1991年のデビュー時はクラウンより一回り大きなプレミアムセダンという位置付けだったトヨタ「クラウンマジェスタ」。その後、クラウンは徐々に大きくなりましたが、クラウンマジェスタは大きさをあまり変えずに、高級感を高めてきました。今の時代はセダンの中古車流通量は少なめなので、自分に合った1台を選ぶのはなかなか大変です。この記事では中古車のクラウンマジェスタなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のトヨタ「クラウンマジェスタ」は2014年式ベースグレード
- ベースグレードでも装備は大満足!それなら同じ価格帯で走行距離が少ないものをチョイス
中古車のクラウンマジェスタ、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2014年式ベースグレード」を200万円で買う!
クラウンマジェスタを中古車で探す場合、現実的な選択は2018年6月まで生産された最終型(6代目)と、その一つ前の世代である5代目になります。その中で筆者が選ぶなら、最終型前期モデルのベースグレードです。
最終型クラウンマジェスタのグレード構成はベースグレードと上級モデルのFバージョン、そして2014年7月に追加されたハイブリッド4WDの2.5 Fourになります。Fバージョンは主に後部座席の快適性を高めたグレード。ベースグレードでもクラウンマジェスタならではの快適性を存分に味わえます。
最終型クラウンマジェスタの価格帯は160万〜500万円。低価格帯でもベースグレードとFバージョンの両方を見つけることが可能です。ただ、両車は走行距離に大きな差がありました。
低価格帯のFバージョンは15万km前後走ったものが多いのに対し、ベースグレードは走行距離10万km以下のものも目立ちます。そして車両本体価格200万円くらいまでに目を向けると走行距離5万〜7万km程度のものも見つかります。
一つ難点を挙げるとしたら、流通量はFバージョンの方が圧倒的に多いこと。ベースグレードを探すのはやや苦労するかもしれないですが、見つかればかなりおいしい買い物になるはずです。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車のクラウンマジェスタ
イチオシモデルとして紹介した最終モデルのベースグレード以外にも、クラウンマジェスタはさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。先進安全装備にこだわるならITSコネクトを搭載し、衝突回避支援パッケージであるToyota Safety Sense Pが標準装備された2016年8月以降のモデルを。価格にこだわりつつも高級セダンらしさを味わうなら5代目の上級グレードも狙い目です。5代目は全グレードガソリンエンジン、6代目は全グレードハイブリッドになるので、ガソリンとハイブリッドのどちらに乗りたいかを考えて選ぶのもおもしろい選択です。
クラウンマジェスタのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
1987年9月に登場した8代目クラウンは、1989年8月のマイナーチェンジで4L V8エンジンを搭載した4.0ロイヤルサルーンGが設定されました。このエンジンは初代セルシオに搭載されたものと同型で、最高出力は260ps、最大トルクは36.0kg-mを発揮しました。そして1991年10月にクラウンが9代目へとモデルチェンジしたタイミングで、クラウンの上級モデルとなるクラウンマジェスタが登場しました。
2009年3月に登場した5代目クラウンマジェスタは、先代のイメージを踏襲したキープコンセプトスタイルで登場。全長はクラウンより200mm近く長いものの、全幅は1810mmに抑えられました。ホイールベースは先代より75mm延長。このパッケージングにより日本の道での運転のしやすさと上級セダンらしい居住性を両立させています。
パワートレインは2WDが4.6L V8と8速AT、4WDは先代のパワートレインである4.3L V8と6速ATの組み合わせになります。8速AT にはドライバーが踏み込むアクセル開度と車速に応じて、エンジン、トランスミッションなどを統合制御する“DRAMS”が採用されました。
足回りは電子制御エアサスペンションを採用。このサスペンションはナビと連動して、コーナー手前などであらかじめショックアブソーバーの減衰力を高めるなどの制御を行うものでした。また、オートレベリング機構により乗車人数などの影響を受けずに常に一定の遮光を保持することができるようになっています。
上級グレードのGタイプとGタイプFパッケージにはミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステムが標準装備されるなど、トヨタのフラッグシップモデルならではの豪華装備が多数あります。
2013年9月には6代目へとモデルチェンジ。このモデルは14代目クラウン(クラウンアスリート/クラウンロイヤル)に対してホイールベースを75mm延長。先代と同じようにプレミアムモデルならではの優れた居住性が与えられています。
外観はクラウンロイヤルにも共通する王冠をイメージしたデザインにマジェスタ伝統の縦バーを配したグリルで、気品と威厳が漂うスタイルに。全幅は日本の道でも扱いやすい1800mmにしながらも、存在感のある堂々としたデザインで見た目はかなり大きく見えます。最小回転半径は5.3mに抑えられました。
インテリアは重なり、表と裏といった日本の伝統的な美意識を活かしたデザインに。手工芸品の趣がある質感も盛り込まれています。インパネセンターの操作部にはマルチオペレーションタッチを搭載しました。木目調加飾はけやきの年輪と玉杢の風合いをイメージしたサンバースト加飾を取り入れています。
パワートレインは3.5L V6エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド。システム最高出力はV8ガソリンエンジンに匹敵する252kW(343ps)になります。トランスミッションは電気式無段変速機(CVT)になります。
走行中にドアミラーで確認しづらい後側方の車両をレーダーで検知してドライバーに知らせるブラインドスポットモニター、ミリ波レーダー式のプリクラッシュセーフティシステムなどの先進安全装備も搭載。上級グレードのFバージョンは駐車場などでの発進時に進行方向に障害物を認識すると、警報に加えて状況に応じてエンジンやモーターの出力を制御するインテリジェントクリアランスソナーが標準装備になります。
また、歩行者との衝突時にフード後方を瞬時に持ち上げて、歩行者の頭部への衝撃を緩和するポップアップフードが標準装備されています。
2014年7月にはトヨタ初となる2.5L直4エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドフルタイム4WDが追加されました。
2015年10月の一部改良では、世界初採用となるITS専用周波数を活用したITSコネクトをオプション設定。センサーでは捉えきれない外の情報や信号などの情報を、道路に設置されたインフラ設備と車、車同士が直接通信してドライバーに状況を知らせることで安全運転を支援するシステムです。
また、このタイミングでボディ接合部の剛性強化なども行われています。
2016年8月にはToyota Safety Sense Pを全グレードに搭載。これまでインテリジェントクリアランスソナーはベースグレードだとオプション設定でしたが、このタイミングで全グレード標準装備になりました。
こちらもおすすめ!タイプ別にクラウンマジェスタの中古車を選ぶなら
●クラウンマジェスタらしい高級感を存分に味わえる「6代目Fバージョン」 中古市場の相場 170万〜500万円
最終型クラウンマジェスタの最上級グレードであるFバージョンは、6代目でもっとも流通量が多いグレードになります。
ベースグレードには備わらないレーダークルーズコントロール、電動式リアサンシェード、前席シートベンチレーション、後席シートヒーター、後席パワーシートなどが標準装備に。
後部座席まで含めて快適性を求める人、フラッグシップらしい威厳が欲しい人にぴったりのグレードです。
低価格帯はかなり距離を走ったものが中心ですが、車両本体価格240万円付近から走行10万km以下のものが探しやすくなります。
●ハイブリッドを4WDで堪能する「6代目マジェスタFour」 中古市場の相場 190万〜360万円
2014年7月に追加設定されたハイブリッドは、2.5LハイブリッドシステムにトルセンLSD付きトランスファーと新開発ハイブリッド用トランスミッションを組み合わせたもので、高い操縦安定性が特徴です。
セダンの4WDというと雪国に住む人が選ぶイメージ。しかし4WDならではの安定性は都市部でも大雨の時などにあると安心感が高まります。装備もFバージョンに匹敵する内容なので満足度はかなり高いはずです。
●コスト重視で高級モデルを選ぶ「5代目マジェスタGタイプ」 中古市場の相場 70万〜160万円
ハイブリッドとは違う、大排気量のV8エンジンならではのパワーでゆったり走ることができる5代目マジェスタ。
最上級グレードのGタイプFパッケージはほぼ中古車が流通していないので、そのひとつ下のグレードとなるGタイプ狙いで。Gタイプにはレーダークルーズコントロール、前席ベンチレーション機能がついたプレミアム本革シート、VTR端子付きのリアセンターアームレストなどが備わります。
中古車のクラウンマジェスタならではのチェックポイントはココ
走行距離と価格に納得できるか、じっくり検討
経営者が仕事の移動車として選ぶケースも少なくないため、クラウンマジェスタの中古車はミニバンやコンパクトカーと比べると年式の割に走行距離がかさんでいるものが少なくありません。中にはドイツのプレミアムブランドやレクサスだと顧客へのイメージがよくないという理由で選ばれるケースもあります。最上級グレードのFバージョンの流通台数が多いのも、取引先の方への配慮というケースもあるでしょう。
一般的に年式の割に走行距離が多い中古車は高速道路などストップ&ゴーが少ない道を多く走っていたケースが多いため、走行距離の割に機関系や足回りなどのヤレは少なめ。また、法人が所有していたものは定期点検をしっかり受けていたものも少なくありません。
購入時はどのくらいのペースでどんな整備を受けていたか、店頭で定期点検整備記録簿などをチェックしてみましょう。その上で走行距離が多くても大丈夫かどうか判断してください。
内装の状態に納得できるか要チェック
しっかり点検を受けていて機関系部位が好調な中古車でも、多くの距離を走ったり低年式になると人がよく触れる部分には相応の使用感が出てくるものです。とくにステアリングや運転席のドア側のサポート部分などはその傾向が現れやすい部分です。
使用感は簡単には消せないので、購入時は価格も踏まえて納得できるかじっくり考えてから買うようにしてください。
後部座席に頻繁に人が乗っていた車だと、とくに助手席側の後部座席にも使用感が出ているケースもあります。
カスタムされた中古車はその状態に納得できるかをよく考えて
5代目クラウンマジェスタは、いわゆるVIPカーのベース車としても人気があるモデルです。そのため中古車には前オーナーが手を加えたものも少なくありません。
購入後にカスタムを考えている人は、目当ての中古車のカスタムが自分の嗜好に合っているならお得な買い物になるはず。ただ、好みに合わない部分もあるので後から追加でカスタムすることも考えるなら、ノーマルを買って最初から手を加えるのとどちらが得か、ショップの人と相談しながら決めましょう。
また、カスタム車の中には車検を通せるかが微妙なものもあります。また、車高が低いため下回りを擦っている可能性もあるので、少しでも気になる場合は車検対応かどうかも含め、よく確認してから購入を判断してください。
クラウンマジェスタの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
スピンドルグリルが眩しいグランドツーリングカー「レクサスGS」
トヨタのプレミアムブランドであるレクサスのスポーティなグランドツーリングセダン。2012年1月〜2020年8月まで生産された最終型はレクサスを象徴するスピンドルグリルが与えられ、2015年11月のマイナーチェンジではスピンドルグリルの存在感がより強調されました。
ラインナップはガソリンモデルのGS350とGS250、ハイブリッドのGS450h、GS300h。2016年9月には2L直噴ターボを搭載した200tが追加されました。
それぞれのモデルにはベースグレードのほか、高級感を高めたバージョンLやスポーツグレードのFスポーツなどが設定されます。
ガソリンモデルの価格帯は100万〜650万円、ハイブリッドモデルが120万〜540万円となっています。
NSXにも搭載される3モーターハイブリッドを搭載「ホンダレジェンド」
ホンダのフラッグシップモデルである現行型レジェンドは、NSXにも搭載される3モーターハイブリッド“スポーツハイブリッドSH-AWD”が採用されています。これは簡単にいうとNSXのシステムを前後逆に搭載し、フロントをエンジンとモーター、左右の後輪それぞれにモーターを搭載し、前輪駆動、後輪駆動、4WDを使い分けながら安定感のある走行性能を実現したシステム。
グレードは1種類のみの設定ですが、2021年3月には高速道路などでドライバーがハンドルから手を離した状態でもシステムが運転操作を支援する機能が搭載されたハイブリッドEXホンダセンシングエリートが設定されました。
中古車の流通量は50台ほどと少なめ。価格帯は200万〜590万円となっています。
先進の安全装備を多数搭載したメルセデスの中核モデル「メルセデス・ベンツEクラス」
メルセデス・ベンツの中核モデルであるEクラス。現行型は2016年7月に日本に導入されました。2L直4と3.5L V6ガソリンターボ、そして2L直4ディーゼルターボがラインナップされました。
ウィンカーを2秒以上点滅させると車が周囲を確認して安全と判断したら自ら車線変更を行う“アクティブレーンチェンジングアシスト”をはじめ、最新の先進安全装備が多数搭載されています。
中古車は350台ほど流通していて、価格帯は220万〜920万円となっています。
中古車のクラウンマジェスタはここで探せ!
では、中古車のクラウンマジェスタをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証を付けることができます。
カーセンサーnetの5代目・6代目クラウンマジェスタの掲載件数は250件、価格帯は50万~500万円となっています(※)。
※2021年7月18日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車の5代目・6代目クラウンマジェスタ掲載台数は265件、価格帯は50万~500万円となっています(※)。
※2021年7月18日時点の情報です。
6代目で距離を走った中古車は割安感が高い可能性もあり!
クラウンの上級モデルにあたり、日本の道で扱いやすいサイズ感のボディに贅を尽くした装備がついています。
経営者の移動車をはじめ法人需要も多いモデルなので、年式の割に走行距離が伸びているモデルもあります。ただ、これに関してはそこまで心配する必要はないでしょう。ただ、距離を走った中古車はインテリアに使用感が出ている可能性もあるので、そこを納得できるか販売店で実車をよく確認してください。
よくある質問
Q1:中古車のクラウンマジェスタ、どれを買うべき?
A:流通量は少なめですが、6代目(最終型)デビュー時のベースグレードのお得感が高くなっています。
Q2:中古車のクラウンマジェスタを買うときに気を付けたいポイントは?
A:走行距離が伸びている中古車を買う場合はインテリアの使用感をよく確認しましょう。
Q3:中古車のクラウンマジェスタはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のクラウンマジェスタに乗ることができます。
※記事の内容は2021年7月時点の情報で制作しています。