マツダのコンパクトカー「デミオ」はデビュー当時、「小型ステーションワゴン」とも呼ばれたユーティリティの高い人気モデルでした。今では、「MAZDA2(マツダ2)」に車名変更されています。そんなデミオの中古車をお探しの方に、おすすめモデルと選び方の注意点をまとめてお伝えします。
「MAZDA2(マツダ2)」についてはこちらの記事をご覧ください
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のマツダ「デミオ」は2018年8月改良モデル 1.5Lガソリン車
- 1.5Lディーゼルターボ、電子制御四輪駆動システム「i-ACTIV AWD」もおすすめ
中古車デミオ、おすすめモデルはズバリこれ。2018年8月改良モデル 1.5Lガソリン車
デミオは、1996年のデビュー後、4回のフルモデルチェンジを経て、2019年7月のマイナーチェンジ時に「MAZDA2(マツダ2)」へ車名変更されました。中古車市場では、初代モデルから流通していますが、購入後の安心、安全を考えると、2014年にフルモデルチェンジした4代目から選びたいところです。
4代目デミオは、改良が重ねられて年々進化していますので、最もおすすめしたいのは、2018年8月に実施された改良モデル(2018〜2019年式)。この商品改良では、1.3Lガソリン車の排気量が拡大され、1.5Lになりました。このエンジンは「SKYACTIV-G
1.5」と呼ばれる、高効率、低燃費、高出力と高い次元でバランス良く整える改良を施されたものです。
また、この商品改良の1年前、2017年11月には、車両・歩行者検知対応の衝突被害軽減自動ブレーキ「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」や「車線逸脱警報システム」、「ハイビームコントロールシステム」を全機種で標準装備し、安全性能が高められています。
筆者的には、4代目デミオの中では、最終モデルとなった1.5Lガソリンモデルをおすすめしていますが「ちょっと車両価格が高い」と思われる方には、2017年11月一部改良モデルの1.3Lガソリン車(2017〜2018年式)をおすすめします。
4代目デミオ 2018年8月改良モデルの中古車価格帯は、56万〜178万円、2017年11月改良モデルでは、47〜184万円となっています(2021年6月28日時点)。
★ほかにもこんなに!魅力的な中古車デミオ
この項では、デミオのモデル別中古車の紹介と、デミオ誕生から車名変更されるまでの歴史を年表形式でまとめています。
デミオの歴史
初代(1996〜2002年)
バブル崩壊から5年ほど経過した1996年、8月に初代デミオが誕生した。当時はミニバンブームのはしり。ミニバンを買ったものの、立体駐車場に入れないなどの不満が続出していた時期でもあった。そんな最中に、当時の立体駐車場に入るかどうかの基準値、車高1,550mmぎりぎりに設計し小型ステーションワゴンを名乗ってデミオはデビューした。なお、車検証の車体形状も「ステーションワゴン」と記載された。シンプルなエクステリアは、インテリアでも共通、簡素なデザインはバブル崩壊後の世相にマッチしヒットモデルへ。バブル期の多チャンネル化戦略で失敗し経営危機を救ったのがデミオだった。
初代のエンジンは1.3Lと1.5Lガソリン、トランスミッションは5速MTとAT(中期型まで3速、以降は4速)、駆動方式は2WD(前輪駆動)というパワートレインをラインナップした。
2代目(2002〜2007年)
当時資本提携のあったフォードと共同開発した新設計プラットフォーム(シャシーなどの基本構造物)に新開発エンジンを搭載し、初代のキープコンセプトでフルモデルチェンジ。エンジンは、1.3L・1.5L、トランスミッションは5速MT・4速AT、駆動方式は2WD・4WD(モデル途中に日産から「e-4WD」供給をうけてラインナップ追加)というパワートレイン構成で販売された。
2代目デミオから、マツダが海外で販売するコンパクトカーの車名はそれまでの「121」から「MAZDA2(マツダ2)」へ改名された。この車名は、2019年にデミオからの車名変更で使用されることになる。
3代目(2007〜2014年)
初代・2代目のコンセプトであった、小型ステーションワゴンは3代目へ引き継がれず、一般的なコンパクトカーとしてフルモデルチェンジされた。プラットフォームは、マツダ主導で新開発され、小型化・軽量化が図られた。エンジンは先代からのキャリーオーバーの1.3L・1.5Lガソリンでフルモデルチェンジされたが、2011年のマイナーチェンジで、1.3L車が新開発「SKYACTIV−G 1.3」に換装されて発売された。
4代目(2014〜2019年)
マツダのデザインテーマ「魂動」を取り入れてフルモデルチェンジされた。エンジンは、1.3Lが先代マイナーチェンジ後に採用された「SKYACTIV-G 1.3」をキャリーオーバー、1.5Lは新開発「SKYACTIV-G 1.5」に置き換えられ、新しく1.5Lディーゼルターボ「SKYACTIV-D 1.5」が追加された。トランスミッションは、5速MTと6速AT、駆動方式は2WD(前輪駆動)と4WDというパワートレイン構成で販売された。
「デミオ」から「MAZDA2」へ車名変更(2019年7月)
4代目デミオのマイナーチェンジ時に、車名が「MAZDA2(マツダ2)」に変更され、マツダのグローバルモデルと車名が統一化された。
こちらもおすすめ! <タイプ別>中古車デミオ
●力強い走りと低燃費を求めるなら XD系グレード 1.5Lディーゼルターボ 中古車市場の相場34万〜215万円
国産コンパクトカーでディーゼルターボエンジンを搭載したモデルは、デミオと後継のマツダ2のみとなります。排気量は1.5Lのクリーンディーゼルで、ガソリンエンジンより太いトルクで加速力は勝ります。また、大人数乗車時の加速や登り坂での加速力は、ガソリン車より格段に上となります。さらに、燃費もガソリン車よりも優れます。いいことずくめに見えますが、難点は価格が高いところ。燃料単価がガソリンより安い軽油で燃費もいいのですが、価格差を埋めるには、相当な距離を走る必要があります。余裕の走りを求める方にはおすすめ。また、長距離をよく運転される方にもおすすめです。燃料補給の回数が少なくなるため、長距離運転時のストレスも軽減されます。
●雪道はもちろん乾燥路でも上質な走りの4WDモデル 中古車市場の相場46万〜176万円
デミオの4WDは「i-ACTIV AWD(アイアクティブAWD)」と名付けられた、電子制御四輪駆動システムを採用しています。i-ACTIV AWDは、路面状況やドライバーの意図を先読みして、即座に四輪のトルク配分を変更制御するものです。このため、滑りやすい道はもちろん、乾燥路でも威力を発揮、連続したカーブなどでは2WDより顕著に車両姿勢が安定した走りを見せます。また、2WD車と4WDの燃費差が非常に小さいのも特徴です。「冬場はスタッドレスタイヤに履き替える」という方だけでなく、ドライブを楽しむことが多い方は、雪が降らない地域にお住まいでも、i-ACTIV AWDの恩恵とより「人馬一体」の走りを楽しめます。「人馬一体」はマツダが提唱するクルマづくりの理念です。
デミオならではのチェックポイント
デミオの初代は1996年のデビューで、中古車市場もその年式のものからが流通しています。そこで安心して乗るのなら、保証がしっかりとついた車にしましょう。保証期間は1年以上、走行距離無制限のタイプなら安心です。逆に、保証がついていない車や、ついていても短い期間のものは要注意。故障リスクが高い車と考えて差し支えありません。
注意したいのは、内装の状態です。保証がついた車でも、内装の汚れや傷みが目立つ場合があります。特に、シート表皮の状態は要チェックです。
安全性能を重視される方は、どんな機能や装備がついているのか、細かくチェックすることをおすすめします。年式が1年異なるだけで、機能が異なるのは普通によくあることです。
おすすめ4代目デミオのパワートレイン別選び方のポイント
4代目デミオならではの、豊富なパワートレインラインナップは、中古車選びでは悩ましい選択肢になる、という方も多いことでしょう。そんな方へ、ワンポイントアドバイス。
▼エンジン
デミオを選ぶとき、エンジンタイプから絞り込みをすると効率的に探せます。
エンジンタイプは、ガソリンとディーゼルの2種類があります。ガソリンエンジンの排気量は1.3Lが4代目フルモデルチェンジ時から2018年8月に改良される前までのモデル、その改良後は1.5Lになります。ディーゼルエンジンは1.5Lのターボ付きとなります。中古車価格はガソリン車のほうが安い傾向です。ディーゼル車は新車車両価格が高く、コンパクトカーで唯一のディーゼルモデルとなることから、高めの傾向となっています。エンジンパワーに余裕欲しい方は、ディーゼルがおすすめですが、ガソリン車でも十分によく走ります。また、長距離運転が多い方も、燃費が良いディーゼル車がおすすめです。
▼駆動方式
「冬場はスタッドレスタイヤに履き替える」という方以外には、2WDで十分ですよ、とお伝えしたいところですが、デミオの4WDは、路面状況やドライバーの意図を先読みして四輪のトルク配分を制御する「i-ACTIV AWD」を搭載しています。これは、乾燥路でも車両の安定性が向上し、乗り心地も良い上質な走りを体感でき、運転時の疲労も軽減してくれます。走りにこだわりたい方、長距離運転が多い方は、4WD車を検討してみてください。
比べて検討!デミオのライバル車種
トヨタ「ヴィッツ」
トヨタの人気コンパクトカー「ヴィッツ」は2020年のフルモデルチェンジで車名が海外モデル名と同じ「ヤリス」に変わりました。デミオと似たような運命をたどったライバル車です。
2021年6月28日時点の中古車価格帯は3万〜368万円、平均価格は約66万円、流通台数は3,600台ほどとなっています。
ホンダ「フィット」
フィットも2020年に4代目へフルモデルチェンジ。デミオの対抗として探すなら3代目、2013〜2020年式がおすすめです。
2021年6月28日時点の中古車価格帯は0.1万〜269万円、平均価格は約88万円、流通台数は5,600台ほどとなっています。
日産「ノート」
ノートも2020年に3代目へフルモデルチェンジ。2012〜2020年式までの2代目がデミオの比較検討対象となるでしょう。
2021年6月28日時点の中古車価格帯は1万〜278万円、平均価格は約97万円、流通台数は8,000台ほどとなっています。
中古車デミオはここで探せ!
では、中古車デミオをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
グーネット
2大中古車検索サイトの1つ、グーネット。1977年に「中古車情報通信」の名称で創刊された中古車検索雑誌から歴史が始まった老舗です。
グーネットは「グー鑑定」と呼ばれる、中古車を探している人に代わって、プロの鑑定士が中古車の車両状態を鑑定するサービスを提供。この鑑定士は第三者機関の「日本自動車鑑定協会(JAAA)」に所属。公正な鑑定が行われています。これで鑑定された中古車は、内外装、エンジンやトランスミッションといった機関、修復歴などの評価をまとめた「グー鑑定証」が与えられ、中古車情報ページの「グー鑑定」のアイコンから、その鑑定証を確認することができます。
また「ID車両」と呼ばれる中古車の品質を公正に証明するサービスも提供しています。「グー鑑定」と似ていますが、こちらはディーラー独自の基準で厳しいチェックを行った中古車の鑑定結果を「車両状態評価書」にまとめたものとなります。これは中古車情報ページの「ID車両」のアイコンから、その評価書を確認することができます。
「グー鑑定」や「ID車両」対象車は、全体の2割程度となっています。なお、非対象車は品質が良くないという意味ではありません。
さらに「グー保証」と呼ばれる、グーネット独自の中古車保証制度も提供しています。保証期間は国産車が最長3年で部品交換や修理から、移動中のキー閉じ込めなどのトラブル対応やレッカー移動などのロードサービスも全国24時間365日対応で付属(ロードサービスは自動車保険にも付いていることが多いですが)。なお、グー保証対象車は全体の1割程度となっていますが、これが付いていなくても、トヨタ保証やディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は多くあります。
2021年6月28日時点、グーネットでは、デミオの掲載件数は2,918件、価格帯は1万~215万円、平均価格は約80万円となっています。
カーセンサー
2大中古車検索サイトのもう1つ、カーセンサー。1984年に中古車情報雑誌「カーセンサー」が創刊、今はグーネットと肩を並べる老舗中古車検索サイトとなっています。中古車掲載台数は、時期によって変動しますが約50万台。この台数はグーネットとほぼ同じで、掲載される中古車物件もほぼ同じとなります。これはほとんどの中古車販売店が、カーセンサーとグーネットの両方に掲載登録している背景があるためです。
カーセンサーは「カーセンサー認定」と呼ばれる中古車の品質鑑定情報を提供しています。鑑定は、第三者機関の「AIS」が行い、内外装の状態から目立たない小さなキズまで厳しくチェックし10段階評価しています。鑑定結果は、中古車情報ページから「車両品質評価書」で確認することができます。カーセンサー認定中古車は、全体の1割程度となりますが、この認定中古車でなくても、一般財団法人日本自動車査定協会の「V-CON」や、トヨタ、ディーラーの品質評価制度に基づく検査結果が掲載された中古車が無数にあります。
また「カーセンサーアフター保証」と呼ばれるカーセンサー独自の有償保証制度を提供。これは、エンジン、トランスミッションといった機関から細かい電装装備品まで全350項目を保証、走行距離無制限で最長3年まで加入できる手厚いものとなっています。カーセンサーもグーネット同様に、カーセンサー保証対象車でなくても、トヨタ保証、ディーラー保証、中古車販売店保証が付いている中古車は無数にあります。
カーセンサーのスマホアプリでは、写真からアリオンが検索できる機能を備えています。街で見かけて気になった車を撮影して、アプリからアップロードするとアリオンを特定、そのまま中古車情報を調べることができる便利な機能。中古車探しのライフハックツールとしてもおすすめです。
2021年6月28日時点、カーセンサーでは、デミオの掲載件数は2,996件、価格帯は34万~178万円、平均価格は約101万円となっています。
「魂動」デザインと「人馬一体」の走りでおすすめの4代目は選択肢も豊富
マツダのデザインテーマ「魂動」を取り入れたスタイリッシュなコンパクトカー、デミオ。デザインだけでなく、走りの質にもこだわっています。マツダは「人馬一体」を提唱し、車を操る喜びを追求、コンパクトカーでも妥協をしていないあたり、さすがと思わせます。
4代目のエンジンは、ガソリン、ディーゼルと2タイプ、駆動方式は2WDと4WD、トランスミッションはMTとATと豊富なパワートレインをラインナップしています。カーライフスタイルに合わせて選べるのもデミオの魅力のひとつです。
よくある質問
Q1:中古車のデミオ、どれを買うべき?
A:現在、中古車市場で流通しているデミオで、最も古い年式は初代の1996年式となっています。フルモデルチェンジも4回実施された車種でもありますので、購入後の故障リスクや安全性能、経年劣化、車の基本設計の古さなどを考えると、4代目(2014〜2019年式)から選ぶことをおすすめします。その中でも最もおすすめしているのは、2018年8月に実施された改良モデルです。詳しくは、本記事冒頭をご覧ください。
Q2:中古車デミオを買うときに気を付けたいポイントは?
A:デミオは古い年式、走行距離が多いタマがたくさん流通しています。2014年式以降の4代目で、しっかりとした保証がついた車なら、故障リスクが少なく、車の基本設計も新しく、安全性能も向上していますので心配が少なくなります。詳しくは「デミオならではのチェックポイント」の項をご覧ください。
Q3:中古車デミオはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサー、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車デミオに乗ることができます。
※当記事記載の中古車価格等の情報は、2021年6月28日時点のものです。