マツダの世界戦略車として登場した「アクセラスポーツ」。日本では2003年10月に登場しました。海外では「Mazda3」という名称で販売され、現在発売中のモデルは日本でもMazda3という名称に変わっています。ボディタイプはセダンとハッチバックがあり、アクセラスポーツはスポーティな5ドアハッチバックです。人気車種だけに中古車の流通量も多く、自分に合った1台を選ぶのはなかなか大変です。この記事では中古車のアクセラスポーツなら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事のPOINT
- 一番推したい中古車のマツダ「アクセラスポーツ」は2017年式15XD
- G-ベクタリングコントロール搭載年式のディーゼルをチョイス
中古車のアクセラスポーツ、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2017年式15XD」を120万円で買う!
中古市場にあるアクセラは、2003年10月にデビューした初代から2013年11月デビューの3代目(最終型)まであります。その中で現実的な選択肢になるのは2009年6月にデビューした2代目と3代目。2代目は相場が20万〜240万円、3代目は相場が60万〜230万円です。
その中から筆者が選ぶのは、3代目の2017年式15XDになります。
3代目アクセラには1.5Lと2Lのガソリンエンジン、1.5Lと2.2Lのディーゼルエンジンという多彩なパワーユニットが用意されました。その中で流通量が圧倒的に多いのは1.5Lのガソリンエンジンになります。
ただ、マツダらしさを存分に味わいたいならディーゼルモデルがおすすめ。日本車でハッチバックをディーゼルで楽しめるのは、マツダしかありませんから。2種類のディーゼルのうち、強烈な個性があるのは420Nmという4L V8ガソリンエンジン並みのトルクを発生する2.2L車。ただ、1.5Lディーゼルエンジンでもマツダらしさは十分味わえます。
1.5LディーゼルにはG-ベクタリングコントロールという車両制御が搭載されます。この1.5Lディーゼルをチョイスしました。
ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車のアクセラスポーツ
イチオシモデルとして紹介した15XD以外にも、アクセラスポーツはさまざまな視点から魅力的な中古車を探すことができます。普段使いの快適さを求めながら経済性も大事にしたい人は1.5Lのガソリンモデル。キレのいいスポーティさを味わうなら2Lのガソリンモデルがおすすめです。そして他の車では絶対に体感できないパワフルさを堪能するなら迷わず2.2Lのディーゼルを。2Lガソリンは1.5Lディーゼルがラインナップに加わった時にカタログ落ちしたのでG-ベクタリングコントロールを搭載していません。それでも選ぶ価値は十分あるモデルです。
アクセラスポーツのモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧
2003年10月にファミリアの後継モデルとして登場した初代アクセラスポーツ。ファミリアは5ナンバーサイズでしたが、アクセラスポーツは全幅が1,745mmで3ナンバーサイズとなりました。
2代目アクセラスポーツは2009年6月デビュー。当時のマツダが展開した5角形グリルの新しいフロントフェイスが採用され、流れるようなボディラインと相まって、クーペのようなルックスになりました。
室内はゾーンレイアウトコンセプトという新しい考え方が取り入れられました。ドライバーが自然な視線移動で視認できるゾーンにマルチインフォメーションディスプレイを配置し、オーディオとエアコンスイッチやシフトレバーなどの操作系アイテムもドライバーの手の動きが最小限になるゾーンに配置されました。これらによりドライバーが運転に集中できる環境を実現しています。
パワートレインは1.5L+CVTと、2L+5速ATを用意。2L車にはアイドリングストップ機構が備わります。そしてアクセラにはないグレードとして、2.3Lターボと6速MTを組み合わせたマツダスピードアクセラも用意されました。
2Lエンジン搭載の20Eと20S、そしてマツダスピードアクセラには60km/h以上で走行中に隣車線の後方から接近する車両を検知するとドアミラーの鏡面に内蔵したインジケーターが点灯し警告するリアビークル・モニタリング・システムがオプション設定されました。
2011年9月のマイナーチェンジでは、マツダの新世代技術であるスカイアクティブテクノロジーを採用したエンジン「スカイアクティブG-2.0」を新採用。2L車はトランスミッションもスカイアクティブ技術を盛り込んだ6速AT「スカイアクティブドライブ」に変更。
またデザインも空力性能を高めたものに変更されています。これらにより当時の2Lクラストップとなる20km/L(10・15モード)を達成しました。
そしてこのタイミングでボディフレームの板厚を増加するとともにクロスメンバーの閉断面化などが行われ、ボディ剛性が向上。これにより操縦安定性が高まりました。
2012年12月には、20Sスカイアクティブと15Sをベースに大型リアルーフスポイラー、シャークフィンアンテナ、ガンメタリック塗装アルミホイールなど、マツダスピードアクセラや欧州仕様のアクセラ(Mazda3)に採用されているアイテムを取り入れた特別仕様車「スポーツエディション」が登場しました。
2013年11月に登場した3代目アクセラは、マツダの新しいデザインテーマである「魂動-Soul of Motion」を採用。肉食動物が獲物を狙う直前に力を蓄えた時の緊張感と躍動感が表現されています。
そして3代目アクセラからスカイアクティブ技術が全面採用されています。
インテリアは運転席側をドライバーが運転に集中できる凝縮感のある構成、助手席側は開放感のある空間に構成されています。そして運転席はドライバーの体の同軸上にスピードメーターやステアリングホイールなどをレイアウト。ドライバーが自然な脱力状態でシートに座り足を伸ばしたところにペダル類が配置されました。
ペダル位置はタイヤハウスやセンタークラスターなどの影響を受けやすいもの。アクセラはスカイアクティブテクノロジーにより前輪を50mm前方に配置できたことで、自然なペダルレイアウトを実現しました。
パワートレインは1.5Lエンジンと2.2Lディーゼルターボが6速ATと6速MT、2Lガソリンエンジンは6速ATの組み合わせに。先進安全装備は衝突を回避し被害を軽減するスマート・ブレーキ・サポートとスマート・シティ・ブレーキ・サポート&AT誤発進抑制制御、車間認知支援システム&前方衝突警報、車線逸脱警報システム、アダプティブ・フロントライティング・システムなどが用意されました。
3代目アクセラスポーツは毎年行われる改良で機関系や制御系に大きな変更が加えられました。以下、順を追って紹介します。
【2014年4月】
- 2Lガソリンモデルに6速MTを追加。
【2014年9月】
- 1.5L車にスマート・ブレーキ・サポート、レーダー・クルーズ・コントロールを装備する15Sツーリングを設定。
- 15S、20Sツーリング、20Sツーリング Lパッケージにスマート・シティ・ブレーキ・サポート&AT誤発進抑制制御、自動防眩ルームミラーを標準装備。
【2015年8月】
- 15Sツーリングに4WDを設定。
- 15Sツーリング、20Sツーリング、20Sツーリング Lパッケージ、XDにブラインド・スポット・モニタリング、リア・クロス・トラフィックアラートを標準装備(15Sにメーカーセットオプション設定)。
【2016年7月 マイナーチェンジ】
- ディーゼルエンジンにノック音を抑制するナチュラル・サウンド・周波数コントロール、ノックオンの原因となる振動を抑えるナチュラル・サウンド・スムーザーを採用。
- ディーゼルエンジンにより細かな燃料噴射を可能にしたDE精密過給制御を採用。
- ドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを緻密に変化させるG-ベクタリングコントロールを搭載。
- 2.2Lディーゼルエンジン搭載グレードに路面状況や天候、ドライバーの意図からクルマの状況を先読みし、前後輪トルク配分を最適に制御するi-アクティブAWDを採用。
- 1.5Lディーゼルエンジン搭載グレードを新設定。
- 交通標識認識システムを15XD、15C、15S以外に標準装備。
左右各4ブロックに分割されたLEDを個別に点灯・消灯できるハイビームで夜間の視認性を高めるアダプティブLEDヘッドライトを15XD、15C、15S以外に標準装備。 - 15C以外のグレードで、従来のスマート・シティ・ブレーキ・サポート[前進時]を歩行者検知も可能なアドバンスト スマート・シティ・ブレーキ・サポートに変更。
【2017年8月】
- マツダの先進安全装備パッケージであるi-アクティブセンスが全グレード標準装備に。
- 4つのカメラによる前後・左右・俯瞰映像をセンターディスプレイに表示する360°ビューモニターを15C以外の全グレードでオプション設定。
3代目アクセラスポーツは2019年4月まで生産され、2019年5月に次のモデルにフルモデルチェンジ。このタイミングで車名が世界統一名称であるMazda3の名称が与えられ、Mazda3ファストバックに変更されました。
こちらもおすすめ!タイプ別にアクセラスポーツ中古車を選ぶなら
●ハッチバックとは思えないビッグトルクを堪能「後期型22XD Lパッケージ」 中古車の相場130万〜220万円
1.5Lディーゼルとは次元が違う、強烈なトルク感を味わえるのが2.2Lディーゼル車。最大トルク420Nmという数値は4L V8ガソリンエンジンに匹敵します。
アクセラスポーツの中古車を選ぶ場合、G-ベクタリングコントロール(GVC)はぜひ欲しい機能。必然的におすすめは後期型になります。ただ、GVCは必要ない、もう少し予算を抑えたいという人は前期型に注目。前期型XDの価格帯は60万〜160万円になります。
●普段使いの快適性を求める人はベーシックな1.5Lエンジン搭載車を「後期型15S」 中古車の相場90万〜190万円
燃費性能、走りの爽快感、そして税金などの維持費。小型セダンのメリットを味わいたい人は1.5L搭載車がおすすめ。15Sには本革ステアリングと本革シフトノブ、フルオートエアコン、2つのUSB端子などが備わります。
G-ベクタリングコントロール(GVC)が備わった後期型の中古車は60台ほど流通。GVCにこだわらないなら前期型の中古車を。前期型15Sは100台ほど流通していて、価格帯は60万〜140万円になります。
●希少性の高いアクセラで、マツダらしさを味わう「2代目マツダスピードアクセラ」 中古車の相場90万〜240万円
3代目アクセラスポーツには設定されていない、マツダのモータースポーツ部門であるマツダスピードが手がけたアクセラ。強化ボディ、専用チューンのサスペンション、そして力強く加速する2.3Lエンジンにより、3代目とは全く違う性格を楽しめます。
マツダスピードアクセラの中古車は20台ほど流通。低価格帯は走行距離が10万km前後のもの、修復歴があるものが多くなります。高価格帯だと低走行車も見つけやすくなります。
中古車のアクセラスポーツならではのチェックポイントはココ
年次改良でどんな装備が搭載されたかは必ずチェック
今のマツダの車は中古車を狙うのがとても難しくなっています。それはフルモデルチェンジ・マイナーチェンジ一覧でもまとめたように、細かい年次改良が頻繁に行われているから。しかもデザインが少し変わったというものではなく、車の根幹に関わる変更が行われているのが特徴です。アクセラスポーツの中古車を探すときは、どのような変遷を経ているかを改めて確認し、自分が欲しいのはどの装備が搭載されたモデルかを確認してください。
電装系は一通り動かしてみる
3代目アクセラスポーツはデビューイヤーのものでもそこまで古くないので、機関系の状態はそこまで悪くはなっていないでしょう。ただ、電装系部位は使い方によってはトラブルの兆候が出ている可能性もゼロではないので、店頭では一通りのスイッチを動かしてみてください。エアコンは冷房と暖房の両方を動かすことも忘れずに。
2代目は室内の状態を確認
2代目アクセラスポーツはデビューから時間が経っているので、室内にそれなりの使用感が出ている中古車もあります。店頭ではシートやステアリング、スイッチ類など触れる機会が多い部分を中心に状態を確認し、納得できるかよく考えて購入しましょう。また、マツダスピードアクセラはハードな乗り方をされたものもあります。車両状態は販売店と一緒にしっかり確認した上で購入を検討してください。
アクセラスポーツの中古車と比べたいライバル車種はコレだ!
水平対向エンジン+4WDをコンパクトなハッチバックで味わえる「スバル2代目インプレッサスポーツ」
アクセラと同様にセダンとハッチバックが用意されるインプレッサ。ハッチバックはインプレッサスポーツというネーミングになります。2016年10月にデビューした2代目インプレッサスポーツは新開発の2L水平対向エンジンと1.6L水平対向エンジンを搭載。プラットフォームは新世代のスバルグローバルプラットフォームを採用。しっとりした乗り味が高く評価されています。先進安全装備はアイサイトver.3が全グレードに標準装備されました。中古車の流通量は420台ほどで、価格帯は90万〜270万円となっています。
豊富なパワートレインから好みのものを選べるスポーツハッチバック「トヨタ2代目オーリス」
2012年8月から2018年6月まで生産された2代目オーリスは「スポーツハッチバックの新基準を打ち立てる」という大きな目的のもので誕生しました。初代より全高を55mmも低くして低重心化を実現。ボディ剛性は初代より約10%高められました。搭載エンジンは1.5Lと1.8Lでトップグレードの1.8RSには6速MTが搭載されます。2015年4月のマイナーチェンジでは1.2Lターボ、2016年4月には1.8L+モーターのハイブリッドが追加設定されました。中古車は480台ほど流通していて、価格帯は60万〜190万円になります。
高級感とスポーティさが融合したプレミアムハッチバック「メルセデス・ベンツ3代目Aクラス」
メルセデス・ベンツのエントリーモデルであるAクラス。2012年11月に日本導入された3代目はそれ以前のものとは大きくイメージを変え、メルセデス・ベンツらしいプレミアム性が与えられたスポーティなハッチバックになりました。ラインナップは1.6Lターボを搭載するA180と2Lターボを搭載するA250。2014年4月にはA250に4WDの4マチックが設定されました。2015年11月にはマイナーチェンジ版を日本導入。CPAプラス(緊急ブレーキ機能)などが標準装備となりました。3代目Aクラスの中古車は450台ほど流通していて、価格帯は80万〜350万円となっています。
中古車のアクセラスポーツはここで探せ!
では、中古車アクセラスポーツをどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。
カーセンサーnet
カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。
また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証を付けることができます。
カーセンサーnetの2代目・3代目アクセラの掲載件数は961件、価格帯は20万~240万円となっています(※)。
※2021年7月31日時点の情報です。
グーネット中古車
先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。
グーネット中古車ではマツダスピードアクセラが別モデルという扱いになっています。2代目・3代目アクセラスポーツの掲載台数は960件で価格帯は20万~230万円、2代目マツダスピードアクセラの掲載台数は21件で価格帯は80万~240万円となっています(※)。
※2021年7月31日時点の情報です。
年次改良をしっかり把握した上で中古車を探していきましょう
中古車選びのメインターゲットとなる3代目アクセラスポーツは機関系や制御系の大きな変更が頻繁に行われているのが特徴です。場合によっては価格がほとんど変わらないのに重要な機能が搭載されていない中古車を選んでしまうことも。購入前にはどのタイミングでどんな変更があったかをしっかり把握しておきましょう。予算に余裕があるなら、G-ベクタリングコントロールが搭載された2016年7月以降のものがおすすめです。
よくある質問
Q1:中古車のアクセラスポーツ、どれを買うべき?
A:マツダらしさを味わえるディーゼルエンジンを搭載した1.5XD
Q2:中古車のアクセラスポーツを買うときに気を付けたいポイントは?
A:年次改良でどこが変更されたか、どんな装備が加わったかを把握した上で中古車を探してください。
Q3:中古車のアクセラスポーツはどこで手に入れればいい?
A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用するとよいでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車のアクセラスポーツに乗ることができます。
※記事の内容は2021年7月時点の情報で制作しています。