車選びのポイントはたくさんありますが、どのような車であっても必ず確認してほしいのが安全性能です。どんなに安全運転を心掛けていても交通事故を100%防ぐことはできません。万が一の事故の危険性を減らしたり、事故の被害を軽減したりする先進安全技術は今の車には搭載されていて当たり前になりつつありますが、その充実度は車種によって異なります。そのため車選びの際は安全性能を必ずチェックするようにしましょう。
ここでは、日産「NV100クリッパーリオ」の安全性能について紹介します。
この記事のPOINT
- NV100クリッパーリオは先進安全技術を全車標準装備
- 「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」は夜間の歩行者の検知も可能
- NV100クリッパーリオは全車が「サポカーSワイド」の認定を受けている
NV100クリッパーリオの安全性能の特徴
2015年2月に登場した現行型のNV100クリッパーリオは、登場時から衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時急発進抑制装置を採用し、軽自動車の中でも比較的早い段階から充実した先進安全技術を採用している車種のひとつといえます。
2019年6月の仕様向上においては、車線からのはみ出しやふらつきを検知して警告する機能などを追加し、経済産業省や国土交通省が普及を啓発している先進安全技術を搭載した車「セーフティ・サポートカー(通称サポカー)」の中でも最上級の分類である「サポカーSワイド」に該当する安全性能を有するモデルへと進化しています。
NV100クリッパーリオに搭載される先進安全技術
ここからは、NV100クリッパーリオにはどのような先進安全技術が搭載されているのかを、詳しく見ていきましょう。
インテリジェント エマージェンシーブレーキ
フロントに設置された2台のカメラで前方を監視し、検知した車両や歩行者と衝突の危険があると警告を発してドライバーに注意喚起します。
その状態でドライバーがブレーキを踏むとブレーキ踏力をアシストし、制動力を強め衝突の回避に努めます。それでもさらに衝突の危険が高まった場合には強い自動ブレーキを作動させ、衝突の回避、もしくは衝突被害の軽減をサポートする機能です。
検知対象は昼夜の車両・歩行者で、約5~100km/hの速度域で走行中に作動します。
踏み間違い衝突防止アシスト
進行方向に壁などを検知している状態でアクセルペダルが必要以上に強く踏み込まれると、最長で5秒間エンジン出力を制御して急発進や急加速を抑制する機能で、ペダル操作ミスなどによる衝突事故の回避をサポートします。
前方・後方に対応しており、前方約4m以内、後方約3m以内の障害物の検知が可能です。
LDW(車線逸脱警報)
約60~100km/hで走行中にシステムが左右の区画線を認識し、進路を予測します。実際の車両の動きが予測値と異なり、車線からはみ出す危険があるとシステムが判断した場合にはブザー音などでドライバーに注意喚起する機能です。
インテリジェントDA(ふらつき警報)
走行中にシステムが自社の正常な走行パターンを計測します。ドライバーのわき見など何らかの原因で車両が蛇行するなど、システムが「車両がふらついている」と判断すると警告を発し、ドライバーに危険を知らせます。
作動条件はLDW(車線逸脱警報)と変わりありません。
先行車発進お知らせ
信号待ちなどで停止している際、先行車が約4m以上離れても自車が停止を続けた場合に警報やメーター表示で先行車の発進をドライバーに知らせ、出遅れ防止をサポートする機能です。
ハイビームアシスト
夜間にヘッドランプを点灯して走行中、対向車や先行車がいたり、明るい場所を走行したりする場合は自動でハイビームとロービームを切り替える機能です。
ハイビームの使用頻度が上がり、早期の歩行者発見に貢献。また、切替え忘れをなくしたり、手動切替えの手間を減らしたりしてよりドライバーが運転に集中できるようにサポートしてくれるメリットもあります。
安全運転をサポートするさまざまな機能
NV100クリッパーリオには、さらに安全をサポートしてくれる機能も搭載されています。
エマージェンシーストップシグナル
急ブレーキを踏むと、通常のブレーキランプの点灯に加えてハザードランプを自動で高速点滅します。これにより後続車に急ブレーキを知らせ、ブレーキの踏み遅れによる追突事故の危険性を減らす効果が期待できます。
ヒルスタートアシスト
急な上り坂での発進をサポートする機能で、ブレーキペダルからアクセルペダルに踏み替える際に最大2秒間自動的にブレーキを作動させ、後退を抑制します。坂道発進が苦手な方にはうれしい機能でしょう。
NV100クリッパーリオは「サポカーSワイド」の認定を受けたモデル
今ではステアリングの制御を伴う運転支援機能など、よりハイレベルな先進安全技術を搭載する軽自動車も増えつつあります。その点を考えるとNV100クリッパーリオは特別に高い安全性能を有したモデルというわけではありません。
しかし、標準グレードを含む全グレードに先進安全技術を搭載しているのは評価できるポイントです。また、特別に目新しい技術が搭載されているわけではないとはいえ、今の時代に誰もが安全に運転できる車のひとつの基準といえる「サポカーSワイド」の認定基準は満たしているため、日常的に使用する車としての安全性能としては問題ないといえるでしょう。
よくある質問
Q1:NV100クリッパーリオの安全性能の特徴は?
A:NV100クリッパーリオは、2015年2月の現行型の登場時から衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時急発進抑制装置などの先進安全技術を採用しています。2019年6月の仕様向上ではさらに車線からのはみだしやふらつきを検知して警告する機能などが追加され、時代に合った安全性能を持つモデルへと進化しました。
Q2:NV100クリッパーリオにはどんな先進安全技術が搭載されているの?
A:夜間の車両や歩行者の検知が可能な「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」やペダル操作ミス時の急発進・急加速を防止する「踏み間違い衝突防止アシスト」、車線からはみ出す危険を警告する「LDW(車線逸脱警報)」、自動でヘッドランプを切り替えて安全運転に貢献する「ハイビームアシスト」などの先進安全技術が搭載されています。
Q3:NV100クリッパーリオに採用されている「ヒルスタートアシスト」って何?
A:上り坂での発進をサポートするもので、ブレーキペダルからアクセルペダルへ踏み替える瞬間に一時的にブレーキを作動させることで車両の後退を抑制する機能です。
Q4:NV100クリッパーリオはどのサポカーに該当するの?
A:NV100クリッパーリオは全車が「サポカー」の中でも最上級の分類である「サポカーSワイド」の認定を受けています。
※記事の内容は2021年4月時点の情報に基づいています。