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中古車のトヨタ「86」モデル別相場と正しい買い方徹底解剖

中古車のトヨタ「86」モデル別相場と正しい買い方徹底解剖
中古車のトヨタ「86」モデル別相場と正しい買い方徹底解剖

国産スポーツカーの中で、圧倒的な販売台数を誇るのがトヨタ「86」です。1980年代に登場し、漫画の主人公の愛車として現在でも高い人気を誇るAE86型カローラレビン/スプリンタートレノの正統な後継車として、2012年に登場しました。この初代モデルはすでに生産終了となり、今秋に発表される新型のGR86が公開されています。初代86は約9年間というモデルライフで進化し続けました。今回は中古車の86なら、どのモデル、グレード、年式のものを買えば一番お得なのか、間違いがないのかという正しい買い方に加えて、気になる最新の中古車相場の状況などを専門家の目線で徹底解説します。ぜひ参考にしてください。

この記事のPOINT

  • 一番推したい中古車のトヨタ「86」は2016年以降のマイナーチェンジ後のモデル
  • 少しでも安く高品質の86を手に入れるならAT車を選ぶ

中古車の86、おすすめモデルはズバリこれ。自分なら「2016~2017年式2.0GT」を250万円で買う!

86

現在、トヨタ86の中古車の流通台数は約1060台、平均価格は約203.2万円です。3ヵ月前は約203.8万円だったのでほぼ横這いといえる動きとなっています。中古車の価格帯は約89万〜約745万円と非常に幅広くなっています。高価格帯は100台限定で発売されたコンプリートカーの14Rをはじめ、チューニングを施されたクルマやGRモデル、ファイナルバージョンと言われている限定86台のブラックリミテッドが並んでいます。一方、100万円以下の中古車は9台ほど流通していますが、MT車はそのうち2台のみです。スポーツカーの86はMT車の比率が多いように感じますが、約1060台の中古車のうち約51.2%の約543台がMT車で、MT車とAT車はほぼ半々となっています。

86の運転席

86は2016年7月にマイナーチェンジを行い、内外装の変更とMT車のエンジンの出力向上を行いました。このマイナーチェンジを境に、前期型と後期型に分けることができます。736台と圧倒的に流通台数が多いのは前期型ですが、おすすめしたいのは、マイナーチェンジ後の2016〜2017年式の2.0GTです。このモデルはエンジンの出力向上に合わせて、リアピラーのスポット打点増し打ちによるボディ剛性強化やサスペンションなどの足回りの改良を行っています。ボディそのものの強化はアフターパーツで補うのは難しいことがおすすめする理由です。

後期型は前期型に比べると流通台数は少なくなっています。その中で2.0GTのMT車は最も流通台数が多く、200万円から購入することが可能となっています。エンジン出力が向上し、ボディ剛性の高くなった後期型2.0GTのMT車を250万円で狙うのもオススメです。価格は高いのですが、クルマのコンディションも良好なケースが多いので安心して狙えるということも理由です。

スポーツカーはどうしても、操る楽しさを味わえるMT車のほうが中古車相場は高くなる傾向があります。しかし、86はAT車でもスポーツカーらしい軽快な走りを楽しむことができます。さらに、パドルシフトが装着されているので、MTのように思うがままシフトチェンジも行えます。自在にシフトチェンジも楽しめて、しかも価格が割安な86のAT車は流通台数も多くて探しやすいのが魅力です。

ほかにもこんなに!お買い得で魅力的な中古車の86

86_GT"Yellow Limited

86は約9年というモデルライフの中で、様々な特別仕様車を販売しました。14RやGRMNといった走行性能に磨きをかけたモデルも多いですが、特別なボディカラーを纏ったクルマも多く設定されています。2015年7月に発売された「GT”Yellow Limited”」や2016年11月の「GT”Solar Orange Limited”」、そして、2019年2月のGT”British Green Limited”」などが当てはまります。こういった特別なボディカラーのクルマであれば、流通台数の多い86でも、高いオーナーシップを味わうことができます。ただし、流通台数は多くないので、じっくりと探してください。

86のモデルチェンジ、マイナーチェンジ一覧

86_2

初代トヨタ86は2012年2月に発表、4月より販売開始されました。スバルBRZとは兄弟車の関係ですが、外観はもちろん、走りのセッティングも異なっています。86はドライバーの感覚ひとつでいかようにも取り回せる“手の内感(てのうちかん)”や操る楽しさを体感できる、『直感ハンドリングFR』をコンセプトに、フロントミッドシップに2L水平対向エンジンを搭載。さらに、460mmという超低重心FR(後輪駆動)パッケージを採用することで、従来のスポーツカーとは別次元の走りの楽しさを追求しています。

86の運転席_2

86の運転席_3

86_後部座席

搭載するエンジンは新開発の2L水平対向4気筒エンジンで、D-4Sと呼ばれる直噴技術を採用し、最高出力200psという高出力とJC08モード燃費13.4km/Lという低燃費を両立しています。グレード構成はスタンダードのG、プロジェクター式ディスチャージヘッドランプ、17インチ専用アルミホイール、本革巻きステアリングホイール・シフトレバーノブ・パーキングブレーキレバーおよびスポーツアルミペダルなどを標準装備する上級グレード「GT」。さらに、本革×アルカンターラのシート表皮(運転席・助手席シートヒーター付)、リアスポイラーなどを装備する「GT“Limited”」。そして、レース競技などのベース車として最適なカスタマイズグレード「RC」の4グレードとなっています。

2014年4月には、ショックアブソーバーの特性を見直すなど、サスペンションにチューニングを施し、操縦安定性と乗り心地をともに向上させています。同時にGTとGT“Limited”には、カーボン調加飾を施したインストルメントパネルを採用。よりスポーティな仕様となりました。

86_3

2015年2月にも一部改良を行い、電動パワーステアリングの特性を変更し、ボディ剛性を強化するなど、より軽快で自然なステアリングフィールとし、乗り心地もより向上させています。さらに、内外装を独自のスタイルにアレンジしたカスタマイズカー 86 style Cbを設定しました。

2016年7月に86はマイナーチェンジを行い、内外装の変更に加えてエンジンの吸排気系に改良を加えて、MT車の最高出力を207psへとパワーアップ。同時に低速域からのトルク向上を含む、幅広い回転域での最大トルク発生を実現しています。さらに、リアピラーのスポット打点増し打ちによるボディ剛性の強化に加え、サスペンションなど足回りの改良を実施し、操舵応答性と乗り心地の良さを両立しました。そして、SACHS(ザックス)ショックアブソーバーをオプション設定し、より優れた操舵応答性や乗り心地に仕立てることが可能となりました。

86_ショックアブソーバー

2016年11月には、86 GT“Limited・High Performance Package”を設定。これはGT“Limited”の仕様をベースに、Brembo社製の高性能ブレーキを採用することで、優れた制動性能を確保。また、専用17インチアルミホイールやSACHS(ザックス)ショックアブソーバーを装備し、高い操縦安定性を追求したモデルとなっています。これにより、ドライバーの「直感ハンドリング」に応える楽しいクルマとして磨きをかけています。

2017年9月に86は一部改良を行い、ステアリングの支持剛性強化やパワーステアリングの再チューニングにより、ハンドリングのダイレクト感に磨きをかけています。

86_GR-SPORT

そして、2018年7月には新グレード「GR-SPORT」を設定。専用フロントスポイラー(アンダーリップ無)+専用フロントバンパーサイドフィン、brembo製17インチ対向フロント4ポッド・リア2ポッドベンチレーテッドディスクブレーキ、17インチのブラック塗装された専用アルミホイールなどを装着しています。

86_GT BLACK LIMITED

2020年3月にはファイナルバージョンと言われている特別仕様車のGT“BLACK LIMITED”を設定。MT車とAT車をそれぞれ43台、限定86台を発売しました。そして2021年4月に生産終了となっています。

こちらもおすすめ!86の中古車をタイプ別に選ぶなら

●とにかくコスパ重視なら「 2012年~2014年式のMT車」 中古市場の相場99万~538万円

86の運転席_4

初代86のMT車を狙うのであれば、流通台数が豊富な2012年〜2014年式がターゲットとなります。台数は少ないですが、100万円以下の中古車もようやく出回るようになりました。ただし、この際注意したいのは、グレードへのこだわりはもたないことです。流通台数はGTやGTリミテッドが多いですが、とにかくコンディションを重視して選ぶことが大切です。

● 人と違うモデルが欲しいなら「2.0スタイルCb」 中古市場の相場204万~279万円

86 スタイルCb

2015年2月に行われた一部改良の際に設定されたカスタマイズモデルが86 スタイルCbです。Cbとはクールビューティーの頭文字が由来です。86 GTをベースに、外観ではノーズをのびやかに延長した専用フロントバンパー&フロントグリル、楕円形の金属調ベゼルを縁取った専用オーバル形ヘッドランプを採用し、クラシカルな雰囲気を演出。内装では、“Cb”エンブレム付専用高級本革巻きステアリングホイール、新意匠のアナログホワイトメーター、インストルメントパネルに黒檀木目調インテリアパネルを採用するなど、上質な室内空間を演出しています。中古車は約7台しかありませんが、存在感は抜群です。

●最上級の所有感を味わいたいなら「ファイナルモデルのブラックリミテッド」 中古市場の相場339万~483万円

86_ブラックリミテッド

ブラックリミテッドは2020年3月に86台限定で発売された特別仕様車です。86のルーツであるAE86の時もファイナルバージョンとして特別仕様車のブラックリミテッドが設定されました。GTをベースに、クリスタルブラックシリカのボディカラーを採用。ブロンズ塗装を施した17インチ専用アルミホイールを特別装備。brembo製17インチベンチレーテッドディスクブレーキやSACHSアブソーバーが採用されています。インテリアも内装はブラックに統一されているのが特徴です。現在、中古車は約5台しか流通していませんが、初代86の中でもレガシーとして残る1台です。

中古車の86ならではのチェックポイントはココ

86のホイール

86のコンディションはこれをチェック

86はスポーツカーのため、前オーナーの使い方やメンテナンスの頻度によって、コンディションに大きく差が付きます。カスタマイズされていたクルマもノーマルに戻して販売されるケースもあるので、見た目だけでは判断することは難しいです。したがって86のようなスポーツカーは特に販売店選びが重要となっています。スポーツカー専門店であれば、86を何台も扱っているので比較することもできますし、ウィークポイントなども説明してくれます。したがって86のようなスポーツカーは販売店選びが非常に重要になってきます。

ドレスアップ車の場合は純正部品があるかどうか

自動車メーカーのディーラーは改造に対して、非常にシビアです。大径のアルミホイールを装着していたり、ローダウンサスペンションなどのカスタマイズをしていたりするクルマはメンテナンスなどの入庫を断られることもあります。もし純正部品以外のアルミホイールなどが装着されている場合は、一応純正品があるかどうか確認したほうがいいでしょう。

スポーツカーならではの注意点

中古車のコンディションは前オーナーの使い方に左右されます。エンジン車の場合は、走行距離が少ないほうが良コンディションと言われますが、年式が進んでいるのに距離が伸びていないとメンテナンス面で不安になります。また走行距離が多くても、ディーラーなどでしっかりとメンテナンスを行っている履歴が整備記録簿に残っていれば、安心して購入することができます。したがって86のような使い方に差がある中古車を購入する際には、必ず、整備記録簿でこれまでの履歴を確認してください。もし、この整備記録簿がないというのであれば、購入は避けたほうがいいでしょう。

86の中古車と比べたいライバル車種はコレだ!

フロントとリアのデザインが違う86の兄弟車「スバルBRZ」

スバルBRZ

トヨタ86はトヨタとスバルの共同開発によって生まれたモデルです。したがって兄弟車としてスバルBRZが存在しています。BRZは86よりひとあし早く2021年7月にフルモデルチェンジを行い、新型が登場しています。グレード構成は異なりますが、搭載するエンジンなどは86と同じです。ただし、サスペンションの設定などが異なるため、操縦性や乗り味が異なっています。中でもBRZはスバルのファクトリーブランドと開発したSTIスポーツというグレードを用意しているのが特徴です。中古車の流通台数は86と比べるとかなり少ないですが、MT車の比率が高くなっています。

2シーターオープンカーブームの火付け役「マツダロードスター」

マツダロードスター

1989年に初代モデルが登場して以降、スポーツカーの灯を消すことなく、進化しているのがマツダロードスターです。2シーターオープンカーですが、86と同じ後輪駆動を採用し「人馬一体」のクルマを操る楽しさを味わえるモデルです。2015年に登場した現行モデルは、車両重量の軽さを活かした軽快な走りを実現するライトウェイトスポーツへと原点回帰したモデルとなっています。特にソフトトップ車は1.5Lエンジンとなり、パワーを余すことなく使い切るという楽しさを味わえるモデルに仕上がっています。

新車では価格帯は違うが、中古車ならば同じレンジとなる「日産フェアレディZ」

日産フェアレディZ

6代目となる現行型日産フェアレディZは2008年に登場したロングセラーモデルです。ハイパワーな3.7L V型6気筒エンジンを搭載した後輪駆動のスポーツカーです。新車価格は400万円からと86とは価格レンジは異なりますが、中古車では同じ価格帯となります。まさにこれが中古車購入の醍醐味と言えるでしょう。駆動方式は同じですが、エンジンの出力が異なるフェアレディZ。中古車でのコストパフォーマンスは86以上に魅力です。

中古車の86を賢く探すのなら

86のトランクルーム

では、中古車86をどこでどのように探したらよいでしょうか。カーライフを賢くスムーズに始めるのに、おすすめのサービスや販売店をご紹介します。

カーセンサーnet

カーセンサーnetは中古車情報誌時代から数えて40年近い歴史と実績を誇る検索サイトで、サイト上には約50万台の情報が掲載されています(※)。車の状態を示す評価について独自の認定システムを導入しているので、こうした評価を目安にすれば、車に詳しくない方でも安心して車選びができるでしょう。

また、「カーセンサーアフター保証」に加入すれば、業界最多水準の350項目の部品について修理が保証されます。保証料金は車に合わせて細かく設定できるので、無駄なく予算に合わせた保証を付けることができます。

カーセンサーnetの86の掲載件数は1,064件、価格帯は88.8万~745.2万円となっています(※)。
※いずれも2021年7月30日時点の情報です。

グーネット中古車

先述のカーセンサーnetと同じような中古車情報サイトで、こちらも約50万台が登録されています(※)。グーネット中古車にも、検査協会などが車の状態を評価する「ID車両」という制度や、最長3年まで走行距離無制限でさまざまな保証が付く「Goo保証」などの制度があります。

グーネット中古車の86の掲載台数は1,068件、価格帯は88.8万~840万円となっています(※)。
※いずれも2021年7月30日時点の情報です。

MT車がほしいならば、グレードやボディカラーにこだわらない。

86のエンジンルーム

新車ならば、自分の好みの仕様を作ることができます。しかし中古車の場合は、自分の予算にマッチするクルマを探すために、妥協することも必要となってきます。特に86のようなスポーツカーではMT車というだけで価格は高めになりますし、多くの人が探しています。したがって自分のこだわりを捨てられないと、良いクルマを見つけることができなくなってしまいます。自分の予算に合った86のMT車を購入する場合、グレードやボディカラーなどに優先順位を付けて探すのが購入成功の近道と言えるでしょう。

よくある質問

Q1:中古車の86、どれを買うべき?

A:ノーマルの状態で長く乗りたい!というのであれば、2016年のマイナーチェンジ後のモデルがオススメでしょう。価格は高くなりますが、コンディションの良いクルマが多くなります。一方、ドリフトやサーキットで腕を磨きたい!というのであれば、前期型の価格の安いクルマが良いでしょう。余った費用をチューニングパーツやタイヤ代に投入したほうが、スキルは向上します。自分がどういう風に乗るのかで、選ぶクルマは変わってきます。

Q2:中古車の86を買うときに気を付けたいポイントは?

A:86はスポーツカーということもあり、修復歴有りというクルマも多くなっています。修復歴有りとなっていても、どの程度修理したのかをキチンと説明してもらって納得できれば、良い買い物ができるわけです。最初から修復歴有りの中古車をスルーするのではなく、販売店に尋ねるというユーザーの積極的なコミュニケーションが必要となります。

Q3:中古車の86はどこで手に入れればいい?

A:購入するなら全国の販売店の窓口となっているカーセンサーnet、グーネットなどの中古車情報検索サイトを活用すると良いでしょう。頭金や初期費用の一括払いが必要ない方法を探しているなら、定額カルモくんがおすすめです。支払いは毎月定額の利用料金だけなので、すぐにお好みの中古車の86に乗ることができます。

※記事の内容は2021年7月時点の情報で制作しています。

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