ダイハツの人気軽自動車「ムーヴ」の派生車として登場したムーヴコンテ。ムーヴの良さをそのまま引き継ぎつつもスクエアなスタイルを追求。その居心地の良さが人気を博し、販売終了から4年以上が経つ現在でも中古車の流通量は1500台を優に超えています。それだけに自分に合った1台を選ぶのはなかなかたいへんです。今回は中古車のムーヴコンテならどのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のダイハツ「ムーヴコンテ」は2016年式 カスタムG
- 流通する中古車の多くは多走行車なので状態に注意
中古車ムーヴコンテ、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら2016年式カスタムの「G」を80万円で買う!
ムーヴコンテにはノーマルとカスタムの2つの仕様があり、ノーマルでは「L」と「X」、カスタムでは「X」、「G」、「RS」と、合計5つのグレードで構成されています。いずれもトランスミッションはCVTで、それぞれに2WD車と4WD車の設定があります。
この中で筆者がおすすめしたいのはカスタムの「G」です。
まず、ノーマル仕様の「X」にはキーレスエントリーなどが装備されているものの、マニュアルエアコンや14インチフルホイールキャップなどで価格を抑えた廉価なベースグレード。上級グレードの「L」も足回りはホイールキャップのまま。アルミホイールに変わるのはカスタムの「G」よりも上のグレードからになります。
「G」はインテリアの装備も充実。ステアリングホイールは本革巻き、メッキオーナメント+プレミアムシャインブラックベゼル付きという豪華さで、キーフリーシステム、マルチインフォメーションディスプレイも装備。
さらにこのグレードからスピーカーの数も4つから6つに変更。車内で快適に過ごすための装備が多く取り入れられています。ちなみに2015年の一部改良によってボイスコントロールナビがメーカーオプション設定で装着できるようになっているので、中古車購入時にチェックしてみるといいでしょう。
また、「G」より上のグレードである「RS」はターボを搭載したモデル。パワフルな走りに合わせて、足回りのアルミホイールを15インチに広げ、さらにローダウンサスペンションを採用し、こだわった内容になっています。高速道路などをよく走る、ロングドライブをするということでないのであれば、そこまで重視する必要ないかと考えます。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車のムーヴコンテ
イチオシモデルとして紹介したムーヴコンテカスタムの「G」以外にも、ムーヴコンテはさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。
例えば、コスパ重視で行くのであればベースグレードの「L」で十分。予算30万円で思わぬ掘り出し物に巡り合えるかもしれません。どうしてもオートエアコンやキーフリーシステムを外せないという場合は1つ上のグレードである「X」を狙っても50万円以内で購入できるでしょう。
ムーヴコンテのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
ダイハツの代名詞ともいうべき代表車種、ムーヴの派生モデルとして2008年に誕生したのがこのムーヴコンテ。居住性の高さを求めたため、ムーヴとは異なり直線・平面的なデザインになっています。車内空間は「ゆったりとくつろげる部屋」をコンセプトに。直線基調のインパネ、縁にパイピングを施し、80mm電動スライドして楽に乗り降りできるパワーエントリーシートを搭載したプレミアムソファーシートなどを採用して室内の居住性を高めました。
このムーヴコンテと同時にデビューしたのがドレスアップモデルのムーヴコンテカスタム。バンパー、ヘッドランプ、フォグランプなどのデザインが大幅に異なり、より押し出しを強めたモデルとなりました。
デビューからおよそ1年3ヶ月が経過した2009年12月に最初の一部改良。グレード体系が変更されて、ムーヴコンテに当初設定されていた「L Limited」、「X Limited」を廃止。特別仕様車扱いだった「X Special」をカタロググレードとした上で最上級グレードの「G」を追加。ムーヴコンテカスタムは新たに「X Limited」を追加し、全車にトップシェイド付きのフロントウインドウを採用しました。
それから半年後には仕様変更。ムーヴコンテの中で唯一の4AT車だった「L」を廃止に。これで全車がCVT仕様になりました。そして1年後の2011年には初のマイナーチェンジを迎えます。
この時のマイナーチェンジでの最大の変更はエンジン。5代目ムーヴに使用していたエンジンを採用するとともに、「X」と「カスタムG」には同じく5代目ムーヴに採用されているアイドリングストップ機構「eco IDLE(エコアイドル)」も搭載。これにより燃費も大幅に向上しました。
これに合わせてフロントグリルを一新し、センタークラスター色をダークシルバーに変更。平均燃費計も追加しました。また、「L」を除く全グレードに標準装備されているキーフリーシステムには運転席リクエストスイッチを追加したことで前期型の特徴だった「パワーエントリーシート」は廃止となりました。
その後、ムーヴコンテは細かな一部改良が1年に1回ペースで行われていきました。2012年4月には全車にミライースに採用されている「e:Sテクノロジー」のうち、新エンジンと改良型CVTを組み合わせたパワートレインと停車前アイドリングストップ機能付き新型「eco IDLE」を採用したことで燃費が大きく向上。さらに5月末にはムーヴコンテカスタムにターボエンジンを搭載した「RS」が新たに加わりました。
その1年後の2013年にも通算3回目の一部改良。今回はムーヴコンテの内外装を刷新し、ボディカラーを追加するとともに、ツートーンカラーを3パターン発表。より個性豊かな車へなっていきました。
その後2014年にはスマートフォンとの連携ナビゲーションシステムを備えた特別仕様車「スマートセレクションSN」、「VS」が登場し、続く2015年には「L」をベースに豪華な装飾を施した特別仕様車「L“VS II”」が誕生しました。
ムーヴコンテは2017年3月をもって販売終了。一度もフルモデルチェンジを行うことなく9年間の歴史に幕を下ろしました。
こちらもおすすめ! タイプ別にムーヴコンテの中古車を選ぶなら
●予算30万円以内で購入するなら「2010年式X」 中古市場の相場10万~100万円
ムーヴコンテの中古車平均価格は40万円ほど。元々リーズナブルな価格で買える車ではありますが、さらにコスパを追求したいという方には2010年5月以降のベースグレードとなる「X」がおすすめ。
装備はキーレスエントリー、マニュアルエアコンなどあくまで最低限のものばかりで足回りもホイールキャップですが、その分コスパは抜群で、30万円以下からでも十分狙えます。
流通しているムーヴコンテの大半が2012年の一部改良前のため、走行距離はある程度走っているモノが多いですが、予算30万円であれば7万km台のものであれば十分狙えそうです。
●走りを楽しむなら「2014年式カスタムRS」 中古市場の相場10万~120万円
スクエアなフォルムで居住性の良さが魅力のムーヴコンテですが、やはり走りも楽しみたいという方にはカスタムの最上級グレードである「RS」がいいでしょう。ムーヴコンテ唯一のターボエンジンを積んだグレードで、それに合わせるように15インチのアルミホイール、ローダウンサスペンションにスタビライザーも採用するなど、走ることに合わせて必要な装備を備えています。
スポーティーな走りに合わせて内装もチェンジ。ステアリングホイールが革巻きになった上、メッキオーナメント+プレミアムシャインブラックベゼル付きという特別なもの。高級感あふれる仕様に満足すること間違いなしです。
●インテリア・エクステリアの装備を充実させるなら「2014年式VSスマートセレクションSN」 中古市場の相場50万~100万円
元々居住性の高さが人気の秘訣となったムーヴコンテ。ならば車内をより充実させたいと考えることでしょう。そんな方向けなのが特別仕様車の「VSスマートセレクションSN」。「X」「カスタムX」をベースにスマートフォン連携ナビゲーションシステム、スーパーUV&IRカットガラス(フロントドア)、スーパーエアクリーンフィルターを特別装備しただけでなく、「X」ではカラードエアロリアバンパー(リアリフレクター付き)を装備してフロントグリルとフォグランプベゼルにパールホワイトを採用し、さらにリアコンビランプをクリアクリスタル化しています。
「カスタムX」にはフロントグリルにライトスモークメッキを採用しました。加えてステアリングは上級グレードの「カスタムG」や「カスタムRS」と同じ革巻き(メッキオーナメント・プレミアムシャインブラックベゼル付き)にグレードアップ。アルミホイールは15インチにサイズアップし、専用デザインに変更するなど内外装ともにゴージャスな雰囲気に。ほかの誰とも被らない車がいいという方にはピッタリです。
ムーヴコンテの中古車ならではのチェックポイントはココ
低走行車は貴重なだけに即決を!
中古車市場に流通しているムーヴコンテの多くは2008年から最初の一部改良が行われた2012年までの前期型。モデル後期になればなるほど流通量が少なくなってきている上、前期型は走行距離も多いものが目立ちます。
それだけに走行距離が少ない車はかなり希少。3万km以下の低走行車は100台前後しかないため、状態がいいものを見つけたら早めに購入するようにしたほうがいいでしょう。
2013年~2014年式はエンジンの状態に要注意
2013年~2014年式のムーヴコンテに限った話ですが、この時期に販売されたムーヴコンテはCVTのトルクコンバータにおいて内部ベアリングの製造に不適切な箇所があったため故障のリスクがあります。そのため、この期間に販売されたムーヴコンテはリコールの対象となっています。
そのため購入時にはステッカーや点検記録簿などで改善措置を受けたかどうかを必ずチェックするようにしましょう。
先進安全装備はついていない
軽自動車だけに安全性能にも気を配りたいところですが、ムーヴコンテの場合は先進安全装備が登場する以前に開発されたため、すべての時期を通じて安全性能の違いはありません。
ムーヴコンテの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
走りの楽しさを追求するなら「初代ホンダN-ONE」
ムーヴコンテよりも後発ながら、かわいらしいデザインで男女問わずに人気のN-ONE。つい最近、2代目にモデルチェンジをしましたが、初代で好評だった外観にはほとんど手が入りませんでした。丸みを帯びたキュートなフォルムとは裏腹に搭載するエンジンは直3DOHCと直3ターボの2種類に全車ミッションはCVTが組み合わされるという本格志向。
中でもターボ車にはハンドルから手を離すことなくシフトチェンジが可能なパドルシフトを装備しているため、ムーヴコンテ以上に本格的な走りが楽しめることは間違いありません。また2017年12月のマイナーチェンジ以降はよりスタイリッシュなデザインに変わったこともあり、軽自動車でも楽しく走れる車が欲しい人にはピッタリです。
女性ドライバーにうれしい装備が欲しいなら「スズキラパン」
居住性の良さであれば、アルトラパンもムーヴコンテに引けを取りません。アルトの派生モデルとして誕生し、ウサギをモチーフにしたエンブレムを採用。お弁当箱をイメージしたという箱型に丸みを加えた独特なシルエットが印象的で、居住性重視のスクエア型のフォルムのムーヴコンテといい勝負です。
アルトラパンの長所は女性目線での装備。空気清浄機能のある「ナノイー」を搭載したフルオートエアコンをはじめ、運転をサポートしてくれる全方位モニターなど、女性にうれしい装備が数多く採用されています。
よりかわいらしいフォルムを求めるなら「ダイハツミラココア」
同じダイハツ車ではありますが、ミラココアもまたミラをベースとした派生モデル。ムーヴコンテとは異なり、丸みを帯びたフォルムがどこか愛らしく女性好みするデザインになっているのが特徴ですが、エクステリアの個性を求めるなら、ミラココアのほうがバリエーションに富んでいるといえるでしょう。
ムーヴコンテにはよりスポーティーになるカスタムモデルがありますが、ミラココアの場合はカスタムの代わりにミラココアプラスというモデルが。こちらにはルーフレールが装着されるなど通常よりも個性的なデザインに。さらに上級グレードの「G」を選ぶとバックモニター内蔵のルームミラーが装着。運転に自信がない人にはうれしい装備です。
中古車のムーヴコンテを賢く探すなら
では、中古車のムーヴコンテをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証をつけることができます。
カーセンサーnetのムーヴコンテの掲載件数は1,901件、価格帯は10万~110万円となっています。
※いずれも2021年7月24日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証がつく「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車のムーヴコンテの掲載台数は1,918件、価格帯は10万~130万円となっています(※)。
※いずれも2021年7月24日時点の情報です。
居住性優先なら「G」以上のグレードを。低走行車は即決を!
スクエアな形状で室内空間が広く取れるため、居住性の高いムーヴコンテ。中でもインテリアの質にこだわるのであれば「G」が一押し。ステアリングホイールは本革巻きでメッキオーナメント+プレミアムシャインブラックベゼル付きという豪華さで、さらにこのグレードからスピーカーの数も4つから6つに変更。車内で快適に過ごすための装備が多く取り入れられています。
注意点としては10年以上年式が落ちた車も多く流通していて、走行距離が10万kmを超えているものもザラにあります。それだけに走行距離3万km以下の低走行車を見つけた場合は即決するくらいの気持ちで臨んだほうがいいでしょう。
よくある質問
Q1:中古車のムーヴコンテ、どれを買うべき?
A:おすすめはインテリア、エクステリアの装備が充実している「カスタムG」ですが、高速道路での走行など、ある程度走りにこだわりたいという方はターボエンジンを備えた「カスタムRS」を選んだほうがパワー不足を感じることなく走れるので、気になる方はそちらをチェックしてみるのもひとつの手です。
Q2:中古車のムーヴコンテを買うときに気を付けたいポイントは?
A:内装の装備など、グレードごとの違いがはっきりとしている車なので希望する装備のあるグレードを選ぶのが一番ですが、中古車として流通しているムーヴコンテの大半は一部改良前の前期型になるため、年式も古く、走行距離も多走行気味になっているケースが見られます。そのため状態面のチェックを怠らないようにしましょう。
Q3:中古車のムーヴコンテはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のムーヴコンテに乗ることができます。
※記事の内容は2021年7月時点の情報で制作しています。