キャストが登場した際は3つの異なるボディタイプから選べました。スポーティテイスト満載の「スポーツ」、クロスオーバーSUV風の「アクティバ」、そして都会的な上質感を持った「スタイル」がラインナップされていましたが、現在ではスタイルのみが販売されています。
前後バンパーとサイドスカート部にはメッキ加飾のモールが設けられていたり、ベージュと黒の2トーンカラーにシルバー加飾をアクセントにしたインテリアなど、至る所で上質感を演出。軽自動車には珍しくプレミアム感を持ったユニークなモデルです。
この記事では、中古車のキャストならどのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のダイハツ「キャスト」は2018年式 スタイル G プライムコレクション SA III
- どのグレードを狙うにしても、SA IIIが付く2017年式以降がおすすめ
中古車のキャスト、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら2018年式スタイル G プライムコレクション SA IIIを120万円で買う!
3種類のボディスタイルが存在していたキャストですが、2021年現在はスタイルのみがラインナップされています。今回のおすすめも、スタイルから選びました。キャストスタイルの一番の特徴は、かつてのミラジーノのようなクラシックスタイルを持ちながら、内外装に上質感あふれる仕立てが施されている点でしょう。それをもっとも具現化しているのは、レザー調シートを装備する「プライムコレクション」です。
プライムコレクション自体は、最初は特別仕様車で登場しましたが、人気が高かったため2017年の改良で標準グレード化されました。同じタイミングで導入されたのが、先進安全装備「スマートアシスト(SA)III」です。SAはIIからIIIにバージョンアップすることにより、緊急自動ブレーキが歩行者認識対応型へと加わりました。これに伴いサポカーSワイドにも対応しています。
17年より以前のキャストは、すべてSA II仕様となってしまいます。これでは少々心許ないというのが正直なところ。安全装備ですから、最新のものが装備されている個体を選びたいものです。
というわけで、おすすめはスタイルのG プライムコレクション SAⅢ。パワーのあるGターボでももちろんいいのですが、流通数がまったく違います。市場に出回っているのはNA車がほとんどです。選択肢を多くできるGのほうが、より自分好みの一台が見つかりやすいでしょう。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車のキャスト
ボディスタイルが3種類あったキャストですが、現在残るのはスタイルのみです。今回の記事もスタイルを中心に紹介していますが、スポーツやアクティバがまったくダメというわけではありません。新車がなくなったので、今後二度と増えることはないクルマです。気に入ったものが見つかったのならば、比較的状態のいい個体が多い今のうちに購入しておいたほうがいいでしょう。
ただし、何年も長く乗る人は少し注意が必要です。生産中止になってからメーカーの保有部品は少しずつ減っていきます。スタイルと共通の部品は問題ないのですが、スポーツやアクティバの専用パーツは早く部品がなくなってしまう可能性があります。例えば、スタイルとスポーツのフロントバンパーは上下2分割構造で、下半分がそれぞれ独自のデザインになっています。スポーツのバンパー下半分だけ先に在庫がなくなる可能性もあるのです。そうすると、ちょっとぶつけてしまった時などは元のバンパーデザインでは直せないかもしれません。
長く大切に乗りたいというのであれば、少しでも部品の残っている可能性が高いスタイルを選ぶ方が、後々困ることは少ないかもしれません。
キャストのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
キャストは3つのボディスタイル、それぞれの個性を強調した新しいコンセプトのモデルとして2015年9月に登場しました。上質感を備えた「スタイル」、スポーティ感を強調した「スポーツ」、クロスオーバーSUV風の「アクティバ」がラインナップされています。それぞれボディとルーフが別色となるツートーンカラーが用意されましたが、ダイハツ独自のラッピング技術「Dラッピング」でこれを表現したことも話題になりました。
キャストスタイルは、3つのなかでは一番高級感のある仕様が特徴でした。ミラジーノのようなクラシックテイストを思わせるスタイリングにメッキ加飾がボディ下部に施され、重心の低さをイメージさせる15インチホイールと台形グリルを装備。スエード調のファブリックシートは肌触りにこだわり、黒とベージュのツートーンを基調としたカラーリングで、落ち着きと上質感のあるインテリアが演出されました。
プラットフォームとパワートレインはムーヴと共通で、NAエンジンとターボエンジンの2種類がラインアップされました。先進安全装備には、緊急自動ブレーキと踏み間違い防止抑制装置を備えたスマートアシストII(SA II)が採用されています。
16年6月には、カラーバリエーションを増やす一部改良を実施。キャストスタイルはツートーンルーフの色にヘアライン調シルバーと、カーボン調ワインレッドが増え、従来のホワイトと合計3色からルーフカラーを選べるようになりました。インテリアのアクセントカラーもピンク・ネイビー・ブラック・ホワイトの4色が増え、従来のシルバー・バーガンディ・ライトブラウンと合わせ計7色に。よりボディカラーとの相性がいいカラーを選択できるようになりました。
この改良では特別仕様車「プライムコレクション」も同時に発表され、レザー調シートを採用するさらに上質感を増した仕様となりました。
17年10月に行われた一部改良では、先進安全装備のSAがIIからIIIへとバージョンアップされました。緊急自動ブレーキが歩行者検知付きへと変わり、国のサポカーSワイドに相当する機能となっています。4箇所のカメラによるトップビューアングル「パノラマモニター」も採用され、安全性能を向上させています。
外観ではフロントグリルの意匠変更が行われ、新規ボディカラー「ダークエメラルドマイカ」が追加されました。プライムコレクションは特別仕様車から通常グレード化し、ホワイトのレザー調シートはブラックへと変更されています。
20年1月に、スポーツとアクティバを廃止しスタイルに一本化。21年5月には法改正に基づいて、オートライトを運転中常時作動する仕様へと小変更されています。
こちらもおすすめ! <タイプ別>中古車のキャスト
●やっぱりターボが欲しい!という人には 2018年式 Gターボ SA III(FF) 中古市場の相場100万〜140万円
軽のターボ車の需要は、NAエンジンの性能が上がってきている昨今では少なくなってきています。今ではターボ車をまったくラインナップしていない車種もあるほどです。キャストも、中古車市場にはターボ車は非常に少ないのが現状です。
しかし、毎日ある程度の上り勾配が続く道を走る人や、高速道路に乗る機会の多い人にとっては、必要なクルマでもあります。ここでもSA III導入以降のモデルを選びましたが、安全装備は少しでもいいものを購入したいものです。キャストスタイルの場合、プライムコレクションやほかの特別仕様車は途端に数が少なくなりますので、少しでも台数の見込めるGグレードを選ぶ方が選択肢は広がるでしょう。
●安全装備よりもコスパ重視なら 2015年式 X SA II(FF) 中古市場の相場50万〜120万円
SA IIIが付いていなくても構わないから少しでも安く購入したいと考えている人にとっては、この選択は魅力的に映るでしょう。ベーシックグレードのSA II付きです。
上級のGと比べると、ハロゲンヘッドライトになったりホイールキャップになったり、見劣りする部分が当然でてきます。しかし、外装のメッキパーツは変わらず装着されますし、フルファブリックのシート材質も変わりません。もちろんパワートレイン系もまったく違いはありません。パッと見ではどちらのグレードかわかりませんので、条件がよければXという選択肢も十分魅力的です。
●スタイル以外なら、雪道にも強くてより個性的なアクティバ 2018年式 アクティバ G SA III(4WD) 中古市場の相場110万〜130万円
スタイル以外のスポーツとアクティバは2020年に廃止されてしまいましたが、どちらも想定のライバルを上回る販売台数が確保できなかったためです。スポーツは、当時のアルト ターボRSをターゲットにしていましたが、のちに追加されたアルトワークスがすべてを一掃してしまいました。アクティバはハスラーがターゲットでしたが、ハスラー人気の高さにはかなわなかったようです。
それでもスタイル以外のデザインがお好みでしたら、より個性的なアクティバがおすすめです。それは最低地上高がほかの2種に比べ高く設定されているからです。
SUV風とはいっても180mmのロードクリアランスを持ち、4WD車にはグリップサポート制御やダウンヒルアシストコントロールなどの電子制御も用意されているので、十分な走破性は確保されています。冬場に積雪がある地方では、個性的なSUVの軽として満足度は高いでしょう。やはりSA III付きの2017年式以降がおすすめです。
キャストならではのチェックポイント
たまに見つかるスマアシなしには気をつけて!
現在は全車標準装備されているスマートアシストですが、ボトムグレードのXには登場からしばらくスマアシレスのグレードがありました。中古車販売店側もSAⅡやⅢの表記をしているところがほとんどですので、間違う可能性は低いと思われますが、購入前に確認だけはしましょう。
あとは、正常に作動しているのかも確認が必要です。緊急自動ブレーキは試すことができませんので、メーター内の警告灯と納車前の点検を信じるしかなさそうですが、これも販売店の担当スタッフに聞いておきましょう。特に記録簿を見てフロントガラスの交換歴があるようでしたら、要注意です。しっかりとスマートアシスト機能の再調整をしているか、必ず確認するようにしましょう。
特別仕様車は積極的に狙ってOK
キャストには今までに合計3回、特別仕様車が登場しています。のちに標準グレードへと変わる、プライムコレクションがその始まりで、2016年6月に発売されました。その後は、リミテッド(18年8月登場)、VS(19年7月登場)が設定されていますが、いずれも中古車市場での流通数は少なめ。
しかし、どの特別仕様車も装備が充実していることは共通ポイントで、もし見つけることができたらラッキーです。シートヒーターやパノラマモニターなどのオプション扱いの装備が付いているので、満足度は高いはずです。好みの個体が見つかれば積極的に狙っていきましょう。
ターボ車購入時はメンテナンス履歴もチェック
ターボ車は高回転で回る排気タービンを備えるのでエンジンオイルの管理が重要です。購入の際には記録簿を見せてもらい、しっかりと定期的にオイル交換などのメンテナンスがされている個体を選びたいところです。メンテナンス次第で、走行時の加速感や回転数の上がり方、そして燃費にも大きく影響してきます。買ってから損をしないように、購入前に必ず確認しましょう。
比べて検討!キャストのライバル車種
見た目がほぼ同じなら従来型もありか 「ホンダN-ONE」
往年の名車、N360をイメージさせるルックスが人気の、ホンダ軽ハッチバック。ホンダ独自のセンタータンクレイアウトならではの広い室内空間が特徴です。プレミアムな上質感も備えていて、キャストスタイルにとってライバルの筆頭です。2020年11月に登場した現行モデルは、スポーティなRSに6速MT車もラインナップするほど豪華なグレード構成。多くのニーズに応える仕様となっていますが、まだ現実的に中古車の旨みは少ないでしょう。中古相場は140万〜220万円となっています。
となると、ターゲットは従来モデルに移ります。現行型と比べてほとんど見た目ではわからない従来モデルですので、見劣り感はほぼありません。こちらの中古相場は20万〜170万円となっています。
可愛らしさとくつろぎ感を重要視した「スズキアルトラパン」
上質感というよりは可愛らしいデザインで、特に女性から圧倒的な支持を受けるアルトラパン。親しみやすさを感じる丸みを帯びたフォルムには、丸型を基調とした前後のライト類やドアミラーが組み合わせられます。くつろぎを感じる温かみのあるインテリアデザインは、キャストスタイル以上と言ってもいいほどの仕上がりです。
登場から6年経っているので、中古車の数も豊富。現在の相場は50万〜160万円となっていますが、緊急自動ブレーキが備わる2019年式以降のモデルがおすすめです。ターボ車が選べないNAエンジンのみのラインナップという点が、唯一キャストに劣っているところでしょう。
トールワゴンでは一番上質感が感じられる「デイズ」
上質なトールワゴンの軽というと、日産・三菱連合のデイズ・eKが候補にあがります。クロスオーバー風なeKクロスより、デイズのほうがよりライバルにふさわしいと思います。
軽自動車のなかでも随一の上質感が感じられる内外装の作り込みが特徴。さらに見た目だけでなく、乗り心地にも上質感を感じられるクルマです。そして、プロパイロットをはじめとする最新の先進安全装備。文句のつけようがない内容です。
デイズの弱点は、まだ価格が高値安定であること。現在の相場は70万〜180万円です。お買い得さはキャストに軍配があがります。
中古車のキャストはここで探せ!
では、中古車キャストをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証を付けることができます。
カーセンサーnetのキャストの掲載件数は2,023件、価格帯は50万~160万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月30日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車のキャスト掲載台数は2,374件、価格帯は50万~160万円となっています(※)。
※いずれも2021年6月30日時点の情報です。
SA III付き個体を選ぶことを優先しましょう
キャストは登場当初から先進安全装備のSA IIを採用してきましたが、最新モデルはSA IIIにバージョンアップして、歩行者対応の緊急自動ブレーキを備えています。お金で買える安全装備ならば、積極的に揃えておくに越したことはありません。SA IIIは2017年10月に登場しましたので、狙うのはこれ以降の中古車です。
上質感がセールスポイントのキャストスタイルですが、特別仕様車は通常グレードよりもさらに上質感のあるアイテムを装備した仕様となっています。流通数は少ないのですが、特別仕様車を見つけたら迷わず選んでも問題ないでしょう。
よくある質問
Q1:中古車のキャスト、どれを買うべき?
A:2018年式のスタイル G プライムコレクション(FF)がイチオシです。プライムコレクションはレザー調シートを唯一採用するモデルです。その上質感と、満足感はほかでは得られないでしょう。流通数が少なめなことが惜しいところです。
Q2:中古車のキャストを買うときに気を付けたいポイントは?
A:先進安全装備のスマートアシストは3世代目のSA III付きを選びましょう。年式では2017年式以降です。歩行者対応の緊急自動ブレーキは、このSA IIIからです。グレードによってはスマートアシストが付いていない個体もありますので、しっかりと確認しましょう。
Q3:中古車のキャストはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のキャストに乗ることができます。
※記事の内容は2021年6月30日時点の情報で制作しています。