車の安全性能は年々進化しています。これからの時代、車の安全性能の中心は衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制装置などをはじめとした先進安全性能になってくることは間違いないでしょう。
ここでは、スバル「XV」はどんな安全性能を備えているのかご紹介します。
この記事のPOINT
- XVは「アイサイト コアテクノロジー」を全車標準装備
- ドライバーの運転負荷を軽減する運転支援技術「ツーリングアシスト」を搭載
- オプションの「アイサイトセイフティプラス」は「1.6i EyeSight」を除くグレードに追加可能
XVの安全性能の特徴
XVには、スバルの運転支援システム「アイサイト」のうち、衝突の回避や衝突被害の軽減をサポートしたり、ドライバーの運転負荷を軽減したりする機能が搭載された「アイサイト コアテクノロジー」が全車標準装備になっています。
「アイサイト」は人の目と同じように広い視野角と視認距離を持つ2つのステレオカメラを使用して他の車や歩行者、車線などを認識します。そのステレオカメラや各センサーから得られる情報、走行状況などをもとにソフトウェアが必要な制御を判断し、車の各ユニットを適切に制御して高度な運転支援を実現するシステムです。
XVに搭載される「アイサイト コアテクノロジー」の内容
ここからは、XVに搭載されている「アイサイト コアテクノロジー」にはどのような先進安全技術が含まれているのかを見ていきましょう。
プリクラッシュブレーキ
ドライバーへの注意喚起からブレーキアシスト、ブレーキ制御と段階を追って作動させ衝突回避、被害軽減を目指した機能です。
ステレオカメラが先行車や歩行者を認識し、システムが衝突の可能性ありと判断した場合には警報音やディスプレイ表示によってドライバーに注意喚起。ドライバーがブレーキ操作を行うとブレーキアシスト機能で強いブレーキ力を速やかに発生。
何らかの理由でドライバーがブレーキ操作を行わなかった場合には、ブレーキ制御を行い、減速もしくは停止します。自車の速度が約1~約160km/h未満の速度域で作動します。幅広い速度域に対応しているのは評価できるポイントといえるでしょう。
後退時ブレーキアシスト(「1.6 EyeSight」を除くグレードに標準装備)
後退時に壁などの障害物を検知し、衝突の危険があると判断した場合は障害物の距離に応じて段階的に注意喚起します。
それでも回避操作がない場合はブレーキ制御を行い、後退時の衝突の回避や衝突被害の軽減を図る機能です。
AT誤発進抑制制御&AT誤後進抑制制御
駐車時などのアクセルとブレーキの踏み間違いや、シフト操作ミスによる急加速や急発進を抑制する機能です。
発進時には障害物を検知している状態でシステムが誤発進だと判断すると警報音とディスプレイ表示で警告するとともに、エンジン・ハイブリッドシステムの出力を抑制して発進をゆるやかにし、衝突回避・被害軽減に貢献します。
後退時にはアクセルの一定以上の踏み込みを検知してシステムが誤発進だと判断した場合に作動します。また、XVでは後退時の制限速度の設定が可能な「後退速度リミッター」も備えているのが特徴です。
全車速追従機能付きクルーズコントロール
おもに自動車専用道路や高速道路において、0~約120km/hの車速域で先行車を認識して安全な車間距離を維持しながら追従走行したり、設定した車速で定速走行したりしてドライバーの運転負荷を軽減し、安全運転をサポートするシステムです。
全車速追従機能がついているので渋滞時などに先行車が停車すれば自車も停止し、先行車が発進すれば自車もペダル操作もしくはスイッチ操作で追従走行を再開します。
車線逸脱抑制
ステレオカメラが左右の車線を認識し、車線から逸脱する危険があれば警報を発するとともにステアリング操作を支援し、車線から車が逸脱するのを防ぐようサポートする機能です。
ツーリングアシスト
高速道路や自動車専用道路において、システムが先行車と区画線を検知し適切な車間距離を維持しながら加減速・ステアリング操作をサポートすることでドライバーの運転負荷を大幅に軽減する最新鋭の運転支援機能です。渋滞時から高速走行時まで、0~約120km/hの幅広い車速機で作動します。
警報&お知らせ機能
システムが車のふらつきや車線逸脱の可能性を認識すると警報音とディスプレイ表示でドライバーに注意喚起を行います。
また渋滞や信号などで停止している際、先行車が発進して一定の距離があいても自車が発進しない場合には警報音とディスプレイ表示で先行車の発進を知らせ、出遅れを防止する先行車発進お知らせ機能も備えています。
また、XVではアイサイト コアテクノロジーのほかに、死角を減らしてさらなる安全を提供する運転支援パッケージの「アイサイトセイフティプラス」がオプションで追加できます。
「アイサイトセイフティプラス」には、ドライバーの死角になりやすい後側方からの接近車両をセンサーで検知し、ドアミラーに設置されているインジケーターや警報音で危険を知らせる「スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)」やフロントビューモニター、サイドビューモニターが含まれます。
なお、「アイサイトセイフティプラス」は「1.6i EyeSight」を除くグレードに設定可能です。
衝突安全性もチェック
XVでは、合計で7つもの乗員保護エアバッグを全車に標準装備し、衝突安全性も高いレベルに保っています。定番の運転席・助手席のデュアルエアバッグのほかに側方からの衝撃に対応するサイドエアバッグとカーテンエアバッグ、前面衝突時の下肢への衝撃を軽減する運転席ニーエアバッグを備えています。
また乗員だけではなく万一の歩行者との衝突事故の場合に、歩行者への衝撃を緩和する歩行者保護エアバッグも装備しています。歩行者保護エアバッグを搭載したのは国産車ではスバルが初めてです。
オプションの追加も視野に入れてグレードを選ぼう
近年の新型車には何らかの先進安全性能が搭載される時代になりつつありますが、その数やレベルはメーカーによっても異なりますし、同じメーカー内でも車種によって違いがあるのが現状です。
そのため車選びの際にはどのような安全性能を備えているのか必ず確認するようにしましょう。XVは充実した装備内容の運転支援システムの「アイサイト コアテクノロジー」を全車に標準装備するとともに、衝突安全性にも配慮が見られます。
オプションで「アイサイトセイフティプラス」を追加することも可能ですが、「1.6i EyeSight」にはオプションの追加ができないので注意が必要です。安全性にこだわる方は「アイサイトセイフティプラス」の追加が可能なグレードを選ぶことをおすすめします。
よくある質問
Q1:XVには先進安全技術が全車標準装備されているの?
A:はい、XVにはスバルの運転支援システム「アイサイト」の衝突の回避や衝突被害の軽減をサポートする機能と、ドライバーの負担を軽減する機能が搭載された「アイサイト コアテクノロジー」が全車標準装備されています。
Q2:XVに搭載される先進安全技術にはどのようなものがあるの?
A:歩行者や前方車両を認識してくれる「プリクラッシュブレーキ」や踏み間違いやシフト操作ミスによる急加速や急発進を抑制する「AT誤発進抑制制御&AT誤後進抑制制御」、高速走行時に加減速やステアリング操作をシステムがサポートすることでドライバーの運転負荷を軽減する「ツーリングアシスト」などの多彩な先進安全技術が搭載されています。
Q3:オプションの「アイサイトセイフティプラス」はどのグレードにも追加できる?
A:いいえ、「アイサイトセイフティプラス」はエントリーグレードの「1.6i EyeSight」には追加できません。
なお、「アイサイトセイフティプラス」には、後側方からの接近車両の存在をドライバーに知らせる「スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)」やフロントビューモニター、サイドビューモニターが含まれます。
※記事の内容は2021年5月時点の情報で執筆しています。