スポーティーな走りを楽しめるハッチバックとして注目度が高いホンダ「シビックハッチバック」。現行型は2017年9月に日本に導入。その前は日本に導入されなかったり、セダンのみになったりしたので、旧型は2000年9月〜2005年8月に生産されたものになります。販売台数が多いとはいえない車種だけに中古車の流通量も限られ、自分に合った1台を選ぶのはなかなか大変です。この記事では中古車のシビックハッチバックなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のホンダ「シビックハッチバック」は2017年式CVTモデル
- スポーティーモデルの雰囲気を味わいつつ、街中での使いやすさも考えてCVTを選択
中古車のシビックハッチバック、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2017年式CVTモデル」を200万円で買う!
シビックはボディタイプの変遷が複雑で、現行型はハッチバックとセダン、およびタイプR。その前はしばらく日本では発売されず、さらにさかのぼるとセダンのみラインナップされた時期、ハッチバックのみ販売された時期などがあります。また、日本で発売されていない期間もタイプRのみ限定販売されたことも。そんなシビックの中古車を筆者が選ぶなら、現行型ハッチバックのCVTになります。
シビックを象徴するモデルはタイプRですが、現行型シビックは新開発のプラットフォームによりノーマルモデルの走行性能もかなり高められています。
ハッチバックにも6速MTが設定されていますが、スポーティーな走りはCVTでも十分に味わえます。むしろタイプRではないシビックなら街中での乗りやすさも考慮に入れたいところ。
現行型シビックの前期型はすでに200万円を切る中古車が出てきています。余裕を持って車両本体価格200万円で予算を組めば、幅広い選択肢から選ぶことが可能です。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車シビック
イチオシモデルとして紹介した現行型前期モデルのCVT車以外にも、シビックハッチバックはさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。走る楽しさを堪能するなら6速MT、高年式のデモカーアップ車を手に入れるのもありですし、より高い性能を求めるならタイプRに注目したいところ。グレード数は少ないですが、自分にぴったりの1台はどのシビックか、じっくり考えてみましょう。
シビックハッチバックのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
シビックは歴史あるモデルで、初代が登場したのは1972年にまでさかのぼります。初代はアメリカの排ガス規制である通称「マスキー法」を世界で初めてクリアしたCVCCエンジン搭載モデルを発売。世界にシビック、そしてホンダの名を知らしめ、多くの人から愛されるモデルとなりました。
モデルチェンジを重ねる中でスポーティーグレードも設定し、車好きの若者たちからも支持されるように。そして1997年には走りの性能を極限まで高めたスパルタンなタイプRも登場します。
シビックにはハッチバックのほか、セダンやクーペも設定されていました。そして2005年のフルモデルチェンジではセダンのみラインナップされる形になり、トヨタプリウスのライバルとなるシビックハイブリッドも設定されます(海外ではハッチバックも生産)。
そして通算9代目となるシビックは日本では発売されず、2010年8月に日本市場からシビックという名前がいったん消滅します。
ただ、欧州版のシビックタイプRユーロや、ニュルブルクリンクサーキットでFF最速ラップを記録したシビックタイプRが限定販売され、ファンを魅了しました。
日本市場にシビックが復活したのは2017年7月。ハッチバック、セダン、タイプRが導入されます。
シビックハッチバックは1.5L VTECターボを搭載。このエンジンはMTとCVTで出力特性が異なっていて、最高出力はどちらも134kW(182ps)ですが、CVTは6,000rpm、6MTは5,500rpmでピークに達するセッティングに。最大トルクはCVTが220N・m、6MTが240N・mとなっています。
現行型シビックが本領を発揮するのはコーナリングです。新開発のプラットフォームと優れたサスペンションセッティング、そして車体が横滑りを始める少し手前で、操舵角や転舵速度からドライバーが意図する走行ラインを推定し、4輪のブレーキを独立制御して車両挙動をコントロールするアジャイルハンドリングアシストにより、気持ちいいコーナリングを楽しめます。
室内空間はシビックが属するCセグメントでトップレベルとなるスペースを確保。荷室も大容量スペースとなっています。そして左右どちらにも引き出しや巻き取りが可能な世界初装備となる横開きカバーにより使い勝手も高められました。
もちろんホンダの先進運転支援パッケージであるHonda SENSINGも標準装備となっています(CVT車では非搭載も選択可)。
2020年1月にはハッチバックとセダンをマイナーチェンジ。前後バンパーのデザインが変更されたほか、6MTが前期型よりショートストロークとなり、小気味いい運転を楽しめるようになりました。そしてHonda SENSINGは低速走行時に歩行者側の車線を逸脱して歩行者とぶつかりそうになったときに車道方向へのステアリング支援を行う「歩行者事故低減ステアリング」と「先行車発進お知らせ機能」が追加されています。
そして2020年7月にはシビックタイプRをマイナーチェンジ。ハッチバックは継続販売となり、セダンは8月でラインナップから姿を消しました。
次期型シビックは2021年8月に発表、秋に販売が開始されることがすでに予告されています。
こちらもおすすめ!タイプ別にシビックハッチバックの中古車を選ぶなら
●街中やワインディングでも気持ちよく走りたい人は「現行型ハッチバックの6MTモデル」 中古車市場の相場230万〜310万円
シビックハッチバックに搭載される6MTはシフトチェンジがスムーズに行えるようにシンクロをチューニング。ショートストロークのシフトノブは走行中にスパンと心地よく入るので、運転がとても楽しく感じられるはず。
ハッチバックだと6MT搭載車の流通量は16台とかなり少なくなっていて、相場もCVTより30万〜50万円ほど高めになっていますが、それでもMT好きならじっくり探す価値はあります。
●購入後は長く乗り続けたい人に「現行型ハッチバックの後期モデル」 中古車市場の相場280万〜340万円
2020年1月にマイナーチェンジを受けた後期型も、わずかではありますが中古車市場で見つけることができます。これらはディーラーが扱うデモカーアップが中心で、走行距離は数千km。
前期型もまだ発売されてからそこまで時間が経過していないので走行距離は少なめ。でも長く乗るつもりならより新車の状態に近いものを選んだほうが愛着をもって付き合えるでしょう。
後期型流通量は27台で、そのうち6MTは2台のみ。MTが欲しい人は早い者勝ちなので見つけたら即買いで!
●究極の走りを体感するなら「現行型シビックタイプR」 中古車市場の相場400万〜850万円
タイプRは、ホンダのスポーツモデルでも特別なものにしか与えられない称号。これまでシビックタイプRはベース車を徹底的に磨き上げる形で開発されていましたが、現行型は開発時からタイプRを世に送り出すためにプラットフォームを開発。これにより先代タイプRよりもねじり剛性が約36%も高められています。
搭載エンジンはシビックタイプR専用に開発された2L VTECターボで、最高出力235kW(320ps)、最大トルク400N・mを発揮します。
6MTにはシフトダウン時にエンジン回転数を自動調整するレブマッチシステムを搭載。ドライブモードはスポーツのほか、サーキット走行も見据えてダイナミック性能を追求したプラスR、乗り心地を高めるコンフォートから選べます。
タイプRは販売台数が少ないこともあり、中古車はプレミア相場となっています。それでも唯一無二の存在なだけに、乗りたい人は何としても手に入れたい車ですね。
中古車のシビックハッチバックならではのチェックポイントはココ
修復歴がある中古車はその内容を確認
現行型シビックハッチバックの中古車を見てみると、「修復歴あり」となっているものがいくつかありました。中古車は車の骨格に当たる部分を修復したり部品を交換したりすると修復歴車という扱いになります。
そのため、一口に修復歴ありといっても、どのような修復が行われたかは個体によりさまざまです。
一般的に修復歴車は修復歴がない車に比べると販売価格はかなり安くなるので、修復歴を気にしない人にとってはお得な買い物になるケースも。逆に気にする人は見向きもしないでしょうが、走行に大きく影響しない部分できちんと修復されているケースもあります。
店頭では販売店にどこをどのように修復したかを確認し、納得した上で購入するようにしましょう。
現行型以外を探すなら車両状態を徹底確認
今回、おすすめのシビックハッチバックはすべて現行型を選びました。しかし、現行型はちょっとゴツゴツしすぎているから、もう少しマイルドなデザインの旧型を探すという人もいるでしょう。
シビックは一時日本で販売されていない時期があったので、セダンだと旧型は2005年9月〜2010年8月生産、ハッチバックは2000年9月〜2005年8月生産モデルになります。
特にハッチバックは旧型より以前のものも人気があり、相場も高めで推移しています。一方で製造からかなり時間が経っているので、内外装の状態はもちろん、機関系などの調子も購入前にしっかり確認してください。
車選びと同じくらい店選びを大切に
ハッチバックの6MT車やタイプRの購入を考えている人は、車検や定期点検以外にも車両に手を加えたり、メンテナンスなどでお店との付き合いが続くはず。大切な車を安心して任せる上でも、単に中古車を選ぶだけでなくお店の雰囲気、店員さんの知識などを見極めて長く付き合える店かを判断してください。
購入時にスタッフさんと話をすると、そこからいろいろなことを感じ取れるはずです。
シビックハッチバックの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
シビックとは対極のエレガント系ハッチバック「マツダ現行型Mazda3ファストバック」
シビックが数々の空力パーツで武装したガンダム的なデザインだとすると、2019年5月に登場したMazda3ファストバックはエレガントな大人のスポーツハッチといった雰囲気。ボンネットを短くすることが可能なFFモデルですが、あえて長くすることで流麗な雰囲気を演出。太いCピラーも往年のイタリアンカーという印象を高めています。
カラーリングも光の当たり具合で陰影が生まれるものを採用していて、彫りの深い彫刻のようなデザインを強調するものに。
搭載エンジンは1.5Lと2Lのガソリン、1.8Lのクリーンディーゼルを用意。2019年11月には世界初となる圧縮着火ガソリンエンジン“スカイアクティブX”とマイルドハイブリッドを組み合わせたものも追加されました。
中古車は460台ほど流通していて価格帯は170万〜340万円。スカイアクティブX搭載車以外はどれも探しやすくなっています。
水平対向エンジン+4WDの走りをハッチバックで味わう「スバル現行型インプレッサスポーツ」
シビック同様にハッチバック(スポーツ)とセダン(G4)が用意されるインプレッサ。スバルがこのインプレッサから投入した新プラットフォーム“SGP”は秀逸で、滑らかで上質な走りと高い安全性能を両立しています。
スバルといえば水平対向エンジンとシンメトリカルAWDが代名詞。駆動方式はFFも用意されますが、ここはやはり4WDを選びたいところ。1.6Lと2L、ふたつのエンジンが用意されています。
中古車の流通量は400台弱あり、価格帯は90万〜280万円。流通している中古車の半分以上は4WDになります。
コネクティッド技術を搭載したハイブリッドスポーツ「トヨタ現行型カローラスポーツ」
現行型クラウンとともに“初代コネクティッドカー”として2018年6月に登場したカローラスポーツ。eケア走行アドバイス、eケアヘルスチェックレポート、ヘルプネットなど、さまざまなコネクティッドサービスが利用できます
トヨタの新しい車づくりの指針であるTNGAに基づいて開発されたプラットフォームを採用。パワートレインは1.2L直噴ターボと1.8Lハイブリッドを用意。1.2Lターボは6速MTも選べます。
中古車は460台ほど流通していて、価格帯は140万〜290万円。このうち7割ほどがハイブリッドになります。
中古車のシビックハッチバックはここで探せ!
では、中古車のシビックハッチバックをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を車選びの目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証され、保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証をつけることができます。
カーセンサーnetのシビックハッチバック(カーセンサーnetでは「シビック」という車名で分類されています)の掲載件数は154件、価格帯は170万~340万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月22日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証がつく「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車のシビックハッチバック(グーネット中古車では「シビック」という車名で分類されています)の掲載台数は72件、価格帯は150万~250万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月22日時点の情報です。
使い勝手と走りのバランスを考えるならCVTをチョイス
現行型シビックハッチバックは単一グレード1つで、CVTか6速MTかを選ぶ形になります。そのため、中古車選びで大きく悩むことはないはず。1.5Lターボの走りを思い切り楽しむならMT、日常生活での使い勝手を考えるならCVTを選んで間違いないでしょう。MT車はマイナーチェンジでトランスミッションに改良が加えられています。
ただ、MT車は中古車の流通量がかなり少ないので、欲しい人はじっくり腰をすえて探すつもりでいましょう。究極の走りを求めるならタイプRという選択肢もあります。
よくある質問
Q1:中古車のシビックハッチバック、どれを買うべき?
A:値頃感のある現行型前期モデルのCVT車がおすすめ。
Q2:中古車のシビックハッチバックを買うときに気を付けたいポイントは?
A:MT車は流通量が少ないのでじっくり探すつもりで。現行型以外を選ぶなら車両状態をしっかり確認してください。
Q3:中古車のシビックハッチバックはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のシビックハッチバックに乗ることができます。
※記事の内容は2021年6月22日時点の情報で制作しています。