コンパクトカーとSUVを融合させた、新ジャンルのクロスオーバーSUV、スズキ「イグニス」。扱いやすい全長4mを切るコンパクトなボディながらも、最低地上高は180mmとしっかりと取られ悪路走破性も考えられたモデルです。そんなイグニスの中古車をお探しの方に、モデルラインナップ構成のまとめとともに、おすすめグレードと選び方の注意点をお伝えします。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のスズキ「イグニス」は「ハイブリッド MZ」グレード
- 冬場はスタッドレスを履く!という方は4WDを
中古車イグニス、おすすめモデルはズバリこれ。「ハイブリッド MZ」グレード
スズキ「イグニス」は、コンパクトカーとSUVを融合した新ジャンルのクロスオーバーSUVとして、2016年1月にデビュー。全長は3,700mmと軽自動車よりひとまわり大きい程度のコンパクトさで運転が苦手な方にも扱いやすく、全高は1,605mmと高めな設計でアイポイントが高く広い視界が確保できる運転のしやすさがウリ。また、クロスオーバーSUVとはいえ、最低地上高は180mmと、本格的なSUVと同等のクリアランスを確保。悪路の走行もしやすい設計となっています。
コンパクトなボディながら、室内のユーティリティはしっかりと設計され、リアシートはスライド機構付きで使い方にあわせたアレンジを可能とするなど、使い勝手が向上されています。
エンジンは、スズキ ソリオにも搭載されている、1.2L自然吸気(ノンターボ)のハイブリッドを搭載。エンジン最高出力91PS、最大トルク118N・m、モーター最高出力3.1PS、最大トルク50N・mという十分なスペックで、軽量化されたボディと相まって軽快な走りを見せます。なお、駆動方式は2WD(前輪駆動)と4WDを設定しています。
グレード構成は、デビュー当時は3タイプ、2020年2月の一部改良で最上級グレード「ハイブリッド MF」が追加され、現在は4グレード構成となっています。
安全装備は、デュアルカメラブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)、車線逸脱警報、先行車発進お知らせ機能、誤発進抑制機能、ふらつき警報機能などを備えた「スズキ セーフティサポート」を装備、デビュー当時はメーカーオプションでしたが、その後全車標準装備(ベースグレードには非装備車を設定)となり、高い安全性能をもったモデルとなっています。
イグニスは比較的新しく、中古車市場ではグレードの選択肢が少ないモデルですが、その中でしいて1つ挙げるとすれば、「ハイブリッド MZ」グレード。このグレードは、2020年2月実施の一部改良までは最上級グレードだったものです(最新の最上級グレードは「ハイブリッド MF」ですが、中古車市場でほとんど出回っていません)。イグニスの新車価格は総じてリーズナブルで、グレードの違いによる価格差も小さく、中古車市場ではなおさら価格差を感じにくくなりますので、イグニスの中古車を探すなら、上級グレードをおすすめします。
「ハイブリッド MZ」の中古車価格帯は、45万〜177万円、流通台数は250台ほどとなっています(2021年6月23日時点)。
★ほかにも!魅力的な中古車イグニス
冒頭では、上級グレード「ハイブリッド MZ」をおすすめしましたが、この項ではタイプ別のおすすめとして、4WDモデルを紹介します。
その前に、イグニス誕生から現在までの歴史をご覧ください。
イグニスの歴史
2016年1月21日 イグニス デビュー
コンパクトカーとSUVが融合した、新ジャンルのクロスオーバーSUVとしてデビュー。同年2月18日から発売された。コンセプトは「日常で便利に使えるだけでなく、週末にはアウトドアをはじめとした余暇の行動範囲を広げる『使い勝手の良いスタイリッシュなコンパクトクロスオーバー』」としたとスズキは伝えている。
2016年11月16日 特別仕様車「Fリミテッド」発売
上級グレード(当時)「ハイブリッド MZ」をベースに、ルーフレールやフェンダーアーチモール、専用色16インチアルミホイールなどのエクステリア装備を追加、インテリアでは本革巻ステアリングホイール・パーキングブレーキレバーやレザー調の専用シート表皮、助手席シートヒーター(2WD車。4WD車は標準装備)を追加、さらにセンターコンソールとインサイドドアグリップを専用色とするなどの質感を高めたお買い得な特別仕様車。
2017年12月7日 特別仕様車「Sセレクション」発売
中間グレード「ハイブリッド MX」をベースに、先進安全装備「スズキ セーフティサポート(デュアルカメラブレーキサポート、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能)」を搭載し、「全方位モニター用カメラパッケージ」をメーカーオプション設定、助手席シートヒーター(2WD車。4WD車は標準装備)などを追加したお買い得な特別仕様車。
2019年7月11日 特別仕様車「ハイブリッド MG リミテッド」発売
ベースグレード「ハイブリッド MG」に、「デュアルカメラブレーキサポート(車両や歩行者を検知する衝突被害軽減ブレーキ)」を標準装備し、フルオートエアコン、キーレスプッシュスタートシステムなどの快適装備を充実させたお買い得な特別仕様車。
2020年2月4日 一部仕様変更・グレード追加
エクステリアデザインを小変更、インテリアカラーの一部変更などを実施。新グレード「ハイブリッド MF」を追加、専用フロントバンパーとリアバンパー、ルーフレールなどのエクステリアの装備追加と、防汚タイプラゲッジフロアを採用した。これにより「ハイブリッド MF」が最上級グレードに。
こちらもおすすめ! <タイプ別>中古車イグニス
●冬場はスタッドレスに履き替える!というカーライフスタイルなら、4WD車。中古市場の相場65万〜190万円
4WDは電子制御四輪駆動システム「グリップ コントロール」を備え、雪道やぬかるみなどでの発進時に、スリップしないように四輪の駆動力をそれぞれ個別に制御してスムーズな発進をサポート、また、急な下り坂を下りるときに、約7km/hと一定の速度に保つ「ヒルディセントコントロール」も装備。特に凍結した急な下り坂を下りるときには、安心です。
イグニスならではのチェックポイント
イグニスは、2016年1月のデビューと比較的新しいモデルです。また、コンパクトなクロスオーバーSUVという種類の特性上、過酷な使われ方をされた車も少ない傾向です。このようなことから、イグニス固有の注意点選びの注意点は、今のところない状況ですが、中古車選びの基礎的な注意点には留意してください。この項では、その主要な点をまとめてお伝えします。
走行距離は多すぎず、少なすぎず
選びたい中古車の平均年間走行距離の目安は、4,000〜8,000kmをおすすめしています。平均年間走行距離が10,000kmを超えた中古車は「過走行車」ないしは「多走行車」と呼ばれる購入後の故障、部品交換発生リスクが高いタマとなります。
逆に、走行距離が少なすぎる車も要注意です。今の年から年式を引いた平均年間走行距離を走行距離で割ると、平均年間走行距離が推定できます(前オーナーが下取りに出してから、中古車販売店で売られるまでのリードタイムなどがあるため、あくまで推定となります)。おおむね、平均年間走行距離が3,000kmを下回ると、ほとんど運転されていない車か、頻繁に運転されていてもごく短い距離しか走行していない車となります。
駐車場で眠っていたことが多い車は、エンジンやトランスミッションなどの多数の可動部分が、スムーズに動かくなくなり、故障や痛みの要因となります。また、ごく短い距離の走行を繰り返されるケースも車にとっては負担です。車はある程度走行して、エンジンやトランスミッションなどが暖まった状態を基本として設計されています。暖まる前に走行を終えることが常に行われていると、調子が悪くなったり、故障の原因となったりします。
保証がついていない中古車の購入は覚悟を
保証がついていない中古車を買い、納車された後は、それはその当日であってもトラブルが発生し修理が必要となった場合、費用を負担するのはオーナーとなってしまいます。
車の保証には、新車購入時に付与される製造メーカーの保証(中古車でオーナーがかわっても保証が継承されるケースはあります)、中古車販売店の保証など大きく2種類あります。
いずれにせよ、保証が付いているか、保証が付いている場合はその条件をしっかりと確認をしましょう。
比べて検討!イグニスのライバル車種
スズキ「クロスビー」
イグニスと同じスズキのSUVであることと、コンセプトが異なるモデルであることから、ライバル車という言葉はいささか抵抗がありますが、クロスビーもイグニスと同様に全長4mを切るコンパクトSUVの位置づけということで比較検討モデルとしてご紹介。イグニスは、コンパクトカーとSUVのクロスオーバーSUVですが、クロスビーはSUV。ワイルドなイグニスに対して、ファニーな見た目の印象も大きく異なります。なお、搭載しているエンジンはイグニスと同じです。
2021年6月23日時点の中古車価格帯は80万〜242万円、平均価格は約173万円、流通台数は1,000台ほどとなっています。
ダイハツ「ロッキー」
ダイハツのコンパクトSUV「ロッキー」も全長4mを切るコンパクトなボディサイズ。エンジンは1.0Lのガソリンエンジンを搭載。トヨタへ「ライズ」としてOEM供給しています。
2021年6月23日時点の中古車価格帯は90万〜268万円、平均価格は約489万円、流通台数は730台ほどとなっています。
トヨタ「ライズ」
前項で紹介したロッキーがOEM供給元のトヨタ版。一時期、新車販売台数1位を記録した大人気コンパクトSUVです。その人気の分、中古車相場価格も高めです。
2021年6月23日時点の中古車価格帯は139万〜314万円、平均価格は約198万円、流通台数は750台ほどとなっています。
中古車イグニスはここで探せ!
では、中古車イグニスをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
グーネット
2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。
グーネットは「グー鑑定」と呼ばれる、中古車を探している人に代わって、プロの鑑定士が中古車の車両状態を鑑定するサービスを提供。この鑑定士は第三者機関の「日本自動車鑑定協会(JAAA)」に所属。公正な鑑定が行われています。これで鑑定された中古車は、内外装、エンジンやトランスミッションといった機関、修復歴などの評価をまとめた「グー鑑定証」が与えられ、中古車情報ページの「グー鑑定」のアイコンから、その鑑定証を確認することができます。
また「ID車両」と呼ばれる中古車の品質を公正に証明するサービスも提供しています。「グー鑑定」と似ていますが、こちらはディーラー独自の基準で厳しいチェックを行った中古車の鑑定結果を「車両状態評価書」にまとめたものとなります。これは中古車情報ページの「ID車両」のアイコンから、その評価書を確認することができます。
「グー鑑定」や「ID車両」対象車は、全体の2割程度となっています。なお、非対象車は品質が良くないという意味ではありません。
さらに「グー保証」と呼ばれる、グーネット独自の中古車保証制度も提供しています。保証期間は国産車が最長3年で部品交換や修理から、移動中のキー閉じ込めなどのトラブル対応やレッカー移動などのロードサービスも全国24時間365日対応で付属(ロードサービスは自動車保険にも付いていることが多いですが)。なお、グー保証対象車は全体の1割程度となっていますが、これが付いていなくても、トヨタ保証やディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は多くあります。
2021年6月23日時点、グーネットでは、イグニスの掲載件数は670件、価格帯は44万~193万円、平均価格は約116万円となっています。
カーセンサー
2大中古車検索サイトのもう1つ、カーセンサー。1984年に中古車情報雑誌「カーセンサー」が創刊、今はグーネットと肩を並べる老舗中古車検索サイトとなっています。中古車掲載台数は、時期によって変動しますが約50万台。この台数はグーネットとほぼ同じで、掲載される中古車物件もほぼ同じとなります。これはほとんどの中古車販売店が、カーセンサーとグーネットの両方に掲載登録している背景があるためです。
カーセンサーは「カーセンサー認定」と呼ばれる中古車の品質鑑定情報を提供しています。鑑定は、第三者機関の「AIS」が行い、内外装の状態から目立たない小さなキズまで厳しくチェックし10段階評価しています。鑑定結果は、中古車情報ページから「車両品質評価書」で確認することができます。カーセンサー認定中古車は、全体の1割程度となりますが、この認定中古車でなくても、一般財団法人日本自動車査定協会の「V-CON」や、トヨタ、ディーラーの品質評価制度に基づく検査結果が掲載された中古車が無数にあります。
また「カーセンサーアフター保証」と呼ばれるカーセンサー独自の有償保証制度を提供。これは、エンジン、トランスミッションといった機関から細かい電装装備品まで全350項目を保証、走行距離無制限で最長3年まで加入できる手厚いものとなっています。カーセンサーもグーネット同様に、カーセンサー保証対象車でなくても、トヨタ保証、ディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は無数にあります。
カーセンサーのスマホアプリでは、写真からアリオンが検索できる機能を備えています。街で見かけて気になった車を撮影して、アプリからアップロードするとアリオンを特定、そのまま中古車情報を調べることができる便利な機能。中古車探しのライフハックツールとしてもおすすめです。
2021年6月23日時点、カーセンサーでは、イグニスの掲載件数は641件、価格帯は44万~192万円、平均価格は約112万円となっています。
イグニスの中古車選びは上級グレード狙いで。4WDの性能も高い
イグニスは2016年1月にデビューした比較的新しいモデルで、グレード構成もシンプルなため、中古車を探すなら、上級グレードを狙うのがおすすめです。グレードの違いによる新車価格の差が少なく、中古車市場ではその差をつかみづらいのも、上級グレードを狙う理由のひとつです。
イグニスは全グレードに4WDを設定しています。この4WDは、電子制御で駆動輪のトルクを調整する機構を備え、滑りやすい路面での発進をサポート。さらに、急な下り坂では約7km/hの低速を自動で保持する「ヒルディセントコントロール」も備えており、例えば凍結した急な下り坂を下りるときも安心です(もちろん、スタッドレスは履いておきましょう)。
よくある質問
Q1:中古車のイグニス、どれを買うべき?
A:イグニスは、2016年1月にデビューした比較的新しいモデルで、グレード構成もシンプル。選択肢が狭いので「これを買うべき!」といえるモデルは今のところない状況です。しいて挙げるとすれば、上級グレードの「ハイブリッド MF」。このグレードは、2020年2月に実施された一部改良までは最上級グレードでした。グレードの違いによる新車価格の差も小さいモデルですので、イグニスの中古車を探すなら、上級グレード狙いがいいでしょう。なお、冬場はスタッドレスタイヤに履き替える地域にお住まいの方なら、4WDを選ぶことをおすすめします。
Q2:中古車イグニスを買うときに気を付けたいポイントは?
A:前項「Q1」でもお伝えしたとおり、イグニスは比較的新しいモデルですので、今のところ、イグニス固有の注意点はない状況です。なお、基本的な中古車選びの注意点にはご留意ください。この点については、前項「イグニスならではのチェックポイント」の項で解説しています。
Q3:中古車イグニスはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサー、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車イグニスに乗ることができます。
※当記事記載の中古車価格等の情報は、2021年6月23日時点のものです。