車の先進安全技術は、各自動車メーカーが競い合って開発を進めています。ヒューマンエラーなどによる事故の可能性を少しでも減らし、もしもの事故の際の被害を軽減してくれる先進安全技術は車種によって搭載されている内容が大きく異なるので、車選びの際に確認しておきたいポイントといえるでしょう。
ここでは、スバル「フォレスター」の安全性能についてご紹介します。
この記事のPOINT
- フォレスターは「新世代アイサイト」を全車に搭載
- 「アイサイト コアテクノロジー」は全車標準装備
- フォレスターは全車が「サポカーSワイド」の認定を受けている
フォレスターの安全性能の特徴
スバルの予防安全パッケージ「アイサイト」は、人の目のように距離を測るステレオカメラによって障害物などを認識するシステムを採用しています。このステレオカメラは車や歩行者、車線などの識別のほか、広い視野角と視認距離、カラー画像によるブレーキランプの認識が可能であり、その性能の高さが特徴です。
このステレオカメラにさまざまなセンサーを組み合わせて車両の周囲の状況を把握し、ソフトウェアによって車を適切に制御し高度な運転支援を実現しています。
なお、フォレスターでは2021年8月のマイナーチェンジでステレオカメラの広角化、改良し性能を高めたソフトウェアによるより幅広いシーンでのサポートを可能にした「新世代アイサイト」を採用し、さらなる高い次元での安全性を確保しています。
フォレスターの全車に搭載される「アイサイト コアテクノロジー」に含まれる機能
フォレスターに搭載される「新世代アイサイト」は、衝突被害軽減ブレーキを中心とした「アイサイト コアテクノロジー」と、視界拡張や運転支援を中心とした「アイサイトセイフティプラス」に分けられ、このうちの「アイサイト コアテクノロジー」は全車に標準装備されています。
ここでは、「アイサイト コアテクノロジー」に含まれるおもな先進安全技術を見ていきましょう。
プリクラッシュブレーキ
システムが車両や歩行者を検知し、危険を判断してブレーキを制御し、衝突回避や被害軽減を図る機能です。2021年8月のマイナーチェンジで交差点での衝突回避・被害軽減をサポートする機能が加わりました。
なお、「Touring」「X-BREAK」を除くグレードでは、プリクラッシュブレーキの作動だけでは衝突不可避である場合に回避スペースへのステアリング操作をアシストする「緊急時プリクラッシュステアリング」も標準装備されます。「Touring」「X-BREAK」ではオプションの「アイサイトセイフティプラス(運転支援)」を追加すると緊急時プリクラッシュステアリングが追加できます。
AT誤発進抑制制御/AT誤後進抑制制御
障害物を認識している状態でアクセルペダルが必要以上に踏み込まれると、エンジン出力やハイブリッドシステムの出力を制限して急発進や急加速を防止します。
前方だけでなく後方にも対応しています。また後退時に必要以上加速することがないようにあらかじめ制限速度が設定できる後退速度リミッターを搭載しているのは特筆すべきポイントでしょう。
後退時ブレーキアシスト
後退時にセンサーで後方の障害物を検知し、衝突の可能性があるとシステムが判断した場合は障害物との距離に応じた警告表示と警報音でドライバーに危険を知らせます。それでも衝突が回避できないとシステムが判断すると自動でブレーキ制御を行い、衝突回避もしくは衝突被害の軽減をサポートします。
車線逸脱抑制
ステレオカメラが車線を認識し、車線を逸脱する可能性があるとシステムが判断した場合には警報音とディスプレイ表示で逸脱の可能性をドライバーに知らせるとともに、ステアリング操作をアシストして車線からはみ出さないようにサポートする機能です。
約60km/h以上で走行中に作動します。
全車速追従機能付きクルーズコントロール
0~約120km/hまでの幅広い車速域で安全な車間距離を確保しながら先行車に追従走行したり、あらかじめセットした車速で定速走行したりするシステムです。
全車速追従機能付きなので渋滞時にも対応し、高速道路や自動車専用道路でのドライバーの運転負荷を軽減し安全運転に貢献します。
ツーリングアシスト
車線逸脱抑制の機能と全車速追従機能付きクルーズコントロールの機能を利用して、単調な高速巡航やストレスのかかる渋滞などの多い高速道路や自動車専用道路においてアクセル・ブレーキ操作とステアリング操作を総合的に制御し、ドライバーの疲労やストレスを大幅に軽減するようサポートする機能です。
0~約120km/hの幅広い速度域でおもな運転操作をアシストします。
警報&お知らせ機能
約60km/h以上で走行時にシステムが車の走行パターンをふらつきであると判断した場合や、約40km/h以上で走行時に車線を逸脱しそうになるとディスプレイ表示と警告音でドライバーに危険を知らせます。
また、ブレーキペダルを踏んで停止したまま先行車が約3m以上進んでも自車が発進しない場合や、青信号を見逃している場合も同様に、警告音とディスプレイ表示でドライバーに注意喚起します。
アイサイトセイフティプラス(運転支援)/ドライバーモニタリングシステム(ジェスチャーコントロール機能付き)
「Touring」「X-BREAK」を除いたグレードでは、上記の安全性能に加えて「アイサイトセイフティプラス(運転支援)」と「ドライバーモニタリングシステム(ジェスチャーコントロール機能付き)」が標準装備されます。
スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)
ドライバーの死角になりやすい後側方をセンサーによってモニタリングし、衝突の危険が伴う範囲に車両が接近するとドアミラーの内側のLEDインジケーターを点灯させ、安全な車線変更や駐車場などからの後退をサポートします。
エマージェンシーレーンキープアシスト
スバルリヤビークルディテクションによって後側方に接近車両を検知しているにもかかわらず車線変更を行おうとした場合、もしくは車線からの逸脱の危険がある場合は、注意喚起するとともにステアリング操作を支援し、車線変更時の衝突防止をサポートします。
約60km/h以上で高速道路などの自動車道路を走行している際に作動します。
アレイ式アダプティブドライビングビーム
ステレオカメラで先行車や対向車を認識し、LEDヘッドランプの前方車両にあたる部分のみを部分的に遮光する機能です。そのほかの部分はハイビームのままなので、眩惑を防ぎながらも夜間の視認性をしっかりと確保します。
フォレスターでは複数のLEDを個別制御するアレイ式を採用しているため、緻密な照射範囲の調節が可能です。
なお、「アイサイトセイフティプラス(運転支援)」は「Touring」と「X-BREAK」にもオプションで追加が可能です。
ドライバーモニタリングシステム(ジェスチャーコントロール機能付き)
室内に設置されたカメラでドライバーをモニタリングし、システムがドライバーに眠気や疲労があると判断すると音と表示で警告します。また、あらかじめ設定しておいたシートポジションやドアミラーの設定、前回イグニッションOFFしたときのエアコン設定やマルチファンクションディスプレイ表示を再現するおもてなし機能も搭載。さらにエアコン設定温度をジェスチャーで調節できる機能もあります。
さらにフォレスターでは、前方の死角を減らす「フロントビューモニター」や状況にかかわらずクリアな後方視界を確保する「スマートリアビューミラー」が備わる「アイサイトセイフティプラス(視界拡張)」も採用しています。
なお、「アイサイトセイフティプラス(視界拡張)」は特別仕様車の「X-EDITION」「XT-EDITION」にのみ標準装備であり、そのほかのグレードはオプションで追加が可能です。
高い安全性能を持つフォレスター
このほかにもフォレスターには助手席側ドアミラーに装着されたカメラの映像をディスプレイに表示し、死角になりやすい位置の安全確認をサポートするサイドビューモニター、ニーエアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグや歩行者保護エアバッグを全車標準装備しています。
予防安全はもちろんのこと、衝突安全にも配慮されたフォレスターは高い安全性を持ったモデルであるといえるでしょう。
よくある質問
Q1:フォレスターは先進安全技術が標準装備されているの?
A:はい、フォレスターは全車に「アイサイト コアテクノロジー」が標準装備されています。なお、フォレスターでは2021年8月のマイナーチェンジ時にステレオカメラの広角化、改良して性能を高めたソフトウェアを使用した「新世代アイサイト」を採用し、安全性を向上させています。
Q2:フォレスターにはどのような先進安全技術があるの?
A:交差点での衝突事故の回避や衝突被害を軽減する機能も搭載された「プリクラッシュブレーキ」、高速道路でシステムがペダル操作に加えてステアリング操作もサポートしてドライバーの負担を軽減する「ツーリングアシスト」、ペダル踏み間違い時の急発進を抑制する「AT誤発進抑制制御/AT誤後進抑制制御」など、多彩な先進安全技術が搭載されています。
Q3:フォレスターはどの「サポカー」に該当するの?
A:フォレスターは、全車が「サポカーSワイド」の認定を受けています。
※この記事は2023年10月時点の情報で制作しています