カーライフは安全性が確保されていてこそ成り立つものです。交通事故の危険を事前に察知することで衝突を回避したり、被害を軽減したりしてくれる先進安全装備は現在の車には欠かせないものといえるでしょう。とはいえ、先進安全装備は車種によって充実度が大きく変わるのも事実です。
ここでは、日産のフラッグシップセダン「シーマ」の安全性能について、詳しく紹介します。
この記事のPOINT
- シーマは全車に先進安全技術を標準装備
- 非常に多くの先進安全技術が採用されている
- シーマは「サポカーSワイド」の認定を受けている
シーマの安全性能の特徴
2012年5月に販売が開始された現行型のシーマは、その当時はまだ今ほど一般に浸透していなかった先進安全技術をいち早く採用していました。デビュー時にはすでに運転支援機能の「インテリジェント クルーズコントロール」やブレーキアシストを行う「インテリジェント ブレーキアシスト」など複数の先進安全技術を採用しており、最先端の安全性能を有したモデルであったことがうかがえます。
2017年6月のマイナーチェンジでは、全グレードに先進安全技術を標準装備としました。また、2019年12月の一部改良では従来搭載されていた先進安全技術をレベルアップさせるとともに新しい機能を追加し、モデルライフが長くなっても時代に合わせたフラッグシップセダンにふさわしい安全性能を有しているのが特徴といえるでしょう。
シーマに搭載される先進安全技術
ここからは、シーマにはどのような先進安全技術が搭載されているのかを見ていきましょう。
インテリジェント エマージェンシーブレーキ
システムが車両や歩行者を検知し、衝突する危険があると判断すると警報を発するとともにアクセルペダルを戻す力を発生させ、さらに弱いブレーキを作動させてドライバーに回避操作を促します。
ドライバーが何らかの理由で減速できなかった場合には自動でブレーキを作動させ、衝突の回避や被害軽減をサポートする機能です。
検知対象は車両と歩行者で、前方車両に対しては約5km/h以上で走行中に作動します。なお、停止している車両に関しては約80km/h以上で走行している場合には作動しません。対歩行者の場合は約10~60km/hの範囲内で作動します。
インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)
約5km/h以上で走行中にドライバーから見えない2台前の車両の挙動をシステムが監視し、減速が必要と判断した場合には警告を発してドライバーに減速を忠告します。ブレーキの踏み遅れによる玉突き事故の可能性を低減することが期待できる機能です。
インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)/LDW(車線逸脱警報)
システムが車線を検知し、車両が車線からはみ出す危険があると警告を発してドライバーに注意喚起します。
警告とともにブレーキ制御を行い、車両を車線内に戻すような力を発生させることによって車線内走行を維持できるようドライバーの操作をサポートする機能です。
インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)/BSW(後側方車両検知警報)
車両後部のセンサーでドライバーの死角になりやすい隣車線後方を走る車両の存在を検知し、車両がいる側のサイドミラーインジケーターで接近車両の存在をドライバーに知らせます。
その状態でドライバーが、接近車両がいる側のウィンカーを作動させ車線変更を開始した場合には、ブザ―とサイドミラーインジケーターで警告するとともに車両を車線内に戻す力を短時間発生させ、接触を回避するようにサポートします。
インテリジェント BUI(後退時衝突防止支援システム)
「インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)/BSW(後側方車両検知警報)」で使用するソナー技術を応用し、自車の後方を横切る車両を検知してドライバーに音や表示で注意喚起します。
その状態で後退を開始すると、アクセルペダルを戻す力を発生させるなど車両の動きを加えることでドライバーが直感的に危険を察知し、回避操作を取れるように支援する機能です。
インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付き)
ディスプレイにさまざまなアングルからの車両の映像を映し出し、駐車時などの周囲の安全確認をサポートする機能です。車両を上から見下ろしているような視点での映像の表示も可能です。
踏み間違い衝突防止アシスト
駐車時など、進行方向に壁などの障害物を検知した状態でアクセルペダルを必要以上に強く踏み込むと、エンジン出力を自動制御して急発進を抑制します。衝突の危険があるとシステムが判断した場合はさらにブレーキ制御も行い、衝突の回避や被害軽減を図ります。
ハイビームアシスト
基本的にハイビームで走行し、対向車や先行車、街灯などを検知すると自動でロービームに切り替える機能です。手動切替えの手間をなくすほか、切替え忘れの防止や、ハイビームの使用頻度を上げることによって歩行者や障害物の早期発見に貢献するメリットもあります。
快適・安全にドライブを楽しむためにさまざまな機能を搭載
シーマには、このほかにも高速道路の運転をサポートしてくれる機能や、安全にカーライフを送るためのさまざまな機能が搭載されています。
インテリジェント クルーズコントロール
先行車をシステムが検知し、車速に応じた車間距離を保ちながら追従走行します。先行車が減速した場合は自車も減速し、停止まで追従します。先行車がいない状態でルートガイドを使用している場合には、ナビゲーションからの情報を基にカーブで減速制御を行うため、ドライバーの負担を大幅に軽減し高速道路でのロングドライブも快適に楽しめるでしょう。
停止~約120km/hの幅広い速度域で作動します。
高速道路での逆走通知
シーマには高速道路を走行している際、車速やGPSによる車両の位置情報、ナビゲーション地図情報を基に、高速道路を逆走している可能性があるとシステムが判断した場合には音声とディスプレイで注意喚起する機能が搭載されています。
このほかにも「タイヤ空気圧警報システム」や、スクールゾーンにおいて車両の走行状況を基に安全運転を促す「小学校付近での安全運転ガイド」、道路上のインフラ設備とシーマが通信することで交差点での出合い頭の事故や信号見落とし、信号無視などの危険があるとシステムが判断した場合は注意喚起を行う「安全運転支援システム(DSSS)」など、さまざまな機能が搭載されています。
シーマは多くの先進安全装備を搭載し、高い安全性能を誇るモデル
シーマは経済産業省や国土交通省が普及を推進する先進安全技術を搭載した車「セーフティ・サポートカー(通称サポカー)」の中でも最も充実した装備内容である上位の分類「サポカーSワイド」に認定されています。
「サポカーSワイド」の認定には歩行者の検知が可能な衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い時急発進抑制装置、先進ライト、車線逸脱警報の4つの機能の搭載が必要ですが、シーマはそれを遥かに超える多数の先進安全技術を搭載しているため、優れた安全性能を誇るモデルであるといえるでしょう。
よくある質問
Q1:シーマには先進安全技術は全車標準装備されているの?
A:はい、シーマには全グレードに多数の先進安全技術が採用されています。先進安全技術がまだ一般的でなかった2012年5月の現行型の発売当時には全車装備ではありませんがすでに先進安全技術を採用しており、早い段階から高い安全意識を持って開発されていたことがわかります。
Q2:シーマに搭載される先進安全技術にはどんなものがあるの?
A:車両と歩行者の検知が可能な「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」や2台前の車両の挙動を監視する「インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)」、ペダル操作ミス時の飛び出し防止を支援する「踏み間違い防止アシスト」、車両の周囲の映像をモニターに映し出して安全確認をサポートする「インテリジェント アラウンドビューモニター」などの多数の先進安全技術が搭載されています。
Q3:シーマはどの「サポカー」に該当するの?
A:シーマは全車が「サポカー」の中でも最も先進安全技術の搭載が多い上位の分類である「サポカーSワイド」の認定を受けています。
※記事の内容は2021年3月時点の情報で執筆しています。