014年12月と2017年6月に、2度のマイナーチェンジを受けています。特に2017年のマイナーチェンジではエクステリアデザインがかなり変わり、今風のスタイルになりました。
アクアは登録車販売台数No.1を記録したヒットモデルですが、トヨタからもライバルメーカーからもハイブリッドのハッチバックが登場したことで、デザインや装備にいささか古さも目立つようになりました。前述のようにアクアには2021年夏頃にフルモデルチェンジするという噂もあります。
それもあり、本来であれば新しさや機能性を求めて、アクアではなくデビューして日の浅いモデルを選びたいところ。ゆえに筆者がいまアクアを中古車で選ぶなら「ハイブリッドがこの価格で買える!」というコストパフォーマンスにこだわります。
2013年の一部改良でアクアはスマートエントリー&スタートシステム、盗難防止システム、コンライトをセットにしたスマートエントリーパッケージをオプション設定。最上級グレードのGブラックソフトレザーセレクションには標準装備となりました。
肌触りのいいブラックソフトレザーシートなどもつくこのグレードも車両本体価格50万円で見つけることができます。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車アクア
一押しモデルとして紹介した2014年式Gブラックソフトレザーセレクション以外にも、アクアはさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。2011年のデビューから10年経っていることもあり価格帯も幅広いので、低予算から探すことができるのも特徴です。デザインにこだわりたい方はSUVテイストが盛り込まれた派生グレードや、スポーティーなコンバージョンモデルを探してみるのもありですよ!
アクアのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
2009年に登場した3代目プリウスが空前のヒットモデルとなる中、市場からは「もっとコンパクトで価格の安いハイブリッドカーに乗りたい」という声も聞かれるようになりました。アクアはそんな要望に応える形で登場したハイブリッド専用のハッチバックです。
ボディは全長3995×全幅1695×全高1445mmという5ナンバーに収まるサイズ感。空気抵抗を減らすためにフロントガラスが大きく傾斜しているのが特徴です。全高も現代のハッチバックとしてはかなり低くなっています。
搭載されるハイブリッドシステムは2代目プリウスのものをベースにアクア用に新開発した1.5Lガソリンエンジン+モーターのリダクション機構付きTHS-II。燃費性能はL、S、GともにJC08モードで34.4km/Lを達成しました。
現在、プリウスではジョイスティックのような形状のシフトレバー(エレクトロシフトマチック)を採用していますが、アクアは一般的なゲート式のシフトレバーを採用。そのため、普通のガソリン車からの乗り換えでも違和感なく乗れるはず。
2013年の一部改良で燃費性能が高められ、JC08モードで37.0km/Lという世界最高水準を記録。さらにこのタイミングでスポーツコンバージョンシリーズとなるG SPORTS(通称G’s)が設定されました。
2014年12月には初のマイナーチェンジを実施。運転が楽しくなるようカラフルなボディカラーとインテリアカラーが多数設定されました。また、標準装備のヘッドライトはハロゲン式ですが、LEDヘッドランプパッケージを選ぶと一つの光源でハイビームとロービームが切り替えられるBi-Beam LEDヘッドランプが備わります。
そしてこのタイミングで、“都会的なセンスのクロスオーバー”をコンセプトにして、専用サスペンションで最低地上高を20mm高くしたX-URBANが新設定されています。
前述したとおり、2015年11月には先進安全装備パッケージであるToyota Safety Sense Cを搭載。この装備はGとX-URBANに標準装備、LとSは先行車発進告知機能と合わせてメーカーオプションとなりました。
2017年6月には2度目のマイナーチェンジを実施。内外装に大きく変更が加えられています。中でもフロントフェイスはライトが大きくなり伸びやかな印象が高められています。そしてこのタイミングでX-URBANのデザインも見直され、クロスモデルらしさを強調したクロスオーバーが新設定されました。
このマイナーチェンジで燃費性能もアップ。エントリーグレードのLは38.0km/L、そのほかのグレードは34.4km/Lを達成しました(いずれもJC08モード)。
2018年4月には先進安全装備がToyota Safety Senseへと進化し、昼間の歩行者も検知できるプリクラッシュセーフティが搭載されています。
こちらもおすすめ!タイプ別にアクアの中古車を選ぶなら
●安全装備にこだわるなら「2018年式G」 中古市場の相場110万〜170万円
前述したようにアクアは2015年11月のマイナーチェンジでToyota Safety Sense Cを搭載。さらに2018年4月には安全装備がToyota Safety Senseへと進化。プリクラッシュセーフティが昼間の歩行者にも対応するようになりました。
アクアのToyota Safety Senseは最新モデルでもレーダーではなく赤外線レーザータイプなのですが、先進安全装備にこだわるなら、それでも2018年4月以降のモデルがいいでしょう。まだ100万円以下で買うのは難しい年式ですが、エクステリアデザインが大きく変更されたモデルなので、古さは感じないはず。
●人とは違った雰囲気でアクアを楽しみたいなら「2018年式クロスオーバーグラム」 中古市場の相場130万〜200万円
クロスオーバーグラムは2018年に発売された特別仕様車で、クロスオーバーをベースに特別塗装色となるオリーブマイカメタリックを設定。そしてスマートエントリー&スタートシステム、インテリジェントクリアランスソナーなどが標準装備になっています。
カタログモデルとなるクロスオーバーは人気グレードで流通台数は200台ほど。一方、クロスオーバーグラムはまだ40台弱しか流通していないので特別感があります。オリーブマイカメタリックの中古車は10台強流通しています。ぜひこれを選んでアクアをシックな雰囲気で楽しんで!
●スポーツカーらしさを味わうなら「2015年式G’s」 中古市場の相場130万〜200万円
2014年12月のマイナーチェンジでアクアはボディ剛性が向上。これにより2013年に登場したGRスポーツからサスペンションセッティングの変更を行い、G’sという名称で登場しました。
専用のエアロで武装した外観、専用ブラックの内装にステッチでスポーティーに仕立てられたシートなど、ベース車のファミリー色を感じさせない雰囲気が好きという方も多いはず。G’sは流通量も多いので、価格や走行距離など条件に合うものを選びやすくなっています。
中古車のアクアならではのチェックポイントはココ
先進安全装備がついているかを店頭で要確認
アクアにToyota Safety Sense Cが備わったのは2015年11月。それより前の中古車にはいわゆる先進安全装備はついていません。今の時代、中古車を買う場合でも自動ブレーキをはじめとする安全装備はついていて当たり前と思っている方も多いでしょう。安全装備にこだわるなら最低でも2015年11月より新しいもの、できれば昼間の歩行者対応となったToyota Safety Senseに変わった2018年4月以降の中古車に的をしぼったほうがいいでしょう。
2015年11月以降のモデルでも、現在新車で販売されているものを含めてLとSは先進安全装備がオプション設定になります。Sでも流通している中古車の先進安全装備装着率は4割ほどなので、購入時には必ず店頭でToyota Safety Sense CまたはToyota Safety Senseが備わっているかを確認してください。
トヨタのハイブリッドシステムは信頼性が高い
ハイブリッドカーを中古車で購入する場合、駆動用バッテリーやハイブリッドシステムのトラブルを気にする方もいるはず。
トヨタのハイブリッドカーは歴史が長くハイブリッドシステムの信頼性も高いため、そこまで心配しなくてもいいでしょう。ちなみにトヨタの認定中古車を購入して中古車ハイブリッド保証をプラスした場合、保証期間は初度登録年月から10年(または購入から3年)、累積走行距離は20万kmが保証対象となります。このことからもシステムに対する信頼性がわかるはず。
アクアの場合、デビュー年のものが間もなく初度登録から10年に。だからといって過度に心配する必要はありませんが、万が一トラブルが発生すると高額の修理費がかかるので、気になる方はシステムの状態などをお店によく確認してください。
デザインにこだわるなら2018年6月以降のモデルを
アクアはまだ一度もフルモデルチェンジしていませんが、デビューから10年経っていることもありデザイン的には少し前の車という雰囲気が出ています。2度目のマイナーチェンジでデザインを大きく変えたのはそのテコ入れでもあります。
筆者がアクアの中古車を買うならコストパフォーマンス重視で選ぶのでデザインは気にしませんが、もし新しい雰囲気のものが欲しいと考えるなら2度目のマイナーチェンジ後のモデルを絶対条件にしてください。
アクアの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
今風のデザインにこだわるなら「ホンダフィット」
2020年2月にフルモデルチェンジしたばかりのホンダフィットは、芝犬のような愛らしくもファニーなデザインが特徴。シンプル仕様のベーシック、インテリアの素材などにこだわったホーム、スポーティーな雰囲気のネス、高級仕様のリュクス、クロスオーバースタイルのクロスターという5つのグレードが用意され、それぞれカラーリングやデザインが変えられています。
フィットは1.3Lのガソリンモデルと1.5Lエンジンに走行用モーターと発電用モーターを組み合わせたe:HEVをラインナップしています。e:HEVは日産のe-POWERに近いハイブリッドシステムですが、e-POWERが走行はモーターのみで行いエンジンは発電に徹するのに対し、e:HEVは効率の良い高速走行時に限ってエンジンを使って走れるようにしたシステムになります。
デビューから1年強でフィットのe:HEVの中古車は650台ほど流通。まだ新しいこともあり相場は140万〜270万円と高め。それでも検討する価値はあります!
ハイブリッド以外でも環境に優しい選択肢はある「マツダデミオ」
燃費が良くて環境にも優しい車というと真っ先に思い浮かぶのがハイブリッドカー。ところがハイブリッド以外にも選択肢はあります。その一つがクリーンディーゼルエンジン搭載車。
昔と違い現在のディーゼルエンジンは環境対策がしっかり施されていて排ガスはとてもクリーン。ディーゼル特有のカラカラという音も車内にいるとほとんど聞こえません。ハイブリッドカーのモーターアシストとは一味違う、ディーゼルらしいトルクフルで力強い走りも魅力です。
デミオは2014年9月にデビューした4代目(2019年9月からはMAZDA2に名称変更)に1.5Lディーゼルエンジン搭載車を設定。このクラスの国産車で唯一のクリーンディーゼル仕様は、力強い走りとコンフォートな乗り味を味わえる稀有なコンパクトカーです。
積載性に優れたマイルドハイブリッド搭載車「旧型スズキソリオ」
全高が低くコンパクトにまとめられたアクアは積載性が弱点。特に小さなお子さんがいて外出時にベビーカーやたくさんの荷物を持っていく方だと「もっと広い車が欲しい」と思うかもしれません。
そんな方におすすめしたいのがミニバンのようなシルエットをしたソリオ。居住スペース、ラゲッジともに広くて使いやすく、大きな荷物があるときも安心。そしてソリオにはISGと呼ばれるモーター機能付きの発電機が短時間ですがエンジンをアシストするマイルドハイブリッド搭載車が設定されています。スズキのマイルドハイブリッドは走行フィーリングが自然で燃費もいいのでおすすめ!
昨年11月にフルモデルチェンジした現行型は届出済み未使用車がすでに200台ほど流通。これも魅力ですが、旧型は100万円以下の中古車が多数あるので予算を抑えたい方にぴったりの選択です。標準モデルとバンディット、2つのデザインがあるので好みで選びましょう。
中古車のアクアを賢く探すのなら
では、中古車アクアをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を車選びの目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証され、保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証を付けることができます。
カーセンサーnetのアクアの掲載件数は6,771件、価格帯は20万~240万円となっています(※)。
※いずれも2021年5月18日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車のプリウス掲載台数は7,701件、価格帯は20万~240万円となっています(※)。
※いずれも2021年5月18日時点の情報です。
価格か、デザインか。こだわるポイントで選ぶ年式が変わってくる
アクアはモデルサイクルが長い分、中古車相場の幅が大きくなっています。そのため何にこだわるかで予算はもちろん、中古車の探し方も大きく変わってくるモデルです。
筆者のように予算にこだわるなら低年式の中古車から条件のいいものを探すことをおすすめします。反対にデザインにこだわる方は、高年式の後期モデル、あるいはX-URBANやクロスオーバーといった派生グレードをチョイスしてみましょう。
どの年式、どのグレードも流通量は豊富にあるので、条件に合う中古車は探しやすいはずです。じっくり選んでみてください。
よくある質問
Q1:中古車のアクア、どれを買うべき?
A:おすすめは現行型前期モデルのGブラックソフトレザーセレクション。装備が充実しているし、インテリアも豪華なので予算を抑えた選び方でも満足度は高いはず。
Q2:中古車のアクアを買うときに気を付けたいポイントは?
A:モデルサイクルが長いので、中古車選びで何を最優先したいかをしっかり考えて。予算重視か、デザイン重視か、走りにこだわるかで見るべき年式などが変わってきます。
Q3:中古車のアクアはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のアクアに乗ることができます。
※記事の内容は2021年5月18日時点の情報で制作しています。