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中古車の日産「スカイライン クーペ」モデル別相場と正しい買い方徹底解剖

中古車の日産「スカイライン クーペ」モデル別相場と正しい買い方徹底解剖
中古車の日産「スカイライン クーペ」モデル別相場と正しい買い方徹底解剖

クルマ好きでなくても「スカイライン」の車名をご存じの方は多いでしょう。スカイラインの2ドアクーペの中古車をお探しの方に、歴代モデルの中古車相場価格や選び方のアドバイスなどをまとめてお伝えします。

※本記事では「GT-R」以外のスカイライン クーペについて記述しています。

この記事のPOINT

  •  一番推したい中古車の日産「スカイライン クーペ」は、R32型 GTS-t タイプMとV36型
  •  V35型からがらりと性格が変わる

中古車スカイライン クーペ、おすすめモデルはズバリこれ。R32型 GTS-t タイプMとV36型

スカイライン クーペは、博物館展示車クラスのクラシックカーやコレクターズアイテム的なもの、1990年代を中心としたスポーツクーペ、型式がVから始まるがらりと性格がかわったラグジュアリースポーツクーペに大別されます。

いずれも趣味性の高いクルマとなりますが、筆者の個人的なおすすめモデルは次の2モデルです。

R32型 GTS-t タイプM(1989〜1993年)

R32型 GTS-t タイプM(1989〜1993年)

2.0Lターボエンジンを搭載したスポーツモデル。デザイン面でも人気を博しました。中古車相場価格は、200万〜300万円、状態の良いものは「ASK」となっており、ものによっては400万円を超えてきそうです。大切に乗れば、価値は下がらないでしょう。

V36型

V36型

スカイライン クーペとしては最終型となった「V36型」。V36型の先代、V35型からのスカイラインファンに「スカイラインじゃない」といわせてしまいましたが、V系スカイライン クーペは、北米市場ではインフィニティブランドで販売することを基準に企画・開発されたため、往年のスカイラインとは大きく異なる性格になりました。しかし、大排気量V6エンジンのゆったりとした走りをはじめとした高い性能を誇るモデルです。アメリカンテイストも感じるラグジュアリースポーツクーペとして乗るならすばらしい1台です。

★歴代スカイライン クーペの中古車相場価格

1962年から始まるスカイライン クーペの歴史。最終型となる12代目V36型までの各世代の中古車相場価格をまとめてお伝えします。

スカイライン クーペの歴史

初代 プリンス・スカイライン スポーツ(1962年)

初代 プリンス・スカイライン スポーツ(1962年)

元祖スカイライン クーペがこちら。当時は日産ではなく前身の「プリンス」。当時日本初となるイタリアン・デザインを取り入れた車で、デザインはミケロッティによるもの。2ドアクーペのほか、コンバーチブルもラインナップした。生産台数はわずか60台。もはや博物館展示レベルの名車で、中古車市場に流れることはまずない。

3代目 通称「ハコスカ」スカイライン(C10型)

3代目 通称「ハコスカ」スカイライン(C10型)

2代目スカイラインには、2ドアクーペが設定されなかった。3代目には2ドアクーペが設定されるが、名称は「2ドア ハードトップ」とされた。ハコスカといえば「GT-R」が有名だが、普通の4ドアセダン、2ドアクーペの「GT」も販売されていた。C10型スカイラインは、中古車市場で流通しているが、価格は「ASK」。推定価格は800万円以上だろう。

4代目「ケンメリ」スカイライン C110型(1972〜1977年)

4代目「ケンメリ」スカイライン C110型(1972〜1977年)

「ケンとメリーのスカイライン」のキャッチコピーから「ケンメリ」の愛称がついた。ケンメリGT-Rの生産台数はわずか197台、中古車価格は推定1,000万円以上といわれている。GT-Rではない普通の2ドアクーペ「GT」「GT-X」などがラインナップしていたが、こちらも1,000万円超の中古車価格が推定される。なお、ケンメリスカイラインもクーペと呼ばれず、2ドアハードトップと呼ばれた。

5代目 「ジャパン」スカイライン C210型(1977〜1981年)

5代目 「ジャパン」スカイライン C210型(1977〜1981年)

※2ドアハードトップの画像がないため4ドアで掲載しました。

厳しい排ガス規制の中、フルモデルチェンジ。ジャパン・スカイライン発売時は、ターボやDOHCエンジンが搭載されていない。中古車市場では数が少ないが流通しており、価格帯は500万〜800万円以上となっている。

6代目「ニューマン」スカイライン、後期型RSは「鉄仮面」R30型(1981〜1990年)

6代目「ニューマン」スカイライン、後期型RSは「鉄仮面」R30型(1981〜1990年)1

前期型

6代目「ニューマン」スカイライン、後期型RSは「鉄仮面」R30型(1981〜1990年)2

後期型 RS「鉄仮面」

6代目のマイナーチェンジで「RS」のフロントフェイスが大幅に変更され、薄型ヘッドライトにグリルレスとなり「鉄仮面」の愛称がついた。6代目は圧倒的に鉄仮面の人気が今でも高い。RSの2ドアハードトップの中古車価格帯は200万円台くらいから散見されるが、状態の良いものは500万円以上、「ASK」表示のタマも目立つ。

7代目 「7th(セブンス)」スカイライン R31型(1985〜1989年)

7代目 「7th(セブンス)」スカイライン R31型(1985〜1989年)1

前期型

7代目 「7th(セブンス)」スカイライン R31型(1985〜1989年)

後期型

7代目スカイラインのフルモデルチェンジ時は、4ドアのみで発売されたが、1年遅れて2ドアクーペ「GTS」が登場した。この世代から「2ドアクーペ」と呼ばれるようになった模様。フルモデルチェンジした7代目は強いスポーツ路線を打ち出し、GTSは、70km/h以上でフロントリップスポイラーが自動で下りて「GTオートスポイラー」や、当時では珍しいセラミックターボを搭載した。中古車市場では、200万円台からのタマを見かけるが、カスタムされたものが多い。

8代目 R32型 スカイライン(1989〜1993年)

8代目 R32型 スカイライン(1989〜1993年)

GTS-t タイプM。当時単に「タイプM」と呼ばれていたことも。

「R32」といえば復活したGT-Rの代名詞となっているが、おとなしめのセダンや2ドアクーペもラインナップされ、これらも型番は「R32」(正確にはGT-Rの型番は「BNR32」)。2.5Lターボを搭載した「GTS- t タイプM」はGT-Rの性能には及ばないが、GT-Rより安く高い走行性能が得られたことで、人気を集めた。中古車市場価格帯は、150万〜400万円(本記事執筆時点)となっていたが、状態が良く、無改造なら500万円を超えるタマが出てきてもおかしくはないだろう。

9代目 R33型 スカイライン(1993〜1998年)

9代目 R33型 スカイライン(1993〜1998年)

9代目の開発時、2ドアクーペは4ドアよりホイールベースを短くする予定だったが、コスト削減のため、4ドアと同じになり、結果として前後に間延びしたようなデザインとなってしまったという話がある。人気もいまひとつだった。先代に引き続き、「GTS-t タイプM」がラインナップされている。中古車市場価格は、80万〜300万円とR32型より割安感あり。とはいえ、状態の良いタマは年式の割に強気な価格設定をしてきている。人気が低めのモデルでも“腐っても鯛”なのがスカイライン。

10代目 R34型 スカイライン(1998〜2002年)

10代目 R34型 スカイライン(1998〜2002年)

10代目も“非GT-R”の2ドアスポーツクーペが設定されたが、当時はS15型シルビアの人気が高く、日産ブランド内でライバル関係となり、スカイラインが負けてしまった。なお、この世代で、“非GT-R”のスポーツ路線が終了、Rから始まる型番はGT-Rのみに譲られた。しかし、現在の中古車市場では高値の傾向。“非GT-R”の「25GTターボ(2.5Lターボエンジン搭載)」 で状態の良いものは400万〜500万円あたりが相場価格となっている。

11代目 V35型 スカイライン クーペ(2001〜2007年)

11代目 V35型 スカイライン クーペ(2001〜2007年)

※2ドアクーペの画像がないため4ドアで掲載しました。

型番は「V」から始まるものに変わり、車名も「スカイライン クーペ」となった。なお、先代まで用いられていた「2ドアスポーツクーペ」の名称は使われなくなり、スポーツ路線からスポーティーさは残しつつもラグジュアリークーペ路線へと変更された。Rから始まる型番は、GT-Rのみに残された。エンジンは先代まで伝統的に採用されてきた直列6気筒から、V型6気筒へ変わり、デザインもそれまでのスカイラインのイメージとは大きくかけ離れ、アイデンティティだったリアの丸形4灯式ランプも採用されなかった。また、先代までに採用されていたスカイラインのエンブレムは日産のものに変えられ、スカイラインのファンには受け入れ難いモデルとなってしまった。このため、中古車価格は、新車販売時では人気薄だった先代(10代目R34型)よりも相場は安く、30万〜200万円の価格帯となっている。しかし、11代目V35型をスカイラインとしてではなく、ラグジュアリースポーツクーペとして見るなら、総合的に性能は高いモデルであった。その証拠として、4ドア車では警察の高速機動隊用のパトカーや、覆面パトカーに採用されている。

12代目 V36型 スカイライン クーペ(2008〜2016年)

12代目 V36型 スカイライン クーペ(2008〜2016年)

エンジンは、12代目V36型スカイライン クーペのフルモデルチェンジの1年前、先に発売された4ドアセダンのものから多くの部品が見直された、新しい3.7L・V6エンジンが採用された。デザインも先代のイメージを踏襲したラグジュアリースポーツクーペとなった。先代も含め、スカイラインは北米で販売される「インフィニティ」ブランドのモデルとして開発されており、日本の往年のスカイラインファンに向けた企画とは異なっている。V36型も先代に引き続きポテンシャルの高いモデルである。なお、2016年のフルモデルチェンジ時にクーペは消滅、GT-Rは車名からスカイラインが外れているため、V36型がスカイライン クーペの最後のモデルとなった。中古車価格帯は、40万〜325万円。

 

スカイライン クーペならではのチェックポイント

R35型以前のスカイライン クーペを探されるなら、販売店としっかりとコミュニケーションを取り、前オーナーの使い方や、改造されているところなど、聞けるところは隅々まで聞いて情報収集をされることをおすすめします。保証が付かないタマだったり、付いてもごく短い期間となりますので注意しましょう。

V35型、V36型スカイラインを購入されるなら、しっかりと保証が付いたものを探すようにしてください。V36型なら、保証期間1年以上、走行距離無制限のものが安心です。

比べて検討!スカイライン クーペのライバル車種

レクサス「SC」

レクサス「SC」

V36型のライバル。元はトヨタ ソアラ。2021年7月17日時点の中古車価格帯は70万〜340万円、平均価格は約160万円、流通台数は60台ほどとなっています。

中古車スカイライン クーペはここで探せ!

では、中古車スカイライン クーペをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。

グーネット

2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。

グーネットは「グー鑑定」と呼ばれる、中古車を探している人に代わって、プロの鑑定士が中古車の車両状態を鑑定するサービスを提供。この鑑定士は第三者機関の「日本自動車鑑定協会(JAAA)」に所属。公正な鑑定が行われています。これで鑑定された中古車は、内外装、エンジンやトランスミッションといった機関、修復歴などの評価をまとめた「グー鑑定証」が与えられ、中古車情報ページの「グー鑑定」のアイコンから、その鑑定証を確認することができます。

また「ID車両」と呼ばれる中古車の品質を公正に証明するサービスも提供しています。「グー鑑定」と似ていますが、こちらはディーラー独自の基準で厳しいチェックを行った中古車の鑑定結果を「車両状態評価書」にまとめたものとなります。これは中古車情報ページの「ID車両」のアイコンから、その評価書を確認することができます。

「グー鑑定」や「ID車両」対象車は、全体の2割程度となっています。なお、非対象車は品質が良くないという意味ではありません。

さらに「グー保証」と呼ばれる、グーネット独自の中古車保証制度も提供しています。保証期間は国産車が最長3年で部品交換や修理から、移動中のキー閉じ込めなどのトラブル対応やレッカー移動などのロードサービスも全国24時間365日対応で付属(ロードサービスは自動車保険にも付いていることが多いですが)。なお、グー保証対象車は全体の1割程度となっていますが、これが付いていなくても、トヨタ保証やディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は多くあります。

2021年7月17日時点、グーネットでは、スカイライン クーペの掲載件数は411件、価格帯は29万円以上となっています(プレミア価格の中古車が比較的多く流通しています。なお、グーネットでは「スカイライン クーペ」の車種名カテゴリが設定されていません)。

カーセンサー

2大中古車検索サイトのもう1つ、カーセンサー。1984年に中古車情報雑誌「カーセンサー」が創刊、今はグーネットと肩を並べる老舗中古車検索サイトとなっています。中古車掲載台数は、時期によって変動しますが約50万台。この台数はグーネットとほぼ同じで、掲載される中古車物件もほぼ同じとなります。これはほとんどの中古車販売店が、カーセンサーとグーネットの両方に掲載登録している背景があるためです。

カーセンサーは「カーセンサー認定」と呼ばれる中古車の品質鑑定情報を提供しています。鑑定は、第三者機関の「AIS」が行い、内外装の状態から目立たない小さなキズまで厳しくチェックし10段階評価しています。鑑定結果は、中古車情報ページから「車両品質評価書」で確認することができます。カーセンサー認定中古車は、全体の1割程度となりますが、この認定中古車でなくても、一般財団法人日本自動車査定協会の「V-CON」や、トヨタ、ディーラーの品質評価制度に基づく検査結果が掲載された中古車が無数にあります。

また「カーセンサーアフター保証」と呼ばれるカーセンサー独自の有償保証制度を提供。これは、エンジン、トランスミッションといった機関から細かい電装装備品まで全350項目を保証、走行距離無制限で最長3年まで加入できる手厚いものとなっています。カーセンサーもグーネット同様に、カーセンサー保証対象車でなくても、トヨタ保証、ディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は無数にあります。

カーセンサーのスマホアプリでは、写真からアリオンが検索できる機能を備えています。街で見かけて気になった車を撮影して、アプリからアップロードするとアリオンを特定、そのまま中古車情報を調べることができる便利な機能。中古車探しのライフハックツールとしてもおすすめです。

2021年7月17日時点、カーセンサーでは、スカイライン クーペの掲載件数は299件、価格帯は38万~325万円、平均価格は約128万円となっています。

V35型11代目スカイラインでがらりと性格が変わる

往年の名車、スカイラインの醍醐味を感じられるのは、R35型10代目まで、V35型11代目からは、ラグジュアリークーペ路線へと変わり、スカイラインのアイデンティティが大きく減少します。ただ、V36型12代目と併せて、ラグジュアリースポーツクーペとして非常に高い性能を誇ります。大排気量エンジンで、ゆったりとクルージングするのには最高のクルマとなるでしょう。

よくある質問

Q1:中古車のスカイライン クーペ、どれを買うべき?

A:スカイライン クーペは日常の足として使うクルマというより、趣味のクルマです。ずばり、ご自身が気に入ったモデルを買うべきです。

Q2:中古車スカイライン クーペを買うときに気を付けたいポイントは?

A:最終型V36型スカイライン クーペを買うなら、しっかりとした保証が付いたものを、プレミア価格となる古いスカイラインを買うのなら、販売ディーラーとしっかりとコミュニケーションを取って状況を理解の上、購入するようにしましょう。詳しくは「スカイライン クーペならではのチェックポイント」の項をご覧ください。

Q3:中古車スカイライン クーペはどこで手に入れればいい?

A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサー、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車スカイライン クーペに乗ることができます。

※当記事記載の中古車価格等の情報は、2021年7月17日時点のものです。

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